RBC-Ukraineは22日「ロシアとの戦争終結について語られることが多くなった。この話題はゼレンスキー大統領やその関係者が語る中心テーマの1つになっている。ウクライナメディアでも『交渉』という言葉が頻繁に使われるようになり、事実上『交渉』がタブー視されていた昨年とは対象的だ」と報じた。
参考:“Переговори”, Трамп та кінець війни. До чого Зеленський готує Україну та який у нього план
ウクライナ国内でも交渉に向けた機運が高まっているということだけは伝わってくる
ゼレンスキー大統領はBBCとのインタビューの中で「全ての領土が武力で奪還される訳では無い」「私は戦場で毎日何人の兵士が亡くなっているのか知っている」「残念ながら(戦死者の数)は少なくなくポジティブなものではない」と述べ、この様な損失に何時まで耐えられるのかという質問に「それは主に軍の士気、軍に必要な資金と兵士の給与を確保するために働く人々の士気にかかっている」「軍と市民の団結にかかっている」と回答。
さらに「この戦争が10年続いた場合、あなたは大統領であり続けるのか」という質問に「10年も続く戦争を受け入れる人はいないだろう。世界にとっても、誰にとっても辛いことだが、私は不可能だと考えている」「既に多くの犠牲者が出ているし、この数はさらに増えるだろう。これは許されることではない」と答え、BBCは「ウクライナ領全体の返還は戦争終結の前提条件ではないと大統領が認めた」「この発言がどのような反応を引き起こすのか様子を見る必要がある」と報じていた。
RBC-Ukraineも「BBCとのインタビューで大統領は『軍事的手段ではなく外交手段で領土の一部を取り戻す可能性』『戦争のピークが今年中に終わる可能性』など幾つも興味深いメッセージを口にした」「ウクライナメディアでも『交渉』という言葉が頻繁に使われるようになり、事実上「交渉」がタブー視されていた昨年とは対象的だ」「政府関係者は交渉についての詳細を一切口にしないが、ロシアとの交渉という概念自体が常態化して国民も『交渉自体が悪いものではない』と受け止めるようになりつつある」と報じている。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE
“ウクライナのシンクタンク=Razumkov Centreの社会調査でも回答者の44%が「交渉を開始する時期が来た」と答え、交渉開始に反対する回答者(35%)を上回っているが、同時に67%の回答者が交渉で譲歩することに反対しており、領土の一部を犠牲してもいいと考える回答者は7.6%しかいない。つまりロシアとの交渉は必要だが「重要な部分では何も譲歩しない」という意味だ。政府も外交による解決を強調して「勝利は戦場だけでなく交渉によっても達成可能だ」とメッセージを発信している”
“RBC-Ukraineの対談者の多くは「領土面での譲歩は絶対にありえない」と断言し、同時に「交渉という言葉の頻繁な使用」についても「国民をターゲットにした計画的なキャンペーンではない」「西側諸国、中国、グローバルサウス、そしてロシアさえ交渉について話している」「そのため我々だけが交渉の可能性を断固として拒否し続けることは出来ない」と説明した。ウクライナは戦争と和平の主体性を切り分けることに成功したため「交渉」を強制されることはないももの、交渉に対してどの様なビジョンを持っているのかは不透明だ”

出典:PRESIDENT OF UKRAINE
“ロシアに関しても指導者が考えている本当の計画を理解するのは難しい。ロシア軍は依然として人的にも物質的にも大きな損害を被っているが、残念なことにロシアのリソースが枯渇しているという話ではない。イランや北朝鮮との緊密な協力関係を確立し、さらには中国からの恒久的な支援まで受けている状況では尚更だろう。RBC-Ukraineの対談者もリソースの点について「依然としてロシアはウクライナを上回っている」と述べており、結局のところロシアは何も急ぐ必要がないのだ”
