ウクライナメディアのUkrainska Pravdaは21日「司令部が言うようにクルスクでウクライナ軍は包囲されなかったが計画的な撤退もなかった」「最後の1ヶ月間にクルスクで何が起こったのか」という記事を公開、登場する現地で戦った兵士や旅団・部隊関係者の証言は非常に興味深い。
クルスク占領地の側面に戦闘能力が劣った部隊を配置したのが間違いだった
ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEはクルスク方面について3月2日「クルスク方面最大の問題はウクライナ軍の兵站全体に対する敵の火力統制だ。敵は1月以降、我が軍の動きを制限する能力を強化してきたのに対し、なぜかウクライナ軍は同問題に対応する適切な決定を下せなかった。2月に入ると同問題はピークに達し始め、スヴェルドリコヴォを失うと大きな混乱が始まった。これを奪還するための試みも『よく練られた計画』と言い難いアプローチだった。敵は幾つかの攻撃グループを編成してノヴェンケ方向に突破する機会を手にしているし、過去の成功体験が同試みを維持する原動力になっている」と言及。
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏も3月16日「ロシア軍は引き続き戦場の主導権を握っている。敵は歩兵、航空機、無人機の優位性を活かして攻勢を続けているが、我が軍は包囲されておらず徐々にウクライナ領へ撤退している。起こったことには責任があるはずだ。私は誰が責任者だったのか、どのような要因が影響し、この時間枠で何が考慮されなかったのか、誰がキーウと現地で誤った判断を下したのかについて情報を集めてきた。私はクルスクに関する一般向けの調査報告と、ウクライナ軍向けの非公開な事後分析を準備中だ」と述べたものの、まだはクルスクに関する一般向けの調査報告は発表されてない。
そんな中でUkrainska Pravda(UP)は21日「司令部が言うようにクルスクでウクライナ軍は包囲されなかったが計画的な撤退もなかった」「最後の1ヶ月間にクルスクで何が起こったのか」という記事を公開し、現地で戦った兵士や作戦に関与した旅団・部隊関係者の証言をまとめて以下のような指摘した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)
“ロシア軍は昨年9月にクルスク方面で反撃を開始し、敵は主に占領地の側面に攻撃を集中させてきた。左側面を攻撃するロシア軍は昨年末までにスジャ防衛の生命線=38K-004~H-07経由の兵站ルートに近づき、右側面のウクライナ軍もプレホヴォとボルキからの撤退を強いられた。UPの取材に応じた将校の大部分は『クルスク占領地の側面に戦闘能力が劣った部隊を配置したのが間違いだった』と証言し、第95、第80、第82空中強襲旅団といった強力な部隊はリゴフ方向の線路沿い(38K-024に並走する線路)とクルスク方向の道路沿い(スジャとクルスクを結ぶ38K-004)に残されたままだった”
“司令部が1月上旬に「ソルダツコエ方向に攻勢を仕掛ける」と決定したことについても関係者の間では疑問の声が多く、38K-004沿いにソルダツコエ方向へ前進したとことはウクライナ軍をさらに敵地奥深くに引きずり込む結果となった。さらに司令部は右側面の拡大を決定してロシア軍をスジャから3km~5kmほど押し戻したものの、これも戦い全体の流れを変えるようなものではなかった”
“ウクライナ軍が左側面で後退すればするほどロシア軍と敵のドローンがユナキフカ~スジャを結ぶ幹線道路に近づき、2025年1月上旬にはEWシステムの妨害を受けない光ファイバー制御のFPVドローンを幹線道路上空に飛ばし始め、ウクライナ軍の状況はさらに悪化した。それでも1月末~2月初めまではピックアップトラックでスームィ州からクルスク方面、占領地の最北端だったマラヤ・ロク二ャやルスコエ・ポレチノエにさえ行くことが可能だった”
“ウクライナ軍は幹線道路の状況が事実上「通行不能」になるとピックアップトラックで国境付近まで移動し、そこから兵士らは徒歩で国境を越えて指定された陣地に向かうようになった。UPの取材に応じた兵士も「武器、水、3日分の食料、衣類など担いで約12kmを歩いた」「ただ歩くのではなく30分~40分おきにやって来る敵のドローンから身を隠す必要があり大変だった」と証言し、国境から陣地に到着するまで1日から2日かかるようになった”
