Kyiv Independentのフランシス・ファレル記者はポクロウシク方面での取材結果をまとめた記事を18日に公開、この中で「シルスキー総司令官はポクロウシク方面でロシア軍の攻勢が止まったと主張したが現地の状況は依然として危機的だ」と報じ、現地部隊が直面している問題を赤裸々に伝えている。
参考:‘They attack with quantity:’ With Ukrainian soldiers desperately defending Pokrovsk
何が起ころうとも、それを世界のメディアでどの様に紹介されようとも、現地の現実を最もリアルで正確に届けることがKyiv Independentの仕事
Kyiv Independentのフランシス・ファレル記者はドンバス防衛の最前線=ポクロウシク方面で取材を行い「ウクライナ軍の組織的な問題と人員不足、そしてロシア軍の突撃部隊による絶え間ない攻撃がドネツクでの防衛作戦に困難をもたらしている」と報じており、取材に応じた兵士の証言を織り交ぜながら中々興味深いことが書かれている。
“東部戦線はロシア軍による大砲、滑空爆弾、ドローンの集中使用、さらに数的優位を生かした歩兵攻撃に直面し、ウクライナ軍は準備された防衛ラインの強化もままならず、2022年以降「見たこともない早さ」で領土を失い続けている。今年4月にオチェレティネ付近で防衛ラインが突破されて以来、ロシア軍はポクロウシク方面に20km以上(オチェレティネからノヴォホロディフカまでの直線距離が約23km)も前進しており、前線から十分な距離があると考えられていた物流の重要拠点は敵の大砲とドローンの射程圏に近づいている”
“ウクライナはクルスク侵攻によってポクロウシク方面からロシア軍を引き剥がせると期待したものの、ロシアはアクセルを緩めるどころか攻勢を強化してきた。そのためウクライナ軍も戦略的予備と交戦が少ない地域から増援(ザポリージャ州から移動してきた第15特務旅団=カラダグ旅団等)をポクロウシク方面に投入、これは直ぐ効果を発揮したように見え、シルスキー総司令官も今月5日「ロシア軍の攻勢は停止した」と主張したが、現地の状況は依然として危機的だ”
“シルスキー総司令官の発言以降、ロシア軍はポクロウシク方面での前進を再開し、主要な突出部の南側ではウクライナ軍を包囲しようとしている。Kyiv Independentの取材に応じた兵士らは「ポクロウシクへの圧力が幾らか弱まったことで防衛ラインが強化され、作戦を効果的に遂行するための組織改善に必要な余裕が生まれたものの後者の問題は何一つ解決せず、全体的な人員不足も深刻化するばかりで、ポクロウシク市郊外に到達しようとするロシア軍の脅威は高いままだ」と証言”
“セリダブ方向に配備されたカラダグ旅団の兵士は「我々の任務は敵部隊が動き出す前に砲弾の雨を降らすことだ」「敵はミハイリフカに集結してセリダブへの攻撃を試みているが、ここ2週間は全く前進できておらず、ミハイリフカ集落は敵兵士の死体でいっぱいだ」と、ポクロウシク方面で戦う第68独立猟兵旅団の兵士らも「ここ2週間で状況が少し落ち着いてきたようだが、ロシア人の戦術は決して変わらない。敵は量で攻撃し、我々は質で対抗する。あれだけの兵力と弾薬があれば全ての敵を撃退できていたと思うが、実際にはそれが不足している」と述べた”
“ウクライナ兵士らの証言は「この戦争が規模の大きな消耗戦である」と裏付けており、ロシア軍の容赦ない歩兵攻撃は大きな犠牲が伴うものの、十分な時間と十分な火力で陣地に圧力を加え続ければ、必然的に防衛側は圧倒されることになる。第68旅団で機関銃手を務める兵士も「敵を暫くの間撃退できても結局は弾薬が尽きてしまう」「敵は絶え間なく補給を受けているのに我々は同じことが出来ない」「敵は全ての方向を火力でカバー出来るため、我々は幾つかのポジションを放棄しなければならない」と述べた”
“さらに異なる旅団間や同一旅団内の部隊間コミュニケーションも良好ではなく、前方の歩兵部隊や側面の他旅団が局地的撤退をしても事態が手遅れになるまで報告されないことが良くある。ポクロウシク方面には戦闘能力や準備状態に差がある部隊が多数展開しており、第68旅団の将校も「同じセクターで異なる複数の部隊が戦っていても、我々には各部隊間で適切なコミュニケーションをとる通信手段がない。各部隊が独自に無線を暗号化しているためだ。そのため常に識別マークを確認して隣に誰がいるのか確認している状況だ」と証言”
