ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは7日「ハルキウ方面のボルチャンスク市内でウクライナ軍が反撃している」と報告しており、報告内容が事実なら部品工場を保持するロシア軍部隊の状況は酷いものになっている。
RYBARが主張する状況が事実なら、ボルチャンスク市内の状況はロシア軍にとって相当厳しいはずだ
DEEP STATEはハルキウ方面リプシ方向について「ウクライナ軍がライボケでロシア軍を撃退した」と報告、視覚的にもロシア軍がライボケ集落内=Ⓐでウクライナ軍を攻撃する様子が確認されており、RYBARも「ウクライナ軍がライボケ付近で領土を奪還することに成功した」と報告した。
DEEP STATEとRYBARが報告したウクライナ軍による領土の奪還範囲はほぼ一致しており、RYBARが長く主張している「高台陣地の占領」も視覚的証拠が登場しないため、DEEP STATEが主張するグレーゾーン扱いが正しいと思われる。
更に興味深いのはボルチャンスク方向に関するRYBARの報告だ。
上記の戦況マップは通常と異なり「RYBARの主張のみ」を反映させたもので、RYBARは「ウクライナ軍が北市内の病院付近で領土を奪還した」「ウクライナ軍が北市内の部品工場付近で領土を奪還した」「ロシア軍がアパート地区の一角を占領した」と報告し、これが事実なら部品工場を保持するロシア軍部隊の状況は酷いものになっている。
DEEP STATEは以前「中央公園に陣取った機関銃部隊が部品工場へのアクセスを妨害している」と述べていたが、ウクライナ軍が「病院の南側地域」や「T-2104沿いの地域」を奪還したことで部品工場に繋がるルートは3方の射線に晒されることになり、この地域を巡る戦いは「ロシア軍がアパート地区を突破して中央公園に布陣するウクライナ軍部隊を挟撃するか」「ウクライナ軍が3方から部品工場へのアクセスを絞め上げてロシア軍に後退を強いるか」のどちらかだろう。
勿論、RYBARが主張する状況が事実(DEEP STATEは何も言及していない)ならの話だ。
因みにボルチャンスクに向かったロシア人ミルブロガーのRomanov氏は5日「ハルキウ方面に配備されたロシア人兵士の後方にはTikToker(カディロフツィ)がいる」と述べていたが、これを謝罪する動画を7日に公開した。
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏は「カディロフツィの地下室に連行され謝罪動画を撮影させられた。彼の表情と声から察するに動画を撮影する前に十分な仕置を受けたようだ」と指摘し、その後もRomanov氏は「アフマト(カディロフの特殊部隊)のアラウジノフ司令官と会った」「彼は傑出した人物であり、真の指揮官であり、闘志と自信を鼓舞する存在だ」と褒め称えているが、恐らく銃口を突きつけられた結果なのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
>カディロフツィの地下室に連行され謝罪動画を撮影させられた。彼の表情と声から察するに動画を撮影する前に十分な仕置を受けたようだ
謝罪動画の壁に掛かってるアーマーにワグネルのワッペンが貼ってあるから、カディロフツィに合流したワグネルの残党だろうね。
ロマノフ氏への仕打ちから、恐らく前線はより苛烈でしょうね。というか、写真からも中心部の倒壊状況がとんでもない。
ようやく押し戻し始めたようだ。
しかし国境まで完全に押し戻す迄に東部戦線はどこまで後退するのだろうか?ハリコフ方面の精鋭がどの程度の損害を受け疲弊している部隊が転戦してローテーションしているロシア軍にどの程度対抗できるのか不明。
一般的?な考えだとハリコフ方面をさっさと平定させて、他戦線に増援を送るべきだと考えるが…
ウクライナ軍はどう考えているのだろうか
ハルキウの勢自体が東部攻勢のためにウクライナ軍を引き付けておくための陽動って言われてるけど、それが事実ならさっさと平定して他戦線に増援送られたら意味なくないですかね
ごめんなさい、言葉が足りませんでしたね
ウクライナ軍がハリコフ方面のロシア軍を撃退して平定させた方が、という話です
実際ここに時間が掛かる分、ロシア軍の思うつぼなのですから
そんなウクライナ軍に簡単に撃退されるような戦力送っても陽動にならないって意味です
平定はともかく、川沿いに前線を安定させて手仕舞いにする、ってのは選択肢の一つだと思う
出典になっているテレグラムの最後にも、ここで戦って戦力を誘引することはチャシブヤールやオチェレティネでの効果的な進軍に有益である、的な記載がある
軍事的には正しくても、政治的に許されるかは別問題なところがありますから、難しいかと。
今までのロシア側の戦い方を考えれば防衛ラインが完成したとみるべきだろう。
サポリージャ同様ウクライナ軍を誘致して東部に転用できなくなるまで摩耗して磨り潰す作戦だろう。
ロシアは土地よりもウクライナ兵を削ることに重点を置いている。
>Romanov氏は「アフマト(カディロフの特殊部隊)のアラウジノフ司令官と会った」「彼は傑出した人物であり、真の指揮官であり、闘志と自信を鼓舞する存在だ」と褒め称えているが、恐らく銃口を突きつけられた結果なのだろう。
不謹慎だけどここ笑ってしまった
近隣の高台取られて市街戦してるヴォルチャンスクよりリプシのほうがウクライナ軍が優勢なはずなんだが、なんでウクライナ軍はヴォルチャンスクでわが軍は優勢であるアピールしまくるんだろう
というかヴォルチャンスクに構う必要すらあんまわからないな
リプシで反撃→ヴォルチャンスク→東部戦線では?