“つまり「クルスク方面の複雑な兵站」という表現は「少なくとも2月中旬までにウクライナ軍はクルスク方面への車輌移動、敵の攻撃に対応するための迅速な兵士や物資の移動が出来なくなっていた」と解釈されるべきだ。全ての対応に時間がかかるようになったため効果的な防衛を維持するのは不可能だったのだ。UPの取材に応じた兵士も「6人中2人か3人が負傷すれば誰が敵を撃退するのか?」「補給や増援が期待できない状況で陣地をどうやって維持するのか?」「そこら中にドローンが飛んでるためおしっこさえ行けないんだ」と証言している”
“UPの取材に応じた空中強襲旅団の関係者は「側面方向で使用されている光ファイバーFPVドローンの運用拠点を攻撃して被害を抑制すべきだった」と指摘し、取材に応じた将校と兵士の大部分も「クルスク占領地からの撤退が遅れている」「困難な状況下で前線を維持しなければならなかった」と強調したが、撤退を開始する時期については「反撃が始まった昨年9月に撤退を開始すべきだった」「兵站への攻撃が激しくなった今年1月に撤退を開始すべきだった」などと意見が別れている。ドニエプル川左岸の作戦時にも同じような話を聞いたことがある”

出典:Генеральний штаб ЗСУ
“ウクライナ軍はザルジニーやシルスキーの指揮下で大胆で予想外の作戦(クリンキー上陸作戦やクルスク侵攻作戦)に打って出ることがあったが、こうした作戦が実行される度に計画や組織、特に兵站計画やドローン攻撃に対する保護が不十分なため前線を維持することができなかった。さらに経験豊富な人材が不足していることもウクライナ軍にとって不利に働いた”
因みにUkrainska Pravdaはロシア軍のパイプラインを使用した作戦についても「これがスジャを失う決定打になったと感じるかもしれないが事実ではない。ロシア軍は2月に十分痛めつけていた左側面で再び攻撃を開始してウクライナ軍は大損害を被った。第36旅団はスヴェルドリコヴォで敗走し、この成功を受けて左側面を攻撃していたロシア軍は作戦をスームィ州内に拡大した」と指摘。
“ロシア軍は1月にジュラフカに向けて国境を突破しようとしたが失敗した。ウクライナ軍は陣地1つ失っただけで直ぐに奪還することができたが、2月下旬までに第36旅団がスヴェルドリコヴォで敗走し、我々はノヴェンケを完全に失い、ロシア軍はバシフカを襲撃し始めた。この地域を守っている第67旅団の兵士はUPの取材に「敵は集落内に安定した足場を築くことは出来ていない」と述べたが、ロシア軍が3月上旬までにスジャの南で深刻なレベルの突破に成功した”
“ほぼ同タイミングで実施された異なる方向からの攻勢目的は明らかだ。ロシア軍はユナキフカ~スジャを結ぶ幹線道路を物理的に遮断しようとしたのだ。もしロシア軍がこれに成功していればクルスクに展開していたウクライナ軍全体が包囲されていただろうし、それがロシア軍の目的だったのは誰の目にも明白だが、トランプが言及した「数千人規模の包囲」は実現していない。21日時点でもクルスクに徒歩で出入りする侵入路は維持されている”
“人々はロシア軍のパイプラインを使用した作戦がスジャを失う決定打になったと感じるかもしれないが、これも事実ではない。ウクライナ軍はロシア軍のパイプライン使用を作戦実施5日前に察知し、これを阻止する準備を進めていたが、スジャ防衛を決定的に困難にさせたのはクリロフカ方向の突破で「パイプライン使用に備えていた部隊」はクリロフカ方向に急行しなければならなくなった。3月8日にロシア軍がパイプラインから地上に出て幾つか部隊がスジャの工業地区に到達した”
“さらに状況を複雑にさせたのはロシア軍がパイプライン作戦と平行してスジャ周辺の橋を破壊したことだ。リカ・スジャ川とリカ・ロクニャ川に架かる4本の橋が破壊されたため対岸地域にあった15トン~17トン以上の装備をスジャ方向に移動させられなくなった。2月中旬頃から故障した装備回収のため車輌を移動させることが出来ず、現地へ修理に行くことも拒否されていた。UPの取材に応じた機械化旅団の大隊長も「状況が不安定だったためクルスクには最小限の装備しか残してしなかった」と、砲兵旅団も「撤退中に砲兵装備を1つも失っていない」と断言した”
