ウクライナ保安庁と国家捜査局は20日「第155機械化旅団のリウムシン元旅団長を拘束した」と発表、さらに同じ日「ロシア軍にハルキウ州の一部占領を許した過失で第125領土防衛旅団と第415小銃大隊の元司令官2名と大佐1名を拘束した」と発表して物議を醸している。
参考:ДБР затримало екскомандира 155-ї бригади ЗСУ
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参考:Дело о захвате Россией Харьковщины в 2024 году: ГБР и СБУ задержали двух генералов и полковника
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少なくとも第125旅団の兵士らは旅団長の拘束理由が不当だと考えている
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏は昨年末「0から創設された140番台~150番台の旅団は予算浪費の象徴で、ゼレンスキーは戦時における部隊管理のことを何も分かっておらず、何十億もの資金と人材を成果もなくドブに捨てているだけ。所属部隊からの無断離脱は犯罪ではないという法律が成立してしまったため第155旅団では1,000人を越える人々が帰宅した」と指摘し、新年早々「国家捜査局が第155旅団編成に伴う責任追求のため刑事捜査を開始した」と報告した。

出典:155 окрема механізована бригада
ブトゥソフ氏は「第155旅団の立ち上げ責任者(西部作戦司令部のセレツキー参謀長)は心臓発作で死亡し、リウムシン旅団長は戦闘に投入された直後解任され、旅団の兵士1,700人は戦場で初めて発砲する前に脱走した。国家捜査局の捜査官らは問題の責任を取るべき人間を見つけ出すことを命じられ、この件は最高司令官のゼレンスキー、国防相のウメロフ、総司令官のシルスキーが管理している。私は独自に調査を行い140番台~160番台の新設旅団が適切な指揮官、技術者、武器、ドローンなしに0から立ち上げられたことを公表した」と説明。
さらに「この犯罪的な問題の責任は将校や兵士らにはない。最高司令部、国防省、参謀本部が『経験豊富で即戦力の旅団』を強化するのではなく『新旅団編成』に人命と国家資源を浪費し続けているが原因で、この連中は自身の罪を部下に転嫁して責任から逃れようとしている」と述べていたが、ウクライナ保安庁と国家捜査局は20日「リウムシン元旅団長を拘束した」と発表した。
“彼は旅団長という立場にありながら兵士の無断離脱を法執行機関に報告しなかった。さらに彼が海外に派遣した兵士22人の内15人は不法に国境を越えようとして捕まった者だった。つまり海外逃亡を試みた人間がフランス派遣要員のリストに含まれていたため兵士の無断離脱が発生したのだ。我々はフランス派遣要員の選考過程で汚職計画がなかったどうかも調べている”
さらにウクライナ保安庁と国家捜査局は同じ日「ロシア軍にハルキウ州の一部占領を許した過失で第125領土防衛旅団と第415小銃大隊の元司令官2名と大佐1名を拘束した」と発表した。
“ハルシキン准将は第125旅団の能力に見合わない防衛陣地を設定した。敵の攻撃方向を明確に説明せず防衛の準備も旅団の指揮の不十分だった。ホルベンコ中将はロシア軍の能力を過小評価し脅威の増大に適切な対応をとらなかった。見張り用の観測ポイントに十分な装備を割り当てず、旅団への人員配置を怠り、大隊に不釣り合いな戦闘任務を押し付け、要塞や障害物の構築も作戦や戦術を考慮しないまま決定した。特にロシア軍の攻撃計画に関する情報を持っていたのに部下に伝えておらず、問題が起きても旅団に総動員を命じたり、火力支援を組織したり、予備戦力を投入したりせず、前線の状況も把握していなかった”
“第415小銃大隊のラパン大佐も担当地域内のストリレチャ、クラスネ、リプシ、スロボジャンスケに対する防衛計画を策定していなかった。彼は拠点を構築する対象指定も、対象の防衛計画を立案することも、ロシア軍の攻撃に対抗することも、退避場所や物資の集積地を設定することもせず、上級指揮官に戦闘結果も報告しなかった。さらに兵士の無断撤退を阻止することもせず、上級指揮官の承認なしに独自の判断だけで命令を下し、失った陣地を奪還せよという旅団長の命令も無視した”

出典:125 окрема бригада територіальної оборони Збройних сил України
