AP通信はウクライナのフラミンゴミサイルについて21日「現在の生産ペースは『1日あたり1発』で、これを10月までに『1日あたり7発』へ引き上げることを目標にしている」と報じており、そうなるとウクライナはフラミンゴミサイルを月210発も供給できる計算だ。
参考:A Ukrainian startup develops long-range drones and missiles to take the battle to Russia
参考:Ukraine to mass produce long-range Flamingo missile in winter, Zelensky says
フラミンゴという愛称はミスでピンク色に塗装されたことに由来しているらしい
ウクライナ人ジャーナリストのエフレム・ルカツキー氏が17日「国内の極秘工場で量産中のフラミンゴミサイルを写した画像」を公開、ウクライナメディアのДзеркало тижня(ZN.UA)も18日「フラミンゴミサイルの実弾試射と発射訓練の映像を独占的に入手した」と報じた。
“ウクライナのFIRE POINT製巡航ミサイル=フラミンゴミサイルが世界に公開された。ロシア連邦領内の標的に対する実弾試射、実戦状態でのミサイル発射が成功する様子で、同社はカルパティア山脈の森林保護区内に工場を構え、数ヶ月前にフラミンゴミサイルのテストを成功させて量産に取り掛かった。フラミンゴミサイルは国産巡航ミサイルにとって重要な3要素、つまり射程距離、弾頭重量、迅速な展開と発射能力に重点を置いて開発され、この3要素はフラミンゴミサイルによって完全に実現された”
“フラミンゴミサイルの射程距離3,000km、弾頭重量1,150kgで、これまでウクライナ製長距離ドローンで到達できなかった目標を破壊できるようになる。このミサイルのナビゲーションシステムもロシアの電子戦システムから保護されており、テストでロシア連邦領内の目標を攻撃するのに成功した”
シュミハリ国防相も「このミサイルは非常に強力で射程も長く実物が存在する。今話せるのはここまでで、残りは重要な局面が来れば明らかになるだろう」と述べ、事実上「フラミンゴミサイルの存在」を認めた格好だが、エフレム・ルカツキー氏に撮影を依頼したAP通信の記事が21日に公開され、FIRE POINTのドローン製造やフラミンゴミサイルに関する興味深い情報を明かした。
FIRE POINTの極秘工場では最大1,600km飛行できる自爆型無人機=FP-1が製造されており、同社の製造責任者=テレク氏が2023年に入社した際の生産目標は月30機だったが、現在は1日で約100機のFP-1が製造されており、1機あたりのコストは約5.5万ドル=約810万円だ。60kgの弾頭を搭載するFP-1はロシア領内の石油精製施設や弾薬庫の攻撃で大きな役割(攻撃全体の約60%を占める)を果たし、テレク氏は「東部戦線でロシア軍の前進を遅らせるに役立っている」「FP-1による後方地域への攻撃で前線での砲撃が減少した」と述べた。
AP通信の記者が極秘工場を訪問した日も、工場内には数十機の無人機が納品を待っている状況で、完成した無人機は72時間以内に目立たないトラックで戦場まで輸送される。FIRE POINTは無人機製造で上げた利益の大部分をイノベーションに、ますます強力な新兵器の開発に投資され、同社初の巡航ミサイル=FP-5のテストに成功した。これは1,150kgの弾頭を3,000km離れた目標の14m以内に着弾させる世界最大級のミサイルで、フラミンゴという愛称もミスでピンク色に塗装されたことに由来しているらしい。
FIRE POINTはフラミンゴミサイルを現在「1日あたり1発」のペースで生産しているが、10月までに生産ペースを「1日あたり7発」に引き上げることを目標にしているため、そうなるとウクライナはフラミンゴミサイルを月210発も供給できる計算だ。

出典:Ukrainian Air Force
恐らくフラミンゴミサイルはFIRE POINT製のオリジナルではなく、英国のMILANIONが2025年2月にIDEX2025で発表した「FP-5のライセンス生産」もしくは「FP-5のカスタムバージョン」で、運用方法は車輌に搭載した地上発射方式、しかもコンテナ方式ではなくむき出し搭載で、発射準備を迅速に完了させるための支援機器も最低限しかないため、FP-5の発射準備には20分~40分ほどかかるため高度な巡航ミサイルと比べた場合の即応性は酷いものだが、これは設計のシンプルさ、構造の簡略化、取得コストの引き下げ、量産の容易さを追求した結果であり、性能を追求した西側製やロシア製には真似できない生産効率と言える。