“UPは退避できなかった装備の一部を自ら破壊しなければならなかったことも知っている。それでもロシア人が主張するほどの装備がそこで失われた訳では無い。結局のところ側面攻撃、注意を引き付けるパイプライン作戦、スジャ周辺の橋破壊によってウクライナ軍はほぼ閉じ込められる格好となり、UPの取材に応じた大隊指揮官も「我々は状況を酷く悪化させてしまった」「我々にはクルスクから去る以外に選択肢がなかった」「撤退が時間の問題と理解していたものの完全な混乱の中で許可を1週間も待っていた」「この状況下で陣地に留まることは本当に恐ろしく撤退はその場で決められたといって過言ではない」と述べている”
“我々の司令部が言うようにクルスクでウクライナ軍は包囲されなかった。しかし装備の全てを持ち帰るような計画的な撤退もなかった。多くの部隊は15km~20kmほど歩いてクルスクから脱出した”
まだDEEP STATEとブトゥソフ氏の断片的な情報、Ukrainska Pravdaの報道しかないため「クルスクで何が起きたのか」を断言できる状況ではないが、38K-004~H-07が光ファイバーFPVドローンの攻撃に晒され、これに積極的な対応をしなかったためクルスク方面への戦力や物資の移動が制限され、ウクライナ軍の抵抗能力が低下していき、側面攻撃、パイプライン作戦、橋破壊の3要素がウクライナ軍の対応力を飽和させ、クルスクからの撤退も計画ではなく混乱を引き起こしたものの、それでも組織的崩壊や無秩序な撤退を免れたため物理的な包囲を回避できたのだろう。
戦争における情報戦は真実よりも「如何に自軍を優位に敵を無能と描くか」が重要で、この戦いにウクライナ軍やウクライナ側の情報源、ロシア軍やロシア側の情報源も参加しており、特に「相手の損害」に関する表現は1が100にも誇張され、特定条件で発生した戦果が当該地域全体の優位性のように描かれ、数人の投降の映像が「数百人から千人単位の降伏物語」に歪められるため、一方だけの情報を鵜呑みにするのは危険だ。
🇺🇦🐷🏳 ×🇷🇺
ウクライナ軍はクルスク地方全域で進撃するロシア軍に一斉に降伏している。 pic.twitter.com/HMCoFEUnI3— 🐻ウラジミールZ🇷🇺 (@Z58633894) March 10, 2025
当然だが、管理人がまとめている情報こそ「絶体的な真実だ」なんて微塵も思っていないし、視点や立場で見方や解釈が異なるのも当然だと思っているし、管理人の主張や解釈を誰かに押し付ける気もないし、マリウポリで降伏したウクライナ軍兵士の動画を「クルスクでウクライナ軍兵士が大量に降伏している」とやっているのを「これは偽情報だ」と注意喚起する気もない。
ただ、こういう情報でも真に受けてしまうため「情報空間で叫ばれる真実」は真実でなくなってしまい、曖昧な認識同士がぶつかり合うから平行線のままなのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:24 ОМБр імені короля Данила
結論、クルスク攻勢にパフォーマンスを超える意味はなく
どちらもそれなりの痛手を負い
ウクライナは撤退の機を逃したために貴重な装甲戦力を一定数は放棄せざるを得なかったという形ですね。
ここからは遅滞してズームに陣地を作って手打ちしたほうが良さそうですけど、どうなることやら…
あとクルスクですら数も規模も足りてなかったんだなと…
写真の髭親父のVRゴーグルが気になって仕方ないです。
本体に無線アンテナらしきものが2本。
普通のVRゴーグルでは無いですね。
これは何でしょう?
どなたかご存じ無いでしょうか?
VRゴーグルではなくマイクロドローン操縦に使われるFPVゴーグルだと思います。
ステイツ柄のロゴとかついててカスタムされていますが、5.8GHz帯アンテナの取り付け位置と冷却部の形状から、Skyzone SKY04X V2かなと思います。
FPVサイクロップス髭親父
偵察・攻撃・着弾観測の三連結まで見事敢行!
ありがとうございます。
検索してみたら、それらしきゴーグルが見つかりました。
ドローン専用のゴーグルですか。
何でアンテナが2本あるのが、良く分かりませんが、ダイバーシティなのか?
