ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏は14日「最高司令部が新旅団編成を中止して新兵を経験豊富な既存旅団や大隊に供給し始めた」と報告したが、今度は空軍関係者が「陸軍が人員を奪っていく上、1年以上も新兵を受け取っておらず、部隊の充足率は50%まで落ち込んだ」と悲鳴を上げた。
参考:Про зупинку формування нових бригад
参考:З Повітряних сил за наказом Сирського масово переводять людей у Сухопутні війська – УП
参考:Вимушений крок: Генштаб прокоментував переведення військових ПС у Сухопутні війська
参考:Зеленський про вимоги знизити мобілізаційний вік: У нас більше сотні бригад потребують техніки
参考:Зеленський доручив командувачу ПС не переводити людей у Сухопутні війська
新旅団編成中止は本当に前向きな変化で世論の圧力によって実現した
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏が告発した第155機械化旅団事件は国内外に大きな波紋を引き起こし、ドラパティ陸軍司令官は5日「ブトゥソフ氏の告発内容が概ね事実である」と認め、8日「第155機械化旅団の問題は陸軍司令部、参謀本部、最高司令部に責任がある」「この問題を取り上げてくれたジャーナリストに感謝する」「第155旅団の問題を改善するため陸軍司令部が下した決定をゼレンスキー大統領に報告し、現在の状況、下した決定の理由、取り組み対する責任者といった内容を説明した」と報告し、第155旅団は前線で戦いながら問題の修正に取り組んでいると明かしていた。

出典:155 окрема механізована бригада
ブトゥソフ氏は第155旅団問題について「ゼレンスキー大統領が考案した政治主導の新旅団編成=0から創設された140番台~150番台の旅団に新兵が優先投入され、経験豊富な既存旅団や大隊に補充兵が回ってこず、これが前線を支えられなくなった要因の1つだ」と指摘していたが、14日「最高司令部が新旅団編成を中止し、新兵を経験豊富な既存旅団や大隊に供給し始めた。重要な前線に配備された部隊は新兵供給に関する命令を受け取っており、この命令には受け取る新兵の数が明記されている。これは本当に前向きな変化で世論の圧力によって実現した」と報告。
但し「最高司令部の決定に反して第156機械化旅団の編成は継続されている。この旅団は第155旅団を編成した西部作戦司令部によって編成作業が行われており、残念ながら人員配置や訓練の方法は第155旅団と同じように不十分で、シュヴェデュク准将も西部作戦司令部の司令官職に留まり続けている」「さらに2024年に編成された新旅団での脱走数(前線からの逃亡ではなく部隊からの無断離脱)に関するデータを軍人から受け取っており、これは第140歩兵旅団や第150歩兵旅団に関するものだ。どれだけの人々が管理が不十分な部隊から逃げ出しているかを周知するため、近いうちにデータを公表するつもりだ」とも述べている。
今度は空軍から人員不足のSOS
Ukrainska Pravdaは14日「シルスキー総司令官は地上部隊の人員を補充するため空軍の人員を陸軍に転属させ続けている。空軍の各部隊は11日に新たな命令を受けとり、その結果として5,000人以上の人々が空軍から陸軍に転属させられる」と報じ、取材に応じた第114戦術航空旅団の技術者(陸軍の歩兵旅団に転属させられた後、2024年1月19日に負傷して第114旅団に復帰)は以下のように述べている。

出典:114 бригада тактичної авіації