“ロシアが語る平和的レトリックは対ウクライナ戦略の一要素に過ぎず、ある対談者は「遅かれ早かれウクライナのリソースは底をつくが、ロシアのリソースは底つかないという事実を当てにし、自軍の損害を顧みず我々をすり減らして行くつもりなのだ」と述べた。ゼレンスキー大統領の側近者によるとロシアは2022年春の協定をベースに考えて交渉を考えており「領有権の主張に加えて非ナチ化や非軍事化を諦めていない」と言う”

出典:Президента России
“別の対談者は「ロシアは文化的・人道的問題で勝負する気はなく、NATO加盟阻止、領土、金(これまでに占領地で押収した資産)の3点が争点になる。我々は各争点で可能な限り最善の立場を引き出すことにある」「さらにロシアは停戦に応じる可能性があるものの、その条件は占領した領土の主権承認になるためノンスターター=実現不可能な条件だ。これを西側諸国が『条件なしの停戦』にロシアの態度を軟化させることに成功すれば、我々はあらゆる方向からの強い圧力を受けることになるだろう」と指摘した”
“同時にウクライナはロシア側の外交的失策にも助けられている。これはウクライナと西側諸国の対談者から確認されている内容で、特にゼレンスキー大統領が主導した和平サミットに自ら出席を拒否したことはウクライナ側に重要な切り札を与える事になった。ロシア人自身がサミット参加を拒否したのに、我々がロシアをサミットに招待しなかったことを誰が非難できるだろうか? 更にサミット前にプーチン大統領が言及した条件(未占領地域を含むザポリージャ州とヘルソン州の放棄)もロシア不利に働いている。こうした要求が過剰であるのはロシアに融和的な態度を取っているグローバルサウスの国々ですら理解している”

出典:PRESIDENT OF UKRAINE
“今後のウクライナにとって重要なのはトランプ氏が大統領に就任する前、理想的には11月の大統領選挙前までに2回目の和平サミットを開催し、ゼレンスキー方式の和平計画に同意するようモスクワに圧力をかけることだ。捕虜の交換や自由航行については簡単ではないもの合意は可能だと見られているが、クレムリンに対する侵略の処罰や領土問題などウクライナとロシアが対立している点について合意できるかどうかは不明瞭だ。いずれにしてもトランプ氏が大統領に就任する前までに和平案の履行が進められればウクライナの立場はより強固なものになる”
“さらに選挙まで政権を担当するバイデン大統領のチームにもウクライナは対応しなければならない。トランプ氏と同様にバイデン大統領もウクライナに対する明確な計画は持ち合わせていない。このことは共和党が『ウクライナに対する戦略を発表しろ』と迫っても何の効果も無かったことで明らかになっている。バイデン大統領の唯一無二の戦略は『エスカレーション管理』に集約され、モスクワからの過剰反応を引き起こさない条件でのみウクライナに武器を与える方法だけだ。但し、バイデン大統領は選挙への不出馬を決めて重圧から解放されたため、任期終了前までにウクライナにとって重要な決定を下せるようになるかもしれない”

出典:Photo by John Hamilton
“ロシアと戦っている兵士らに停戦が受け入れられるかどうかは何とも言えない。現役軍人の間でも何らかの停戦を支持する人は多いが、ロシアへの譲歩を伴う停戦ならメディアへの影響力が大きく情熱的な部隊は大声で反対を主張するだろう。RBC-Ukraineの対談者の多くは戦争終結への明確なビジョンを1つも持っていないが、交渉テーブルでの立場を強化する方向性についてのみ共通認識(冬の電力供給問題、国際的な活動、和平サミットの推進、トランプ陣営とのコネクション確立など)がある”
“何時、何処で、どの様に戦争を終結させるのかは明確な理解が得られていないが、ゼレンスキー大統領は「あと10年も続く戦争を受け入れる人はいない」と公言しているため、最終的にはロシアとの停戦協定に応じなければならない”

出典:Генеральний штаб ЗСУ
“ゼレンスキー大統領の側近者は「たとえ国境に問題があっても何らかの形で決着をつけることは可能だ。なぜなら合理的な問題だからだ。最も困難な問題はロシアが我々をウクライナとして存在することを、自らの運命を決定する権利を持っている存在だと認めるかどうかだ。ドイツ人、フィンランド人、グルジア人がそうであるように、彼らとロシア人が『ひとつの民族』だとは誰も言わない。これは非合理的なでの最も困難な問題なのだ」と述べた”