“ポクロウシク方面の防衛戦は適切にコントロールされているとは言い難く、このような状況下では時間の経過と共に大きな代償が強いられる。第68旅団の火力支援中隊で兵士の士気や精神状態を管理している将校は「正直に言うと直近2ヶ月間で我々は甚大な損害を被った。多くの死者、負傷者、捕虜が発生した。本来なら休息や交代が必要な状況で支援を必要としている。もう命令を遂行するための人員が足りない」と訴えたが、慢性的な人員不足に直面している軍上層部も疲弊した部隊を前線から外すことに消極的で、これがさらなる士気低下を引き起こしている”
“この将校は「(兵士から寄せられる)相談内容や調査結果によれば(第68旅団の)士気レベルは最悪の部類に入る」「それでも兵士らは最後の力を振り絞って耐えており、厳しい状況にも関わらず任務を拒否したり放棄したりする者はいない」と、クルスク侵攻が全将兵と国民の士気を急上昇させたと称賛されていることについても「我々の間に高揚感はなかった」「何人かの兵士は『自分もクルスクに行って戦いたかった』と言っていたが、殆どの兵士は『なぜクルスクに投入して戦力をここに送ってくれなかったのか』と言っている」と述べた”
“カラダグ旅団の兵士はセリダブ方向の状況について「守るに最適な場所で必要なのは幾つかの強力な陣地だけだ。それさえあれば問題なく防衛ラインを維持できる。但し、ロシア軍が(セリダブを)迂回すれば我々の守る範囲も長くなって、これを維持するためにはより多くの戦力が必要になるだろう」と、部隊の指揮官も「ロシア軍がセリダブの南で新たな利益を上げ始めた」と述べ、取材から戻って数日後にはロシア軍の攻勢再開を示唆する変化がオープンソースを活用した戦況マップに現れた”
ファレル記者が「いつポクロウシク方面の取材から戻ったのか」は不明だが、オープンソースを活用した戦況マップとはDEEP STATEである可能性が高く、再びポクロウシク方面の動きが活発になったのは9日6日以降なので「ロシア軍の攻勢再開を示唆する変化」とは6日~16日までの間のことを指しているのだろう。
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏もDEEP STATEも「ウクライナ軍の各旅団には組織化や部隊間の協調に問題がある」と散々指摘してきたが、具体的な問題点(異なる部隊間で意思疎通や調整を行うための通信手段がない)に触れてきたのは管理人が知る限り初めてで、ここまで赤裸々に報じても大丈夫なのか心配になってしまう。
因みに英語で情報を発信するKyiv IndependentはUkrainska Pravdaの取材に「外国人はウクライナの勝利に関する話、特にロシアの敗北に関する話が大好きだ。例えば『ウクライナ軍が集落を解放した』という見出しよりも『集落からロシア軍を追い出した』という見出しの方がアクセスが多い」「侵攻当初は前線でのヒューマンストーリーや痛ましい出来事の話も良く読まれたが、現在はこの手の記事に飽きてしまっている」「Kyiv IndependentはPR会社ではないので『ウクライナの良いイメージを維持しなければならない』という使命感はなく真実を伝えることだけに忠実であればいい」と述べたことがある。
ファレル記者も今回の記事について「ドンバス防衛にとって重要なポクロウシク方面の取材から届ける3本の記事の1本目だ」「何が起ころうとも、それを世界のメディアでどの様に紹介されようとも、現地の現実を最もリアルで正確に届けることが我々の仕事だ」と述べており、どうやらポクロウシク方面の状況を伝える記事があと2本公開されるらしい。
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※アイキャッチ画像の出典:68 окрема єгерська бригада ім. Олекси Довбуша
予想はしていましたがウクライナ軍は深刻な状態のようですね。前線がこの状況では「質でロシア軍を上回っている」という主張も空虚に響きます。それとも第47旅団とロシア軍の領土防衛用二線級部隊を比べているのでしょうか?
