DEEP STATEとRYBARは10日~13日の間に「ロシア軍がクルスク方面とトレツク方面で大きく前進した」と、特にDEEP STATEは「残念ながらトレツク方面のロシア軍が防衛ラインの弱点を見つけた」と、RYBARは「トレツク北西にロシア軍は存在しない」と報告した。
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参考:Минобороны России
トレツク方面の動きは2025年の東部戦線を占う戦いになるかもしれない
ロシア国防省はクルスク方面について10日「スームィ州のジェラフカを解放した」と発表、RYBARは11日「ロシア国防省がジェラフカ解放に関する情報を認めた」「バシフカ、ロクニャ、オレシュニャ方向で激しい戦闘が続いている」「オレシュニャ周辺の状況は依然として厳しい」「ロシア軍はグエボ周辺で前進したが依然として戦場の霧に覆われている」「ロシア軍がゴナル方向に前進しているという情報は現地関係者や客観的な証拠で確認がとれていない」と報告。
DEEP STATEは13日「ジュラフカ方向でグレーゾーンが広がった」「ロシア軍がゴゴレフカを占領した」「ウクライナ軍がスジャ検問所周辺で後退した」「ウクライナ軍はオレシュニャ南の国境沿いで後退した」「ウクライナ軍支配地域がグエボ集落と周辺地域で後退した」「ウクライナ軍はグエボ西郊外で後退した」と報告し、ジュラフカ集落や周辺、スジャ検問所や周辺、グエボ集落や周辺について「ウクライナ軍が支配的でなくなった」と評価したが「ロシア軍による制圧」を否定してグレーゾーン扱いだ。
RYBARはクルスク方面の状況について「まだスームィ州内の緩衝地帯について語るのは時期尚早」「我々はスームィ州の集落を幾つか占領しただけ」「クルスク州もまだ完全に解放出来ていない」「敵はゆっくりと後退している」「この調子が続けばスームィが大砲の射程に入るかもしれない」と述べ、Telegram上の楽観的で性急な成功物語に釘を指している。
DEEP STATEはトレツク方面について11日「ロシア軍がオレクサンドロピルを占領した」「ロシア軍がH-20まで支配地域を広げた」「予備的な情報によればカリノヴェもロシア軍の完全な占領下にある」と、12日「ロシア軍がノヴォレクサンドリヴカ北東で前進した」「ロシア軍がカリノヴェ集落の大部分を支配している」「ロシア軍が運河沿いで前進した」と、13日「ロシア軍がヴァレンティ二フカに迫っている」と報告。
DEEP STATEは現地の状況について「残念ながら敵は防衛ラインの弱点を見つけた」「この地域ではドローンの積極的な活用が重要な役割を果たしている」「ロシア軍はドローンを使用して陣地の機能が失われるまで徹底的に破壊する」「さらに両軍はドローンが問題を引き起こす前に排除しようと躍起になっている」「この取り組みは先に発見して破壊した方が有利だ」と指摘。
RYBARは13日までに「ロシア軍がドゥルジバ近郊で支配地域を広げた」「ロシア軍がトレツク市内で支配地域を広げた」「ロシア軍がパンテレイモ二フカを占領した」「ロシア軍がオレクサンドロピルを占領した」「ロシア軍がH-20まで支配地域を広げた」「ロシア軍がカリノヴェ集落と周辺地域を占領した」と報告。
RYBARは現地の状況について「ロシア軍はドゥルジバの北で新たな足場を築くことに成功したが、敵がドローンを積極的に使用しているため新たな前進が困難になっている」「ロシア軍はトレツク市内で幾つかの拠点から敵を追い出すことに成功した」「ロシア軍の存在がダクネ方向でも確認され、ここを占領できればウクライナ軍の防衛拠点=ディリイフカに対する攻撃条件が整う」「ロシア軍は激しい戦闘の末、カリノヴェを解放して集落の東側で軍機を掲げた」「ロシア軍はカリノヴェ周辺の広大な領土も確保しスタラ・ミコライウカに向おうとしている」と指摘。
視覚的にもロシア軍兵士がカリノヴェ集落=Ⓐで軍旗を掲げる様子、ウクライナ軍がトレツク北郊外=Ⓑでロシア軍を攻撃する様子が登場、特に後者の視覚的証拠は物議を醸しているものの、RYBARは「敵側の映像に基づいてトレツク北西にロシア軍が存在するという報告があるが、これを我々の情報源は否定している。映像に映る部隊は敵の補給を妨害するためネリピフカ方向に派遣された破壊工作・偵察部隊の1つだ」と指摘、DEEP STATEは今回の映像に言及しておらず、RYBARも当該方向にグレーゾーンを伸ばすにとどめている。
トレツク方面で生じた問題を早急に対処できるなら今年のウクライナ軍には期待できるが、もし2024年と同じように前線の崩壊を食い止められないならコンスタンチノフカ方向が危なくなるため、この方面の動きは2025年の東部戦線を占う戦いになるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:47 окрема механізована бригада