該当機種の詳しい仕様はわかりませんが、基本的には信号をより安定させるためと思われます
片方側面に2本纏めて水平方向になっている理由はちょっと分からないですね(;´∀`)
上面左右に垂直とかは割と見るんですが…
FPV用のゴーグルかと
検索したら出てくる中では
”SKYZONE FPV ゴーグル SKY04X” というのがソレっぽいですかね
アンテナ位置や特徴的なセンターの飾りとかが同じです
ウラジミールZ君は確信犯なのか他人のプロパガンダをそのまま流しているだけのどっちなのか気になりますな
3年もやってるところを見るとよっぽど熱意に溢れた方なんでしょうけど
こういうデマ製造機みたいなアカウントは開戦当初から減りませんね
故意犯警察です。
確信犯の誤用は許しません。
管理人様にほぼ同意します。
スジャは空爆(ドローン・滑空爆弾)だけで落ちるという予測はやはり現実となった。
R200道路やユナキフカで大型トラック(ドローン動画)を見ないのが根拠になった。
マラヤにこだわり、プレホベを奪還せず、ベルディンやウラノクなど、『面積』を追い求めたのが間違い。
クルスクの部隊は機甲戦術は優秀だったが、防御戦術が欠落。
パイプラインの見落としも、その代表例。
ウ軍は優秀な(普通でも?)現地参謀がいれば、他の場所でも、もう少し良い戦いができる。
明確な包囲はなかったのでしょうけど、それ以前に2月の段階で兵站破綻していたとしか思えない状況(トラック輸送不能)なのに、なぜその段階で撤退しようとしなかったのかが理解できません
かつてのドイツや帝国陸軍の話を見ているかのような錯覚に陥りそうです
側面部隊が弱かったから崩された、というのも十分な戦力を用意出来ないならそもそもクルスク攻勢なんぞするなという話にしかなりません
やはり政治主導の作戦は無理がありますね
混乱の中で撤退許可が下りるまでに一週間待っていたという証言が事実なら
この方面における責任者の不在が強く示唆されますね…
政治案件になってしまった以上誰も上に報告できなかったのでは?と思ってしまいます
何を間違えたかと言えば、勝てる見込もないのに勝てると思い込み無謀に侵攻したことですよね。それ以上でも以下でもないと思います。包囲を免れたのは幸いでしたがそれをもって健闘したと言うのは的外れだと思います。恐縮ですがそういうことだと思います。
「イギリス国防省は20日、ウクライナ侵攻以降、ロシア軍の死傷者数が90万人と推定され、このうち死者数が20万人から25万人に上るとの分析を発表しました。」これのロジックも同様でありウクライナが健闘しているというのは全くのお門違いで、領土を失い国は荒廃し極めて悲惨な状況にになっているということです。イギリスにとっては自らは血を流さず極めてお得な戦争と言えるのかも知れませんが
仰る通り、政治主導の作戦の苦しさであり、それですら戦力・物資が不足していた厳しさを感じますね。
勝利計画により外交マター(最上位)にまで格上げ、全世界レベルで宣伝されたため(日本含め)、現場レベルどころか軍上層部レベルでさえも決断無理だろうなと…
クルスク占領に、それでも戦力補給を投入してきたわけですから、南ドネツクを中心とした他戦線への影響も痛かったかなと推察します。
軍事学的に後方連絡線が圧迫された状態は明確に『包囲』なんですがいつの間にか全周包囲のみを包囲とするような誤った言舌が流布されましたね(もちろんそんなふざけた誤謬を意図的に撒き散らしたのは本戦争において何度も包囲下に囚われたウクライナ)
そもそも包囲というマニューバは敵の戦闘効率を下げ味方の戦闘効率を上げ有利を作り出すことを目的としており、全周包囲はその効用を低下させるものとして本来であれば避けられるものであるというのに
それは言葉を使ってる相手の前提を否定するために言葉を使うからですよ
埋め込みのツイートにあるような
>(包囲され逃げれなくなった)ウクライナ軍はクルスク地方全域で進撃するロシア軍に一斉に降伏している
に対して、そういう包囲はされてないと
そしてそれを否定するひとは「後背を脅かされた時点で包囲なのに」と言葉の前提がまたズレる
こういう前提ずらしは歴史問題でもなんでも非常によくある
だいたいカンナエの戦いと包囲殲滅陣のせい。
英語圏でも語源が城塞都市の頃のものなので、語源的には包囲されてないと言い張ることが出来るんでしょうね。現代軍事としては包囲されたで良いと思いますが。
そろそろクルスク奇襲の総括をしてもよいころ合いなのだろうか。
全体を見ると作戦自体が初めから無理があったと言わざるを得ない。初めにコレネヴォあたりまで取れればまだしも、そのあとはじり貧で、その時点から遅かれ早かれスヴェルドリコヴォがキーになりそこを奪還されれば終わることはかなりの人が早い段階で指摘していた)が、その目的はいったい何だったのか?
