米国関連

米国とイランが2週間の暫定的な停戦とホルムズ海峡の開放で合意

トランプ大統領は米東部時間の4月6日「(イランが24時間以内に暫定的な停戦とホルムズ海峡開放の要求を受け入れなければ)文明が滅びる」と発言して緊張が高まっていたが、イラン外相は「米国と2週間の暫定的な停戦とホルムズ海峡の開放で合意した」と発表した。

参考:Donald Trump
参考:Live updates: Trump pulls back on Iran threats for two weeks, subject to Iran agreeing to terms

米国とイランの停戦やホルムズ海峡の開放が持続的なものになるか交渉の結果次第

米国の対イラン作戦=エピック・フューリー作戦は5週間目に突入し、トランプ大統領は3月21日「48時間以内に合意せよ(45日間の暫定的な停戦を受け入れる見返りとしてホルムズ海峡を開放せよ)」と要求し、この合意の受け入れ期限を当初3月23日に設定したが、これは実質的に戦略的敗北を認めるか否かを迫る内容で、イラン側はトランプ大統領の要求を拒否して逆に「恒久的な戦争終結」と「米国の制裁全面解除」を要求。

出典:U.S. Central Command

これまでトランプ大統領は合意の受け入れ期限を何度も延長して「激しい脅迫」と「交渉は順調だ、まもなくイランは合意を受け入れる」という典型的な交渉スタイルを繰り返してきたが、イラン側は米国との取引に一切応じる気配がなく、トランプ大統領は4月6日午後8時(米東部時間)の受け入れ期限を24時間延長し「合意がなければ地獄が彼らに降り注ぐだろう」「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」「そんなことは起こってほしくないが、おそらく起こるだろう」と言及。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領も「1400万人以上のイラン国民が、(自己犠牲的な)戦いにおいて命を捧げる覚悟を表明している」「私もイランのために命を捧げる覚悟はできている」と言及し、双方とも政治的レトリックのエスカレーションが最高潮に達し、トランプ大統領が言及する「一つの文明が滅びる攻撃」とはイランの全発電所と橋の破壊を指している可能性が高い。

出典:White House

トランプ大統領が新たに設定した期限=4月7日午後8時(米東部時間)は日本時間の8日午前9時頃で、バンス副大統領も「彼らが賢いことを願う」「米国はイランが我々や世界の友好国に与える経済的損失よりはるかに大きな経済的損失をイランに与えることができる」「肯定的な回答であれ否定的な回答であれ、今夜8時までには何らかの返答が得られると確信している」と述べていたが、トランプ大統領は再び合意の受け入れ期限を2週間延期した。

トランプ大統領は4月7日午後5時半(米東部時間)頃「パキスタンのシャバズ・シャリフ首相とアシム・ムニール陸軍参謀総長と協議を行い、イランがホルムズ海峡の完全開放に同意することを条件にイランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに同意した」「我々はイランから10項目の提案を受け取り、これを交渉の実行可能な基盤であると判断した」「過去の諸論点のほぼすべてについて米国とイランの間で合意が成立しているが、2週間の期間を設けることで最終合意を確定・締結させることができるだろう」とTruth Socialに投稿。

イランの最高国家安全保障会議も「2週間の停戦案を受け入れた」「10日からイスラマバードで米国との交渉を開始する予定だ」「これは戦争の終結を意味するものではない」「我々は依然として引き金を引く準備ができており、敵が少しでも過ちを犯せば全力で応じる」と声明を発表。

セイエド・アッバス・アラグチ外相も「米国が15項目提案を基にした交渉を求めていること、トランプ大統領がイランの10項目提案を受諾した旨を発表したことを考慮し、私は最高国家安全保障会議を代表して以下の通り宣言する」「イランに対する攻撃が停止される場合、我々も防衛的な攻撃作戦を停止する」「イラン軍と調整を行い、ホルムズ海峡での安全な航行を2週間保証する」と発表し、世界経済に大きな打撃を与えてきたホルムズ海峡の封鎖はひとまず解除されるようだ。