数日分の報告をまとめたものとはいえ、これだけの前進が報告されるのは不味い感じもしますね……
スムィ方面ではF-16が撃墜されパイロットも戦死したとの事。双方に言える事ですが私よりも若い人が戦死したという事実には流石に思うところが出てきますね。
直接的な撃破の手段はR-37だったともS-400だったとも言われはっきりしないが
対戦カードとしてはF-16 vs. Su-35だったらしく、後者に軍配が上がったとのこと
勝因についてはまだよくわからない
先に相手を探知し、先にミサイルを放った方が空中戦の勝者となる。つまりセンサーの性能とステルス性、ミサイルの射程が勝利の鍵となる。F35が宣伝通りの性能ならロシア空軍相手に無双できるはず!
F-35がウクライナに供与される可能性は200%ありませんよ。
今回の戦争以外の場面で無双はあり得るかも知れませんが。
スミィでのF-16撃墜の話といい、どれもこれもクルスク攻勢の悪影響に思えてしょうがありませんね
現代空戦はシステムの戦いです
ロシア軍はS-300/400によって敵機に低空飛行=低エネルギー飛行を強制し、そこに自軍の支配空域からR-37を撃ち下ろす戦法を基本としており、長射程AAMの弱点である飛行エネルギーの問題をクリアしています
返信つけるところ間違えた…
Whiskey Dickさんへの返信です
もちろんF-35などの低RCS機を相手取る場合にはロシア側もR-37の長射程を活かすために戦闘空中哨戒による支援などが必要不可欠になりますが、空戦は機体性能だけでは決まりません
ずっと耐え抜いてきたコンスタンティノフカ方面ですが、流石に兵士の疲労も限界が近いのか。アウディーイウカもそうでしたが、どれほど強固に守っていても崩れる時は崩れてしまう。ずっと動きのなかったカリノヴェ方向がやられていることが特に不安。もし、配置できる人員の絶対数が不足してきたなら、相当やばいのではなかろうか。
ロシアはいつでも三方から囲うか広い前線を真っ平らにして攻めてくる。このやり方のほうが有効なのだそうだが、それならなぜウクライナも真似しないのだろう?
それをやれるだけの兵士や装備は2年前のザポリージャや去年から今年にかけてのクルスクで消えたからしゃあない
述べ応召及び志願者の総数からウクライナ軍公式発表の戦死者数を引いても、宇国内ロシア軍の十倍は残存して居る筈なのにおかしいですよね
ようやくトレツクでの戦いも終わりが見えてきたようで結果はロシアが攻略成功となり地道に進軍している印象でしょうか。またウクライナの気温はこれから連日20℃を超える日が続く様なので泥濘が良くなればロシア側の全面攻勢が近く、北部東部はウクライナもリソース割いているので南部から大きく突破していくかなと思うが南部はカミアンスケ〜オレホボ〜フリアポールが防衛ラインにはなるがカミアンスケとフリアポールが危なそうで特にフリアポールが攻略されると一気に戦線が押し上がるので、ロシアはフリアポールから大きく突破するのではと思うけどどうなりますか。
もう進軍を妨げるのはドローンと防空、地雷が中心、進軍は建物に取り憑いた歩兵やバイクとなってきているので、
泥濘は防衛ラインの存在しないエリアを進む以外ではあまり考えなくて良いかと。
アウディーイウカ・ヴフレダルなどの要塞防衛は、多大な犠牲を強要しましたが、陥落後は周辺の防衛線ガタガタに崩れていきましたよね。
トレツクも仰るように地道にやってきて終わりが見えてきましたが、トレツク北側は特筆する防衛線・地形がないため、今後どういった帰結を迎えるのか見守りたいと思います。
ウクライナ側で現状防衛設備整っていそうで硬そうな都市は、リマン、クピャンスク、コンスタンチノフカ、ポクロウシク、フリアポール、オレホボ、カミアンスケ辺りかなと思いますが最前線でリソース割いているトレツクとチャシブヤールがそろそろ不味い状況だと思うので本来ならもう撤退して硬いであろうコンスタンチノフカを堅守する方針のほうが良いとは思いますが政治的には簡単に下がれないでしょうから難しい所ですね。
クルスクとベルゴロドに使用してしまったリソースがあればと本当に悔やまれますがもうどうにもならないのでせめてベルゴロドからは撤退して戦略的に無意味な行動は断固辞め、映えでは無く地道に堅守しロシアに大きい出血を強くが現状出来る最善策とは思いますが映えることが政治的に必須な状況では許容出来ないでしょうから舵取りが非常に難易度高いですね。
本当に仰る通りですね。
政治的に仕方ないとも言えますし、政治面が足を引っ張ているとも言えますよね。
2025年も戦争続きそうですが、リソース大丈夫なんでしょうかね?