>>我々には各部隊間で適切なコミュニケーションをとる通信手段がない。各部隊が独自に無線を暗号化しているためだ。そのため常に識別マークを確認して隣に誰がいるのか確認している状況だ
軍事には詳しくないのですが、これは正常な状態なのでしょうか?暗号が一挙に漏れたらまずいため別の暗号を使用するのは納得できますが、部隊間で意思疎通が図れないのは致命的な問題に思えますが…また、管理人様の仰る通りこれほど具体的に問題点が報じられたことは興味深いです。個人的には戦況が悪化する中、締め付けばかりでは不満が溜まるためある程度の自由を与えることによってガス抜きを図っているのではと思っています。ロシアが軍事ブロガーにある程度の作戦批判を許したようなものかと。
>>外国人は〜特にロシアの敗北に関する話が大好きだ。例えば『ウクライナ軍が集落を解放した』という見出しよりも『集落からロシア軍を追い出した』という見出しの方がアクセスが多い
なんだか他人事に思えませんね…我が国も深淵を覗けば未だにこんな記事だらけです。「道徳的優位」を盾に理解できない「他者」を戯画化し笑いのめす醜悪さはどこの国も同じですね。
確かに複数の暗号を使い分ければ強度は増しますが…今回の事例だと敢えてそうしているのではなく、単に現場指導の不足によるものではないかと思います
端的に言えば無線機の設定ミスということではないかと
暗号化により通信が困難になってしまうと、現場の将兵らにより非暗号化通信が横行し情報が垂れ流しになってしまいます
いや、単に世界各国からまちまちな無線通信設備を供与されてるから,部隊間で互換性がないというだけでは。生産国も規格もメーカーも全部バラバラでしょうからね。むしろ通信出来たら奇跡ですよ。
世界各国と言ってもほとんどはNATOなんですから、ちゃんと設定すれば同じ規格で通信できるはずです
>さらに異なる旅団間や同一旅団内の部隊間コミュニケーションも良好ではなく、前方の歩兵部隊や側面の他旅団が局地的撤退をしても事態が手遅れになるまで報告されないことが良くある
ワザとか、組織的問題でしょう。単純な部隊間ではなく。
>異なる旅団間や同一旅団内の部隊。
旅団はそれなりに単位がでかい。なので、上層部、中間管理職間でのコミュニケーションが良くない。腐敗している組織ではよくあること。
”敵は量で攻撃し、我々は質で対抗する”
今や、結構多くのメディアが、質量ともにロシアが圧倒とか書き始めてるけど、そうなの?って感じ。部分的には、質的に優れるところもあるとは思うけど、ざっくり見ると、やはり質も量もロシアが上なんじゃないかなと思う。特に最近に至っては。
ウクライナは負けているから仕方のない事かもしれないけど、部分的な話が多いという印象。大きく見ると、戦略、戦術、武器、兵士の面で、質でも負けていると思う。
ロシアは戦争に強い国ですが、ソ連時代の軍事装備が残っていた・上手く活用したのもあり、異常に強いという感じがしますね。
ウクライナも、陸軍の通常戦力のみならばヨーロッパ最強の国(ロシア除く)になっていますが、ロシアが異常な水準だなと。
ウクライナ戦争の開戦当初と、ウクライナ=ロシアの前提条件が、仰る点についてかなり変わったように感じています。
ウクライナが、長期の消耗戦を続けた先に展望があるのかどうか、西側諸国は前提条件(国力など)を見直して比較すべきかもしれませんね。
ロシア、ウクライナ共に、ソ連の遺産を主力として戦ったという意味では、ソ連ってどれほどの軍事力を持ってたの?となりますよね。
メディアが言っていた、弱小ウクライナは、実はソ連のナンバー2で、軍事産業も大きかったという事実は今も知る人は少ないのでしょう。やはり軍事強国ですよね。
ウクライナにとっての長期戦の意味は、個人的にはゼレンスキー政権の維持ぐらいしかなく、西側(ヨーロッパ)にとっては、特にポーランドなどの中堅国が軍備拡張する時間稼ぎの意味合いが強いと思います。ただ、メディアが言うように、数年後にそちらにも攻め込むという意見については懐疑的に見ているので、じゃあなんでこのような事を続けているのか?という気分にはなります。時間はかかるかもしれませんが、結局のところガスはヨーロッパと繋がると思っています。理由は簡単で、そうするしかない事が分かったからです。
ただ、ポーランドは、国力に見合わないほどの戦力を保有しているので、維持は大丈夫なの?と、そちらの心配をしてしまいますね。
前線でのリアルなインタビューはおっしゃったように部分的な話とそこから推測されることの両方があると思います。
おっしゃるように、兵士たちはロシア兵もウクライナ兵も「こちらは質的に優れているのだが・・・」とかの話は、よく語りがちですね。
