ロシア軍の夏季攻勢は6月と7月に556㎢と564㎢の領土損失をウクライナにもたらしたが、8月に入ると前進ペースが鈍化して9月にほぼ半減し、DEEP STATEは10月の領土損失について1日「9月と同水準だった」「フリアイポレ方面の領土損失量が突出している」と報告した。
参考:У жовтні ворог окупував 267 кв км української території — цифри тотожні тим, які були у вересні
参考:Мапу оновлено
参考:Сводка на утро 3 ноября 2025 года
11月もポクロウシク方面とフリアイポレ方面が話題の中心になるだろう
ロシア軍の夏季攻勢は6月と7月に556㎢と564㎢の領土損失をウクライナにもたらしたが、8月に入るとロシア軍の前進ペース=464㎢に陰りが見え始め、DEEP STATEは「ロシア軍の前進ペースは9月にほぼ半減した」「9月の領土損失は259㎢で5月以降最も少ない数字だ」と報告していたが、10月の領土損失について1日「ロシア軍は267㎢の領土を占領した」「これは9月と同水準だ」「最も多くの領土損失が起きたのはフリアイポレ方面だ」と報告した。
“フリアイポレ方面で発生した衝突回数が全体に占める割合は16%に過ぎないものの、ここで領土損失の69%が発生している。ポクロウシク方面の衝突回数は9月と同水準を維持、リマン方面では衝突回数が減少し、クピャンスク方面とコンスタンチノフカ方面では衝突回数が増加した”
前線での動きはスームィ州スームィ方面、ハルキウ州ボルチャンスク方面、クピャンスク方面、ドヴォリチナ方面、ボロヴァ方面、ドネツク州リマン方面、シヴェルシク方面、コンスタンチノフカ方面、ザポリージャ州オレホボ方面、ドニエプル川方面でも確認されているものの「1ヶ月間の動きや衝突回数」から見ればかすり傷程度に過ぎず、ウクライナ軍参謀本部も2日「ポクロウシク方面とフリアイポレ方面に最大の圧力が掛っている」「2日に発生した衝突168回のうち91回が両方面に集中している」と述べており、他方面の前進ペースが鈍化する中で「領土獲得の成功」を牽引しているは依然としてフリアイポレ方面だ。
ポクロウシク方面も「前進ペース」や「領土獲得の成功」という観点で見るとフリアイポレ方面以外の戦場に分類されるが、10月中旬頃に始まったと推定される「大規模な浸透作戦」によってポクロウシクを巡る戦いが本格化し、ポクロウシク郊外や市内で占領した土地の価値は「フリアイポレ方面で獲得した領土の広さ」とは別次元で、11月もポクロウシク方面とフリアイポレ方面が話題の中心になるだろう。
因みにDEEP STATEはポクロウシク方面について2日「ロシア軍が市内中心部のポクロウシク駅、裁判所、中央市場を占領した」「ロシア軍がポクロウシク南郊外のトロヤンダを占領した」と報告したが、2日夜にも「ロシア軍が西郊外の線路方向に前進した」「ロシア軍が南郊外の墓地を占領した」「チュニシンがグレーゾーンに移行した」と報告し、DEEP STATEが戦況マップを1日2回も更新するのは非常に稀で、ポクロウシクの状況が急速に悪化していることを強く示唆している。

出典:Минобороны России
ロシア人ミルブロガーのДва майора(Two Majors)は3日「ポクロウシクにおけるウクライナ軍の立場は急速に悪化している。敵は多数の歩兵とドローンオペレーターを投入し、他方面からも予備戦力を移動させてロシア軍によるポクロウシク制圧阻止作戦を準備している。それでも同作戦はポクロウシクとディミトロフの完全喪失を遅らせるだけだろう」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України






















>ロシア軍によるポクロウシク制圧阻止作戦を準備している。それでも同作戦はポクロウシクとディミトロフの完全喪失を遅らせるだけだろう
他の軍事ブロガーの人達も「ポクロウシクは陥落する。
ウクライナ軍は時間稼ぎが手一杯」とかコメントしてるので相当ヤバイ状況だな。
ウクライナ軍はドローンでロシア領内を攻撃するよりはポクロウシクを包囲してるロシア軍にありったけのドローン攻撃した方が良かったんじゃないか? ポクロウシクの危機が去ってからロシア領内を攻撃してもからでも遅くはないだろうに
今日の時点ですらドネツクの民間施設相手にミサイル撃ってるくらいなので
ロシア領内の民間人>>目の前のロシア軍人
なんでしょうね
撤退するトラックがドローンに撃破される映像が増えてるので逃げられないと悟ったウクライナ兵が投降しそうではあります
ここ抜かれると戦線数十キロ後退の必要が出るので死守命令を下す気持ちだけは分かりますが
管理人さんのマップにはポクロウシク後方の開口6㎞とありますけど、T0504の北までグレーゾーンが伸びてるので、実質開口幅2kmくらいしかなさそうですね。
ウクライナ上層部は認めていないけど、もう包囲されてしまっていますね。
