米国関連

トランプ大統領、イランとの合意が成立しなければ一つの文明が滅びる

トランプ大統領はイランへの合意受け入れ期限を何度も延長してきたが「4月7日午後8時(米東部時間)が最終期限だ」と示唆し、Truth Socialへの投稿の中で「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」「そんなことは起こってほしくないが、おそらく起こるだろう」と脅迫した。

参考:Trump has repeatedly delayed deadlines for Iran, but suggests Tuesday’s is final

仮にイランの全発電所と橋を破壊してホルムズ海峡の封鎖解除が達成されるのかは謎だ

米国の対イラン作戦=エピック・フューリー作戦は5週間目に突入し、トランプ大統領は3月21日「48時間以内に合意せよ(45日間の暫定的な停戦を受け入れる見返りとしてホルムズ海峡を開放せよ)」と要求し、この合意の受け入れ期限を当初3月23日に設定したが、これは実質的に戦略的敗北を認めるか否かを迫る内容で、イラン側はトランプ大統領の要求を拒否して逆に「恒久的な戦争終結」と「米国の制裁全面解除」を要求している。

出典:Truth Social

これまでトランプ大統領は合意の受け入れ期限を何度も延長して「激しい脅迫」と「交渉は順調だ、まもなくイランは合意を受け入れる」という典型的な交渉スタイルを繰り返してきたが、イラン側は米国との取引に一切応じる気配がなく、トランプ大統領は4月6日午後8時(米東部時間)の受け入れ期限を24時間延長し「合意がなければ地獄が彼らに降り注ぐだろう」「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」「そんなことは起こってほしくないが、おそらく起こるだろう」と言及。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領も「1400万人以上のイラン国民が、(自己犠牲的な)戦いにおいて命を捧げる覚悟を表明している」「私もイランのために命を捧げる覚悟はできている」と言及し、双方とも政治的レトリックのエスカレーションが最高潮に達し、トランプ大統領が言及する「一つの文明が滅びる攻撃」とはイランの全発電所と橋の破壊を指している可能性が高い。

トランプ大統領が新たに設定した期限=4月7日午後8時(米東部時間)は日本時間の8日午前9時頃で、バンス副大統領も「彼らが賢いことを願う」「米国はイランが我々や世界の友好国に与える経済的損失よりはるかに大きな経済的損失をイランに与えることができる」「肯定的な回答であれ否定的な回答であれ、今夜8時までには何らかの返答が得られると確信している」と述べているが、これまで何度も受け入れ期限を延長してきたため「実質的な最終期限がどこにあるのか」が曖昧になりすぎて圧力としてのインパクトが失われ始めている。

米国は4月7日午後8時を過ぎるとイランに大規模な空爆を実施するかもしれないし、再び合意の受け入れ期限を延長するかもしれないが、仮にイランの全発電所と橋を破壊してホルムズ海峡の封鎖解除が達成されるのかは謎だ。

関連記事:兵器の性能、戦闘教義の優劣、投射火力を数えるだけでは戦争に勝てない
関連記事:米国とイランの戦争は消耗戦、どちらが先に目的を達成するかを競う戦い

 

※アイキャッチ画像の出典:White House

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コメント

  • コメント (13)

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    • 名無し
    • 2026年 4月 07日

    ほっとけばいいだろ
    イランはどうやら日本と個別交渉に応じるつもりはあり、船舶も実際に通してる
    アメリカのくだらない自滅的な消耗戦に付き合う必要はない

    仮にイラン全土へテロを起こしたとして、ホルムズ海峡封鎖の解除とイランの降伏を勝ち取れるかは未知数、というか多分成功しない
    その上対中抑止のための軍事資源を失うと

    10
      • 名無し
      • 2026年 4月 08日

      もっとマスコミは報道すべきだわ
      日本政府が台湾有事で当てにしてるのは中露以上のテロ国家で、中東で兵器をドブに捨てた底なしのバカだって

      7
    • たむごん
    • 2026年 4月 07日

    UAEが参戦寸前ですが、この報復として色々飛んできたら、UAEも本格参戦するかもしれませんね…。

    日本外交・経済安全保障は、(文句ばっかり言う人もいますが)狡猾にこの難しい局面で大量の仕事をやってるようです。
    中東産のナフサ・ヘリウムの代替として『アメリカ産で代替調達』、『原油も年明けまで確保の目途』という発表がありましたね。

    日本=イランは首脳会談を調整中、外相会談は戦争後3回(?)やってるようですから、このまま上手に複雑な局面を切り抜けられるのか見守りたいと思います。

    3
      • たむごん
      • 2026年 4月 07日

      追記です。

      イラン国営テレビが、全国の発電所周辺に人間の盾を呼び掛けている(4月7日午後2時)という情報あるようですが、悲惨な事にならない事を願っています…。

      1
        • たむごん
        • 2026年 4月 08日

        追記です。

        日本時間4月7日午前9時30分(時差4時間半で計算)。

    • 名無し
    • 2026年 4月 07日

    民族をターゲットにすると、反体制派とすら組めなくなるから、絶対やめろってあれほど言ったのに。。。#色々な回

    9
    • 名前を入力してください
    • 2026年 4月 07日

    発電所や橋の破壊は、最悪の場合、革命防衛隊やイラン国民の相当数が聖戦士化してしまう可能性がありますね。
    勝利宣言をして撤退した方がまだマシか・・・?

    6
    • 名無し
    • 2026年 4月 08日

    〉今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう
    前提条件なしでこれだけ聞くと核攻撃を思い浮かべますね。…流石のトランプ大統領でも安易にはやらないと思うが。

    5
    • general
    • 2026年 4月 08日

    火のないところに盛大に灯油撒いて大炎上させといてこれか。本当に反吐が出ますね
    本当に米中露全部いらないわ。ミドルパワー連合万歳

    8
    • 黒丸
    • 2026年 4月 08日

    ペルシア文明というより、アメリカ合衆国という1776年7月4日に独立宣言を出した
    人類の規範の1つ足るべき偉大な国家が滅亡していく様子を見ているような気がします

    5
      • 名無し
      • 2026年 4月 08日

      というよりは19世紀の野蛮だった頃に先祖帰りという見方も。

      2
      • ふむ
      • 2026年 4月 08日

      「大義名分を捏造する」という化粧を剥がしただけ、と言えばそれだけの話ではあるんですけどね
      昔からトンキン湾事件とかナイラ証言とかグラディオ作戦とかなので

      ただその大義名分こそが求心力だったので、西側斜陽の時代になるのは不可避のようで

      2
    • YF
    • 2026年 4月 08日

    トランプがお馬鹿さんなのは置いていて、国務省、国防総省の姿が見えないのが本当に不思議ですね。これだけは絶対やってくれるなっていう注進はあると思うのですが、まったく聞き入れないのですかね。
    交渉のやり方としても明らかに稚拙ですし、本来のアメリカならもっとまともな交渉出来ると思うのですが…

    4

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