“ロシアとの紛争が始まった2014年以降、自発的に希望すれば陸軍への転属が認められていたが、2022年以降に強制的な転属が始まり、第114旅団でも昨年250人を転属させるよう命じられ、今年は200人以上を転属させるよう要求してきた。もう空軍から人員を抽出するアプローチは限界に達しており、2024年に第114旅団の充足率は50%程度まで落ち込んだが、総司令官が下した11日の命令に従うと充足率は40%まで低下するだろう”
“司令部は空軍からの人員抽出について「重要なスペシャリストは取り上げない」と言っているものの、防空システムの運用には役割りの異なる複数の人間が必要で、運転手や警備兵を取り上げられただけでもチームとしての効果が低下する。例えば機動射撃チームが効果的に機能するためにはMANPADSの操作手、機関銃手、サーチライトの操作手、運転手、通信手の5人が必要なのに、現在は3人編成が最低ラインと考えられている。もし今回の命令で人員を引き抜かれれば3人編成すら維持できなくなり、機動射撃チーム自体の数が減れば標的を逃す確率が高まるだけだ”

Генеральний штаб ЗСУ
“空軍の人員不足問題はどんどん深刻になっているのに、そのことを誰も理解していない。第114旅団から人員が出ていくばかりで1年以上も新兵を受け取っていない。我々は陸軍に人員を奪われるだけだ”
Ukrainska Pravdaは第114戦術航空旅団の他にも「第138無線技術旅団、第14、第96、第160、第、302高射ミサイル旅団、第39戦術航空旅団、第831戦術航空旅団といった各旅団から最大200人以上の人々が陸軍に転属させられる」と報じ、この報道に対してウクライナ軍参謀本部は「前線の状況は依然として困難で多くの部隊で歩兵が不足している」「そのため他部隊を犠牲にしてでも前線部隊を強化する決定は防衛強化に不可欠な強制的措置だ」「同時に重要なスペシャリストや海外で西側製システムの訓練を受けたものは転属させない」「さらに空軍の人員も大幅に増やしている」と反論した。

出典:24 ОМБр імені короля Данила
空軍の人員を増やすなら「陸軍の人員を直接増やせばいいのでは?」を思ってしまうが、それほど簡単な問題ではないのかもしれないし、その辺に疑問を口にしてはいけないのかもしれない。
ゼレンスキー大統領は人員が不足しているのではなく『武器をもった人員』が不足していると主張
まもなく誕生するトランプ政権のウォルツ大統領補佐官は「我々に民主主義のため全力を尽くせと言うなら、ウクライナも民主主義のため全力を尽くせ」「動員年齢の引き下げが必要だ」と、現政権のサリバン大統領補佐官も「ウクライナ軍の人員不足を次期政権にも説明した」と明かし、ウクライナに対する動員年齢引き下げ圧力はどんどん高まっている。

出典:President of Ukraine
これに反応したゼレンスキー大統領は14日「米国やNATOから何度も『兵士の年齢(恐らく兵士の高齢化問題のこと)』や『動員対象者の年齢』に関する指摘を何度も聞いてきたが、我々は戦場に展開する100以上の旅団を抱えており、各旅団は新たな人員と装備を毎日必要としている。さらに多くの旅団では装備が絶えず損傷して修理を必要している。したがって兵士を増やす前に既存旅団で人員が不足していることを理解しなければならず、これには適切な装備も必要だ」と反論した。
ゼレンスキー大統領が言及した「既存旅団で不足している人員」とは「適切な装備をもった人員」のことを指しているため、動員年齢引き下げを議論する前に「100以上の旅団で不足する武器が必要だ=人員が不足しているのではなく『武器をもった人員』が不足している」という意味になるが、これは空軍から人員を抽出していることと矛盾するため、まだまだ戦況悪化の原因=人員不足が原因なのか、武器不足が原因なのかを巡る戦いは続くのだろう。
追記:ゼレンスキー大統領は「空軍司令官に空軍のスペシャリスト(航空機分野、防空システム分野、機動射撃部隊分野)を減らさないよう、空軍から陸軍への転属状況を社会に説明するよう指示した」と発表した。
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※アイキャッチ画像の出典:114 бригада тактичної авіації
人口ボリュームゾーンである”中高年女性“が全く徴兵対象にならないことを不思議に感じています。
適正充分で屈強な人がかなりいると思うのですが。
おばちゃんは二人以上集まると直ぐにお茶飲みながら世間話始めるから……