保安庁と国家捜査局が挙げた拘束理由が事実なのかどうかは不明だが、第125旅団は20日に発表した声明の中で「我々は広大な担当地域を守るため死に物狂いで戦った。我々の戦力や弾薬は少なく、他からの支援も殆どなかったがホルベンコ中将の指揮下で戦った。このような扱いを前線で戦う指揮官や兵士や受けてもいいのか?このような報道のされ方があって良いのか?裁判所は既に有罪の判決を下したのか?我々は正義を、ハルキウで何が起ったかを法廷で語ることができると信じている」と述べており、少なくとも第125旅団の兵士らは旅団長の拘束理由が不当だと考えている。
因みにホルベンコ中将は2024年7月、Ukrainska Pravdaの取材に「上級司令部は第125旅団の戦力不足を認識し、ロシア軍の攻撃があっても第125旅団のみで阻止できないと理解していた」「我々は可能なことも不可能なことも全て行ったが、1kmあたりに敵が6人~8人もいる状況で前線を維持するのは不可能だ」「我々の後ろにいた第42機械化旅団は一度も助けてくれなかった」「支援を要請しても最小限で彼らが戦いに加わったのは2日目からだ」と述べており、彼の説明と保安庁と国家捜査局が挙げる拘束理由は全く噛み合っていない。
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※アイキャッチ画像の出典:Служба безпеки України
人手不足なんだから防衛する規模を縮小しないといけないだろ
それをゼレンスキーが許さないならゼレンスキーが悪い
フランスで訓練していた方は仕方ないにしても
戦力をクルスクに取られる中でハルキウで必死こいて戦っていた方を捕まえるのはひどくありませんかね
もはや八つ当たり人事過ぎだろ。幾ら西側諸国の機嫌を損ねたからとは言え、旅団長に全責任押し付けとか旧ソ連の面目躍如かよ。
もう西側諸国は宇の文民政府側の状況把握能力をかなり疑っている段階で、軍部に幾ら責任転嫁しても疑いは晴れないだろうな。
旧ソ連とか関係ないよ。
もともと、人種差別・民族差別主義者と親欧米派と欧米が手を組んで革命起こして作ったウソまみれの体制なんだから。
「誠実さがない」のは当然。
あると思う方が不思議だ。
「旧ソ連の軍事文化が悪くて、組織運営が上手くいかない。」と散々言っていた。
じゃあNATO式なら上手に行くのか。まともに考えずに、レッテル貼って、お終いにする組織文化が育ち過ぎた。
ウクライナが変なことしても、西側に擁護されまくるから、自浄能力がガタ落ちした組織になっても仕方がない。
つまるところウクライナ軍がうまくいかないのはゼレンスキー大統領を始めとする上層部の方針や戦略が悪いのではなく、それを実践できない無能な現地指揮官の責任であるということですかね。
実際はただの失敗のスケープゴートか不満のガス抜きのどちらかでしょう。
最近のウクライナ軍は戦場での失敗があると3桁番台の旅団が責任を追及されたり包囲されたり扱いが酷いのは2桁番台旅団とかの有名旅団と違って政治力がないからなのではと邪推してしまう。
政治的に無理に創設させられて、政治的に切り捨てられる3桁旅団達が哀れだな。何の為に作られたんだろうか?
>何の為に作られたんだろうか?
損害ならぬ責任吸収部隊として
旅団独自でイメージPVとか作って志願者を募集したり独自のタニマチとか持ってたり
昔の中国の軍閥みたいな感じなんですかね
タニマチがいなくて、ウクライナ国家しか補給してくれない新設旅団は、まともな戦闘力を持てないとかいうオチまでありえますね。
そのうちクルスクで戦っているウクライナ軍も、ロシア軍にクルスクを追い出されたらウクライナ政府から責任追及されて同じ目に遭うんだろうなって個人的に思います。
「ロシア軍にハルキウ州の一部占領を許した過失で第125領土防衛旅団と第415小銃大隊の元司令官2名と大佐1名を拘束した」
これは可哀想では?ハリコフのウクライナ軍はロシアをよく抑えてると思いますが…
なんか、もう民主主義じゃなくて社会主義体制の国家だよね。
そりゃあ、ロシアに攻め込まれるような原因を作るわけだ。
>社会主義体制の国家
そもそも論で本朝とも縁の深い「国民社会主義」な國體ですから。
国民社会主義は教科書的な社会主義とは無縁。昔は、国家主義だしなで国家社会主義と訳していた。
そんなに前線指揮官ばかりに罪を被せるつもりなら誰も責任なんて負いたくないし、ゼレンスキー暫定大統領以下、政府の首脳や軍上層部が前線に行けばよろしい。恐らくは兵士の誰も付き合うことはないだろうが。
トカゲの尻尾切やん
どう考えても無茶な方針を決めた軍部の上層部の問題
兵士が逃げるのは戦況の悪化が原因で司令官が悪いわけではないとおもうけど
