DEEP STATEはポクロウシク方面について「ポクロウシクよりもディミトロフの方が危機的だ」と報告し、kyiv Independentも「またゼレンスキー大統領が現地の兵士らに要塞精神を植え付けて批判の的になっている」「市庁舎に国旗を掲げたのは古典的な国旗作戦で意味がない」と報じた。
参考:Продовження спроб ворога окупувати Покровськ та Мирноград
参考:Ukraine’s defense of Pokrovsk on a knife-edge as high command resists calls to withdraw
参考:Vitaliy Deynega
この街を巡る戦いが収束を迎えた時『次はどの防衛線で敵を阻止するのか』を考えて準備する方が重要だろう。我々はそのための準備を始めているのか?
DEEP STATEとRYBARが報告するポクロウシク方面の具体的な変化は5日以降ほぼ観測されていないが、DEEP STATEは8日「ポクロウシクは包囲されておらず、今後も包囲されることはない。何故なら敵が既に市内で直接活動しているからだ」「それよりも問題なのはディミトロフだ」と指摘している。
“敵はポクロウシク市内への浸透を継続しており、市内のほぼ全域で敵の捕捉と殲滅が行われている。ロシア軍は歩兵を支援するドローンオペレーターを積極的に市内へ引き込み、これがウクライナ軍の移動や物流全般の大きな障害となっている。同時に的は迫撃砲を市内に持ち込もうと試み、物流ルートを激しい砲火の下に置こうとしている。ポクロウシクは包囲されておらず、今後も包囲されることはない。何故なら敵が既に市内で直接活動しているからだ”
“それよりも問題なのはディミトロフで、この街と街を守るウクライナ軍は完全に物流ルートが破壊されるか、物理的に物流ルートが遮断される脅威に晒されている。敵は現在、ディミトロフの東郊外に足場を固め、ノヴォエコノミチネ~ミコライウカ~ミロリュビフカ~コザツケの間で突撃攻撃を繰り返している。現地で戦う兵士の話によればディミトロフに対する補給はほとんどなく、悪天候か運任せの移動が唯一の救いとなっている”
“ポクロウシクからディミトロフへの徒歩移動もほぼ不可能で、どこでも待ち伏せ攻撃、ドローン攻撃、地雷の脅威に遭遇する可能性がある。移動中の接近戦も日常的なものになりつつあり、敵が有刺鉄線のような障害物を事例も確認されている。ディミトロフへの重要な物流ルートの起点はリヴネで、その周辺でも敵の存在が確認され待ち伏せ攻撃を行っている”
“ディミトロフにとって重要な課題は正常な物流が怪しくなっている状況で陣地を維持する方法、ローテーションを行う方法、そして危機的な状況に陥った際にどのように撤退するかだ。現地で戦う兵士らは司令部から「失った陣地を回復せよ」と、特に敵の支配下にある集落の奪還を命じられることが多いと訴えてくる。今のところディミトロフを守るウクライナ軍は東から攻撃を抑え込んでいるものの、物流が完全に機能しなくなればそれすら不可能になるだろう”

出典:68 окрема єгерська бригада ім. Олекси Довбуша
DEEP STATEは「結局のところディミトロフの運命を左右するのは徐々に飲み込まれていくポクロウシクの状況次第だ」と指摘しており、kyiv Independentの取材に応じた現地の兵士も「ポクロウシクの状況に大きな変化はない」「市内は混乱状態で我々の兵士とどくでなしが入り混じっている」と明かし、kyiv Independentはポクロウシクを巡る戦いについて以下のように指摘している。
“冬の到来に伴う戦闘の収束が間近に迫る中、ポクロウシクを巡る戦いは政治的意味合いを強めており、ウクライナもロシアも残り少ない2025年の戦いを成功の物語で締めくくりたいと考えている。プーチン大統領は10月末にポクロウシクとクピャンスクを包囲していると主張し、特にポクロウシクの重要性を強調した。一方のゼレンスキー大統領も過去の戦いと同じようにポクロウシクを訪問し、バフムートやアヴディーイウカの戦いを特徴づけてきた「要塞精神」を植え付けたが、この行動は批判の的になっている”