ここまでロシアとの交渉や停戦について掘り下げたウクライナメディアの記事は(恐らく)初めてで、まだ具体的な内容は書かれていないものの「ウクライナ国内でも交渉に向けた機運が高まっている」ということだけは伝わってくる。
お願い:どんな意見や主張も尊重されるべきですが「俺の言ってたことが正しかったんだ的な内容」とか「異なる意見のコメント投稿者を卑下する内容」については(強制ではありませんが)自重を要請します。
関連記事:ゼレンスキー大統領、あと10年もロシアと戦争を続けるのは不可能
関連記事:大多数のウクライナ人はゼレンスキー大統領、ウクライナ軍、戦争継続を支持
※アイキャッチ画像の出典:ПРЕЗИДЕНТ УКРАЇНИ
交渉に前向きなのは良いとして、交渉によって自分達が何も損をしない内容で出来ると考えているのは流石に甘いんじゃ・・・。今回の戦争で生まれたウクライナ側の被害を考慮はしますし、心情的には理解も出来るし、『何で攻め込まれたウクライナが譲歩するんだ!?』という意見があるのは当然ではあるが、物事の善悪は立場によって変わるし、ウクライナ側の意見だけを取り入れた内容をロシアに認めさせるつもりなら、そもそも交渉なんてせずに戦争を続けた方がいいと思うけどなぁ。
ロシアからしたら、トルコで交渉できたのに、条件蹴ったのはウクライナ側であって、二回目の交渉となれば、当然、トルコでの交渉時よりもロシアに有利な内容にしたいのは当然でしょう。
これ正直停戦交渉で悩むのはむしろロシア側だと思うんだよな
ウクライナの非軍事化とか言う寝言は置いておくとして、ロシアがウクライナに求めるのは大きく『NATOへ非加盟』『支配地の割譲、もしくは独立国としての承認』の2つ
両方ウクライナに飲ませるのは不可能だし、よしんばウクライナが受け入れても西側諸国が本気モードになって冷戦に突入するから意味がない(仮にアメリカが我関せずでもEUは最前線になるので確実に軍拡、経済制裁を続行する)
んで、NATOへの非加盟を約束させる代わりに国境線を元に戻したら国民に示しがつかなくて失脚確実だし、逆に支配地の割譲を呑ませるなら安全保障としてNATOへの加盟は必須で、ロシア(正確にはプーチン)の一番やりたかったことがおじゃんになる
戦争初期ならともかく、仮に今ゼレンスキー大統領が失脚するか暗殺されてもロシア(プーチン)は止まれないんじゃないか?
仰っている点について、ロシアがどう考えているのか?この部分が殆どの人にとって憶測の域を出ないのが交渉を難しくさせる要因だとは思います。
EU単独での経済制裁についてはそもそも『いつまで』続けるのか?という議論がされていませんし、何をもって終了するのかも曖昧です。欧州で続いている政変が今後も続いていった場合、一抜けたとばかりに制裁を中止する国が出てこないという保証もない訳で、かつての冷戦期ほど具体的な線引が続くかは不透明だと考えています。
ただ、一部の人が言ってるように、このままダラダラ戦争を続けて、逆に欧米を疲弊させるのが目的、というのもかなり迂遠な展望な気もしますし、ロシアが経済面で頼っている中国の今後次第なのも戦略と言っていいものなのか判断に悩むところです。
まあ、トランプ前大統領が再任して、ウクライナ支援を即時とは言わずとも中止します、となったら、ゼレンスキー大統領としては言い訳が立つとばかりにロシア寄りの内容で講和する可能性もある訳ですし、趨勢を見定めるしかありません。前線の兵士には気の毒ではありますが、具体的に交渉を行う事が決定するまではロシアは止まる事はしないでしょうし、逆にウクライナは防戦しないといけない事に変わりませんね。
なんで過ぎた事をグチグチ言う人が未だに居るんだろうな。こんな話になるのは結果論でしかないし、あの時に全てを受け入れて交渉継続出来たかって話でしかない、貴方は何が何でもロシアの条件で受け入れるべきだったとか持論展開していたの?
二次大戦時の日本はこうすべきだったとか今更言ったってどうしようもないし結果をひっくり返す事なんて不可能な話。
交渉なんて状況によって変るし、ロシアが無敵の人で内外全ての影響をまったく受けませんでは無いんだけどね。当然、引くべき所は引く事はするだろう。もうまともな国だとロシアに輸出する事は密輸と同じレベルで貿易がまともに出来てないのはロシアにとって問題無いのだろうか?