空軍の整備士や基地の警備員ならばロシア軍と直接対峙することも野営もないので女性でも働きやすいと思われる。人員不足に悩む軍隊において、女性や高齢者など体力の低い人員を有効活用できる体制を構築したいところだ。
空軍が今の状態でも人員不足であれば、F16を100機手に入れたところで運用できない。NATOが戦闘機供与に消極的なのはウクライナ空軍の運用体制に疑念を抱いているのかもしれない。
軍のリクルーターが女性に手をあげる事が出来ないので徴兵対象の男性を守るみたいな話があったから何かしらの法律みたいなのあるんかね。男性の出国だけが禁止されているんだから戦争に関しては女性は別にしている可能性は高いかな。
わざわざ屈強な中高年女性と言っている時点で直接戦闘を意識している感じはするけど、男性と同じく体力や病気の問題抱えている人だって居るだろう。
一般社会で男性の仕事分カバーしている人だって居るだろうし子持ちの人も居る、家族に兵士が居るなら一家に徴兵制限有っても良い筈だし増やせと言ってもどこまで国と国民の事情考慮するかだよね。
“軍のリクルーターが女性に手をあげる事が出来ない”
これが、文化的倫理的な行動理由なのか、法律的な理由なのかは興味深いですね。
”屈強な“と表現したのはもちろん前線での直接戦闘を意識していますが、後方での活動でも体力や精神力は必要でしょう。
中高年となれば、身体能力や病気疾患、社会のしがらみなどは付き物ですが、若年男性に比べて分母が大きいので、総合的に適性のある上位層だけでも相当な人数を揃える事が可能なのでは?という意味になります。
男女平等の時代ですからね。
JETROが、キーウの動画を取り上げていましたが女性の方が映っており、外食・外出を楽しんでいるため男女公平を考えるのは仰る通り大事と思います。
人口の半分は男性・女性ですから、女性活用推進の計画が(仮にでも)でてくれば他人事でなくなりますから、政権支持率・継戦意欲に大きく影響がでるでしょうね。
追記です。
管理人様が、国内避難民を取り上げられていて、居場所がないためロシア占領地に帰っていくこと取り上げられていました。
世の中そんなものと言えばそうなのですが、社会の歪みのようなものを感じますね。
(2024/12/19 【ウクライナ】首都キーウの今 2024 Youtube)
(2025.01.5 政府支援を受けられないウクライナ人避難民、ロシア軍占領下に戻り始める 航空万能論)
こういったマニアックで重要な情報を提供していただけるのが、ここの素晴らしい魅力だと思います。
ロシア占領地に戻る人へ、遠隔操作可能な爆弾を渡すような状況にならないことを願うばかりです。
たしかに中高年女性であれば、世界シェア25%を誇る代理母出産ビジネス産業への影響もありませんね。
仰る内容はダーティですが、“出産”は中高年と書いた意味の重要な部分を占めます。
代理出産ビジネスは、男女平等の理念に反するということで西側報道では批難の対象ですが、一方で、戦時下では男性が犠牲になる比率が大きいわけですから、こういう時こそ普段男女平等に熱い人が熱心に啓蒙活動されないのかな?と思ってしまいます。
空軍から抜いていいってことは空軍はもう機能してないってことなの?
たぶん航空機関係からは人員を抜いていないかと。
ウクライナ空軍は日本の空自に似てて、空軍が独自の高射隊を隷下に置いてるから多分リヴィウ管轄中心に高射隊とレーダー部隊から人員を引っこ抜いている感じなのかもしれない。
>たぶん航空機関係からは人員を抜いていない
逆だろう。航空系は薬味程度しか稼働していないのだから、人員を抜いているのはこちらが中心だろう。
だが、大人の事情で触れてないんだろう。
(1)軍上層は、いわゆる空軍が死に体だとは世間様に言えない
(2)空軍は、飛行機も飛行場他も死に体で遊兵なのに前線に行くは嫌ですと世間様にアピールする格好なのは嫌だ。
以前、対空機銃部隊が成果は非常に乏しいが後方勤務で楽しており、それをPR動画で誤魔化してると非難されてた。
空軍が”携帯対空ミサイル部隊からの引き抜きはダメ”と取り上げているのはその辺の関係臭い。正直、ほぼほぼ役に立たない部隊だし使うなら最前線だしでこちらも引き抜き圧が高いのだろう。
それって空軍(からぐん)やん