いくつかの候補を挙げると、
1.ロシア領内に攻め込む力があるとみせてのウクライナの西欧武器のおねだり
2.ウクライナの敗色が濃いままでは困るという欧米の都合のためのウクライナへのアドヴァイス
3.スジャのガス施設やクルスク原発に狙いを定めるとみせてロシアの兵力と注意を引き付けるための陽動・攪乱作戦
4.東部で劣勢になったため戦線を広げた(結果的には自滅行為)
5.停戦後の領土交渉への活用
6.停戦させないための引き延ばし
といろいろあるが、作戦の背後に欧米の影を感じないことは難しかろう。アメリカも大統領選を控えて、ウクライナ情勢がうまくいっていないイメージは許容しにくかったし、欧州は欧州議会選挙、フランス総選挙、イギリスの政権交代やデモなどで揺れていた。そのためにロシア領の攻撃の是非と長距離兵器の供与が議論されていた時期が、作戦立案の時期だろう。
したがって、個人的には2がメインで、それに1というウクライナの思惑が絡み、5はウクライナ政権自身が停戦を望んでいないために、後付けの理屈である可能性が高く最後の方はそれをプロパガンダするためにズルズルいってしまったという見方をするが、諸兄はいかに?
最後のふた月、スジャとマラヤロクニャで「引きこもり」になってしまってからはもう結果はわかっていたことで、相手もそれなりに強いのだから、最後のひと月は作戦失敗というよりは起こるべくして起きてしまったという方が正しいと思うが。
それにしても今度ベルゴロドにまた攻めているのはなんででしょうね。以前からの計画か、まだ背後にほかの国の影があるのかな。それともこの頃どうも動静が怪しいシルスキーあたりの暴発か?
ベルゴロド侵攻はクルスク壊滅を誤魔化す為の、
欺瞞としか自分は思えないんですよね、、、
個人的には、ウクライナ首脳部は一時が万事が
行き当たりばったり、後手後手、映え、支援国への
アピールばかりでそれ以外が全く見えてこないです
計画性は紛争前からしてあったのか、、、はたして
個人的には1,2,4,5, 6が複合的に絡み合ってる気がします
端的に言うと、ウクライナ軍は『映え』を狙っていたような気がするんですよね
で、その『映え』を見たスポンサー様達が金や武器を出す、と
ベルゴロド侵攻に関しては完全に阻止されちゃってるので、もうヤケクソ感しか感じない
ウクライナを一人のインフルエンサーに例えたら、コンテンツの内容に末期感が出て来た感じ
Vtuber管理会社(米国)から、もうすぐ契約解除が発表される直前感。
これはもうゼレンスキー政権が上から下まで「メディア関係者」で構成されていることの弊害なんですよ。あの国は、テレビ局が番組編成するのと同じドクトリンで戦争指揮やってるんです。
ですから,彼らは軍事など何一つ理解しておらず、理解する気さえない。ただ、ツイッターの反応や諸外国の話題のトレンドは非常によく見ている。
彼らにとっての「戦果」とは作戦の映像に「良いね!」がどれだけ付くか、そしてそれに諸外国のスポンサーがどれだけ反応したか、であって。
兵員の損失とか戦車の損耗なんて何も気にしていないんですよ。彼らが評価として見ているのはそこではないので。
もはや、真の意味で第五世代の戦争をやってるのはウクライナ政権なんだとも言えますね。ゲラシモフドクトリンのさらに先ですよ。戦争は大衆を煽るためのショーに過ぎない、と。
>テレビ局が番組編成するのと同じドクトリンで戦争指揮やってるんです。
寒い内輪ノリを表に出していく所もそっくりですね
>もはや、真の意味で第五世代の戦争をやってるのはウクライナ政権なんだとも言えますね。ゲラシモフドクトリンのさらに先ですよ。戦争は大衆を煽るためのショーに過ぎない、と。
なんか現実感というか本気感が欠如してると思ったら、そこなんですよね
