中国が5隻同時に建造していた052DL型駆逐艦の内2隻の進水準備が整い、055型駆逐艦の7番艦「無錫」が海上試験をパスして戦闘準備(初期作戦能力)が整ったことを宣言、もう中国海軍が世界トップクラスの戦力を保有しているのはまず間違いない。
ハイペースで就役艦の戦闘準備が整うということは、中国海軍の人材育成が艦艇の供給ペースに追いついていると解釈するのが妥当
中国が大連の乾ドックで052DL型駆逐艦を5隻同時に建造しているが2022年8月に確認され、海外メディアは「世界最大の中国海軍が052D型の大量生産を始めた」と報じていたが、今年3月に新たな登場が画像して「大連で建造していた5隻の内2隻が完成に近づいている=進水準備が整っているという意味」と話題になっている。
第27、28艘052D型导弹驱逐舰即将下水 pic.twitter.com/eu5uRWRWrh
— lqy🇨🇳 (@lqy99021608) March 10, 2023
***UPDATE***
Two of five Type-052D destroyers at Dalian, #China, ready for launch today (A). the other 3 (B) are still under construction
China is building a lot of large warships pic.twitter.com/gvxfto6Cpu
— H I Sutton (@CovertShores) March 9, 2023
中国海軍の052D型駆逐艦は国産フェーズドアレイ・アンテナ「Type346(NATOコードネームはDragon Eye)」を改良したType346Aを採用、SAM、SUM、SLCM、SSMの全てに対応した垂直発射装置(VLS)が64セルも搭載されており、中国海軍は052D型の戦闘能力について「052C型の1.6倍」と、西側諸国のアナリストも「052D型はイージスシステム搭載の駆逐艦に相当する」と評価している。
現在建造が進められている052D型駆逐艦の発展型「052DL型(正式名称ではなくD型と新型を区別するための名称)」の詳細は不明だが、外見的には格納庫の増設やヘリコプター甲板の延長、ステルスタイプの航空機を検出するのに有利なメートル波を使用する長距離レーダー(JY-27Aベースの可能性が高く最大検出距離は400km前後)が追加されており、イージス艦に匹敵する052D型と052DL型の総数はまもなく31隻(D型25隻+DL型6隻)に到達、アーレイ・バーク級駆逐艦を凌駕する055型駆逐艦も7隻目が運用能力を獲得したらしい。
Le destroyer 104 “Wuxi”, 7ème de la classe Type 055, passe son évaluation opérationnelle avec succès, un an après sa mise en service.
Un sous-marin nucléaire d’attaque Type 09 IIIA avait participé à cette campagne d’évaluation. pic.twitter.com/sjLY96meht
— East Pendulum (@HenriKenhmann) March 25, 2023
中国の環球時報(Global Times)紙は26日「055型駆逐艦の無錫が海上試験をパスして運用能力を実証、北海艦隊にとって無錫は戦闘準備が整った4隻目の1万トン級駆逐艦になった」と報じており、南海艦隊に配備されている055型駆逐艦(大連、延安、遵義)と合わせると7隻の戦闘準備が整っており、中国海軍のペース(米海軍で言うところ初期作戦能力を就役から約1年で宣言)で行けば8隻目の咸陽も2023年末か2024年初頭には戦闘準備が整っていると宣言するはずだ。
既に中国海軍(約340隻)は艦艇数で米海軍(300隻未満)を抜き去り、2025年には400隻に到達すると予測されているが、ハイペースで就役艦の戦闘準備が整うということは「中国海軍の人材育成が艦艇の供給ペースに追いついている」と解釈するのが妥当で、今のところ中国の海軍拡張に落とし穴らしきものは見えてこず、もう質的にも量的にも中国海軍が世界トップクラスの戦力を保有しているのは間違いない。
おまけ
最近、SNS上に登場した興味深い中国関連の話を幾つか紹介。
Norinco Next Gen MBT
A Slide of Presentation Disclosed Recently from an Open Speech. The Lecturer Discussed bt One of the Proposals for PLA Future MBT – Articulated ONE with UGV/UAV-assisted. The Head Can Carries Infantries & The Tail Also Carry Loitering Munitions/Missiles pic.twitter.com/1oWq1fuYxJ
— David Wang (@Nickatgreat1220) March 19, 2023
最近登場した中国の将来戦車に関するコンセプトの1つ、連結された先頭車輌は歩兵を運搬することができ、後部車輌は徘徊型弾薬やミサイルを搭載することを想定している。
Finally a new image of a J-35 prototype (below) in an interesting comparison to the FC-31V2 demonstrator no. 31003 (top).