軍上層部も文民政府もろくに機能してなくて、旅団からの突き上げ、しかもそれなりのコネがないと動かないのは、もはやまともな軍隊じゃないとは思ってはいたが、コネがないと八つ当たりされるとか、いよいよだな。
西側もこんな状態で動員母数だけ増やしても破綻しか待ってないのは分かると思うんだが。
第155旅団に関しては、去年の末に最高議会を通った初犯脱走者への恩赦は23年時点で軍が既に行っていたとされる方針を追認しただけの可能性があるので、仮に金銭のやり取り等の腐敗が無くとも脱走に関する予防や対応が規則や法の上では不十分だったという可能性は十分にあり得ます。
しかし根本的な原因が実情と目標の乖離であり、更に復員をはじめとする兵士の士気に関わる問題が山積している現状を考慮すると、現場の人間の処罰は可能な限り慎重に行うべきではないでしょうか。
(そうせずに生きることが困難である社会では)叩けば埃が出る人間を見つけて責任を押し付けることは容易ですが、一連の対応がウクライナ国内の人々(少なくとも兵士)に広く支持されるとはあまり思えません。
フランスに派遣したのが、国外逃亡を試みたのを徴兵したヤツだから責任者有罪って、アフォかと。
徴兵された人間がそういう前科持ちだったという情報をそもそも旅団の編成責任者が持っていたのかとか、それを除外できるほど人数に余裕があったのかとか。
フランスで訓練を受ける可能性がある部隊に対して国外逃亡未遂の前科持ちを手当てした部署の責任ですよね…
この人なんかスケープゴートにされてるだけの様な…
いちばんしょぴかんとならんのはゼレ……
こんなウクライナが西側面してるのがさっぱりわからん
お前んとこの国はロシアや中国の類いだろ。東で仲良くやっててくれ
どっちかっつーと、ウクライナは中露よりも南米アルゼンチン、ボリビアあたりのしぐさに似てますね。
>南米アルゼンチン、ボリビアあたりのしぐさに似てますね。
南ベトナムとかアフガニスタンカルザイ政権とか。まあ、飼い主が同じなんだから好みもしつけも同じで何処も似たようなものです。80年代くらいまではこの種の米傀儡極右独裁政権がアジアアフリカ中南米を覆っていました。
前バイデン政権、前岸田政権などの無責任、無能っぷりを見る限り、西側面こそが相応しい。
岸田さんを馬鹿にしすぎだとは思いますが
問題を起こした閣僚をスッパリ切るスタイルは西側のスタイルと言っていいかもしれません
それも責任の押し付け方が強引なので、かなりポピュリズムが加味されてる物のような
もうお約束と化した軍部末端への責任転嫁まで含めて、西側はウクライナに不信感持ってるのに、ウクライナ政府は何故気付けないのかね…
>西側はウクライナに不信感持ってる
だからこそ生贄の羊を「神」に捧げているのでしょう。
米欧も”じゃあ”とゼレンスキーらが責任取って辞めて貰っても困るわけで。金出してる米欧としては米欧民への説明のための”責任者”の首があればそれでいいんでしょうね。
前線指揮官に、責任を押し付けても、何も変わらないと思うんですよね。
組織デザインの問題で、構造的な問題なわけですし。
この戦争どう足搔いても勝てないことが明白な訳ですから事態の改善は既に求められていないと考えたほうがいいかと。
自分が責任負って何かしようとしたって損するだけじゃないですか。
反撃する政治力がない人に責任押し付けるのが最善策なんですよ。
仰る通りで、業績の悪い会社のような感じになってますね…
前線の既存旅団に新兵を送り込んでもあっという間に消耗するだけなので、新編旅団でじっくり訓練してから前線へという方針自体は仕方ないんじゃないかなあ
理想としては新編旅団が戦力化したら前線旅団は後方へ下がって次の新兵受け入れ先になるとよい
そのローテーションが全く上手くいってないのが一番の問題で、それを新編旅団の指揮官に問うてもお門違いではないかと…
有名旅団が最優秀な士官と兵士と兵器を回収して、3桁旅団が残りの人員とカスみたいな兵器を分配して、ろくに配給もない訓練もないな状態で最前線に送られる歪な構造は早く是正すべき。
こんな状態で25歳以下の兵士達を受け入れたところで、有名旅団がスカウトした兵士達以外はろくな準備もないままロシアの砲弾の餌になる他ない。
いや~、これはちょっとありえないですよね…。作戦失敗の責任を現場部隊に擦り付けるとか、最悪では。
>作戦失敗の責任を現場部隊に擦り付けるとか、最悪
日帝仕草。かくなる上は「総員突撃せよ!」かな。ま、ドイツ式だから「Zbv」送りですかね。
うーん···(泡を吹いて倒れる)
ハルキウで責任を求めるとしたら陣地構築せずにポッケナイナイした土木業者とか書類上にしか地雷原を作らなかった奴では?
