ウクライナ軍はロシア軍によるクラホヴェ占領について「まだ市内で戦闘は続いている」と否定し続けているが、ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏からは「なぜ同じ過ちを繰り返すのか?」と、DEEP STATEも「街の一角を保持しているのは政治的任務だ」と批判した。
参考:Ситуація на Курахівському напрямку потребує негайних рішень Ставки та Генштабу, я сподіваюсь, інформаційний розголос змусить діяти.
参考:Битва за Курахове: що відомо
参考:Russian troops overrun Kurakhove, approach Pokrovsk east, south, and southwest
参考:Deepstate: Майже все Курахове окуповане ворогом
もっと情報の見せ方を考えないと不信感をコントロールできなくなるかもしれない
いつの時代でも戦争当事国は「都合の悪い情報」を隠してきたが、ウクライナとロシアの戦争は無人機の大量投入、スマートフォンの普及、スターリンクによるネットワークへのアクセスによって「情報の流通」が統制できなくなり、戦いを優位に進める方も積極的に情報をばら撒くため「前線で起きていること」を一般人でも素早く把握できるため、もはや「都合の悪い情報」を隠して得られるのは不信感だけで、ウクライナ軍はクラホヴェ陥落を巡って国内から批判されている。
![](https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2025/01/RA_2025_0105_32.webp)
出典:ЮЖНЫЙ РУБЕЖ
DEEP STATEはクラホヴェ方面について5日「ロシア軍がクラホヴェ西郊外の機械工場に到達した」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がクラホヴェ西郊外の機械工場西端=Ⓐで国旗を掲げる様子が登場し、ロシア国防省も6日「ウクライナが10年の歳月をかけて強力な要塞に作り変えたクラホヴェを解放した」と発表したが、ウクライナ軍は6日「まだ市内で戦闘は続いている」と、7日「我が軍は市内の発電所を含む西市内と西郊外を保持している」と発表し、これについてウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏は「なぜ同じ過ちを繰り返すのか?」と指摘。
“クラホヴェの状況は司令部の即時決断を必要としている。もう街は失われているのに司令部が命じるため兵士らは「郊外の工場地帯」や「街に通じる道」を勇敢に守っている。現在の状況は我が軍にとって著しく不利で、現場の指揮官らは「部隊の全滅させるな」「戦えるうちに有利なところまで部隊を後退させよ」「先手を講じて損失を減らし敵の損失を増やせ」と訴えているが、司令部はソレダル、バフムート、アウディーイウカ、ヴフレダルと同じことを繰り返している”
![](https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2024/12/UA_2024_1213_12.webp)
出典:СИРСЬКИЙ
“敵が街の奥深くまで入り込み、これを押し返す見込みもなく、敵に与える損失と被る損失で我が軍が不利にも関わらず「命令を実行する者」がいる限り「持ちこたえろ」と命じる。だから回復の見込みがある部隊が完全に失われ、前線を守る兵士が足りなくなり、もっと多くの後退を強いられるのだ。きっとポクロウシクやヴェリカノボシルカでも同じことが起きるだろう。なぜ司令部は同じ過ちを繰り返すのか?新たなスキャンダルになる前に決断を下せ。現在の状況なら「有利な位置まで後退する」という決断は十分正当化できる”
DEEP STATEも「まだクラホヴェ火力発電所付近で交戦が確認されているが、これは街全体の支配に何ら影響を及ぼさない。もうクラホヴェは敵にほぼ占領されている。幾つかの部隊が街の一角を保持しているのは政治的任務でしかない。急速に市内中心部が失われたため街を守っていた部隊の士気に大きな影響が出ているが、(まだ市内で戦闘は続いているという)軍報道官の発表は兵士の士気を更に下げるだけだ。この様な行動は戦場の現実ではなく『こうでなければならない』『そうあってほしい』という立場から生じている」と言及。
![](https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2025/01/RA_2025_0106_64.webp)
出典:Воин DV
kyiv Independentも「ロシア軍がクラホヴェを掌握した」「クラホヴェは2025年に陥落する初めての大きな都市になるだろう」「ロシア国防省は1月6日にクラホヴェの完全制圧を発表した」「これをウクライナ軍は認めようとしない」と報じ、この手のやり取りは主要都市の陥落時に繰り広げられる「お馴染みの光景」だ。
勿論、主要都市の陥落を認めるには政府や軍の内部で調整が必要なもの十分理解できるのだが、ウクライナ人ですら「街を失っていない、敵のプロパガンダに騙されるな、軍を信じろ」という発表からの「全ての建造物が破壊され、守るべきものが無くなったため準備された陣地に後退した」という展開にうんざりしており、もっと情報の見せ方を考えないと不信感をコントロールできなくなるかもしれない。
追記:DEEP STATEが「もうクラホヴェは敵にほぼ占領されている」と言及したため、ウクライナメディアが「クラホヴェが敵に占領された」と報じ始めた。
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、第155旅団事件の主犯はゼレンスキー
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、新旅団編成は資金と人材をドブに捨てているだけ
関連記事:ロシア軍に要塞をプレゼントした無能司令官が解任、後任はタルナフスキー准将
関連記事:ポクロウシクの防衛ラインに致命的な裂け目が生じた理由、本当に意味不明
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、政府の防衛ライン建設に関する説明は全て嘘
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、勝利計画は無責任な計画で何も変わらない
関連記事:ウクライナ人記者、ヴフレダル喪失は戦略的にも深刻な問題を引き起こす
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、ポクロウシク方面の状況は壊滅的だ
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、なぜ軍上層部は同じ過ちを繰り返すのか
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、勝利を妨げるのは最高司令官の無能さと無責任さ
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、兵士の自己犠牲で前線が支えられている
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
大体こういうのって48時間ぐらい経つと事実が明らかになって来る気がする
というか西側やウクライナのメディアが出す第一報に願望の籠った虚報が多すぎる
情報も酒も少し時間を置いた方が飲みやすい感じはある
ダグラス・マクレガー米退役大佐『ウクライナの発表する情報は大体が48時間以内に嘘だと論破されている』
まだ戦闘が続いているだけなら嘘にはなりませんね
戦闘内容がロシア軍による掃討戦に等しいので全面撤退して戦力温存した方が良いという批判の方が遥かに説得力があるけれど
まだ市街地西部と火力発電所を掌握しているは仮に事実だったとしたも視覚的証拠からして守備隊が後方を遮断され完全包囲されてるとしか解釈しようがなく色良いこと言おうとして現実よりも戦況を悪化させていて意味不明です
大多数は西端の機械工場陥落の視覚的証拠なぞ知らないので問題ないてことなのでしょうか?
