ウクライナ軍はイワニフスキー方面の森林地帯から敵を追い出し、チャシブ・ヤールに伸びていたロシア軍の突出部は消滅した可能性が高いが、市内ではロシア軍が前進を再開してウクライナ軍の抵抗拠点=アパート密集地に侵入したらしい。
参考:Силы обороны в воскресенье захватили более десяти вражеских позиций возле Бахмута – Маляр
バフムート周辺ではウクライナ軍が優位に戦いを進め、市内ではロシア軍が前進を再開
ウクライナ軍は14日「バフムート郊外で10以上の敵陣地を制圧し、イワニフスキー方面の森林地帯でかなりの面積を奪還した」と明かし、ロシア側情報源も「ロシア軍はイワニフスキーの南でポジションを失った」と主張しており、登場した視覚的な証拠もイワニフスキーの南に集中している。
Video of the effective cooperation of the UAV and the mortar crew of the “Volat” battalion of the Kalinouski Regiment!
We continue to stand on the defense of Bakhmut, a city that has been trying to occupy the Russian invaders for almost a year now.
Long live Belarus and Glory to… pic.twitter.com/TOeY0lF2vB— Kastus Kalinouski Regiment (@belwarriors) May 13, 2023
- ④=ベラルーシ義勇軍がロシア軍の拠点を砲撃
- ⑤=ウクライナ軍がロシア軍の戦車を追跡して破壊
- ⑥=ウクライナ軍が装甲車で移動してきたロシア軍兵士を攻撃
- ⑦=ウクライナ軍が無人機でロシア軍陣地を攻撃
- ⑧=ウクライナ軍がロシア軍の装甲車を砲撃で破壊
Tactical Group ADAM with the assistance of the 112th Separate Territorial Defense Brigade hit Russian positions in the vicinity of Bakhmut pic.twitter.com/DBwypdqqEY
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) May 14, 2023
ロシア軍が死守したい「ドゥボヴォ・ヴァシリフカ周辺の高地」に向うウクライナ軍の動きは確認できていないが、露ワグナーのプリゴジン氏は「ベルヒフカ貯水池周辺にワグナーの部隊を送り込んだ」と述べているため「戦術的にドゥボヴォ・ヴァシリフカ周辺の高地を失いたくない」という意図が伝わってくる。
視覚的な証拠が集中するイワニフスキーの南では森林地帯からロシア軍を追い出したため、水路沿いにチャシブ・ヤールに伸びていたロシア軍の突出部は消滅した可能性が高く、クリシェイフカに向かってじわじわとウクライナ軍が迫っている格好だ。
さらにクリシェイフカ周辺の戦いで「第4自動車化狙撃旅団の司令官と副司令官が死亡した」と噂されていたが、ロシア国防省は14日「第4自動車化狙撃旅団のマカロフ大佐(司令官)とブロフコ大佐(副司令官)が戦闘中に死亡した」と発表している。
一方で市内の戦いはロシア軍が前進を再開、視覚的な証拠は確認されていないもののアパート密集地にロシア軍が侵入した可能性が高く、川沿いを進むロシア軍も街の西端まで約800mのところまで迫っているらしい。
ウクライナ軍がアパート密集地=Ⓐを保持、ウクライナ軍の戦車が工業大学=Ⓑで攻撃を実施、3日連続でMiG-17モニュメント周辺=Ⓒを保持しているのが視覚的に確認されているが、前進を再開したロシア軍を阻止できなければアパート密集地を失う可能性があり、バフムート周辺と市内では戦いの様子が異なる。
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※アイキャッチ画像の出典:24 ОМБр імені короля Данила
バフムートからウクライナが出て行ってロシアINして逆にウクライナがバフムート包囲したりしてな
バフムートの周辺で後退中なのに市内中心部へ正面攻撃を続けるロシア軍…大丈夫か?
下手をしたら市内中心部を制圧した頃には南北のウクライナ軍から挟み撃ちされる危険が有るのに?