ざっくり計算するなら140番~160番台旅団まで創設することは普通だとは思うのよ。
ゼレンスキー曰く88万人のウ兵がいるらしいしそれを5000人ずつ旅団にすれば176番まで作れるのだから。
空軍分とか色々差し引く必要はあるけどね。
125旅団、原文かなりの怒りが感じられる文章ですね…
ウクライナ軍の報酬システムがかなり元から怪しい(休暇やローテの不足からして)なのですが、激戦を経て成果を出した旅団すら侮辱するようなのを出して、よく軍からの支持が持つと思いますね…近代では正規軍の反乱はほとんど見ないのはそうですが、それでもあまりにも兵士たちに与えられる対価が少なすぎる
防衛陣地の不足による汚職と言う罪状ならまだしも、防衛リソースを効率よく割り当てなかったみたいなふわふわした良いようで、そんなのハリコフ強襲に対して受動的に行動するしかなかったなのだから仕方がないだろうと。
むしろよく初動で有利な陣地に引くようにして立ち直ってましたし、ぶっちゃけると地図上で現れた一番最後のウクライナ軍の成功経験とまで思ってますよハリコフ防衛は。
>ロシア軍にハルキウ州の一部占領を許した過失
本当にこんなことを言ったんですか…?負けたら前線指揮官のせいですか?
勘弁してくださいよ…
悪手を重ねて行きますね、クルスク侵攻がやらなければ今程に戦況悪くないだろうからゼレンスキーが一番悪いのは間違い無い。
攻勢や奪還の夢を見ず防衛に徹してロシアが何らかの要因で諦めるか妥協せざるを得ないのを待つのが一番現実的だったのかもしれないですね。
一番成果を上げてる人達を嫉妬で政治的生贄にしただけに見える……
反乱は起きないだろうけど寝返りはあり得る状況
現場が何も知らないワケがないので……
なんだか、どさくさに紛れて偉い人に好かれてない司令官や、兵士に人気のある司令官を蹴落としてるような。
なんか色々納得。
こりゃ負け続けるし、脱走兵も増えるわけだ。
ゼレンスキーは他人の責任にする決断力だけはあるな。
ってか指摘から早すぎるんだけど。
ちゃんと関係者から話聞いたりして確認して進めてるのか疑いたくなるレベル。
ブトゥソフ氏に対する見せしめの意味も兼ねてる感じがしますね
告発しても上に追及は来ず、下に来るぞと
またキレそうあの人
ウクライナは旅団単位で
オルガリヒの軍閥みたいになってて
きちんとした搭載が取れてると思えない
そのうち勝手にロシアと休戦したり
寝返るところが出てくるんじゃないか
ドンバス戦争のときも
鎮圧部隊がそのまま寝返ったりしてた
ロシア軍だけでなく身内が敵とかいう地獄
真の脅威は有能な敵よりも、無能な味方、そして横暴な上司。
セレツキーさん心筋梗塞って不謹慎だがゲンブン先生の
「私だ」「誠意がない」の一連の流れを連想しちゃう。
ゼレンスキー達は、まだ終戦していないのに自分たちで戦犯探しを始めてるようじゃ無理でしょ。
でも今回の件って、吊し上げて「逃亡とかは許さないぞ」アピールをして最前線の指揮官や兵士達は死ぬまで戦い続けないと痛い目に遭うから、ちゃんとやれと言う強烈なメッセージなのは間違いない。
あと終戦後のことも考えて“悪いのは無能な最前線の指揮官や逃亡した兵士であり自分達は(ゼレンスキー達は)悪くない。むしろ、これ以上ないぐらい頑張ってる。トランプに求められるから仕方なく戦争を止めるけど”という権力を使った印象操作で、戦後にウクライナで継戦したがってる連中からの直接的な被害を受けないようにしてるんだなと思った。