ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは「ポクロウシク方面では敵の攻勢が大幅に低下したためウクライナ軍が戦場の主導権を握っている」「クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面では状況が悪化している」と報告、オスキル川西岸のトポリにロシア軍が侵入したことも認めた。
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参考:Хроника специальной военной операции за 24-25 февраля 2025 года
ポクロウシク方面はウクライナ軍が、クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面はロシア軍が主導権を握る
DEEP STATEはクピャンスク方面ドヴォリチナ方向について2月上旬「ロシア軍がオスキル川を渡河してトポリ郊外に足場を築いた」と、RYBARも17日までに「ロシア軍がオスキル川を渡河してトポリ南西に新たな足場を築いた」と報告し、ロシア国防省は25日「トポリを解放して戦術的状況を改善した」と発表。
これを受けてRYBARも「ロシア軍がオスキル川西岸のトポリを占領した」「ロシア軍がトポリの西に位置する森林地帯に前進して足場を築いた」と報告していたが、DEEP STATEも「ロシア軍がトポリ集落内に侵入した」と報告してロシア軍による占領を否定したものの、この集落のほぼ全域をグレーゾーンに指定している。
RYBARはコンスタンチノフカ方面について「ロシア軍がスタポチキー方向に支配地域を広げた」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がバイクや全地形対応車でT-0504を移動する様子=Ⓐが登場。
RYBARは「兵士が何処まで前進して、何処に定着したのかは不明だ」とも指摘し「この映像はグレーゾーンだった地域を支配地域に変更する根拠になっただけ」と付け加えている。
ロシア軍は主要都市=リシチャンシク、バフムート、ソレダル、アウディーイウカ、クラスノホリフカ、セリダブ、ヴフレダル、クラホヴェなどを占領すると「市内の至るところで国旗を掲げる様子」「都市を象徴するモニュメント付近で勝利を宣言する様子」「ロシア軍兵士が都市から避難しなかった民間人を救助する様子」などを公開して勝利をアピールしてきたが、トレツク解放宣言から19日が経過しても勝利を印象づけるセレモニーは公開されていない。
DEEP STATEは「ロシア軍によるトレツク占領は偽物でトレツク北郊外、西郊外、ザバルカ地区で戦闘が続いている」と主張、RYBARも25日「トレツク市内で激しい戦闘が続いている」と指摘し、視覚的にもロシア軍がトレツク市内のスタジアム周辺=Ⓐでウクライナ軍を攻撃する様子、ウクライナ軍がトレツク市内のカルチャーセンター付近=Ⓑでロシア軍を攻撃する様子が登場。
ロシア人ミルブロガーらは国防省発表と矛盾しないよう「戦闘は市郊外で起こっている」「ウクライナ軍が市内に反撃を試みている」という形でトレツクの状況を報告しているが、どのバージョンの説明も「どうしてトレツクほどの重要都市を占領したのにセレモニーを公開しないのか?」という疑問に答えられないため、本当の意味でのトレツク占領はまだ先の話なのだろう。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がナディイフカの南で支配地域を広げた」「ロシア軍がザポリージャを占領した」「アンドリイフカの北にグレーゾーンが伸びた」「ロシア軍がノヴォチェレトゥヴァテを占領した」「ロシア軍がスクドネ郊外まで到達した」「ドニプロエネルヒヤ郊外までグレーゾーンが伸びた」と、RYBARは「ロシア軍がナディイフカの北東で支配地域を広げた」「ロシア軍がプリヴィルやプルラツケの郊外まで支配地域を広げた」と報告。
DEEP STATEはポクロウシク方面の状況について「敵の攻勢が大幅に低下した状態は1週間以上も続いている。この機会を利用してウクライナ軍は失った陣地を幾つか奪還出来た。この状況は一瞬で変化するかも知れないが、現時点で主導権を握っているのは我々だ。この変化はドラパティ陸軍司令官がホルティツィア作戦・戦略グループの司令官に着任してから起こった」と、クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面については「敵の目標はオドラドネ経由でコマールに到達することだ」「そこに到達できればバハティルを東西から挟み撃ちにすることができる」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ポクロウシク方面の状況は本当に不思議ですね。
ロシア軍が損耗が酷すぎて攻勢限界を迎えているって話かもしれませんし、一旦部隊を下げて再編成中なだけかもしれません。
ウクライナ軍の指揮官が変わったから魔法のように強くなるというのは少し眉唾です。
ロシアの方針は停戦までにポクロウシクを落とすのは無理なので、クルスクとここにウクライナ軍予備を集めておいて手薄な他方面で前進距離を稼ぐ方針なのでしょうか。
西部から引き抜いた予備戦力もとい肉の盾をぶつけ続けている状況
最近の報道(マクロンの発言やウ米の資源合意、駐日大使の発言など)を見る限り、本当に4月20日に停戦が実現する可能性が高くなったと感じています。となるとトレツクすら半年以上かかっている状態で、あと2カ月未満でポクロウシクを占領するのはかなり難しい。スラビャンスクやクラマトスクなど夢のまた夢です。
現在の接触面で休戦となると中途半端なトレツクやチャシブ・ヤールは面倒なことになるので、まずはこちらの完全占領に注力すると思います(それを見越してウクライナ軍はトレツクで反撃した?)。また、ポクロウスク以南のドネツク州900㎢の方が資源面などで見てもよほど優先度が高いと思います。
あるいはオスキル川東岸やザポリージャ州のキンカ川以南などでしょうか?
