ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは「ロシア軍がクルスク方面とクピャンスク方面で前進した」と、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「ロシア軍がトレツク市内の複数方向で支配地域を失っている」と報告した。
参考:Мапу оновлено
参考:Хроника специальной военной операции за 28 февраля 2025 года
DEEP STATE基準で言えば「占領出来ていなかった事実」をRYBARが認めただけ
ロシア国防省は先月26日「ポグレブキとオルロフカを解放した」と、今月1日「クルスク州ノヴァヤ・ソロチナを解放した」と発表していたが、ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは2日夜「ロシア軍がポグレブキとオルロフカを占領した」「ウクライナ軍がノヴァヤ・ソロチナで支配的でなくなった」と報告。
視覚的にもロシア軍兵士がノヴァヤ・ソロチナ集落内=Ⓐで国旗を掲げる様子が登場し、マラヤ・ロクニャ方向の状況悪化がDEEP STATEと視覚的証拠によっても裏付けられた格好だ。
DEEP STATEはクピャンスク方面オスキル川沿いのボロバ方向について「ロシア軍がクルフリャフカを占領した」「ロシア軍がザフリゾヴェ周辺に前進した」「ロシア軍がナディアを占領した」「ペルショトラヴネヴェ~ナディアの間で支配地域を広げた」と報告。
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはトレツク方面について「ロシア軍がトレツク市内の複数方向で支配地域を失っている」「ロシア軍がノヴォスパスケ集落内で支配地域を広げた」と報告、ロシア国防省が「完全解放」を宣言しているため「トレツク市内で支配地域を失ったのはウクライナ軍の反撃が原因」と説明しているものの、そもそもDEEP STATEは「ロシア軍によるトレツク占領」を認めていない。
DEEP STATE基準で言えば「占領出来ていなかった事実」をRYBARが認めただけなので、トレツク市内の変化について特に言及していないものの、市内中心部については「ロシア軍が支配している」と認めている。
因みにトレツク西郊外についてはDEEP STATEとRYBARの評価が違いすぎるため、個人的には「RYBARの過大評価」と思っている。
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※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
トレツクの評価はずっと食い違っていたから、そのこと自体に驚きはない。
ただ、チャシフヤールでは特に反撃は行われていないのに、トレツクでは反撃しているというのは少し違和感がある。コンスタンティノフカを防衛する2つの門と考えるなら、どちらかが厳しくなれば前線そのものを下げて防衛線を後方で再構築すべきと思うが。ここまで食い込まれた二都市に拘泥することが、防衛上で有利とは思えないし、ゼレンスキーとトランプの口論と決裂で停戦が遠ざかった現状、あと半年以上もここで戦うのは厳しいのでは。
逆に時間制限が取り払われたことでロシア軍はフリーハンドを得ましたね……
相手が無理してくれないとウクライナは本当に厳しいと思います
totoさん私もトレツクに関しては違和感があったのです。でも、ほぼロシア軍の支配下だった市街の中にもウクライナ軍が出没してわりに多くの地図が変わっているのかな。
たぶん、トレツクの反撃は、ゼレンスキーの外遊時に合わせた反撃でしょう。クルスクやポクロウスクの反撃も一時的なものだと思うのです。このトレツクの反撃もトレツク奪還を意図しているものでないと思います。
クルスクですが、最近、クルスクの部隊がポクロウシクやクピャンスクに移転している情報もあります。部隊の一部だけのローテーションかもしれませんが、クルスクの転換点の兆候かもしれません。
春の泥濘期、まもなくむかえることになります。
クルスク占領部隊が、どこかで後退すると仮定して、重装甲車両が迅速に動けるのか少し気になっています。
今さらなのですが、「テリコン」とは何なのでしょうか。
有識者の方、申し訳ないのですがどなたか教えていただけませんか。
テリコンは日本語で言うところのボタ山ですね
ボタ山は処理後の瓦礫を積み上げた山なので、柔らかく掘りやすいんですね。なんならスコップの手掘りでもかなり深く掘れますから,アリの巣のように坑道を張り巡らせて要塞化することができます。まあ、強度も無いので堅固な防御陣地ともならないんですが、この戦場は高度が電波優位をもたらすので、ここにアンテナを立てられるかどうか、そのアンテナのメンテナンス用の通路を確保できるかどうかがかなり重要になっています。
私もそこまで詳しくはないのですが、
鉱山周辺に地面等を掘った後に出る廃棄物(土や石くれ等々)を捨てます。その廃棄物が長い年月で小山のようになったものをテリコンと呼んでいる感じですね。
テリコンの中には70~80メートルに達するものもあり、並のビルよりも高いためアンテナ等を設置すればより遠くまでドローンの運用が出来たりします。なのでこの戦争ではテリコンを巡ってしばしば
激しい戦闘が行われてきました。
この記事のトップの写真で写っている円錐の土の山、鉱山を掘った土砂をまとめたものだよ
高所を確保することがドローンの運用で重要のためにテリコンの取り合いが起きるので、ウクライナ戦況の記事だとよく言及されている