士気の為には嘘だって吐くのが戦争ですからね
嘘を吐かずに士気が上がるのであれば尚更でしょう
その開口部が余裕で火砲やドローンの射程内で、通行に数割の損耗を強いられる死路だとしても「包囲されていない」
そういう事かと
逆に言えばこのトーンが報道のベースなので、報道読むにも役立ちますね
そりゃあリソースの種類が異なるしその予算配分は意思決定してから実現されるのに時間がかかるので…正直ここ数ヶ月でここまで悪化するとは可能性はあっても低いと思われてましたし…
それもロシア側はベラウソフ防衛大臣任命からリソース配分を切り替えた成果がドローン量となり、今の戦術を可能としてるのでしょうね。
ベソウロフがインテリジェンスに予算を割くようになったのでNATOから届く物資もウクライナへ到着した直後に破壊されることが増えている
もともとアメリカが手を引いたために大幅に減少してるところへ、更にこれだからね
1年前の今と比較するとウクライナの物資面での戦闘力は1/4くらいになってるんじゃないか?
歩兵が進行速度を落としてる(装甲車両が使い難い)から戦線が中々進まない、そう見えているだけでもうウクライナの防衛線は崩壊してるんじゃないかと疑っている
コンスタンチノフカの市街地で戦闘が始まったと言われてるけど、ここが正面から攻略されるようだともう確信していいと思う
今更ですが返信場所上と間違えてました…
結局、ブダノフは何しに行ったんやろ?
督戦?
宣伝目的?
前線から90kmの都市で目撃されたんでしたっけ
方面司令部でもあるんですかね
責任取らされるため?
おっしゃる通り督戦だと思います。
良い表現にすれば、助けるから見捨てないぞというアピールか。その裏を言えば降伏するなと。
ポクロウスクは実質的に包囲されていて、現在では退却も無理になっています。そしてデイミトリフの方がもっと状況が悪いかもしれませんね。
強固な都市攻略、もしくは周辺に到達して、進軍ペースが落ちたのも有り得るのかなと。
ポクロウシク=ディミトロフ、コンスタンチノフカ、リマン=シヴェルシク、クピャンスク・スームィなどが、それらに該当するかなあと。
ポクロウシク市なんかは、もう陥落の可能性が見えてるわけですから、陥落後に進軍ペースが落ちたままなのか・防御拠点を後方に築いて止められるのかが焦点なのでしょうかね?
11月~12月にかけて分かるでしょうから、今後どうなるのか見守りたいと思います。
ポクロウシクやクピャンスクが陥落すると再編後に現在のドニプロ方面の様な進軍が始まりそうな気がしますね。
またクピャンスク東のオスキル川東側はクピャンスク陥落したら絶望的なことになるので、手立て無いでしょうから既に撤退を開始しているという賢明な判断をするべきとは思うけど今迄のこと鑑みるとそれも難しいんでしょうね。
まさに仰る通りですね。
管理人様も少し触れられていましたが、アウディーイウカ・ヴフレダル陥落後のように、ドミノ倒しになる懸念があります。
クピャンスクを重視してきた理由の一つで、個人的な推測なのですが。
ボルチャンスクの南・ドネツ川は豊富な水量があり、ダム(50.077163, 36.811444)や貯水池が随所にありまして。
ハリコフ大都市圏・周辺を維持するための、水源ではないかなと推測しているのですが、クピャンスク(オスキル川)を突破されると一気に厳しくなるようにも見えるんですよね…。
追記です。
ダムや貯水池(50.077163, 36.811444)(49.882209, 36.980197)
最近になって膠着していた戦線が動き出したためもっと取られているようなイメージがありましたが先月と同水準とは、意外とそうでもないんですね。
あくまでDeepstate基準の話で
他のOSINTだと西側寄りでもDeepstateより広大な範囲をロシア占領地として扱っていたりします
現状でDeepstateがグレーゾーンとしている範囲は1000平方キロメートルを超えています
今は市街地での遊撃戦メインだけど、大地が凍結する頃にはロディンスケ方面でも攻勢再開だろう。南と北のどちらがロシア軍の主攻だと現状では判断が付かないが、北からの補給路を断ち切れば市内のウクライナ軍はこのまま掃討されるだけだし、遮蔽物の多い市内を抑えれば、ウクライナ軍はこのまま北郊外に押し出されて寒波と砲爆撃に晒されることになるしで、ウクライナにとってどちらも厳しい。
ウクライナ戦争の期間が、太平洋戦争越えた…。
こんな特別軍事作戦あるかいな。
大東亜戦争も元々はすぐ終わるつもりで「北支事変」とか呼称してましたね
それが全面侵攻へ切り替えて支那事変に、アメリカも叩かなきゃと大東亜戦争に…
こちらはウクライナ一国で終わるのか、欧州全土に拡がり第三次世界大戦になるのか
どうなりますやら
ロシアが怖いのは孤独じゃないところ
実際にNATOとロシアが直接砲火を交えるかは分からないけど、少なくとも冷戦とそれに伴う各地での代理戦争的な小競り合いは起きそう
40年ぶりに地球全体での緊張感が高まりそう
くさってもグローバルサウスだから、昔のような色分けはされないと思う
イラク戦争やアフガニスタン紛争とかもっと長くなかったでした?