しかし、全体としては単純なことだと思います。ウクライナ軍は兵士の数の優勢を失いつつあるのではないかということです。
今までロシア軍は砲爆撃で優勢であり、ウクライナ軍は兵士の数で優勢でした。
しかし、最近、戦っている兵士の数が、ウクライナ軍は6、70万人でロシア軍が5、60万というようなウクライナ側の報道をどこかで見ましたが、消耗や供給などいくつかの要因で今は兵士の数も拮抗してきているのではないだろうか。
そうなると砲爆撃も兵力もロシア軍が優勢になります。
(もちろん戦線によって違いはあるだろうし、ロシア軍側の供給力が限定され十分な兵力がない状況は最初から変わってはいませんが)
ウクライナ軍は、T504(ポクロウシク東部)・ウクライナスク西部など補給路の遮断を防ぐために、部隊を薄く引き伸ばしていく必要がありますからね。
1か所でも突破されるときびしくなるため、正面戦線の長さがドンドン長くなりつつ、補給路の遮断を防ぐ負担が大きくなっているように地図上では見えます。
ドニプロペトロウシク州の防衛線構築も、ポクロウシク周辺の状況を考えれば、防衛施設整備を始める必要があるとは思うのですが…。
クルスク侵攻により、スジャ周辺に工兵部隊も必要でしょうから、ウクライナは軍事資源の配分が非常に悩ましいでしょうね。
ウクライナ戦争は、正面戦線の長さが、あまりにも長いなと感じています。
一枚目の写真のシャベルがあまりにも酷くてかわいそうすぎる。
人民解放軍の折りたたみ式万能シャベルを送ってあげたくなる。
これで、はか・・・いや塹壕を掘るんだよって。
シャベルがこれほど重要な兵器だっただなんて、開戦当初は誰も思っていなかったことを思い出しました。
同感です。「ロシア兵はシャベルを持たされている!」とこの戦争で何度か嘲りの対象になっていましたね。でも冷静に考えれば兵隊がシャベルを持つというのは「そこに塹壕を掘ろうとしている」という別におかしくもなんともないことなんですよね。
恥ずかしながらこの戦争が始まるまで、私はそんなことにも気づきませんでした。装備が行き渡っていないのだと単純に思い込んでいました。ロシアに対して差別的な意識があったのだと思います。シャベルに限らず「相手はなぜそうしているのか?」の思考が大切ですね。
水筒・ナイフ・コンパス・シャベル・コッヘル・シュラフなどはアウトドアライフの基本装備ですよね。歩兵の基本装備でもありますね。それをあざけるというのは素人丸出しです。記者というのは(特に日本では)あらゆる分野の素人です。専門家と称する怪しげな人のいい加減な話を聞いてアレコレ脚色して書くだけなのである程度知識のある人が読むと笑ってしまう例が多い。
塹壕は重機で掘った方が効率的だから装備が行き届いていないだけだと思うけど。
日本で塹壕のような大きな穴を人力で掘る工事現場はないと思う。
もちろんロシア軍も塹壕掘削に重機を投入しているのでは。塹壕専用の装甲工兵車両БТМを持ってるし。
兵隊がシャベル持って云々の話は、БТМのような重機が不足しているから人海戦術で掘っているとかそういうことではなく、重機を使ったとしても仕上げや調整などで人間がシャベルを使う必要があるのではないかと思うのだが。実際に塹壕掘った経験があるわけではないので単なる想像だが、屈曲部の角なんかはシャベルで整形したりするのでは(田んぼの角は田植え機では植えられないので手植えするみたいな)。あるいは地形的な制約で重機が入れないところとか。
土木現場の実務経験者に聞けば、正しいところを教えてくれる気がする。
太陽光発電や風力発電の完工試験に従事したことがある者ですが、実際、「地形的な制約で重機が入れない」ところは多くありました。なので、人が動かせる、軽トラに積めるレベルの工事機械でまずは“工事用路”を作る必要があり、それから重機を搬入するのだと。
長野県、山梨県、群馬県や東北諸県でも多かったですが、山奥の傾斜が厳しいところに太陽光発電所を作るケース、それから、林道などが整備されていないケースなど。
それから、日本では地盤種別が硬いほうから第一種から第三種まで設定されているのですが、腐葉土や泥土が深さ30㎝以上ある脆い「第三種地盤」ですと、密度と重量のある風力発電のタワー部分のような【超重量物】は工事現場に置くだけで地盤沈下を呼んでしまうため、現場をまずはコンクリで固めることは当然として、「タワー部分を運ぶための羨道作成」、「綿密な輸送計画」が必要になるのだと。
「第三種地盤」は同時に農業適地でもありますので、泥濘期のあるドンバスの農耕地を考えますと、戦争の【超重量物】を輸送するための道路インフラ整備というのは、一般民には想像つかないほど難しいのではと考えます。
穴をほるのがそんなに難しかったとはしらなかった
恥ずかしい限りです
穴があったら入りたい!!