出典:President of Ukraine
“Come Back Alive(ウクライナ最大のボランティア基金で特にFPVドローンや商用ドローンの供給に大きく貢献している)の代表を務めるデイネハ氏は「誰かがポクロウシクとディミトロフから軍を撤退させる命令に署名しなければ、我々は意欲的な空挺部隊と海兵隊の兵士を多く失うだけでなく、さらに深刻な状況に陥るかもしれない」「つまり正面の穴を塞ぐ者が誰もいなくなる状況に陥り、後方に用意した陣地を直ぐに失う恐れがある」と訴えた”
“ポクロウシク北郊外とディミトロフ周辺の開けた荒野は5km程度しか残されておらず、その上空はドローンが飛び交っているため物流の維持が益々困難になっている。匿名を条件に取材に応じた大隊指揮官は「この地域のドローンと地雷の密度は非常に高く車輌による通過はほぼ不可能で、このような状況でよく使用される無人車輌でさえ通常の移動には耐えられない」と言う。キーウがポクロウシクの保持に政治的重要性を置いていることに加え、適時な撤退を命じて人命を救うことに消極的な姿勢はシルスキー総司令官のリーダーシップによく見られる「一歩も後退しない」という組織的文化に関連している”

出典:Vitaliy Deynega
“これは上級司令部に対する虚偽報告の問題と相まって政治指導部と軍上層部の間で楽観的な物語を助長する恐れがある。デイネハ氏も「参謀本部が上層部に送る報告書は日に日に嘘で埋め尽くされている」「我々は事実上ポクロウシクを失っており、この状況でディミトロフを守り続ける意味はない」「この事実を直視して命令なしの退却を拒む者を救うことに尽力すべきだ」と述べている”
DEEP STATEは第425独立突撃連隊がポクロウシクの市庁舎に国旗を掲げた作戦について「公開された映像は街が包囲されておらず、敵の支配下でもないことを裏付けている。同時にポクロウシク市内の大部分はグレーゾーンでウクライナ軍陣地とロシア軍陣地が存在し、市内の状況は本当に複雑で完全に理解するのは不可能だ」と指摘し、視覚的証拠が登場すると直ぐに塗り絵を行うタイプの戦況マップとは異なり、市庁舎周辺のグレーゾーンを維持して「市庁舎に国旗を掲げたところで市内の状況は何も変わっていない」と示唆した。

出典:СКЕЛЯ 425
kyiv Independentも「この作戦は両陣営が行っている古典的な国旗作戦で、ロシア軍がポクロウシクの中心部を支配していないと一時的に証明できるかもしれないが、これは掃討作戦の成功を裏付ける証拠とは程遠いものである」と指摘している。
因みにデイネハ氏は7日「数日前に言及した通り、ポクロウシクとディミトロフの防衛には少なくとも議論の余地があるように思われる」「失った陣地を奪還するような試みは予備戦力の無意味な消滅に繋がり、そもそも作戦が成功する見込みもない」「勿論、バフムートの時のように幾つかの家屋を保持して『ここにいる』と主張することもできるが、この街を巡る戦いが収束を迎えた時『次はどの防衛線で敵を阻止するのか』を考えて準備する方が重要だろう」「我々はそのための準備を始めているのか?」と投稿した。
関連記事:ロシア軍がウスペニフカを占領、一部のウクライナ軍部隊が包囲される
関連記事:ウクライナ軍がポクロウシク中心部に国旗を掲げるも状況に大きな変化はない
関連記事:ポクロウシク市内の完全掃討には程遠い、ロシア軍の支配も局所的なもの
関連記事:10月のウクライナ領土損失は9月と同水準、フリアイポレ方面の損失割合が突出
関連記事:ロシアの攻勢ペースは9月に失速、前進コストが高価なのはポクロウシク方面
関連記事:DEEP STATE、ロシア軍がポクロウシク市内の駅、裁判所、市場を占領
関連記事:ポクロウシクを小規模部隊で迅速に制圧するのは困難、解放を祝うのは時期尚早
関連記事:フリアイポレ方面の戦い、ロシア軍が怒涛のスピードで前進して集落を占領
※アイキャッチ画像の出典:President of Ukraine






















追い込まれたウクライナ兵はディミトロフに集結してるんかな?
バフムトみたいに意地でも死守するって事は政治的理由があるんだろうけど もう無理だよ
ここまで来て守る意味でもあるんか?