”交渉開始に反対する回答者(35%)を上回っているが、同時に67%の回答者が交渉で譲歩することに反対しており、領土の一部を犠牲してもいいと考える回答者は7.6%しかいない”
私がどうこうじゃなくて、上記のアンケート内容のようにウクライナ側が自分達にとって有利な内容で交渉出来ると考える事が甘いんじゃないかという話です。
トルコの話をしてるのも、二年前とは状況が違う以上、ある程度の妥協はしないとならんという話であって、過去と現在を比較するためにも出さざるえない話題でしょう。
ロシアも疲弊しているから交渉せざるえない、という考えも一理あるかもしれませんが、今までロシアとの交渉はしないというスタンスだったウクライナ側が交渉を考え始めた以上、贔屓目に見えても先に音を上げたのはウクライナと考えるのが妥当でしょう。それにロシアも辛いかもしれませんが、ウクライナ全体が味わっている辛さと比べるなら、正直な話、国家自体が破綻する程でも、今すぐ革命が起きるほどの辛さじゃありませんよ。
次期米大統領(トランプか?)がどうディールするかでしょうね。
ネタは、いくらでもありますからね。
「ウラジオストクは、返還すべきだ。」と一言言うだけで、条件が変わってくる。
ロシアとの交渉も難易度高いが国民を納得させることも難易度が高いだろう。
必ず痛みを伴う物になるからね。
下手をすれば怒りや憎しみがロシアでなくゼレンスキーに向けられることにもなりかねん。
交渉開始はあり得ないという原理主義的な姿勢をとっていたウクライナ政府ですが、漸く軟化の兆しが見えてきましたね。
未だ全く不十分だとは思いますが、千里の道も一歩から。一挙に180度の転回は難しいでしょうし、一個人として喜ばしいことと捉えたいです。
次は意味のある交渉に向けて存在する両国間の立場の隔たりや、大きな困難が予想される項目を洗い出してみようと思います。
1.停戦後の国境線
2.「非軍事化」と「非ナチ化」
3.ウクライナの安全保障
この辺りでしょうか。
1は極めて困難です。ロシアが併合を宣言した四州の支配下地域やクリミアを譲ることはないでしょうし、ウクライナ政府だけでなく国民も譲歩を(クリミアを除き)支持していません。しかしどちらを変容させるのが容易かと考えれば、ウクライナ側でしょう。
「ウクライナは勝てない」この事実を当人たちが納得する必要があります。西側諸国や、そのメディアによって彼らの認識に働きかけるのが良いかと。でなければウクライナは血で贖うこととなってしまいます。ウクライナの自己決定権の侵害だという言説が出てくるはずですが、そもそも彼らが現在根拠の薄い自信を持っているのも西側の責任が大きいのではないかと考えています。具体的な国境線としては、ひとまずその時点の軍事的前線とし、四州の残りにおいて住民投票を行うのが良いというのが私見です。
2に関しロシアが譲ることはないという見方が強いようですが、私はそうでもない可能性を考えています。以前ロシア国営メディアを読んでいる時、「ウクライナはすでに西側の援助なくして戦争を続けることはできず、非軍事化は達成済み」という趣旨の記事を見つけました。ウクライナが絶対に受け入れられない非軍事化が既に達成済みならば、交渉への課題が一つ取り除かれた事になります。自動翻訳ですが大きく意味は外していないはずです。非ナチ化に関しても、ゼレンスキー政権の退陣が結果として生じれば、ロシアも面子が保てるのでは。
3は非常に、ひょっとすれば最も困難な事項かもしれません。ウクライナの脅威認識を軽減しつつ、ロシアが感じ、戦争の原因となった核心的安全保障への危難を取り除かねばなりません。ウクライナ自体に軍備制限(明文的でなくとも)を設け中立化し、代わりに多国間での安全保障の枠組みを創設できればひとまず理想と言って良いと思います。また、ウクライナ国内でのロシア系住民や少数民族へ安全を提供する連邦化も無論必要でしょう。
私としては1~3と同じくらい重要な項目として
4.ウクライナの戦後復興・補償
があると思います。
そして1と4は比較的交換可能ではないかと考えています。
ロシアは領土割譲に対する代金(賠償金ではない)として幾ばくかの金を支払う。
ただし、支払いのために西側諸国は速やかに凍結資産を返却し、経済制裁を解除しなければならない。
ウクライナ(と西側諸国)は復興資金を確保し、焼け野原の東部復興から解放される。
もちろん、金で国土を売ることになりウクライナ国内はもめるでしょうし、金額でさらに揉めるとは思いますが。
大いに賛成ですが、仰る通りウクライナ国内は揉めるでしょう。そこで、こんなレトリックはどうでしょうか?