当のゲラシモフも驚いてる事だと思います
>戦争は大衆を煽るためのショーに過ぎない
うーん、どっかで聞いた事の有るようなセリフだけど思い出せない。
とりあえず「パージ」というシリーズ映画を、全世界がウクライナでリアルにやってる感が無きにしもあらじ。
物語の流れやキャラクターの関係性、設定などを大幅に変更し、視聴者や読者に新鮮さを与える手法のことを「ゲームチェンジ」と言うのですが。
逐次投入される新兵器は、機動戦士ガンダムのジオンのMSみたいなもんなんですね。きっと。
シーズン4は、本格的なキャラクターの変更や設定の変更があるかもしれませんね。 それとも、現在のNATO絡みのこそがゲームチェンジなのか。
トランプこそがテコ入れキャラだとは。
7.ロシアのレッドラインを気にして武器の使用制限や供与をしぶる西側へロシアのレッドラインは存在しない(西側の想像以上に高い)アピール
も追加で
自分は7が7割、6が3割ぐらいなイメージ
先日行われた米ロ会談でロシアは米の停戦案を(事実上)蹴ってトランプの顔に泥を塗った形になってるけど、もしクルスクがなかったら「ウクライナが止めると言ったらいつでも終わる話なんですよ」と被害者ぶったと思う
(ただ米側の通訳がプーチンの挑発を優しいことばに意訳したという話もあるみたいだけど、ロシア側に即時停戦をできない理由を作ることには成功してるとは言えると思う)
ウクライナ・ロシア双方の敵に大損害を与えた云々は
プロパガンダまみれなので、見る価値はないでしょう
装甲車両の損害や投降兵の映像はいくらでも加工可能
なのですから。ただの参考程度ですよね
まさしく戦況図こそが双方の現実を如実に表しており
ウクライナは結局のところ、参謀本部・方面司令官・
現場が、作戦立案指揮運用においても圧倒的にロシアに
劣っているとしか言いようがないでしょうな
ウクライナ側の証言から見ても、ロシア側の攻勢に対応
できていない、ことごとく裏をかかれているとしか。
首尾一貫しているロシアと、行き当たりばったり後手後手
をいつまで経っても延々繰り返すウクライナ。
ドラパティ一人で何とか挽回できるとは思えません
ウクライナ側の主張が「我々は包囲はされていない!」
が悲しいですね。「包囲」はされていないが「物資」を
投げ捨てて徒歩での「惨敗敗走」は暗に認めていると
はたして、追撃掃討戦を展開中のロシア側がスームィ国境で
止まってくれるのか。ロシア側は「後背地の燃料備蓄施設の
相互攻撃停止」しか妥協していませんので、スームィ州に
雪崩れ込んでこないかウクライナは祈るしかない
結局のところ兵站がすべて、という戦争の基本に忠実な話であった、と。
一つ気になったのが、ウクライナ側から補給車両を出すこともできなくなったのに、クルスクからの砲兵装備の撤退なんて
本当にできたんでしょうか?撤退するとしたら記事中にあった車両が通行できた2月上旬までに完了した必要があると思いますが。
>「撤退中に砲兵装備を1つも失っていない」と断言した
補給路と撤退路を別にするなんて相当困難ですよね、、、
>「武器、水、3日分の食料、衣類など担いで約12kmを歩いた」
>「ただ歩くのではなく30分~40分おきにやって来る敵のドローンから
身を隠す必要があり大変だった」と証言し、国境から陣地に到着するまで
1日から2日かかるようになった
俺は撤退戦の専門家ではありませんが、この状況下でクルスクからの
砲兵装備の撤退など、秩序正しくできたとは思えないですよ、、、
ちゃんと持ち帰っているなら『我々はまだ装備を保持している』と言うだろうな、と思った私は性格悪いんでしょうか。
つまり『撤退中に装備は失っていない、何故なら撤退開始時に全て捨てたから』なのでは?