因みにフラミンゴミサイルの弾頭重量=破壊力もトマホークの2倍以上なので、FP-1の破壊力とは次元が異なり、今後も戦争が継続するならロシア産業界は大きなリスクに直面するはずだだが、基本的にFP-5ベースのフラミンゴミサイルは自爆型無人機を高速にしただけなので地形に沿って低空を這うように飛行したり、迎撃を回避する機動を行ったり、低観測性を備えているわけでもないので、ロシア軍のように迎撃されにくくする工夫が必要だろう。

出典:Президент України
追記:ゼレンスキー大統領はフラミンゴミサイルについて「ウクライナ軍が保有するミサイルの中で最も成功したもの」「12月までに生産量をさらに増やす予定」「来年の2月までに量産を開始する予定だ」と述べ、ゼレンスキー大統領が言及した「量産」とは「本格量産」「フルレート生産」のことを指している可能性が高い。
追記:ロシア国営通信は21日「プーチン大統領が軍人及び志願兵の全てに滑腔銃でドローンを撃墜するための講習を行うよう指示した」と報じ、ロシア国内でも増加するウクライナ軍の無人機攻撃を軽視出来なくなったのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Efrem Lukatsky





















この前のウクライナ戦況のアイキャッチ画像でワンちゃんが写っていたから今度はお猫様かなと思っていたらフラミンゴとは···
読めなかった。このリハクの目をry
そういえばTwitter上でフラミンゴミサイルの機体表面に479、480という数字が書かれていたらしくもうそんなに製造されているの!? みたいな話もありましたね。無論情報戦の可能性も大いにある点留意が必要ですが。
現時点でも安いし理想通りに行けば量産効果でさらに安くなりそうですね
とにかく量が大事ってことがこの戦争の一番の教訓でしょうか
被撃墜率と命中率はカタログスペックより大きく劣るでしょうが数を揃えられたら脅威ですね。数を揃えられるかが問題なんですが
>> FIRE POINTはフラミンゴミサイルを現在「1日あたり1発」のペースで生産している
口だけの月産210発ではなく現実の月産30発ベースで物を見た方が良いと思います。
性能的に被撃墜率が悲惨なのをハイローミックスで誤魔化しつつ大量投射したいタイプのミサイルなので月産210発でも足りないかもしれませんが(命中率もおそらくカタログよりは大きく劣るでしょうし)その辺はローに相当する別のドローンの製造能力を期待しましょう。
10月までに(つまりあと一月あまり)1日7発なので少なくともそのペースでの生産はもう現実的なラインという事では
となると来年目標のフルレート生産となると1日でどれだけ作る予定なのか……
V2ロケットかよ、末期やな。
と最初に思ってしまった。
現行の技術で命中精度はある程度、担保されてるんやろうけど。
ロシアのジャミングも日々進化するからね。
本当にこのペースで生産できて劇的な効果を上げられるなら、いまの停戦(和平)交渉をゼレンスキー氏は強気で蹴るのでは?
もちろん長距離ミサイルが量産できること = 勝利ではありませんけど
それとも交渉自体が時間稼ぎ?
ロシアが滑腔銃でドローンを撃墜する講習をするというが、滑腔銃とは何だろうか
多分、散弾銃の事かもしれないが、ワンチャン125mm砲の可能性が?
形状はV1飛行爆弾そのものですね
毎日国内の施設がかなりの被害にあっているロシアからするとフラミンゴミサイルの量産は脅威でしょうね。今日だけでヴォロネジの鉄道インフラとロストフのノヴォシャフチンスキーの製油所、ドネツクのクイブシェフスキー地区、クリミアのジャンコイで爆発が起きているのでこれからさらに被害が増えてくると予想します。
下手な鉄砲数打ちゃ当たるなので数を揃えれるこの兵器は充分ロシアにとって脅威でしょうね。
100発中1発の命中精度でも火力の高さでカバーすへば問題ないでしょう。
制度の低さで民間施設に誤爆してもロシアと同じ言い訳すれば西側世論は許してくれるでしょうし。
月210発、これが実現できるなら凄いですね。
弾頭重量1150kgかなりの量ですし量産性も高いですから、クラスターテルミット焼夷弾などを投射すれば、石油ガス田・石油タンク・精製施設などは厳しいかもしれませんね。
多分、同時に2つのスペックは両立できない。とかだとおもうで。
最大ペイロードでは1000キロ飛ばない。1000キロ飛ばすには炸薬三分の一とか。
仰る点、ありえますね。
ニュースサイトで話題になってる感じだと、エンジンは練習機用のAI-25を使用してて、弾頭部はMk 84 をそのまま利用して量産性を上げてる感じですね。
情報ありがとうございます、勉強になります。
主翼とエンジンによる揚力で飛行する巡航ミサイルは、燃えたら空っぽのロケットモーターで力任せに吹っ飛ばす弾道ミサイルと違って、射程とペイロードがほぼ反比例、みたいなことにはならんので…(もちろん影響はあるけど弾道ミサイルに比べると遥かに緩やか)。
ロシアのミサイル攻撃がウクライナの軍需生産に十分な打撃を与えられないなあ。スパイの送り込みが甘いんじゃないのか?