2022年時点でロシア側に盗聴されたNATOの会議でストームシャドウの発射母機に使うSu–24が10機もない言われてたからポーランドとかMiG–29を追加してたとはいえ東側の機材に関しては1桁ぐらいしか稼働してなさそうなんですよねえ
あとF–16に関しても初っ端から誤射や駐機上への攻撃に加えて真偽は不明ながらも最近ザポリージャ方面でSu–57に撃墜されたみたいなんで早々に稼働率が下がっててもおかしくなさそう
訂正
盗聴されたのは2024年でした
申し訳ないです
以前にもコメントしましたが、旅団制で前線業務と並行して新兵の受け入れや訓練を行うことは不可能です
イラクの米軍もこの旅団制が内包する司令部の調整機能の飽和という欠点を克服できず、内部から崩壊していきました
それよりはるかに強度の高い正規戦が行われているウクライナで、アメリカのようなブートキャンプもないのに、師団制と同じ感覚で新兵を部隊に補充しても戦闘力の回復になんか繋がりません
その欠点を理解していたからこそウクライナ軍はこれまで攻勢旅団と一般旅団を切り分けて運用し、そして新兵を新旅団編成に使ってきたはずです
軍事のシステムや兵站に関して理解していた人達は亡くなるか左遷させられ、政権へのイエスマンばかりが残ればどんどん組織は歪んでいきますよね。かつて出来ていたことすら出来なくなっていき、まともな戦争継続能力すら危うい。
ゼレンスキー政権が西側諸国から強く要求されている動員年齢の引き下げを出来ないのは何故かと考えてみた。学徒動員は敗戦必死の印象を与えるというのが大方の見方と思うが、それに+して2014年のマイダン革命以降、「バンデラ」を救国の英雄として奉る学校教育や思想教育をロシア語抜きで育成してきた若い「ウクライナ人」の群が失われる。また同じ世代は10年を経て今や生殖年齢の真っただ中にある。これらの世代が生き残っても負け戦の現実によって思想教育の効果が失われる。こういったことも25歳以下の動員をためらっている理由の1つではないか。それ以上の多くはロシア語の方が達者でロシア人なのかウクライナ人なのか境界がはっきりしないので惜しくないと考えているかもしれない。
単純に若者は地域社会とのかかわりがまだ希薄だから強制招集を始めると一気に国外・海外へ逃散してしまうとの恐れもあるかもしれない。
有る議員が2月には年齢制限引き下げが議会で通ると言ってたらしいが
その噂で先月多くの人がウクライナから退去してます
自分はゼレンスキー氏は通そうとしてるが、国民の反発を危惧して
アメリカに悪役を勝手貰ってると思ってます
拉致動画がを観た時に拉致された帰還兵は復讐に走らないのか?
停戦したら国民は何処に憎しみをぶつけるのか?
キエフ政権自体も恐れてると思いますから
ブトゥソフ氏の告発によって現場が少しでも改善されていくなら良い事ですね。
ただブトゥソフ氏がウクライナ上層部にとっては目の上のたんこぶで、ロシアにとっては有能な敵なので暗殺されないか心配です。
仮に今、ブトゥソフ氏が亡くなった場合、ロシアの暗殺よりもウクライナ上層部からの粛清をウクライナ人ですら疑うでしょうね。
Censor.netをずっと追っていると、ブトゥソフ氏の前線リポートによるウクライナ軍の問題点、ウクライナ政権とウクライナ軍における汚職告発と追及が二本立てメインなのは理解できる。
問題はブトゥソフ氏が自らの記事における問題追及によって大衆の支持を煽っている点で、彼は昨年からずっと自らの記事への国民の直接的な声を上げる事こそがウクライナ軍の苦境を打破する解決策だと誘導・暗示し続けている。
事実Censor.netの開放されたコメント欄ではゼレンスキー政権と全ての政府公共機構への批判・冷笑・皮肉で埋め尽くされており
とてもではないが建設的な議論の場を提供していないと見え、特にゼレンスキー大統領とイェルマックの大統領補佐官連中、シルスキーを象徴とした参謀本部以下の地域統括する高級将校幹部、大臣閣僚、これらを筆頭とし、大企業役員、中間官僚、果ては全ての地方自治体行政機構にまで批判・問題提起を行っている。
軍への批判と問題提起は郷土愛的ナショナリズムの発露と見なす事は容易だが、執拗に過ぎて戦時のジャーナリズムとしては自国の弱体化に寄与する危険性が大きくなりすぎていると判断する。
露側工作があると予想した前提としても最早、前線の歩兵不足で自国民の徴兵年齢引き下げに対する爆発的反発一つ取ってみて世論を間違った方向へ誘導していると見なせるのではないだろうか?