まず、ロシアの公式な立場では領土割譲は正当で対価を払うようなものではないとします。しかし、戦後のウクライナ復興のための基金を国連等の主導で設立し、ロシアは多額を拠出します。(その他の国も金額はともかく拠出するでしょう)そして、西側諸国が凍結解除したロシア資産の一定額はここに使用されると、西側とロシア間で密約を結ぶのです。
これならばロシアは併合の正当性を毀損せずにすみ、ウクライナは復興資金をロシアから手に入れたと感じられ、西側諸国は比較的凍結資産解除を決断しやすい、当事者全員にとって納得できる落とし所になり得ると思います。
ウクライナが妥協できそうなラインは想像がつくけど、正直ロシアの妥協できるラインが全く分からんのだよな
ウクライナとしては『2022年以前の国境線回復+NATO加盟』を目指したいだろうけど、現実的にはNATO加盟→オブザーバー参加+ドンバスの2州は独立国として承認くらいの条件になりそう
ロシアはどこまで妥協できるんだろうな
現状の支配地を多少整理してそのまま承認を通すなら、ウクライナは100%NATO加盟を求めるだろうし、逆にNATO加盟を防ぐ代わりに2022年以前の国境線回復だと政権が保たない気がする…
逆だと思う。妥協が難しいのはウクライナ。
ロシアは多少妥協的な条件だったとしても、プーチンは無理やりな勝利宣言してお茶を濁して国民も何となく勝ったような感じになって終わると思う。これはプーチン一強体制だからできること。意義を唱える者はムショ行き。
ウクライナは対立する色んな勢力が、戦争で一時的に結束しただけなので拗れるし、下手すりゃクーデターや内戦にもなりかねん。
いや、そういう話でなくロシアの妥協点はどこか?って話なんだが
ロシアは四州併合に関しては絶対に妥協できないでしょう。すでに併合を宣言した以上、それを放棄するのはロシア憲法に反し、プーチン大統領の威信も維持できません。それを強いれる可能性があるのは軍事的勝利ですが、ほぼ不可能です。
同じくNATO加盟はロシアの核心的な安全保障に反するため、妥協不可能でしょう。
上のコメントにも書きましたが、妥協可能なのは非軍事化と非ナチ化(とは言え西側諸国からの兵器供給制限やゼレンスキー政権退陣は必要でしょうが)だと考えています。
ウクライナにとって最善の結果はクリミア、ドンバスの全域とザポロージェ、ヘルソンの併合を宣言された領土の放棄(明文で認める必要はないかもしれません。面子は保てるでしょう)及び中立化の明記、連邦化による少数民族の擁護(これは当然ですね)でしょう。西側諸国にとってはこの条件をウクライナが受け入れるための安全保障の枠組みをどうするかが最も重要です。
ドネツク州については、このまま2年くらいかければロシアが全域制圧する可能性は十分ある(クラマトルスクとかはかなりの激戦になるだろうが)けど、ザポリージャ州・ヘルソン州全域の制圧はハリコフを抑えるよりも軍事的に困難だろう。
橋が殆ど破壊され尽くしたドニエプル川を渡ってヘルソン市を再度制圧したり、ザポリージャ市の西側を制圧するのはあまりにも困難。
また政治的にも、一度もロシアに制圧されていない州都であるザポリージャ市を引き渡すなど、余りにも困難だろう。この規模の都市が制圧されたのは、この戦争を通してもヘルソン市(2022年2月から11月までロシア支配下)だけ。
というか一度も制圧していない都市を併合宣言の範囲に含めたロシアの選択が、和平条件の柔軟性を大きく損ねたということだろうが。
このあたりを無視して4州をロシアに〜という和平条件を述べるのは極めて非現実的だと思う。現在ロシアが支配中の地域・今後軍事的にロシアが制圧する可能性が十分ある地域・軍事的にロシアが制圧することが非常に難しい地域、これら全てが「4州」の中に含まれていることを知らないといけない。既に4州全てがロシア支配下にあるような言説はおかしい。
上のコメントで私が「ウクライナにとって最善の結果」として書きたかったのは、ドンバス、クリミアの全域およびザポロージェ、ヘルソンの「和平時点でロシア支配下の地域」を国境とすることです。