ウクライナはこんなに粘っている!手こずってるロシアは弱い!という雰囲気作りに全振りして、そこから西側の更なる制裁強化及び参戦に賭けているから。
だとすればいつもの事ながら他力本願に過ぎるという感がありますね。
それはそうと参戦はそもそもあり得ませんし、この戦闘が惨憺たる敗北に終わった場合はむしろ「そろそろ停戦に応じれば?」という雰囲気になりかねないのではないですかね。
特に自称停戦仲介者の某国大統領などは。
あれは言動コロコロ変わるからもうロシアも相手にしてないっしょ。
ほんと、何だかなあと感じています。
最前線のポクロウシク1年以上も守って、ロシアの進軍を食い止めた英雄達なわけですから、(もしも)最後まで使い潰すなら現実は厳しいものですね。
ロシア兵が市内に浸透していることが何故包囲されない理由になるんだ
市内のほぼ全域に浸透して兵站や移動を妨害出来ているため、わざわざポクロウシク北郊外から物理的に包囲を閉じる意味がない=包囲で得られる戦術的な利点は既に達成していると言いたいのでしょう。
普通に考えて皮肉だと思います。
市が包囲されてる?そんな事はない!だってとっくに中に入り込まれてるから…
という意味でしょう。
それは「ポクロウシクは包囲されていない!」と強調したゼレンスキーに対する皮肉ですかね。
勿論物理的には僅かに開口部が残っていて一応嘘ではありませんが。
ロシアが譲歩することに賭けてウクライナは今後も継戦するのだろうから、デイネハ氏の意見は至極真っ当に思えるけど一部からは敗北主義者的な扱いになりそう。
ポクロウシクへの戦力投入は既に手遅れだし、仮にロディンスケ奪還し補給線繋いだ所で消耗戦にさらに引き込まれるだけなので、後方に下がり少しでも防衛ラインを強化しロシアを迎え撃つが現実的な所での最善策に思う。
>>この街を巡る戦いが収束を迎えた時『次はどの防衛線で敵を阻止するのか』を考えて準備する方が重要だろう。
次の防衛線なんてないですよ。次の防衛に適した土地は100km後方のパブログラードだよ。だから絶対ポクロウシクは死守しなきゃいけないんですよ。
バフムートはチャシプヤール要塞に下がれたし、アウディーイウカもセリダフやヒルニクといったそれなりに強固な都市が後ろにあったけど、ポクロウシクに後ろはないんよ。
ここを下がって次に行けというが、ここを下がったら後ろは侵略者垂涎の大平原でもうロシア軍を食い止める地形的障害物なんて皆無ですよ。
次なんて考えないで全ての戦力をここにつぎ込んで死守しなければならない。落ちたらいっそ降伏なさい。ここを落として戦争を継続しようだなんて、原爆落とされてソ連が参戦しても戦争続けようとしてる1945年の日本みたいなもんですよ。
日本とぜんぜん違って、本土決戦する派の歴史を持つ人たちなので、次を考えるから、ここに全兵力は絶対に集中させないんですよ。
>次を考えるから、ここに全兵力は絶対に集中させないんですよ。
ここ3年それをちゃんと実践してるのは基本ロシア側のような
>ここを下がったら後ろは侵略者垂涎の大平原でもうロシア軍を食い止める地形的障害物なんて皆無ですよ
ポクロウシク~ペトログラード間にいくらかの丘陵地がある。
ゼーロウ高地並みの防御は可能ではないか?