そもそも大分前の記事でウクライナの軍需生産の大半が国外疎開済みって記事がここに出てましたので……
シャヘドのインフラ攻撃は脅威ですが破壊された発電・送電システムは分散化堅牢化して復旧させているって話もあるので電力問題についてはシャヘド攻撃の効果は薄れている可能性はあります
外国で部品作りウクライナに持ち込んで組み立てるだけなら、ある程度の広ささえ有れば何処でも作れるからね
アメリカによる対日本の機雷散布やガザみたいに壁で覆わない限り打撃与えるのは困難だよ
停戦が成立しても、このミサイルの備蓄が1000発ぐらいになったら一斉攻撃でモスクワを火の海にするでしょう。
ウクライナは無限に戦争を続けるという選択肢があります。
この根比べに持ち込めば、いかなロシアとて限界が来るでしょう。
停戦後、トランプ大統領がまだ大統領の時にそれをやるとアメリカがロシア側に付く可能性も。
どうかなぁ
ロシアが核を使ってくれたらイスラエルがイランにぶちかましやすくなるからね
歴代の米大統領を見てればそんなくだらない理由でブレる可能性は十分にある
1億人が特攻すれば勝てるみたいな発想だな
無限に戦争を続けるのは物理的に不可能です。アメリカが支援を打ち切れば、それでおしまいです。
アメリカの支援なしでウクライナがミサイルを増産するのは不可能でしょう。資金面が回らなくなる。アメリカの本音は「中国や中東の対処で忙しい。ウクライナに構ってられん。」です。モスクワに攻撃をかけるとなれば、支援打ち切り、ロシアや中国と一緒に空爆するくらいはやると思います。ユーゴスラビアの時のようにね。
GPS妨害への耐性があるようですが、どのような仕組みか気になります。
最近ソニーが5万円くらいで名刺大の高精度IMUを出していましたが、内部で安価なIMUを複数つないで平均をとって精度を高めるというものでした。
昔、海洋開発研究機構で深海ロボットを造っている方が、IMUだけで慣性航法しようとすると1000万円する大型なものを使う必要があると言っていました。このソニーのIMUは同程度の精度を出せて、許容できる加速度のレンジも広いようです。
こういうのをミサイルに搭載すれば、自国内ではGPSで飛行して、敵地ではIMUで精度良く慣性航法するというのが10万円くらいでできてしまいそうな気がします
おそらく誰かが場所を教えて 破壊されるじゃないかな?
最近ロシアのドローン攻撃やミサイル攻撃か活発してるみたいだし
>地形に沿って低空を這うように飛行したり、迎撃を回避する機動を行ったり、低観測性を備えているわけでもないので
そういった機能があるのとないのとで、どの程度被迎撃率が違うんですかね? そういったデータはあるんでしょうか?
そういった機能を付けて被迎撃率が半分になったとしても価格が倍以上になる場合は、このフラミンゴミサイルのように機能を絞ったほうが費用対効果が良いですよね。
ウクライナで使われているロシアの Kalibr や Kh‑101 も地形追随飛行能力がありますし、Kh‑101 は低RCS化も図られていますが9割くらい迎撃されてますし、それだったらそういった能力を省いて数を増やしたほうが良いような気がします。
それとも、そういった能力があるから9割の迎撃率で済んでいるのでしょうか?
亜音速ですが歩兵のMANPADSでは迎撃はほぼ可能のようで、ロシアのウクライナから見て後方にある社会インフラや工場などを複数発で同時攻撃を仕掛けると迎撃が難しいそうですね
国土の狭いウクライナと比較すると広大なロシア全土ではS400等の長距離防空ミサイルシステム等でも対応できないでしょうし、ロシア軍のカリブル巡航ミサイルは400kg程度の通常弾頭を搭載しているとみられていますがその倍以上の量ですから、誘導システムの妨害が出来なければ効果があるのかもしれません
亜音速ですが歩兵のMANPADSでは迎撃はほぼ可能のようで
× ほぼ可能
〇 ほぼ不可能
機密故なのか一切の言及がされていない終末誘導装置がどのようなものなのかも気になる所ですね
流石に未搭載で終末誘導もGPS任せでは妨害に脆弱過ぎるので何かしらは搭載されていると思うのですが
わざわざ手の内を明かすよりも秘密裏に製造して溜め込んでてから実戦に投入したほうがいいような
“ロシア連邦領内の標的に対する実弾試射”
そうか、戦争中だとこういう事できるんだ。。。
月210発生産に至る前に停戦してほしい所,