影響力があるだけに少しだけ記事の匙加減を変えるだけで自国・自軍への支持を大きく変えられたと思うだけに残念でならない。もうここまで来て今さらウクライナ軍への徴兵・動員にウクライナ国民が賛同する方向へ向かわせるのは不可能なところまで行ってしまったように見える。
現状ウクライナが出来ることで戦線を膠着に持っていくのであれば、戦線の整理はしないと話にならないとは思う。
ドニエプル川まで引くのは色々な面で実行不可だとしても、相当な整理を断行して守備しやすいラインまで全軍下げるを行わないとたたただ消耗し最終的には軍の崩壊を招き戦力無い状態での交渉になるので現状のロシアの要求がさらに高くなると思うが、本来は第二第三と後方に防衛ラインが設定されているはずなので無理せず下がるべきだが、後方の防衛ラインが事実上存在して無いのであれば現状ラインで死守という先の見えない形しか取りようがないのかもしれませんが、、
問題はポクロウシクが現状のラインがアウディーイウカ陥落時に設定した第三防衛ラインよりも更に後方ということなのですよね
そしてポクロウシク周辺がドネツク州南部の最後の丘陵地帯でここから先のドニプロペトロウシク州はドニプロまで人口希薄で遮蔽物のない広大な平地で更に防衛の難度が上がります
現状ラインで出来る限り持久する方がまだ損失は抑えられると判断してるのかもしれません(それでもジリ貧ですけど)
ウクライナ軍の編成よく分からないのですが、海軍辺りから人員持ってくる事は出来ないのですか。
この戦争中にウクライナ海兵隊が抽出されているので、陸に転用できるような人材は払底しているのでしょう。
もちろんロシアのように陸軍に行けば高い報酬があるとかなら、志願する兵もいるかもだけど。
郷土防衛旅団から部隊抽出して海兵隊に転属させたりとよくわからないことしてますよね…
そもそもいウクライナ海軍は2014年に本拠地のセヴァストポリを主要海軍艦艇ごとロシアに抑えられて1回ほぼ壊滅したんだな
ということで元から所帯小さい上に出せる海兵は既に出てるからぶっちゃけ大した抽出の余地がないかと
トランプのこれまでの政治スタイルとその実績を見れば、彼が停戦仲介や戦争の本質的な解決に乗り出す可能性は極めて低いことが明白だ。
まず、トランプはポリティカル・コレクトネスを軽視し、率直かつ挑発的な手法を取ることで知られる。北朝鮮の金正恩との首脳会談やメキシコ国境の壁建設を巡る行動が示すように、彼は短期的で目に見える成果を追求する一方、パリ協定からの離脱を決定し、NATO加盟国に防衛費の負担を要求するなど、長期的な国際的責任を軽視する傾向がある。このアプローチは、ウクライナ戦争のような複雑で持続的な取り組みを必要とする問題には不適切であり、むしろ事態を悪化させる危険性が高い。
トランプが特に露骨な形でウクライナに動員年齢の引き下げを要求することは十分に予測される。バイデン政権が慎重な外交的配慮の下、国際的支持を得ながら軍事支援を行ってきたのとは対照的に、トランプは「我々が支援を続ける条件として、動員対象を拡大せよ」といった圧力を堂々とかける可能性がある。このような直接的な内政干渉は、ウクライナの社会的安定や政治的正統性を損ない、結果としてアメリカ自身の国際的信用を低下させるだけでなく、NATO内での調整を一層困難にするだろう。
トランプがウクライナ問題に対して取引的なアプローチをとることは、その外交政策全般に見られる特徴だ。こうしたスタイルがウクライナに対する動員年齢引き下げの圧力として顕在化すれば、戦争終結を遠ざけることは明らかである。
さらに、動員年齢の引き下げによる人員確保の試みは、短期的な戦力増強には寄与しても、訓練不足や士気低下といった課題を引き起こし、長期的には戦闘力の低下につながる可能性が高い。こうした政策がウクライナの社会的安定を揺るがせば、戦場だけでなくその後の復興プロセスにおいても深刻な影響を及ぼすだろう。
