ウクライナ戦況

ウクライナが正式なグリペンE購入協定に署名、2029年に引き渡し開始

ウクライナとスウェーデンは5月28日「グリペン調達に向けた防衛協定の締結」を発表、6月30日にグリペンE購入に関する正式な協定も締結、サーブも「ウクライナ向けグリペンE×16機に関する契約を約22億ユーロで受注した」と発表し、無償提供のグリペンC/Dも2027年初頭に引き渡される予定だ。

参考:Україна та Швеція уклали угоду про закупівлю 16 винищувачів Gripen
参考:FMV säljer Gripen E till Ukraina
参考:Saab signs contract for Gripen E for Ukraine

グリペンEがロシアとの戦いに間に合うかどうかは不明だが、グリペンC/Dが実戦を経験するのはほぼ確実

ウクライナとスウェーデンは2025年10月「グリペンEを100機~150機調達するための意向書」に署名したが、これは「グリペンEの購入を正式に要請する」という意味合いで、クリステション首相もヨンソン国防相も「両国は購入に向けた最初のステップとしてグリペンE購入資金の調達方法を検討している」「(仮に商業契約が締結されても)150機全てを1度に納入するのは不可能だ」「スウェーデンでのグリペンE生産は始まったばかりで発注から納品まで3年はかかる」「(今回の意向書署名は)グリペンE購入に向けて準備と意欲を示しただけで実際のプロセスはこれから始まる」と強調。

出典:President of Ukraine

ゼレンスキー大統領とクリステション首相は5月28日「グリペン調達に向けた防衛協定の締結」を発表、最初のステップとしてグリペンE/Fを最大20機調達する予定で、ゼレンスキー大統領も「グリペンE/F調達にウクライナ支援融資から25億ユーロを割り当てる」と言及し、スウェーデン政府もプレスリリースの中で「ウクライナが予定通りグリペンE/F調達を行えば、スウェーデンは二国間援助としてグリペンC/Dを16機供与する」と発表していたが、ウクライナのゼレンスキー大統領は6月30日「グリペンEを16機購入する協定に署名した」「グリペンC/Dも2027年初頭に引き渡される」と発表した。

スウェーデン防衛資材管理局(FMV)も「ウクライナとグリペンE売却に関する契約を締結し、機体の引き渡しは2029年中に開始される予定だ」「FMVは政府からウクライナとの本契約締結に関する権限を付与された」「この政府間協定には後方支援サービスおよび包括的な訓練パッケージも含まれている」「この契約が成立したことによりFMVは政府の支援パッケージに含まれているグリペンC/D供与に向けた準備を継続することが可能になった」「2027年初頭にグリペンC/Dを引き渡せるよう今秋の契約締結を目標としている」「FMVはウクライナへの売却を実現するためサーブにグリペンEを16機発注する契約を締結しました」と発表。

サーブも「ウクライナ向けグリペンE×16機に関する契約をFMVと締結した」「契約金額は約246億スウェーデンクローナ=約22億ユーロで2026年第3四半期に計上される予定だ」「FMVへの納入は2029年から2030年にかけて行われる」と発表し、グリペンE/Fの第一弾調達は20機から16機に削減されたものの、取得コストも25億ユーロから約22億ユーロに圧縮されているので妥当な取引(関連費用込みの1機あたりの取得コストは1.3億ユーロ=約240億円)と言えるだろう。

グリペンEがロシアとの戦いに間に合うかどうかは不明だが、グリペンC/Dが実戦を経験するのはほぼ確実で、ウクライナ空軍はF-16やミラージュ2000を固定基地ではなく分散運用しているため、この分散運用に特化しているグリペンC/Dとの相性はすこぶる良いはずだ。

関連記事:ウクライナがEU資金で新型グリペンを20機調達、スウェーデンは旧型16機を供与
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関連記事:ウクライナがグリペンE購入を要請する意向書に署名、問題は購入資金の調達

 

※アイキャッチ画像の出典:Президент України

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コメント

  • コメント (6)

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    • たむごん
    • 2026年 7月 01日

    とにかく戦闘機の数が、あるのとないのでは大きく違うでしょうからね。

    ロシア目線で見て、ウクライナの戦闘機数が増えれば滑空誘導爆弾などをより警戒する必要がでるでしょうし、前線への圧が減る要因になるかもしれませんね。

    13
    • YF
    • 2026年 7月 01日

    2029年に引き渡しが始まるグリペンEが即実戦を経験するような事態になっていない事(戦争がそこまで継続してない事)を切に願いますね。

    23
      • ぷも
      • 2026年 7月 01日

      去年の時点でロシアの軍事費は国家予算の4割に達していて今年は5割に迫る見通しだそうで、市中銀行の預金封鎖(!)を大真面目に検討している真っ最中なのでロシアのが持たないでしょうね・・・

      19
    • gobu
    • 2026年 7月 01日

    西側戦闘機の中ではキワモノではあるが
    スホーイキラーと呼ばれているグリペンの真価を見てみたい
    想定されている運用方法はウクライナにぴったしや

    24
      • 匿名希望係
      • 2026年 7月 01日

      サーブジャパン「それほど強くないですわー」(意訳)
      とはいってた記憶はある

      6
        • kitty
        • 2026年 7月 02日

        「兵器の有用性はスペックだけでは語れない」というのがこの戦争での教訓ですからねえ。

        11

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