2022年の住民投票の結果によってロシアが併合を宣言したのは住民投票を行えた地域のみかと思っていましたが、確かに仰る通りウクライナ支配地域も含めた州全域のようでもありますね。
ザポロージェおよびヘルソン州全域をロシアが制圧することの軍事的困難さについては同意です。しかし、不可能ではないかと。今の状態なら無理ですが、非軍事的手段も用いてウクライナの軍隊組織、国家機能、一部反露的な国民の思想を破壊し、ウクライナ軍が有効に機能できなくすれば可能でしょう。ただ、今はまだ空想の段階ですね。エネルギーインフラへの攻撃などで萌芽は見られますが。
領土引渡しの政治的困難さについては、今ウクライナ政府および国民が今後についてあまりにも楽観的ですから、この意志が挫かれれば可能性はあるかと。他のコメントでも書きましたが、この楽観主義は西側の無責任さによって生まれた側面もありますから、意思転換のために西側政府やメディアがより誠実な発信をすることも重要でしょう。さもなければ膨大な血が必要です。
ここまでウクライナにとって不利な内容を書きましたが、そもそもロシア政府にとって四州全域の割譲が必須というわけでもないかもしれません。支配下の領土は決して譲渡しないでしょうが、戦争目的をドンバス解放としている以上、ザポロージェやヘルソンに関しては関しては柔軟な立場をとるかもしれません。どちらかと言えば可能性は低いと思いますが。それに、四州全てを割譲することになったとしても、そもそもウクライナは成り立ちから不自然な国家ですし、小さなウクライナになった方がリスクは減るでしょう。土地に拘り人を死なせるより良いと思っています。
4州の割譲
川までのウクライナ軍が撤退して非武装地帯の設置か軍事力の制限
NATO加盟や軍事協定の禁止
戦争犯罪者の引き渡し
ロシアが妥協出来る最低ラインならこの辺りでは?
現状ラインでの停戦でもロシアは同意しないでしょう、そして数年続くとこれにハリコフやオデッサが追加されます。
管理人さんお疲れ様です
ウクライナ世論はかなり傾いてきたとはいえ、当のロシアが昔のままではやっぱり無理だと思うけどここでトランプがほぼ確定って状況だとどうなるんだか…
「反転攻勢の失敗」でもはや戦争の勝敗は決したんです。
今の戦いは政府の責任逃れのための破局の先延ばしに過ぎません。
こんな無意味な戦いにウクライナの国民は命を落とすべきでは無いです。今すぐにでも戦争終結への決断を下すべきでしょう。
それができていればこんな大惨事にはなっていないよ、、、
もうお互い引けないほど犠牲があり、第三者の強力な強制力が
なければ妥協できない。それができるのはアメリカ中国だけだ。
この二国が強引に迫って初めて停戦の可能性が生じる。
交渉タブー化とか大失敗だと思うけど今交渉交渉言い出すのもそれも逆に内情厳しいって言ってるようなもんでよくないんじゃないかな
やはり停戦交渉となるとまずは現時点での戦線での分割が基本で、ロシアが求める併合した4州の未占領分に関しては、西側が差し押さえたロシア資産の返還とバーターで諦めさせるという感じでしょうか。
「非軍事化」と「非ナチ化」に関してはあまりロシア側はNATO軍が駐留するとかしない限り気にしないと思います
ウクライナの安全保障
はNATO加盟はしないものの、今回の戦争と同じように有事には出来うる限りの支援を西側が行うことを確約
以上あたりが現時点での落としどころじゃないでしょうか。
ロシアの要求を突っぱねることは難しいと思うので中立化と四州独立を認める代わりにロシアにウクライナ全土の復興費用を払ってもらうとかはどうなんですかね?
作業は西側かウクライナの企業が請け負う感じで。
ロシアは「今よりさらに儲かる場合のみ」停戦交渉を飲むと思いますね。
どうあれロシアがウクライナに攻め込んだのは事実
ロシアウクライナ双方(当事者)だけで妥協するのは
非常に難しいのもまた事実
そして唯一これを調停できる力を持っていながら、
ほとんど何もしてこなかったのがアメリカというのも事実
まともな和平案をアメリカが提案したことあったかな?