ものすごくためになりました
ウクライナの大部分を占める黒土地帯では重機による塹壕構築が思ったより難しくシャベルが頼みの綱になるのかもしれませんね
情報ありがとうございます、勉強になります。
重機の搬入なんかでも、足場をならしたり、鉄板を引きますよね。
別件ですが、ラフテレーンクレーンのアウトリガーを出して重量物を吊り上げた時に、足場が甘かったため陥没した事を思い出しました…。
転けなくてよかったなと。
ドンバスのように土が柔らかいと、戦車のような40t近くの重量物は、輸送・移動だけでも仰る通り大変でしょうね。
それ以前に、単に進出した先で歩兵が真っ先にやらねばならないのは「自分1人の安全を確保出来る穴を掘る」ことです。穴は万能の防御装置ですから。
自分が砲撃を受けた時に隠れる場所を作ってから、そこから初めて組織的な塹壕線の構築に入れるんですね。
また。
穴掘りの素晴らしいところは「誰が掘ろうとそれなりに成果が出る」「掘った成果は本人が死んでも後に残る」ことでして。
新兵がライフル乱射したところで何の役にも立ちませんが。
新兵が50センチ穴掘って死んだなら,その後に誰かがそこから掘り続けて塹壕を完成させる役にたちます。
新兵にスコップ持たせて前線に送るのは、それなりに合理的な意味があるんですね。
BTM-3の記事によると深さがだいたい1.5Mまで
時間1000M掘れるのは助かるがでもこれでは足りないよな
足りない分をシャベルで掘ってるのだろう
あと前線付近で地下空間などを掘る時も人の手で掘った方が早いのかもしれん
遥か後方での陣地構築なら重機を使えば良いでしょうが、前線に近い場所、近いと言っても自走砲の射程に入る範囲である前線から20km以内くらいまでは重機なんてただの的なので、基本的には手掘りということだと思いますよ。
手彫りなら既に掘った塹壕を伸ばしていくので隠れながらの作業になりますが、重機ではそれは出来ないですからね。
その通りですね。最前線で重機は困難。
重機は、戦車や歩兵に対して守備力増強効果があるので、戦車よりも破壊優先度が高い場合もある。
最前がシャベルになるのはしょうがないし。重機なんて待ってられないでしょうに。
前線運用する装甲重機はどこの軍隊でも持ってます
またロ軍は民製の重機も躊躇なく前線に投じています
当然頻繁に損耗していますが、塹壕掘りの時間を大幅に節約できるメリットは絶大です
その日じゅうに露軍を叩き返せなかったら、翌朝には初歩的な要塞が出来上がってるわけで
戦争のルールが根本的に変わります
ここでも何度も記事になっている通り塹壕採掘専用の重機なんて世界中から掻き集めてもロシアの保有数に届きませんよ
西側は塹壕戦なんて過去の遺物と舐め腐ってましたから
私も同じです。平和な社会にドップリ浸かって現場への理解力が低下していたと反省しています。
無知によりもっと良い装備があるはずと勝手に思い込み、銃弾や爆弾が飛び交う戦場では目立つ行為は死を招くなど、当たり前のことであるにも関わらず思いもよらぬことでした。
仰る通り、「相手はなぜそうしているのか?」という思考は大切であり、再認することで私生活にも良い影響がありそうです。
「歩兵の仕事の8割は塹壕掘り」と言われたのは第二次大戦の時でしたか・・・。タコツボや塹壕が無いと兵は地上に身をさらしたままなわけでそんな時に砲撃を受けたらひとたまりもありません。タコツボや塹壕は大事な兵の命を守るための生命線なのです(兵にとっても大事な自分の命を守るための生命線です)。ロシア軍が占領したらすぐ陣地構築をするのは敵が奪還するために攻めてくることを想定しているからです。旗を掲げた自撮り写真をSNSにアップするのが占領(防御側は奪還)では無いのです。我々日本人にとってもロシア軍の戦い方は非常に参考になると思います。もちろん大陸国家のロシアと海洋国家の日本の地政学的違いはありますが・・・。ロシアを見下し嘲るのでは無く、謙虚にロシア軍の戦い方に学ぶ必要があると思います。ビスマルク曰く「愚者は自己に学ぶ。賢者は他者に学ぶ」
久しぶりに「中国製万能シャベル紹介PV」をYouTubeに見に行ったら、長さはそんなに変わらなかった。
まあ、今は把手とか長さとか改良されたのがいくらでもありますが。
ここまで酷い慢性的な人員不足だと遅かれ早かれ徴兵年齢引き下げや学徒出陣も行われるんじゃ無いですかね…
国の未来を対価に差し出して…
既にウクライナの年代別の人口を考えると今世紀中国家を維持出来るか怪しいとこがあるので、それをやるとそれが早まるというか…。
まあ、やらないと未来より今が崩壊するだけなのは分かりますが。
「Kyiv IndependentはPR会社ではないので・・・真実を伝えることだけに忠実であればいい」と述べたことがある。
うん、崇高じゃないか
「親露の巣窟」と非難されることもありながら、この戦争の戦況をクールに取り上げるこのサイトのようだよ