撤退開始前に撃破されてる可能性もある
M777 155mm榴弾砲が4200kg、他155mm榴弾砲・152mm榴弾砲はさらに重かったりしまして。
徒歩で帰還したのならば、分解したとしても持って帰れたのか?仰る通りの疑問が湧くため、1つも失っていないとの断言は苦しいですね…
どちらかというと、射程の長いりゅう弾砲部隊を占領地の奥(撤退が必要な範囲)まで入れなかったという意味合いでは
歩兵を敵地まで送る装甲車や目視できる範囲を攻撃する戦車と違って前方展開する必要のない兵種だし
ウクライナ側の反省会で、あれが駄目だったこれが問題だったと毎回毎回毎回言ってる気がするけど全部結果論よね
いちミリオタとしては事の経緯や裏で何が起きてたか知れて興味深いけど
ウクライナ側から上がってくる問題点が全部潰せるならそれはもはや世界最強の軍隊なんじゃない?ウクライナはそうじゃなかったっていうシンプルな話で
側面に練度が低い部隊を配置してたっていうのも既に指摘されてる人もいるけどそうせざるを得ないほどまでガタガタなら戦線整理すべきだし、当時のリソース配分の中で最善の配置だったと上層部が認識してるなら上層部は問題があったと感じる事もないでしょうし
つーかロシア軍は敵の中から練度が低い部隊を炙り出してそこに攻撃を仕掛けてくるって散々言われ続けてたのに言い訳にもならないでしょ
少なくともクルスクに関しては侵攻開始から問題点を指摘され続けているので結果論ではないのでは…
>起こったことには責任があるはずだ。私は誰が責任者だったのか、どのような要因が影響し、
この時間枠で何が考慮されなかったのか、誰がキーウと現地で誤った判断を下したのか
気持ちはわかりますがそもそも最初から無理だったのでは。。。?
いずれ占領地を維持できないことは誰でもわかり切っていたはずなのですが、
あるとすれば適切な時期に撤退できたのかできなかったのかぐらいの話だけでしょう
ウクライナ軍がスジャパイプライン作戦を察知していた形跡はない。当時親ウ側から流されていた第一報は「パイプライン部隊は砲撃で全滅した」「生き残りはパイプの中で窒息死した」などという根拠のない主張だった。
その後の崩壊の速さを考えれば、ウクライナ側が自体を把握していたとは思えず、奇襲効果により後方が遮断され北部防衛線が潰走に陥ったと評価するべきだろう。
リソースが無いのは国力で劣る以上当たり前であり、劣勢の側が戦線を増やす合理的な説明はない。最初から合理性を欠く計画だったのだから相応の終わり方をしただけだ。
双方が馬鹿げた偽情報を流すためリアルタイムで真実を推測するのは本当に難しいが、3年もこの戦争を見ているとデマの映像や画像を見た時に「〇〇の戦いのあの映像」「これはゲームの映像」とピンとくるので個人的には気にしていない。
「察知していたのに対応部隊を余所に出さざるを得なくて対応できなかった」は「察知できなかった」より遥かに無能過ぎる主張なので、負け惜しみでももう少し考えてインタビューに答えた方が良かったのではと思えてくる
クルスク国境地帯は『田舎であり何もないと』コメント欄皆様のご指摘を思い出しましたが、そもそものインフラが貧弱ということですが、とても興味深い情報ですね。
内陸部(ウクライナ北東部)は、港もないわけですから、鉄道拠点・主要道路から離れたり狙われると、まとまった補給は厳しいなと感じてしまいます。
ウクライナ兵が勇敢に戦ってるのは間違いないわけですが、個々人の能力だけでは限界があるんですよね…
米軍の強さは、ロジスティクスと言われてきましたが、軍隊・組織におけるロジスティクスの重要性を感じます。
>UPの取材に応じた兵士も「武器、水、3日分の食料、衣類など担いで約12kmを歩いた」「ただ歩くのではなく30分~40分おきにやって来る敵のドローンから身を隠す必要があり大変だった」
>…こうした作戦が実行される度に計画や組織、特に兵站計画やドローン攻撃に対する保護が不十分なため前線を維持することができなかった。
確かにどれだけの損害を受けたのか、損害を与えたかなんて外野にとっては重要なのかもしれませんが本当はそこまで重要じゃないのかもしれませんね。
要は定められた作戦目標を達成出来たか、それによる損害は許容可能かどうかですべてが決まるのでいちいち互いのプロパガンダで右往左往しても意味はないのでしょう。
ロシア側から見ればクルスクのウクライナ軍は重装備を多数失い這々の体で徒歩での命からがら脱出ですし、ウクライナ含む西側から見れば撤退は困難であったが重装備の喪失は少なく秩序だって撤退出来、逆に攻勢したロシア軍に手痛い打撃を与えたとなります。
どっちを信じたいかなのでしょう。
ロシアのテレグラムチャンネル「LOST ARMOUR」が公開した動画ではR200およびもう一つの自動車道(どれも宇からスジャへつながる)をドローンで空撮したものが3つほど投稿されていて、そこで映っている損害は戦車含めた車両60台ほどになる
正直、クルスクに大した装備がなかったはポジショントークにしか聞こえないね
ウ軍の国境の検問所からのピックアップトラックによる撤退を見ました。
夜明けに出発した模様。
一番マシな時間帯だから?