しかもベラルーシ義勇軍がバフムート市街地の後方からロシア軍の拠点を砲撃しているし
一体、ロシア軍はバフムートの戦況をどう考えているのか、やや理解に苦しむのだけど
前線部隊レベルは、別命あるまでは最新の攻撃命令に拘束されるんでしょう。ロシア軍の指揮統制の硬直性と反応の鈍さが垣間見えます。
市内中心部を占拠しているのはロシア軍だし、今やっているのは残りの西側部分を攻め落として陥落させる進撃だから違うと思う。
ベルキフカとヤヒドネ辺り落とされたら焦るべきだろうけど、下手に焦って撤退すればなし崩しで戦線崩壊の危険性有るから撤退なんて無理だろう。仮にバフムト陥落させられるなら前線押し上げたウクライナ軍を北と南から挟み込めてプレッシャー掛けられるし元ロシア軍陣地を強化しているタイミングで空爆して前線戻すとかは考えている気はする。
劇的に効果のある戦い方が出来る上級将校なんていないだろうし、このままにらみ合ったまま現状維持とかは考えていそう。
ヴァシリフカとクリシェイフカが保持されてる限りあまりポジションは改善されないのでまあ攻撃は継続するでしょう
戦線が直線に近くなってきたので撤退戦をすることになっても包囲されて失敗するという心配はあまりしなくても大丈夫そうでしょうか
物資はどんどん補充されるので、補充の難しい人的資源を削り取りたい
ウクライナの反撃はバフムト逆包囲の意図とかは無くてあくまで市街地にいるウクライナ軍の撤退支援のように感じます 堅固な建造物が少なくなり市街地で抵抗しにくくなっているので郊外で攻撃支援したらあまりにもロシア軍が動揺し混乱しているので予想以上の戦果を挙げたのでしょうね
バフムトを逆包囲するためには北はソレダル、南はオプテュネまで取り返さないといけないですからね
撤退支援とチャシブヤールへの二重包囲の阻止の攻撃だと思います
撤退支援というか遅滞戦術だと思いますね。似たようなものではありますが、じりじり下がりつつ、ロシア軍の兵力をなるべくここに釘付けにするという。そのためには包囲されてはマズいのでそれは避けるように周辺は叩く。
昨日のテレ朝の日曜スクープ「【激戦地バフムトで攻勢】防御線を突破“ロシア軍敗走”逆襲の狼煙は」で、小泉さんもここを反攻の突破口にするわけでは無いだろうと言われてました。なぜならロシア軍の兵力が集まっている地域だし、ロシア本土に近くてロシアにとって補給も有利だから。ウクライナ軍の狙いはバフムトになるべく敵兵力を釘付けにし、あわよくば予備戦力も投入させて、他の戦線での反攻を助ける効果を狙っていると。
この調子で進捗するとスターリングラードみたいになりますが、ひょっとするとこれは偶然ではなく、メンツにこだわって係争地から撤退できなくなる独裁者が率いる軍隊のよくないところなんでしょうかね
>第4自動車化狙撃旅団のマカロフ大佐(司令官)とブロフコ大佐(副司令官)が戦闘中に死亡した
またぞろロシア軍司令官級の戦死が報じられ始めましたね。
戦局が膠着〜宇軍の防御局面ではこうした報道が途絶えていた事を考えると、やはり戦況の変化を示唆するように思います。
しかしロシア軍は将官から佐官クラスの高級軍人が多く戦死しているのに対して、ウクライナ軍の方はそのような話を聞かない。ここにウクライナ軍とロシア軍の能力差があるように感じます。目標の捜索から標定・精密打撃の能力と思うのですが、やはりこれはNATOの支援の賜物なのでしょうかね。
単にウクライナ軍が被害について箝口令を敷いているだけでは無いのでしょうか
ワグネルを始めとしてロシア軍の損害については数字込みで報道されたりしますが、ウクライナ軍の損害については全くといっていいほど具体的な数字がでてきませんし
もちろん、ウクライナ軍の箝口令はあると思いますが、それだけではロシア軍から何も戦果発表がないことの説明がつかない。親露派はNATOの地下司令部を破壊した!とか騒いでますけどね。
なので、やはりロシア軍にはウクライナ軍の司令部を捕捉、攻撃する能力に乏しいのではないかと思うのです。よしんばラッキーパンチで討ち取ったとしても、盲打ちではその戦果を知る由もないのですから。
貴方が知らないだけでウクライナ側の上級指揮官の訃報もちょくちょくと流れてますよ。
バフムトではゼレンスキーから国家勲章を貰ってる歴戦の司令官も戦死してます。
司令官も人間なんだから前線に入れば平等に死にますよ。
ロシア軍自体がトップヘビィなので、佐官や将官クラスが現場近くで指揮を取るのも大きいんじゃないかと。