無名の凡人たる私の賛辞や謝意が何の励みになるか知れないが改めて管理人殿に感謝申し上げます。
この戦争が始まってから国内メディアはどこもPR会社のようになってしまいました。
願望が入った楽観的な報道に、小さな戦果を異常なほど強調して大きく見せる手法、果ては戦争を金稼ぎのために利用するカウントダウン芸人などなど…
結局実際の状況を知るには双方の現地メディアをあたるしかない。
そういう意味で、管理人氏がきちんとソース元を提示し多くの人が実際にチェックできるようにされているのは大変素晴らしいと思います。
>>Kyiv IndependentはPR会社ではないので『ウクライナの良いイメージを維持しなければならない』という使命感はなく真実を伝えることだけに忠実であればいい
これは素晴らしい格言だよ。これこそジャーナリズムだ。
大本営が多数を占める中、信念を貫かれる方々には本当に尊敬の念を抱きます
想像を超える圧力があるでしょうに
2023年の反攻作戦失敗までは大本営発表の片棒を担ぎ続けていたKiev Indipendentが今更「真実を伝えることだけに忠実であればいい」と言いだしても…
それは単に「ウクライナ優勢」という見出しや記事内容に対して懐疑的に受け止める読者が増えて、ビューが伸びなくなったから現実的な記事を主体にしただけでは?
組織の継続性という意味ではそうともとれますが、時流の変化に応じてKiev Indipendent内部の主流と反主流の地位が逆転したという可能性も大きいと思っています。
大本営発表の片棒を担いでいた会社上層部が方針転換したというよりも、度重なるウクライナ軍の失態と政権人事刷新を受けて、会社上層部が反主流に落ち、「正確な記事を書くべき」という方針である故に今まではゼレンスキー政権に疎まれていた窓際族が、民意と時流を得て主流派になりつつある。
凄く簡単な例えですと、岸田の自民党が恥知らずな方針転換をしたのではなく、野党に政権を奪われたため、今までの自民党へのアンチテーゼとして「前線の正確な報道」が掲げられている。ような感じかと。
真実であっても、特別な事例ばかり選択的に取り上げ続ければ、それはそれなりに偏向報道であって、対する状況判断には有害となる場合もあるでしょう。
戦時下ですので、いくらでも悲惨な実例、失敗事例を列挙可能でしょうし。
”ウクライナ優勢“報道より、劣勢で悲惨な事例を報道したほうが、西側国民の情緒に響き支援ゲットに繋がると判断したのでしょう。しかし、「可哀想だから支援を増やすべし!」という西側世論が形成されるかどうか…
“政権内部の汚職や横流しで、幾ら支援しても無駄”という報道が増加するなら、見事な報道姿勢だと思います。
自分もその通りだと思います
悲惨な状況を伝えれば終戦が速まると思います
昔、討論会で女の子が武器を送ら無ければ戦争は終わると
周りの大人や子供は馬鹿げた話だと耳も傾けずに馬鹿にしてたが
今となっては、彼女だけが真実を言ってたんですね
キエフ政権や欧米の利権の為に戦争を続けようとせずに
ウクライナ国民の生命の為に停戦を考えてほしいですね
支援国民が事実を知れば支援を打ち切る話も出て来て、継戦が
無理な状況になれば、まだ多くの人が助かると
陸上自衛隊でもCI4システムだ、正倉院だ、平等院だと、紫式部が主人公のNHKの大河ドラマみたいなことを言っていますが、西側NATOが盛大に支援し、訓練もしたはずのウクライナ軍が、この第68独立猟兵旅団のように、目の前にロシア軍の大軍がいるのに、隣りの友軍部隊が何しているのかさっぱりわからない、いるのかいないのかもわからない、自分以外どこに誰がいるのか全然わからない・・、みたいなことになっているのは悲惨な状況としかいえません。
データリンクだ、スターリンクだ、情報共有だ、SNSだ、AIだ・・、と散々言われながら、今の我々が戦況判断のために一番頼っているのもロシア人であるレイバー氏の書き込み、投稿なのです。紙媒体である新聞や雑誌さえも記者の如何で単なる広告のチラシと化してしまうわけです。
挙句の果てにはスマホがヤバいからポケベル買ったら、中に爆弾仕込まれてた、というような話まで出てきています。
使う人間が信用できなければ、どんな最先端のシステムがあっても無意味、あるいは逆効果になってしまうのです。
>真実を伝えることだけに忠実であればいい
じゃあそもそもマイダン革命あたりから洗い直した方がよいでしょう、Kyiv Independentは。
ビクトリアヌーランドおばさんなどのご活躍は別段隠されてはおりません。
もっともKyiv Independentのみなさんがそんな事する訳無いと思っていますが。
そもそも俺は「真実」って言葉嫌いなんですね。
嫌いって言うかなんて言うか、ホレ「真実は人の数だけある」とか言います。俺にだって「俺だけの真実」がありますが、そんなの「他人に言ってもしょうが無い奴」とかでしかないです。
でも、「事実」や「実相」は大体一つしか無いですよ。こっちの方がよくないですかね?