いずれにせよ時間的制約はかなりあると思われます。
米露は予定通りに我々は停戦受け入れると発表しとてもウクライナと欧州はそんな条件は受け入れられないと継戦となり米はそれなら担保の無い支援は出来ないと手を引き、欧州がどこまでウクライナ支援出来るかという所かな思います。
ただ露を押し返すことはもう出来ないとは思いますのでウクライナはどう上手く負けれるかの段階にきていると思うけども、欧州をスポンサーに付けて最後までやるでも良いとは思いますが日本を巻き込まれると非常に迷惑なので、ウクライナは欧州と一緒に納得の行く様にやれば良いですが自国に厳しい決断するのも本来政治家の大事役目とは思いますが政治屋だとまた違うんでしょうかね。
「ウクライナの降伏(による停戦)は認められない」
敵対してるロシアが言うなら心情的には理解できなくもないが
フランスが言うのはかなり畜生ポイント高い
ポクロウシク方面は一応兵站の要衝としての機能を止めた段階で目的はある程度達していますからね。
ウクライナが守りを強化すればそこを迂回するか別の地域で攻勢を強めるかをずっと行っているので、今回もそんな感じのような気がする。司令官が変わったからといって急に結果をだすなんて、そんな近代以前の戦争じゃないんだから・・・なかなかロマンがありますね
ウクライナ軍はずっともぐら叩きの徒労バージョンやってるな…1ヵ所が安定すれば別のところが破れ、そっちに手を回すとさっきまで安定してたとこが駄目になる。
根本的に戦力が足りてないんだから仕方ないが、戦力相応に戦線整理したくても政治的に下がれんしクルスクとかいうでかいクリンキじみた足枷も重たいしで真面目にやってる現場もアホらしくなってくる頃かもしれん。
どこか奪還しても数日後にはそれ以上に押し戻されているパターンばっか
報道にほとんどシャヘドによる空爆や滑空爆弾による攻撃が言及されなくなり。
そう言えば、152/155ミリ砲による砲撃の話もほとんど出なくなりました。
実際のところはどうなんでしょうね。
そういえばドローンやミサイルによるインフラ破壊とSAM不足で今年の冬はいよいよヤバいみたいな話でしたがどうなったんでしょうね。
Easyさん、
そうですね。「滑空爆弾による攻撃」ですが、報道は減っていますね。
しかし、クルスクをとってみると毎日、最低でも1日に30発くらいの滑空爆弾は落としています。また、多数の光ケーブルの自殺ドローンを運用しています。
滑空爆弾は電子妨害に苦しんでるってファイターボンバーが書いてた。
ソースを失念、記憶ベースで恐縮なのですが。
誘導爆弾が週2000発、ミサイルやドローンも別途記載があったはずなんですよね。
誘導爆弾の投下ペースが、以前(週700発〜800)より上がっているならば、ロシア空軍が飛べなくなるとはなんだったのかなと…
追記です。
1日200発計算してたのを、記憶違いだったかもしれませんね。
爆撃量は、倍近くに増えているなと…
>ゼレンスキー氏は、過去1週間で無人機約1150機、誘導爆弾1400発超、ミサイル35発が使われたと指摘した。
(2025.2.23ウクライナ全土に無人機267機 ゼレンスキー氏「過去最多」 共同通信)
そういうのは神聖三文字さんが得意なので、ヤフーに行くのをオススメ。
チャシブヤール攻略前も数ヶ月の膠着状態が続きウクライナ軍は「ロシアを撃退しているロシア兵は既に疲弊していて兵士も兵器も枯渇状態」とプロパガンダを流しており今回もそのパターンだと思われます。ロシアが攻勢準備で進軍が止まるとすかさず勝利宣言を出してきます。現在のチャシブヤールを見てもわかるように攻勢準備が整うと一気に市街地を飲み込んでしまいます
そもそも、中枢部含めて7割以上取られた都市に執着して、「まだ落ちていない!」といい続けてその後に良い方向につながった例がない。バフムートやクラスノホリフカ、クラホヴェでもずっと粘っていたが、防衛側の乏しい戦力が削られただけだった。ボルチャンスクのように拮抗出来ているなら都市防衛に意義もありますが、トレツクはもう手遅れ。
トレツク中心部のジェルジンスキー鉱山の工場地帯は、このサイトではずっと係争地のままですが、まだウクライナ軍が立て籠ってる映像が出てきました。
トレツクはほぼ陥落した。と判断してた自称専門家達がこの映像をみて、ウクライナ軍が反撃して奪い返した。と浮き足立ってます。
ヴェリカ・ノボシルカ方面はウグレダル陥落後みたいにどんどん押し込まれてるな
ヴェリカノヴォシルカを占領したロシア兵士が休暇を貰ったり、再編成のために後方に下がったりしたのを確認して、いつもの如く「大打撃を受けて後方に下がった」と判断して兵力をポクロウシクに移動させたかもしれませんね。
今年に入ってからのロシア側の動きに変化があるのは明らかなので、外交の事情などにより優先順位や達成目標が変わったのでしょう
それがどういうことなのかは、もう少し先になってから分かることだと思います