開戦初期にバタバタ狙い撃ちされてた時に組織的な問題が、結構指摘されてました。
第4独立自動車化狙撃旅団(予備)の旅団司令部が壊滅したというのは、旅団長のマカロフ大佐、旅団副官のブロフコ大佐が戦死したとロシア国防省も発表しており、まさにプリゴジンが警告した通りということになります。
一方でウクライナ陸軍第3アゾフ独立強襲旅団がいっていたとかいうロシア陸軍最精鋭の第72自動小銃旅団というのは、調べてもそういう部隊は見当たらないので、この第4独立自動車化狙撃旅団(予備)のことだったのかもしれません。
そもそも自動小銃旅団というのは、自動化社狙撃旅団の誤訳だと思いますが、現役の精鋭部隊ではなく予備役で編成された旅団のようです。
側面の防御が人数の多い予備役の旅団で、重要な制圧目標であるバフムト市街地に精鋭の赤旗親衛空挺師団が投入されているのは当然です。
バフムト市街の残る団地のアパートは、すでにアパートの一階と二階、何号室と何号室の奪い合いというような状況で、もはやクロモヴェやクリシェイフカも、補給路とか側面とか包囲ではなく、T0513号線沿いのただの南北縦一線の戦線になりつつあります。
包囲の目的はあくまでもバフムト市街地の制圧であり、それが終わったらロシア軍はこのままウクライナ軍の反撃に備えて、ウクライナ軍の弾が切れるまでしばらく防御の態勢に入るのかもしれません。
プリゴジンの警告した通りというのは、偶然なのか、彼がロシア国防省から信用されていないのか、それとも何か裏があるのでしょうか。
ちょうどプリゴジンの密通の件がリークされていますし、ロシア側のスケイプゴート探しにも適任ですのでここからの動きは興味深いですね。
たしか第72自動小銃旅団は昨年の夏ごろに「超精鋭」として編成された第三軍団のうちの旅団だったと思います。
第三軍団は第2次ハルキウ反攻で雲散霧消したのでその生き残りでしょうか?
ついにロシア軍が全バフムート市の占領を宣言した途端、ウクライナ軍に逆包囲されるという茶番が発生しそう。
大丈夫か! ロシア軍。。。。
自分で瓦礫の更地にした補給困難な前線で、南北西の三方から銃砲撃されるとか、嫌ですねえ…
視覚データをプロットした戦況図、とても説得力が有りますね。お手数有難うございます。
イワニフスケ南西の突角が消えました。まあこの戦勢で、2km×2kmしかない地形的にも拠る物も無い小突出を維持できるわけがありませんし。
>クリシェイフカ周辺
用水路も渡河してクリシェイフカまで後3kmになってますね。村落前面まで前進して攻撃続行の様相になって来ました。旅団司令部の粉砕でロシア軍の動揺が見込めますが、ウクライナ側が深く踏み込めるほどの戦力が展開しているのか…
>ドゥボヴォ・ヴァシリフカ周辺の高地
緊要地形ですね。ここを奪回されるとバフムート北翼とM03沿いに北に突出しているロシア軍全部が不安定な状態に置かれますが、さて?
>>④=ベラルーシ義勇軍がロシア軍の拠点を砲撃
ベラルーシ義勇兵部隊はその距離を攻撃出来る能力があるのか
今の人数どのぐらいなんだろう、1年前のキーウの戦いしてたときにどんどん増えてるって自分たちが発表してたけど
プリコジンの発言や行動に現れている様に、「バフムトを落とせない」と言う事実そのものがロシア軍にあらゆる面でストレスを与え続けているので、ウクライナがバフムトにこだわる理由が分かってきた気がします
バフムト関係ないけど気になるのがフメリニツキーの大爆発 結局弾薬庫だったのかソ連時代の古いミサイル庫だったのか テルノーピリの被害状況も気になる
ウクライナ側は幹線道路沿いの奪還を優先した模様だ。ロシア側はソレダー方面でも大規模攻撃があったが撃退に成功したと発表しており、攻勢支援か北側からの包囲軌道も狙っていた可能性がある。展開しているロシア側の戦力の厚みを考えると現有戦力に加えて反撃用旅団のかなりの部分を投じなければバフムト周辺で大胆な包囲機動作戦が成功するとは思えないため、しばらくはイワニフスキとクロモヴェ周辺での限定的反撃と幹線道路の安全確保が優先される可能性が高い。今後反撃用旅団が投入されるか注視したい。
あくまで噂レベルの話だが親ロ派テレグラムチャンネルではウクライナ軍のM-55S戦車がスヴァトヴォ近郊で撃破されたと映像付きで拡散されている。反撃用旅団の一つの第47機械化旅団のみが計28両のM-55Sを装備していると流失した機密文書から明らかになっており、この旅団がすでに戦闘に投入された可能性を示唆している。エビデンスに乏しいためデマの可能性も高い。