それら紛争・戦争の大半はパルチザンとの非対称戦だったから割引いて考えないといけないのでは
嫌な考えかも知れませんが、フリアイポレ・ポクロウシク方面以外の戦線はウクライナ側が最も行うべきだった戦術―敵戦力の誘引と出血の強要―だとしたら恐ろしいです。領土拡大は別として、全ての戦線でウクライナはロシアより寡兵での戦闘を強いられているならば、例え防衛に徹していても相当な被害・犠牲を出している可能性もあります。或いは僅かな被害で凌いでいてもボディブローとして、戦力・物資の補充がロシアより苦しいウクライナ側を確実に消耗させているかも知れず、それを狙っているのであれば…。自分達が失敗した事を敵が成功裏に実行する。戦争でこれ程のダメージはありません。
軍事素人の自分でも「開口部にクラスター爆弾落として(退路や補給路を塞ぐだけじゃなく外側からウクライナ軍に反撃できなくさせる)あとはウクライナ兵が舗装された道路を通ろうとしたら砲撃やドローンで始末するだけと思えるから、どうにかなると思ってる方がおかしい。
こんなロシア軍が容易く動けるキルゾーンなんかに兵士を残してしまうから遺体交換の数で大差をつけられてしまう。
相手の力を見誤った結果、最後は玉砕覚悟なんて戦前の日本みたい。
だから何度も包囲殲滅されてるのに一切反省せず、補給を事実上絶たれても最後まで戦おうとしている勇敢な兵士を現在進行形で失いまくってるゼレンスキーやシルスキーは世界史上最低の指導者なんだとハッキリと言える。
ドローン戦術も開戦当初はウクライナ軍の独壇場でしたけど、ロシア軍側がドローン戦術に適用してくるに従って同じような戦術を使う以上、単純な国力と生産力に殴り合いになるから、ウクライナが再度優位になるためには新たな戦術の革新が必要だけど、そう簡単にできるものではないし厳しい。
思えば開戦1年目のロシア軍がキエフ攻略を諦めてその後のウクライナ軍の反撃とロシア軍の撤退の時に少しばかり譲歩してでも停戦しておくべきでした。
あのときはロシア軍はドローン戦術を運用出来ておらず、またウクライナ軍の方が動員によって数的優位もありました。
最もウクライナがロシア対して優位に立てた瞬間だったと今なら思えます。でもあのときは皆次の大反抗でロシア軍は崩壊してウクライナ領から叩き出される筈でしたから、まさかこんな事になるとは思って見なかった。
大丈夫だよ。日本のネット界隈ではすっかりウクライナが戦争に勝利してロシアは滅亡寸前という『雰囲気』が主流ミームだから大丈夫だよ。
一昨年の反転攻勢で決着を付けるつもりだったんだろうけど バフムト攻防戦で兵力と物資を無駄遣いしすぎたのと ロシア軍に時間を与え過ぎた 3方面作戦 ゼレンスキーとザルジニーの意見の食い違い 地雷対策の甘さ 謎の楽観視
最後の「謎の楽観視」は矢張り世界最大の軍事大国アメリカと(間接的に)世界最精鋭・最強のイスラエルがバックにいるというのが“世界最大の甘ちゃん”を生み出すのに十分な条件だったから…かも知れません。北京五輪中に南オセチア侵攻をかけたサアカシュビリのジョージアもそうでした。