ドローンによる視覚的な検出が重要になったせいか、この戦争では、まるで戦車もギリースーツみたいにゴテゴテ付けるようになった印象がありますね。
コープケージまで含めて、スターリンが今の戦車見たら、なんて評するんだろう。
しかし、松の内も開けないうちに「2025年に陥落する初めての大きな都市」とか言うのどうなの。
マリウポリでもセベロドネツクでもバフムトでもアウディーイウカでもウグレダルでも使い古されて聞き飽きたよ
ウクライナ軍がロシア軍に負けるのは物量も兵力も足りないのだから仕方ない
これは勝てるだけの装備兵力を用意出来なかった政府の責任です
だが政府は司令部の責任にし更迭します
旅団長が更迭されなかった旅団を数える方が簡単なくらいです
ならば政府の顔色を窺う以外出来る事など無いでしょう
人事と評価システムを改善しない限りまた繰り返すと思います
ISWが更新したけど、クルスクのウクライナ軍、もう押し戻されてますね。
昨日までウクライナ支配地域だった地域が複数係争地になったりロシア支配地域に替わってる。
ウクライナがクラホベェの陥落を公式に認めないのは、退却命令が出ていないこも関係しているのではないか、つまり死守命令が出ているからではないか?
ウクライナ軍のベテランの部隊は不利な状況でも粘り強く戦っている。さすが陸軍大国の伝統がある国だと思う。しかし、今のウクライナ軍の戦略は、「見せるため」「宣伝のため」という傾向が強いように思う。
損切りできないで大負けしたのおもいだした
負けは決まり
なら負けならどうするか
フィンランドの前例がある。
交渉次第では抑えれるんじゃないか?
このまま全滅して行くと全部分取られるぞ
独仏『ミンスク合意は時間稼ぎ』
トルコ『イドリブの時間稼ぎ』
もうロシアとしてはウクライナを中途半端に生かしておくことは出来なくなってしまった
すべきことはその通りなのですが、その交渉が現状困難に過ぎましてね。
反攻作戦前でしたら、ロシア側も周到な陣地形成していたことからわかる通りウクライナ軍をかなり高く買ってましたが、今やウクライナにロシアが停戦に乗る価値を与えられる術があるか?というのが先に来ます。
まずロシアがなぜ継戦できるのか、というのは核を持つ大国なので基本的には責められる心配も不要ですので、外国派遣するリソースと制裁、人的資源の損失のみの負担です。それは軽い負担ではありませんが、ウクライナのNATO化、クリミアという国民に人気な土地の損失などの経常悪化と天秤にかけても耐えられる体制になってるのでしょう。
もちろん、ロシアが他の外国に手掛けられるリソースがなくなるというデメリットがあるので、大逆転があるとすればベラルーシ政変だと思うのですが、それも核共有や統治体制の強化を進めたので難しいですね。
結局ウクライナの散弾はカリスマ権威者の死を待つくらいで、持たないのならばできる限りの利益を保持した降伏しか現状見えませんね。
やったねアウちゃん!仲間が増えたよ!()
西部以外全部取られるまで終わらない気がして来た
8月くらいまでは、トランプ発言を見ると、この厳しい状況が短く見積もっても続きそうですよね(条約は簡単に締結できません)。
2024年は月日を経ると占領面積が増え、ドネツク要塞線・都市群・兵力が削られています。
2025年ここからですが、クルスク侵攻占領を防衛線がスカスカな中で継続、ここから半年は耐え続けるのは本当に苦しいなと…
ウクライナ上層部は、もっと現実を見た方がいいと思うんですよね。
前線歩兵は、寡兵・物資不足の中で充分戦ってきたと思うので、脱走しても仕方ないと思うんですよね…
(2025.01.8 トランプ氏、ウクライナ停戦に「6カ月」 目標を事実上後退 毎日新聞)
事実を無理やり捻じ曲げた発表を嘘や誤魔化した情報だと批判する声より、勇戦していると信じて喜ぶ声のほうが大きいんでしょうね。
メディアが「ウ軍は街を保持している。未だ抵抗をあきらめていない。」と一文書けば「頑張れ、負けるな」と大コールからね。