日本では、旧住友忠隈炭鉱のボタ山が100m以上あり最高峰との解説もあるので、もしもご興味があれば(33.619058389396876, 130.6909575383993)。
麻生首相にゆかりがあり、近くに麻生本社・麻生系の企業があったりするので歴史を感じます。
炭鉱のゴミを単純に積み上げたものなので、崩れたりもします。
少し話がそれますが
山が多い日本ではドローン運用ってかなり難しいんだろうね
すぐ電波が途切れそう
山の中で待ち伏せて敵の補給車両にドローン攻撃ってのは簡単にできそうだから、
つくずく日本は守りやすい土地だなあと考えたり
他にも攻撃ヘリとかも輝けそう。山を盾にしてミサイル撃ったりとか
テリコンは鉱山で出たスラグ(残骸)が積み上がったもの。
いわゆる『ボタ山』。
鉱山町では周辺に多くある。
トレツクは鉱山町であり、中心には鉱山があるので、中の坑道で長く持ちこたえる事が出来る。
ウクライナ軍にとっては守るのに最適な街でもある。
一方で、ロシア軍にとっては、トレツクのある街の標高が高いからトレツクを迂回することも出来ない。無視したらドローンに有利な高度が取れないため)
ドネツク北部の進攻が止まっているのはトレツクがあるという部分が非常に大きい。
日本の田舎の広い公園にある、○○富士山のミニチュアみたい。
皆さんわざわざのご説明ありがとうございます。
RYBARの戦況マップでトレツクが覆われた時は正直近々陥落するなと思ってましたが、ウクライナ軍は本当によく耐えていますよね。
果たしてコンスタンチノフカ方面は停戦まで持ちこたえれるのか
少し古いのですが3/1撮影の衛星画像で、クピャンスク北方面のロシア軍支配地域に砲撃痕を確認しました。(場所は追記します)先日まで砲撃の様子が見られなかった場所なのでクピャンスク北方面にウクライナ軍の砲兵が配備された可能性があります。
ポクロウシク方面ではコトリーネの線路をまたいだ南側に多数のクラスター弾と思われる環状の着弾痕が見られました。クラスター砲弾を回されるような砲兵部隊が展開しているのでしょうね
追記:クピャンスク方面の砲撃痕について
ザパドネ周辺
シンキフカ周辺
タヴィルジャンカの南、ヴィルシャナとの中間地点のツリーライン周辺
管理人殿のXに引用で貼りました
また、ポクロウシク方面では雪解けが進んでいるため、今後砲撃痕やわだちの観測が難しくなる可能性が高いです。
クラスター砲弾ってバイデンが供与した分しかないはずだよね。温存分を使ってると見ていいのかな?
でもアメリカではもう生産停止してたはず。他にウクライナにクラスター弾供与してる国ってあったっけ?
そこまでは何とも···
2/27ではクルスク方面のニコルスキーや、2/19だとヴェリカノボシルカ方面のノボシルカの東側やクラホヴェ方面のコスティアンティノピル、ウクラリー周辺でクラスター砲弾の使用が確認できます。
クルスク方面は言わずもがなですが、ヴェリカノボシルカ方面だと第110機械化旅団等の精鋭に優先して回されているのでしょうね
そこまではなんとも···
ただ、当たり前といえばそうですが精鋭が布陣しているとされる戦域でクラスター砲弾の使用が確認できますね。
2/19
ヴェリカノボシルカ方面 ノボシルカ周辺、ノヴォチェレトゥヴァテ周辺
クラホヴェ方面 コスティアンティノピル周辺、ウクラリー周辺
ポクロウシク方面 ヴォディアンドゥルーエ周辺
2/26
クラホヴェ方面 アンドリイフカ周辺
3/1
ポクロウシク方面 コトリーネ南
クピャンスク方面 ザパドネ東側
今でもそれなりに使用してるのかクラスター弾故に目立ってるだけで量は少ないのか分からないな。
でもありがとう。ウ軍の優先順位が見えてくるものがあるね。
NHKで独ソ戦やってる。
人類は80年たっても同じことを繰り返してるんですね。
停戦ラインを巡る戦いが捗っているようですね。
掃討した後にゲリラ兵の侵入を許したのでは?
デマ報道や隠蔽の多さはどっちもどっちですね。トレツク南西に関しては個人的にはトレツク前哨戦のニューヨーク陥落時やザバルカ地区の前例があるので、Deep Stateが認めていないだけだと予測しています。
不利有利で言えば奪回出来る見込みの無いウクライナ軍が不利な状態は
変わらずと言った所ですかね?
アメリカがウクライナへの支援を取り止めしたそうで
トランプ政権の火事場泥棒的態度は見てられないな
余計な経済案件なんて持ち出さずにすでに占領された領土とNATO加盟は諦めろその代わり防御線の構築を手伝ってやるって言ってればもう纏まってただろうに
フランスが昨年にウクライナとの鉱物資源取引を進めていて、トランプ案が通るとフランスの取り分が無くなるから、反対していたんだけど、これも火事場泥棒だけど、君はどう思う?
(クソデカため息)
ヴァンス氏が「アメリカにもっと感謝しろ」と言っていましたが、支援してくれたバイデン政権への感謝はしてもし足りないでしょうが、「バイデンへのプレゼントになる」とか抜かして下院での採決を止めたトランプになんて顔も見たくないと思うんですがねぇ
それを考えればゼレンスキー大統領は抑えたほうだと思いますよ
アメリカの軍事支援停止は即時実行されたので、既にありとあらゆる支援が止まった
英仏はこれから徹夜でアメリカに電話しまくるだろうな
宇ゼレンスキーと欧州首脳による停戦案ではウクライナへ軍事支援強化と
対露制裁の継続、欧州の有志連合が停戦後にウクライナに部隊派遣する
ウクライナ大統領選が無い、露プーチン政権にとっては不利でしかない
米トランプ政権はロシアが案を吞まないと判断し軍事支援停止か。
宇ゼレンスキー欧州と露プーチンが戦場で決着をつけるしかないでしょう
石破政権は米トランプ、ゼレンスキー欧州の一方に組しない賢明な策
未確認情報
ポクロウシク方面でウクライナ軍がウダチネを奪還。線路の南側に進出した可能性