結局のところ、トランプの下でウクライナ戦争が終結に向かう可能性は低く、むしろ圧力や負担が増大し、戦争が長期化するリスクが高まる。NATOとしては、この現実を冷静に受け止め、ウクライナへの支援を揺るぎないものとしなければならない。戦術的に重要な兵器――M2ブラッドレー、HIMARS、NASAMS――の提供や、訓練支援の強化を通じて、ウクライナの防衛能力を持続的に高める努力が求められる。
この人のハンドルって、「こういう指示をプロンプトに入力しましたよ」って宣言なんでしょうか。
これ介護問題と全く同じですねえ。金や装備は入れられても人は補充されないから内部の力関係で異動、取られた側はジリ貧。自国民の面倒は自分達でと言われても嫌なもんは嫌。ある程度独裁的な感じが無いと戦いには勝てないんですかねえ。
叩かれることが多いウクライナの新旅団編成だけど、じゃあ解体して新兵を前線送りにすれば万事解決なのかって話。前線の旅団は戦闘中だから、新兵が送られた所でまともな訓練を行うのは困難よね。
個人的には、編成中止になった新番旅団、本来は留守師団の増強版みたいな役割を想定していたと思ってる。
後方で徴兵・訓練を担いつつ、ローテーションもこなせる攻勢旅団として140〜150番代の旅団が新設されたと考えれば、そこまで矛盾は感じない。空軍からの人材供出も、最低限の訓練を積んだ軍務経験者を陸軍が欲した結果に見える。
それはその通りで、有事に戦力部隊と育成部隊を分けて動かすのは不思議ではないです。本来は前線からベテランの一部を教育隊として後方に回し、150番台旅団の教育としての核にする予定だったはず。
が、前線部隊が消耗し過ぎてベテラン兵士を引き抜くことが出来なくなってしまい。いろんな歯車が噛み合わなくなっていったように見えますね。
全ては敗北が悪いのです・・
実際のところ脱走と戦闘損耗で半壊状態になった第155 旅団も人員がしょっちゅう他部隊の補充のために抜かれて常に未熟な人員で構成されていたそうなので、貴殿のおっしゃる通りだったんでしょう。
じゃあ第155旅団編成の何が問題かと言えば、ひとえに編成着手が遅過ぎるに尽きるのではないかと思います。2024年になって補充旅団編成に着手するのは余りにも遅過ぎる。ゼレンスキーは武器が無いとか言っていますが軽火器とスコップぐらいは自前で製造してあるわけでそれで基礎的な歩兵訓練は出来るので言い訳にもなりませんね。全く困ったものです
>編成着手が遅過ぎる
金と装備と教育と場所を負担する受け入れ/援助国側の都合が大きいのだから、バンコバだけの問題とは言えない。
何とかならなかったのか!と考えてもウクの政府と戦場、相手国の教育と装備と財政と都合の問題があるわけで、機が熟したのがこの時期と見るべきでしょう。
例えば、援助国はずっとウク兵を受け入れて訓練を続けてきたわけでそこに新編3桁旅団のための訓練を割り込ませるのは難しかったということでしょうねえ。
>>人員不足が原因なのか、武器不足が原因なのかを巡る戦いは続くのだろう。
ロシア軍でさえ全ての部隊を充足させる潤沢な武器が無限に供給されるわけではない。
だからこそトラックや乗用車を改造した簡易装甲車まで使って作戦をしてる訳で。
武器がないと文句言う前に自分達でできることを資源に乏しいウクライナこそやらなければならない。
ロシアのポンコツ兵器を笑ってる場合ではない。
F16が実戦投入されれば一発逆転とか持て囃されていた思い出
航空機を良い感じに飛ばすには中々の人出が要るみたいですからねえ・・整備要員とか最初に削られそう
F16ってもう防空任務には投入されてるのでは
どっかのニュース記事で「1度の防空任務で6個のミサイルを撃ち落とした!世界記録だ!」とかあったような
一発逆転には繋がってはいないですけど
現場の声として前にも数度ピックアップされていたが、兵士の年齢も問題なのだろう
動員年齢引き下げは、使える兵士を必要としている部分もあり、結局前線の安定化をいかに達成するかですからね。
発言の矛盾もみると、ゼレ政権は未だに自身の政治生命を最重要と捉えている節がありますね。
動員年齢の引き下げは手を付けちゃいけないカネと同じだと思う