ネット軍師には理解できんだけか
ボルチャンスクが市街地であるからではないでしょうか
これまでもウクライナ軍のアピールは陣地・高台よりも、市街地について確保したとアピールすることを重視しているように感じられます
軍組織としての価値よりも政治組織としての価値をアピールの根底に置いているように思えます
市街地を確保=都市を保持している
となるのは単純明快だよね
本来川と市街地でヴォルチャンスクから先に露軍が進むのは相当きついはずなのにここまで増援送るのは勿体無い
しかしボルチャンスク市街のウクライナ軍が本当に優勢で、ロシア軍が劣勢であるのならば、さんざんにウソツキだ、バカだ、誇張だ、創作だ、誇大妄想だ、大言壮語癖だと罵られた米国フォーブス誌のデービッド・アックス氏が可哀そうな気もしてきます。
デービッド・アックス氏の話は誰も信じない、誇張だ、印象操作だ、大本営発表だ、と罵倒されるのに、ロシア人ミルブロガーのレイバー氏の話ならけっこう信じられる、ということでしょうか?
ウクライナ軍が優勢ならば、さっさと部品工場を制圧できていてもおかしくない気もしますが、それができていないのはなぜでしょうか?
「狼が来たぞ!」と日々散々嘘をついていたら、いざ本当に狼が来た時に誰も相手にしてくれません。
誰が言ったかでは無く、何を言ったかを検証して判断すべきかと。
「誰が」「何を言ったかか」の組み合わせなど、多くの情報を総合的に分析することが大切
ポジショントークなんてどの分野でも普通にある
ここでも通常は最低限RYBARとDEEP STATEを比較検討している
そうでない時は、今回のように前提条件を示してくれている
キリル文字はちんぷんかんぷんだけど、機械翻訳的には、
「ロシア軍がアパート地区の一角を占領した」と言うよりも
「ロシア軍がアパート地区への足がかりを築いた」って感じ?
あと、ウクライナの無人機に対してロシアは攻撃機で対抗、とか、ウクライナは右岸(多分北岸のこと)の予備兵力を2倍にした、とか、興味深い内容が複数記載されている
ソースを提供してくれている管理人様に感謝
トレツク・ニューヨーク・オチェレティネ周辺など、管理人様が戦線が動いていることを近々でも取り上げられていますからね。
チャシウヤールも、市街戦が始まるかもしれません。
ハリコフで得られた戦果・東部で得られた戦果、彼我の損害を比べたときに、最終的にどうなるのかは気になります。
追記です。
軍事ブロガーは、影響力がありますから、発信するのも命懸けですね。
>…「彼は傑出した人物であり、真の指揮官であり、闘志と自信を鼓舞する存在だ」と褒め称えているが、恐らく銃口を突きつけられた結果なのだろう。
しかしアレだ
市街地の窓をみると全部の窓からガラスが無くなっており、
数フロアぶち抜かれたビルも散見される。
市街地から元市街地になってしまった事が見て取れる。酷い話だ。
過去一番酷かったのはマリンカですかね。文字通り地上から一つの町が消え去った感がありました。
チャシブヤールのカナル地区の映像も数日前に出てましたが、アレも「核攻撃後の写真です」と言われたら普通に納得できるぐらいの廃墟でした。
それに比べればまだまだここはマシなように思えますが、早晩、同じような廃墟となるだろうなとも思いますね。
マリンカ見てきました。
もう瓦礫しか残ってない。
地震と火事と津波が一度にきたレベルで、人の営みの痕跡が残ってない。
廃墟や瓦礫一つ一つに人家としての記録があったことを考えると、本当に酷い
tiktokヤクザと呼ぶべきだったでござるな
ウクライナ軍はハルキウ方面に予備や砲やドローンを集めている。ボルチャンシクでもウクライナ軍の兵士の数はロシア軍の何倍かになっていると思われる。
ロシア軍にとってはかなり厳しい地域だと思う。ロシア軍側は滑空爆弾の多用でしのいでいる状況だと思う。
しかし、ウクライナ軍側に明らかな航空優勢も砲撃優勢もない状況で、ウクライナ軍が攻勢に出ても損失が大き過ぎるのではないか。もしロシア軍がスカスカなら人海戦術は通用すると思うが、そうではないようである。
そうなると、例えば南部のオレホボ方面の攻勢の時などと同じく、攻勢が長引けばウクライナ軍は肝心の兵力を消耗してしまうのではないか。