(Image via @angadow from Weibo) pic.twitter.com/vNyOmyxGWy
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) March 16, 2023
上が中国海軍向けのJ-35(艦載機バージョン)、下が輸出向けのJ-31(2022年に撮影された未塗装の350003号機)
Interview with defense institute official, Wang Jiaying, confirms PL-15 for domestic PLA use has range *over* 200km, while PL-15E for export has the shorter range of 145km.
Difference suspected ofc, but this is confirmation.
(Usual missile range caveats apply)Via SDF, test1979 pic.twitter.com/dzZLOAFRea
— Rick Joe (@RickJoe_PLA) March 3, 2023
AIM-120を凌駕すると言われているPL-15の射程に関する言及、中国軍向けのオリジナルは200km以上、輸出向けのPL-15Eは射程が145kmに制限されているらしい。
Un #drone en composite, avec deux missiles sous la voilure et conçu par China Aviation Industry General Aircraft, à identifier. pic.twitter.com/aYtdh94CAg
— East Pendulum (@HenriKenhmann) February 25, 2023
また登場した中国の新しいUCAV、主翼下にミサイルを搭載しているのが確認できる。
More pics of the 27th and 28th 052D destroyers pic.twitter.com/5qTFlkcxTi
— 彩云香江 (@louischeung_hk) March 11, 2023
上記で言及した052DL型駆逐艦が進水したことを確認、タイトルが、、、まぁいいか
関連記事:中国、米イージス艦に相当する052DL型駆逐艦を5隻同時に建造中
関連記事:中国初の強襲揚陸艦が就役間近、F-35も検出可能な新型駆逐艦も公開
※アイキャッチ画像の出典:CCTV 正午国防军事
340隻の敵艦を沈めるのは、340〜680発の対艦ミサイル。
船の数で対抗する必要は無い。
まぁ、キツい事に変わりないが。
1隻たったの1〜2発で撃破できると思ってんのかい
モスクワ「」
旧型でミサイル剥き出しで、ダメージコントロールも出来ない艦と同列に考えない方が良い。
レーダー性能も中国の方が上だろうし。
どこの国だろうが現代の軍艦は一発でも対艦ミサイルや魚雷を食らったらほぼ確実に致命傷だよ。
だからデコイ積んだり高性能レーダー積んだり近接防空システム積んだりって色々対策してるんだから。
「一隻たったの一発~二発で撃破できると思ってる」から「当たらなければどうという事はない」なのだ
撃破せんでもレーダーシステムが使えなくなった程度の被害を与えられたら戦闘不能で充分なのでは
ウクライナではSAMが強すぎて空軍が活動できない状態ですけど、現代の海戦はどうなるんでしょうね?対艦ミサイル強すぎて同じような結果になったりして。
対艦ミサイルの性能は中国軍の方が高性能なんですよねぇ。
これ何がやばいかって米帝みたいに世界中に配備してるんじゃなくてほとんど中国沿岸に集中配備してるのがなぁ…台湾有事発生したら何隻沈めても次から次へと出てくるのかと思うと気が遠くなる。早いとこ対艦誘導弾いっぱい揃えなきゃ
これ
リンク
中国海軍の建造速度は脅威ですけど、初期作戦能力の獲得速度も脅威なんですよねぇ。
無錫は昨年3月に就役しているので1年で初期作戦能力を獲得しています。
海軍の規模は拡大しているのに作戦能力の獲得速度が全然遅くなっていません。
しかも無理して速くしているのではなくて、教育の効率化を追及して速くしていそうなのがまた恐ろしい。
中国の初期作戦能力獲得ってどれだけ信用できるんでしょうか
中国の最近の新型兵器が実戦で使われたことがないので、実態がさっぱりわかりません。
「モーマンタイよ。もう使えるネ!」
と言ってるだけの可能性も。
じゃ、何で防衛費をあんなに増額する必要があるわけ?