ただ、ある文豪は『手を付けちゃいけないカネに手を出してからが本当のギャンブル』と言いましたが
ウクライナ上層部がギャン中と化しているのなら、もう危ないと思います
ゼレンスキー氏はまだかなり理性がある方ですよ
一番タチが悪いのは手を付けちゃいけないカネを担保を条件に、支援をすると言ってる金主達ですが
前線旅団への直接配属について。実態は変わらないにしろ”肉壁として使い捨てられる”という危機感を躱す建前は無視することにしたのでしょうか。ウクライナ社会が受け入れるように変化したのなら差し障りは無いのかもしれませんが。
また、新兵配属の司令はされたとの事ですが、書類だけのものとならなければ良いですね。ウクライナに限った話ではないのですが、負けてる側の軍には紙の上には存在する部隊や兵器、供給が起きるものですので。
旅団新編を諦めて既存旅団に新兵を配属するのがよりマシかは甚だ疑わしい。良くて損害吸収くらいにしか使えないだろう。
ローテが出来ないほど部隊が足りないのに、旅団数を増やして前線を埋めるのをやめるという選択もまずい。
記者氏の”俗耳に入りやすい批判”に煽られ世間様におもねての変更に見えてしまう。
とはいえ、実態としては新編旅団編成に必要な士官下士官古兵などをもう既存部隊から引き抜く余地を喪い、旅団を新編する能力自体が事実上喪われたことの表れと見るべきなんだろう。で、それを補うためにも活躍する場所も能力も装備も喪った海軍や空軍から遊兵化した連中を陸軍に送っていると。それに”ヤーヤーなの!”している辺りにも得も言われぬ末期(まつご)感が漂ってる。
こういう中で、動員年齢引き下げを強要されてる。頭数が増えてもさして増えなくてもマシにはなるまい。反動で悪くなるまでありそう
コメント諸兄の見識に舌を巻くとともに、結局のとこ詰みなんじゃねーのとしか思えないですね。
とはいえ、中途半端なところで白旗振るわけにもいかんし、国体のために自国民の命を浪費し続けるしかない…ッテコト?
>国体のために自国民の命を浪費し続けるしかない…ッテコト?
22年3月のイスタンブール合意なら國體護持(非ナチ化棚上げ&戦犯裁判もなし)もでき、国民の命の浪費もなかったし、領土問題もミンスク合意レベルだったんだけどね。
もう國體護持は許さないだろうし”今更止められないと決まった”で奈落の底(無条件降伏かほぼほぼ占領の完敗)に落ちるまで続けるんだろう。
最後はロシア、ベラルーシから一番遠い西南の端のオデッサで籠城戦やり敗残兵他がルーマニアに逃げて終わるんじゃないかな
防空任務・国境警備隊などの後方部隊は、前線への徴兵回避手段になっていたというご指摘を、コメント欄か何かで拝見した記憶があります。
ウクライナ(ロシアもですが)の基本課題は、前線歩兵をどのように確保していくのかでしょうが、ウクライナ上層部がどこを国家的な限界と捉えているのでしょうね。
ウクライナ=ロシア双方とも、将来の自国民・他国民からどのように評価されるのか、個人的には気になっています。
時代が違い過ぎるとは言え、絶望的守勢に置いて帝国陸軍の規律って高かったんだなあと
洗脳もあるが内地の家族を人質に取られていて逆らえなかった模様。脱走したりしたら、配給を切られたり苛め抜かれて家族が最善でも火垂るの墓状態になってしまう。
クルスク戦線の北朝鮮兵がリアルガチにこの状態。
捕虜になった兵士の家族が本当に心配でならない。
空軍から陸軍への転属というとあの弱兵で有名な空軍野戦師団を連想するなあ
散々諸氏のコメントで述べられているとおり、既設旅団に補充を行うのでは無く新編旅団を編成するのが現状理に適っているのだから、ブトゥソフ氏に言われてやり方変えますと言うのは如何なものか。そんなにも影響力が強いのだろうか。というか、そんな簡単に変えられる物なんですかね実際。
空軍力の低下は低空の戦いを強いる手段を失うため、一番厄介な問題ですね。
パイロットだけでは飛行機は飛ばせないですし、地上スタッフも技能職ですから、ここにまで手を出さないといけない状況が継続した場合、加速度的な状況悪化が懸念されます (もうすでになってますが)