米国とイランの停戦やホルムズ海峡の開放が持続的なものになるか、2週間後に再び戦いが再開されるかは米国とイランの外交交渉の結果(核プログラム、制裁解除、代理勢力問題など)に左右される。

関連記事:トランプ大統領、イランとの合意が成立しなければ一つの文明が滅びる
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関連記事:米国とイランの戦争は消耗戦、どちらが先に目的を達成するかを競う戦い

 

※アイキャッチ画像の出典:White House

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コメント

  • コメント (13)

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    • 幽霊
    • 2026年 4月 08日

    後は二週間の停戦中アメリカがイスラエルに攻撃を控えさせれるかが問題ですね
    仮にイスラエルが停戦中に攻撃を仕掛ければ、イランとアメリカの戦争は今まで以上に泥沼化してしまうでしょう。

    12
      • 名無し
      • 2026年 4月 08日

      イランもアメリカも、イスラエルの挙動は重々理解してるから、もしイスラエル「だけ」が停戦破りをやったら、アメリカとイランが共同して、イスラエルにどうお仕置きしてやろう、という内容も、ある程度は擦り合わせていると思いますよ。

      1
    • ざる
    • 2026年 4月 08日

    まずは一歩前進というところでしょうかね。
    ただアメリカとイランが同意しようがイスラエルを止めない限りこの戦争は終わらないと思います。
    2週間後にイスラエルが攻撃してドンパチ再開なんでしょうかねえ…

    13
      • NIVEA万能論
      • 2026年 4月 08日

      逆にイラン側からの攻撃が今のところ止んでいないのですが、これに対してイスラエル当局者は「革命防衛隊の末端に停戦が伝わるのには時間がかかる」と珍しく理性的です。
      このまま上手く鎮静化してくれれば良いのですが。

    • L
    • 2026年 4月 08日

    ブッシュ以下の大統領が現れるとは思わなかった

    3
    • ハムスター名無し
    • 2026年 4月 08日

    ※なお(以下略

    3
    • ガテマヌ
    • 2026年 4月 08日

    とりあえず停戦できたのは喜ばしい。ただ、昨今の紛争で停戦が守られているイメージがなく2週間持つとは思えない
    ホルムズ海峡もイランの制御下、イスラエルの暴発、アメリカも期限前に攻撃してたし・・・

    バーレーンは忍耐の限界だとイランに伝えています。パキスタンはtwitterで投稿ミスがあったようですね

    2
    • YF
    • 2026年 4月 08日

    イラン側が提示した10項目の和平案、指導者殺されて大規模な攻撃受けた割には理性的な内容だと思います。
    どうせトランプは勝ったと言えれば満足でしょうし、各項目でアメリカに対する配慮も見えますから。
    この和平案の合意をもって終戦となって欲しいですね。

    後はみなさん書いているようにイスラエルがおとなしくしてる事を願うばかりです。

    6
    • イーロンマスク
    • 2026年 4月 08日

    日本からタンカーが向かって到着する頃に再開とかやめてくれよ

    • 犬の〆
    • 2026年 4月 08日

    なんにせよ、とりあえずの停戦、よかった。

    • 名無し
    • 2026年 4月 08日

    中東関連のOSINT見てるとイランがホルムズ海峡の通行料を徴収する事をアメリカが認めるとあるけどほんとかいな

    • NIVEA万能論
    • 2026年 4月 08日

    米側も長距離兵器を大量に消費してしまって、また原油価格の高騰で国内の不満も高まっていたためこの辺が潮時だったのでしょう。
    トランプはイランを「石器時代に戻す」などと息巻いていましたが、実際のところ核でも使わない限りそんな芸当は無理でしょうね。

    この戦争で米国が得られた物が何かあるかについてはかなり疑問ではありますが、ともかくも停戦が成立したのは喜ばしい事です。

    1
    • リンゴ
    • 2026年 4月 08日

    重要なのは、10日までに何かが起きたら停戦交渉自体が終わる事だ
    イスラエルくんが終わらせるワケないんで、まだ予断を許さない感じ

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