こういう事を言うメディアが大抵好きなのは「真実」なんですね。「事実」ではないのです。
おっしゃることは何となく分かります。
私も、探偵漫画などのフィクションで「真実は一つ」とかは楽しめますが、メディアが書くと「真実=購買者のうけの良い情報」になってしまうので。あるいは、政権と結びつきが強ければ権力者の都合の良い情報へ。
そもそも、記事が売れなきゃ自分が明日食べる飯が減る立場にある人達に、“公平な事実”を書くことを期待するのが構造的に無理がある気もしますが。古事記や日本書紀を編纂した人達も、まあ似たり寄ったりのジレンマを抱えていたと思います。ヤマト政権に都合の悪い“事実”を、史実として残すわけにはいかないなら、歪めた真実を書くしかないでしょうし。
その点は、アメリカだろうがロシアだろうが中国だろうが、変わるものではないと思います。
当然そうです。
というか、ロシアは都合が悪い事については大抵だんまりです。それが続けられないなとなると渋々認める。なんか弾薬庫が爆発してるみたいですが、やはりあまり報道してない。
中国はもっと堂々と無い事にしてしまう事がある。こういう堂々とはよくないですが、あそこの国民性を考えると嫌なんですが多少そうするのも理解は出来る。不用意に壊れられても困る国なのでまぁ……ってなります。日本に難民が押し寄せられても困るので。
米国というか日本を含む西側はもっと「戦略的」にメディアの記事とかニュースを利用します。ただ、こういう戦略性が必ずしも効果的な訳ではありません。自分達の主張に自分達が騙されていくというのはこのウクライナ戦争では特に西側で多発してるように思われます。
これらのニュースの事実性については結局後付けでしかわかりませんが、確定した事やほぼ確定した事がどれだけあるかでどの程度あてになるかがわかると思います。
真実という言葉には英語のtruthでも多分ウクライナ語でも英語でも気持ちが込められています。
だから事実のfactとは分けて使われる。
もっとも所謂fact checkもそれほど当てになる訳では無いのですが何故truth checkという言い方をしないのかというと結局事実と真実は違うからでしょう。
「真実を伝えたい」ってのは理解を求めてる訳で支援とか支持を求めてるのでしょう。でも、第三者にしてみると実際どうなってるのかしりたいので、それで態度を決めたいってなる訳です。俺は平穏に暮らしたいだけみたいなウクライナのおじいさんやおばあさんとかに対してはどれだけ支援してもいいだろ、って思ってますが、Kyiv Independentが支援を求めてるのは誰にたいしてなんですとなる。
ウクライナ市民なのか、それともウクライナ政府なのか。
NHKの番組で元志願兵が小学生位の息子にドローンに興味を持たせ一緒に作り続けるとゆう感じの内容でした。当事者はこの絶望的な状況を理解出来ないのでしょうね。
”ウクライナ兵士らの証言は「この戦争が規模の大きな消耗戦である」”同意です。
付け加えるなら、”最前線への味方火力の集中”が挙げられるのでは。
何度も書いていますが、最前線の火力が不足していると想像しています。
瞬間的な大火力が必要でしょう、きっと。擲弾銃、無反動砲、軽迫、短射程MRLなど。
敵が突撃に移った時にそれをストップできるのはそうした物では。
歩兵携行ミサイル/ロケット弾だけでは、直ぐに弾を打ち尽くしてしまうでしょうし。
たとえば、昔の米海兵隊の対戦車大隊みたいな部隊を編成してみては?。
当時の海兵隊対戦車大隊は、M50オントスを15輌/中隊×3で45輌装備し、
M40無反動砲(105mm)を270門で斉射することが理屈上ではできました。
間接射撃ではなく、直接射撃です。威力の方は申し分なかったと想像します。
ロシアの「数」にウクライナは「質」で対抗、、、
既にミリオタニキの方々が上で散々突っ込まれているが
管理人の記事内の情報でも、矛盾しまくっている
ウクライナの兵士からすると「我々は後退を強いられて
いるが、敵に甚大な損害を与えている!」と自分に言い聞かせ