それでも散弾銃を打ってるので、飛んでるのでしょう。
スムイ州に入っても100mおきという感じで放置車両。
黒こげもしくは燃え盛る放棄車両がポツポツと放置されているのが劣勢な戦争な事を思い起こさせる映像だった
クルスクで何を間違ったと聞かれれば、私なら最初から全て間違っていたと答える。ただでさえ足りない人員や砲弾や防空資産を何ら戦略的意義のない作戦に突っ込んだ挙句、重装備を投棄して潰走とかホンマ…
これらの資産が全部東部にあったらと思うと残念でならない。もしかすると、これが戦争の趨勢を変える決定的なミスになってしまったかもしれない
個人的には2年前のバハムートと南部攻勢が戦争の流れを変えてしまったと思いますね。
あれでまだ開戦時から戦ってた熟練兵ややる気ある志願兵をすり潰した感はある。
> 「そこら中にドローンが飛んでるためおしっこさえ行けないんだ」
ITプロジェクトのデスマーチでもそのレベルにはないので、生理現象が生死をわけるデスマーチはさすがにしんどいですね。
ウクライナ兵にボトラーが爆誕していそう。
日本は携帯トイレでも送ってやれば。しゃもじより気が利いてる。
本来であればA-10がやるような仕事を歩兵がドローン飛ばしてやるわけだから装甲車両はたまったもんじゃねえな
それより光ファイバードローンが市場に広まればハマスみたいな集団は特に火力が増すので先進国型の高価な装備の価値が減ってしまう
普通科主体の自衛隊は実は未来を読んでた?
包囲されなかったっていうか包囲しなかったんじゃないかな
ウ軍包囲したら蓋になる国境側の露兵は徹底的に背中撃たれるって想像つくし
それよりも道路にできるだけ寄って逃走経路を細くして逃げてる兵士鴨撃ちしようって思うんじゃないか
クルスクの戦いについては、政治的目的としては、西側兵器でロシア領内を攻撃しても、西側が恐れているような核兵器による攻撃を実施する能力がロシアにないことを証明する。ロシアの核兵器はメンテナンス不足で使用不可能なものが多いとされていた。ロシア領内を攻撃しても核攻撃には至らない事がわかれば、長距離兵器の提供とそれによるロシア領内への攻撃の許可と西側からの武器弾薬兵員資金の支援の増加。欲を言えば、ロシアが核攻撃できないとなれば、NATOが参戦するかもしれない。
クルスク原発を占領できれば、爆破による放射能被害は核兵器以上のものがある。また、ハリコフ攻勢でロシア領内に深く攻め込むことで、プーチンがウクライナ側に緩衝地帯を設けると言ったのに対して、ロシア領内側に緩衝地帯を設けてプーチンの顔をつぶすこと。
状況としては、数か月前に、ワグネルの反乱でロシア国内の守りが意外とグダグダ、反露部隊によるヒットエンドランもけっこうされている。結果として、奇襲は成功したが、バイデンのグズグズによって、中途半端な長距離兵器によるロシア領内攻撃であってNATO軍による全面支援には程遠い結果となった。
それにしても、本当に占領できているのかどうなのかは、わからんものだろう。どこに狙撃兵が隠れているかもわからないし、すべての土地に兵士を配置することはできないから。すでに占領していると聞いてきたら、帰った後に敵が居座っていた。今はドローンの時代、空からポンと旗を立てて写真撮って、地雷撒いて。発表がうそだとばかりは言えないでしょう。敵を倒したと思ったら、そいつがころんだだけだった、ってこともありそうだ。
クルスク侵攻の開始当初(去年8月)はこのまま一気にモスクワ攻略!って、あちこちでお祭り騒ぎ通り越して戦勝ムードだった思い出。
まともな専門家は酷評していたけど。
結果的にロシア伝統の引き込んで叩く戦術にそっくりそのままはまっただけでしたね。その戦力が東部にあれば・・・。
それにしても光ファイバーFPVドローンの有効性の高さと言ったら凄いですな
こいつが現在のCASというわけですか