もう中国の実力を馬鹿に出来ない所まで来てると認めてるからじゃないの?
その理屈は分からん。
初期作戦能力の宣言が見切りだったとしても戦力が激減する訳じゃない。一隻二隻火吹こうが沈もうが代わりに三隻作るだけなんだから。
西側の国がそれやって人死でも出したら大事だけどな。
中国海軍は兵器が十分機能すると証明されないうちは量産しませんね(どの国も同じかもしれませんが)。
だから兵器の試験方法も細かく規定されていて、クリアしないといけない項目が多いです。
ロシアの失態も当然自軍の改善に生かすだろうし、中国が開戦を決める頃には更にまずいことになってるだろうなぁ
中国の新型MBT構想面白いですよね。元ツイートにぶら下がってる別のポンチ絵だと99式より相当小型になっているのが分かります(99式戦車の車体長7.3mに対して図のMBT案は4.15mと実に3m以上短縮されている)。
自走榴弾砲の中には車体と補給車をベルトコンベアで繋げることで敵砲火の中で兵員を外に出すことなく弾薬補給ができるモデルがありますが、この考え方を主力戦車に応用したのがこの案なんでしょうね。IFVやUAV母機を兼ねる弾薬車を牽引して展開し、接敵する直前でこれを切り離し、小型軽量ゆえの地形を選ばない軽快な機動力と低被弾率を生かして交戦、戦闘終了後に弾薬車と再接続して弾薬の補給をするという事でしょう。30トン台という重量から考えると南部国境で使われている軽戦車の系列との統合を意識しているのかもしれませんね。砲塔の接続位置が車体後方=エンジンが装甲を兼ねるフロントエンジン配置だったり、主砲も砲塔右側にオフセットされていたり(高威力の戦車砲でこの配置は聞いたことがないので低圧砲か何かかもしれない)するのでMBTと言いつつ軽戦車か重IFVなのかもしれませんが、とにかく興味深いです。
確か以前に見たシミュレーション動画では、中国の爆撃機32機から発射された計128発の対艦ミサイルに対して、海自が8隻の護衛艦隊で対処したところ、2隻が被弾し轟沈するという結果になっていました
中国海軍の護衛艦の同時対処能力は、これよりやや劣るレベルと考えられるので、逆でやったら3隻か4隻が沈む感じでしょうか
結局のところ航空機の発射プラットフォームの数で勝敗は決まるので、艦船の数自体はそんなに重要ではないと思いますが、そもそもの話、そんなにたくさん建造して何をしようとしているのでしょうかね?
もうこうなったら多少隻数減らしてでも海自の水上戦闘艦はオールイージス巡洋艦にするっきゃ無いのか
続々開発されるジオンの・・・ ゴホゴホ
なんかもう感覚が麻痺してくるレベルの建艦速度ですわ
まともに付き合うより列島線を活かしてマルチドメインで遠距離打撃しよう!となるのもむべなるかな
こんなん海自単独じゃ凌ぐのむりやな
南西諸島を対艦ミサイルでハリネズミにしてもきつそうだ
アメリカを抜くってことは、双子の赤字もアメリカを抜く(少なくとも軍事費は赤字の大きな原因)のか。
急激な軍拡は短期的には脅威だが、長期には自滅に向かうからありがたい。