なければ、精神が保てないのだろうというのは理解できるね
このロジックは確か、、、第二次世界大戦の、、、旧日本軍が
、、、う、、、頭痛が、、、痛い
まあよほどのニヒリズムで軍内弾圧を恐れてない人でないと自軍が質で劣っているということもないでしょうし…
合っても士気で勝っているという言いかたになるでしょうね
FIRMSで確認。
例の弾薬庫は依然として反応が続いています。
(クルスク)
ボルショエ・ソルダツコエ西に点在する集落群で反応(ロシア軍支配地域)
マラヤ・ロクニャ南西、リュビモフカ周辺で複数の反応(ウクライナ軍支配地域)
オブホフカ集落内で反応(グレーゾーン)
グルシコヴォ内部(ロシア軍支配地域)でも複数の反応が見られます
(クピャンスク方面)
スバトボの西、幹線道路沿いで反応。グーグルマップでは反応があった場所に陣地が確認できます。
バフムトの東、ポパスナ南東部の森で大きな反応。グーグルマップでは森に出入りするわだちが確認でき、ロシア軍がこの森に陣地を築いていた可能性があります。
(ポクロウシクおよびトレツク方面)
数えるのが億劫なほどの反応。ウクライナ側だとポクロウシクおよびトレツク市内、特にトレツクは建造物を残らず破壊する気かと思うような数の反応。
ロシア側支配地域もフロディフカ、ノヴォホロディフカ、セリダブ東部のグレーゾーン、ウクライナスクで複数の反応が起きており、ウクライナ軍が応戦していることが示唆されます。
(ヘルソン)
ノーバ・カホフカ市内の主要道路で複数の反応。
(ロシア国内・クラスノダール)
エイスク南にあるKrasnoflotskiiの近くで反応。グーグルマップでは反応が起きた場所の近く、座標(46.62879,38.25164)にロシア軍の拠点と思われる施設が確認できるため、同所に対して何かしらの攻撃が行われた可能性があります。
記事で挙げられてる軍事的な4要素で考えると
大砲:ウクライナにもある。弾は足りないけど西側砲だし精度は確保出来てる・・・はず
ドローン:ウクライナにもある。というかウクライナ軍の主力と化してる。
歩兵:当然ウクライナ軍にもある。人員不足だけど気合で頑張ってる。
滑空爆弾:ウクライナにもある。精度と威力はじゅうぶんだが40対1と推測されるぐらい不利である。
最後の要素が質VS量を飛び越えて無VS有に近いんだよなあ。
掩蔽されるとクラスターも代替弾頭も無力で陸自も20榴を保有し続けました。
その20榴より更に強力なのが航空爆弾。陣地無力化で最速はやはり空爆です。
戦争準備の機甲と火砲が枯渇したら最後はロシア空軍がお相手という事です。
ウクライナとしては一機あたりが高価なので撃墜を毎度大々的に宣伝しているが、実際にはロシア航空宇宙軍の戦力は開戦前の90%以上を保っているとのことなのでね…
AFPによると、ゼレンスキー大統領は「クルスク攻撃でロシア兵4万人をウクライナ東部の前線から引き離すことに成功した」と演説しているらしい。
4万人云々が事実であれ大本営発表であれ、奇襲攻撃の目的が一種の囮だと宣伝するのは軍事的に意味あるのだろうか。
むしろ他に本当の目的があるのなら理解できるが。
>越境攻撃で4万人誘引、東部でロシア軍の戦力低下 ゼレンスキー氏
>【9月20日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は19日、ロシア西部クルスク(Kursk)州への越境攻撃で、ロシア兵約4万人をウクライナ東部の前線から引き離すことに成功したと主張した。
>ゼレンスキー氏は19日夜の演説で、東部ドネツク(Donetsk)地方の戦況は「極めて厳しい」が、ウクライナは同地方でのロシア軍の戦闘能力を低下させることに成功したと主張。
>「われわれはすでにロシア兵約4万人を同州に引き付けることに成功した」「われわれの行動は続く」と続けた。
夏の大攻勢を総括してもいいのではなかろうか
2023年はウクライナの大攻勢
2024年はロシアの大攻勢
どちらがどれだけ利益を得たか、ですな