記憶にない
相変わらず、自分たちの要求は最大限尊重されるべきみたいな思考でいるみたいだな。
停戦交渉の必要性なんて、反攻作戦に失敗した1年前から分かっていたことだろうから、
今の現実を理解するのに、ウクライナ人はあと1年かかるのだろう。
今の現実を理解するのにあと一年というよりは、「あと50万人」というのが正解なような気が?
現時点で一般市民が思ってる(願ってる)分には良いんじゃないですかね。情報統制も受けていますし。
政府が同じ頭だったり先鋭化してると問題すぎますが。
そもそも、電力網を破壊された状態で今年の冬を越えなければならないという非情な現実を認識できていない気が。
実現不可能な「反転攻勢での勝利」の幻想に続いて、今度は実現不可能な「ウクライナ有利な条件での講和」の幻想に縋って戦争を続けることになりそうです。
戦略的に有利なロシアが「ウクライナ有利な条件での講和」を飲むはずないですね
となると我ら大日本帝国みたいに全ての破局まで戦い続けることになるかもしれません
逆に言えば、停電下の越冬を経験しないと、ウクライナ国民が敗戦を受け入れないのかも。
火鉢と練炭でも送ってやったらいいのに。
米軍も韓国で練炭配ってましたっけ。
練炭は日本では主に自決に使用される物だそうですね。
つまり、練炭を送るのは暗に総玉砕を促していると言うことなのでは?
>特にゼレンスキー大統領が主導した和平サミットに自ら出席を拒否したことはウクライナ側に重要な切り札を与える事になった。ロシア人自身がサミット参加を拒否したのに、我々がロシアをサミットに招待しなかったことを誰が非難できるだろうか?
これと同じ考えをウクライナ政府が持っているとしたら、まだまだ停戦は遠そうですね
何故この期に及んで上から目線での考えや、物事が都合よく動くみたいな考えを持てるのかが理解できません
ロシアは負けてませんし、今後も負ける恐れもありません、最悪核を使うだけですからね、プーチンが倒れようとそれよりさらに強硬派が出てくるだけですから何も変わりません。
ミンスク合意を破って戦争再開したのはウクライナですし、イスタンブール合意を破って戦争継続を決めたのもウクライナです。
戦争は始めるのは一方的でもやれますが、止めるには己と相手双方を説得する必要があります。
ウクライナにはロシアを説得するカードが何も有りません。領土を差し出すか、人命を差し出すかしかありません。
日露戦争の停戦、両国交渉担当者・政府高官・統治者の優秀さを感じますね。
国民の反発は、当然のようにありましたが反発覚悟で停戦交渉をまとめており、その後も日露協約を締結しています。
ゼレンスキー大統領が、国民世論の軟化まで待つのであれば、戦争の早期終結がまだまだ難しくなります。
ウクライナが、どういった外交を行うのか注目したいと思います。
この和平・停戦交渉に関する言説で不思議なのは、「ロシアが有利なのだから、ロシアの要求を受け入れるしかない」という主張があることだ。
ウクライナが軍事的に4州やクリミアを奪還するのが困難なように、ロシアも4州全域を軍事的に制圧するのは困難なのだが。ドニエプル川の存在を忘れているのだろうか?
また、4州のうちウクライナ支配下にある地域には、ヘルソン市やザポリージャ市といった、人口的にも非常に大きな都市(州都)が含まれていることを考えれば、ウクライナがそこを引き渡すことは政治的に極めて困難だと分かるはず。ヘルソン市は開戦直後にロシアが制圧した後、2022年秋にロシアが撤退したという経緯があるが、ザポリージャ市は一度もロシアに制圧されていない。
4州のうち、ロシアもウクライナも、それぞれ全域を軍事的に制圧することは困難。また政治的に全域を放棄することも、両国にとって困難。
4州をロシアに引き渡し〜という条件が含まれた停戦案を、現実的かのように語る人は、ウクライナが交渉で4州全域やクリミアを取り戻せると考えている人と同レベルだ。
ツッコミどころが多すぎ。交渉が纏まらなかったら続くだけやで
一応カマラ政権で継戦の可能性はありますが、ウクライナ側に交渉で打てる手は限りなく減ったとしか言いようがありませんね。
本土決戦で敗れた日本が条件を突き付けてるような印象だな