いくら野戦に強いロシア軍と言っても、このままクラマトルスクを放置して、側面を晒しながら100キロ彼方のパプログラードまで突き進みはしないのでは。
ただポクロウシクが陥落すればロシア軍の機動力が上がるのは確実でこのままクラマトルスク南面まで攻め寄せてくるか、ザポリージャ方面に迂回してくるかは読めないところがある。
本当にウクライナは今のポクロウシク、ディミトロフより次の野戦に向けて準備しないと、今の市内の兵が稼いだ時間を無駄にしてはいけない。
シルスキーは当のウクライナ人にも肉挽き機呼ばわりされてたの忘れてたわ
毎回毎回、援軍も停戦も逆転勝ちも見込めない状況で死守()する意味あるの?逃げ場の無い海のド真ん中の孤島だったらとにかく。
一年前までなら怪しかったのですが今となっては一定の意味を持ちます。
戦争形態を地域の領土紛争からミサイルや長距離ドローンを用いた戦略戦争へと拡大することに成功したのですから。
ウクライナは東部南部の被占領地域拡大とそれに伴う人的被害を許容できる限り戦略攻撃でロシア本土に加害ができ譲歩を引き出す余地が生まれる。
そういう兵士にとってはたまったもんじゃない交換が起こってるんですね。
結局本土へのインフラ攻撃も図体デカい(国土・人口的に)ロシアの方が圧倒的に分があると思うんですが。ウクライナがドローン飛ばしたら(最近はもう殆ど撃ち落とされている)、その何倍もロシアからミサイル・ドローンが飛んで来る繰り返しだし。
一年前まさにそういう魂胆でクルスク侵攻して、挙げ句に精鋭数万人溶かした結果が今の前線でのウクライナの苦境だから。
それに関してはルトワックって人が良いこと書いてました。
大国が小国と戦ったら前者が有利であることは間違いない、なら歴史の淘汰の中で
小国はどんどん淘汰され、最終的には大国しか残らないはずだ、と言えます。
でも実際は小国が普通に存在しますよね。なんで?となる訳ですが、彼が色々言うには
大国には大国なりの弱点がある。
大国は強いので敵も多い、中々一正面には全力投入できない。逆に小国は一つの戦争に
全掛けできる(というかそうするしかない)、大国の足を引っ張ろうとする勢力から
支援も受けられる。
だから小国に手こずる大国というパターンが歴史上繰り返されてきた…らしいです。
ウクライナの場合どうなるか分かりませんが、大国に相対する小国の戦略としては
なるべく手こずらせる以外の戦略は無いでしょう。
もっと単純に、小国の全てが大国とガチで戦争やる訳ではないからでは?
正直もうウクライナはそういう悪あがきを続ければ続けるほど停戦した瞬間にロシアからの要求がより過酷になる一方だし、このまま続けてもウクライナの方が更に消耗していくだけのドツボにハマってるのよね。歴史上ロシアの一番得意な手口(全部成功したわけではないけど)にまんまと引き摺り込まれた。
被占領地の拡大を許容できるなら、それこそ死守ではなく撤退ではないですか?どうしてもその土地を失えない事情があるなら、死守も分からなくはないですが。
基本的には死守せずに優位な場所に移って、防御側優位の環境で戦わないと。
陥落目前まで粘っても敵に大きな損害は与えられず、自軍の損害が増えるばかりです。
英雄達が、こんなに長く頑張ってきたわけですから、(都市の重要性も分かりますが)早めに何とかして欲しいものですね。
1年以上も、前線歩兵は甚大な損害を出しつつ人生も犠牲にしているのに、クラブで踊ってたり・大学生活を満喫したり、海外に逃げた人がいるわけです…
『自分なら絶対に行きたくない!』と思うのは、上空のドローンがポクロウシク市内など南北に移動する兵士を捉えていて、(機密ですらないくらいに)全世界に公開されるくらいなわけですから極めて厳しい状況だと思いますよ。
露軍の戦略はドローンに加えて、面で攻撃する伝統的な砲撃も使ってくると思う。
狭い範囲に閉じ込めたら、精密度が無くても24時間体制で、『どこに落ちてくるか分からない恐怖』を作り出す事で精神的な攻撃ができる。
兵の密度が低い戦場で有効でなかった兵器・弾薬はかなり残っているだろうね。
>一方のゼレンスキー大統領も過去の戦いと同じようにポクロウシクを訪問し…
定期的に発生するこのイベントはもはやフラグ化してますね。今回は流石に市内へは入れなかったようですが。
アウディーウカといい、クルスクといい、そしてポクロウシクの顛末を見ていると、実際の戦場に『政治的意思』が絡むとろくなことにならないなという事を思い知らされるな。
DEEPSTATE の『ポクロウシクは包囲されておらず、今後も包囲されることはない。何故なら敵が既に市内で直接活動しているからだ』って実質的に『ポクロウシクは陥落した』と意味的に一緒でしょ。DEEPSTATE はウクライナを最大限擁護してるけど、それでもここまで言い切るのって事はだと思う。
それと、個人的な感想なんだけど、ウクライナ軍の戦い方を見てると組織的な軍隊っているよりゲリラ組織みたいな戦い方している気がする。
数が足らないからなのか分からんけど、1つの街を守るためには良いと思うし、ロシア軍に出血を強いることも出来るけど、組織的な動きが出来ないと各個撃破されるだけ。
トレツクでも見たし、ポクロウシクでもそうなりつつある。
ウクライナに勝って欲しいけど、現実は残酷だね。