クルスク方面はある程度仕方ないとしてもポクロフスクが踏ん張ってるだけにトレツクが崩壊気味なのはきついですね…
今後南部でのロシア軍攻勢も噂されますがさてどうなるか
戦線が長大ですから、独ソ戦ウクライナ戦線の時と同じように、自然障害のない凹凸部をどうするのかというのが続きますね。
戦術の合理性だけでなく、ナショナルアイデンティティが両軍に刻まれているのかなと感じる面があります。
クルスク~スームィ方面の兵力差は、本当かな?と思うような数値が出ていますが、事実ならば突出部は持たないだろうなと。
トレツク方面は、H20沿いは高さがありますから、過去の事例からここが動き出しているのも気になっています。
ヴェルカノボシルカ方面は高い場所、ヴェルカノボシルカ南西・東方向から攻略が進んでいき、ヴェリカノボシルカ~ヴェリカノボシルカ南北の低い防衛拠点を攻略していったんですよね…
追記です。
スームィ市への弾道ミサイル攻撃が、報道されていますね。
スームィ市は人口が多く、ポクロウシク・コンスタンチノフカ・クラマトルスクを合わせた人口と変わらないくらいだったんですよね。
この方面に圧迫が続けば、ウクライナは政治的に兵力を厚くせざるを得ないですから、動向を見守りたいと思います。
F-16撃墜の時にさウクライナ軍が誤射の可能性は無い。だって該当地域でウクライナの防空システムは稼働してなかった。って報告してるのよね。
主張は分かるけどスームィは防空出来てませんってのを認めちゃってええんかと。
政治的に、背に腹は代えられないということなんでしょうかね?
防空ミサイルがどのくらい残っているのか分かりませんが、戦争4年目で広大な戦線ですから、大変だなと感じてしまいます…
西側製防空ミサイルは、もう補充をあまり期待できないだろうなと。
軍が式典を開いてそこを爆撃されるという定番の流れでしかも民間人に招待状まで配っていたとか
開いた口が塞がらない
情報ありがとうございます。
被害が大きいと思ったら、そういった事情だったんですね。
117旅団が4/13スームィ州で創設だからそれをロシアが狙ったと
ここまでは分かるが何故か27旅団の旅団長が戦死してるしラブロフは欧米の兵士が居たとも言ってる。
27旅団はハイマースを運用してるからそれ関連だと思われるが・・・色んな部隊の人が集まってたのかね?
情報ありがとうございます。
とても前線に近い街ですから、本当に何をやっていたのでしょうかね?
大きい街ですから、補給休養を兼ねて、使われていたのでしょうか。
スムイ州の軍事行政長官が、自分の場所にも招待状が来たけど行かなかった。みたいな事を言って、ロシアによる市民への無差別攻撃だって事にしたいウクライナ政府を怒らせたみたいで解任されるみたいですね。
なんだか情報戦に失敗したという感じですね。
こうなると軍人の式典を、なんで市街地の民間人がいる所で、わざわざやるんだと言われかねないでしょうし。
タイ式クーデター式次第というコピペがありましたが、ウクライナ式軍記念式次第が組めそう。