オーストリア空軍は国防予算の増額を受けて「お荷物状態だったタイフーン・トランシェ1のアップグレード」を検討しており、2020年から不在が続いている練習機の導入やF-35Aの導入も視野に入っているらしい。
参考:Austria to upgrade its Eurofighter and shows interest in the Leonardo M-346
参考:Austria eyes F-35 for future Eurofighter replacement
オーストリア空軍がどのように再建されるのか非常に興味深い
オーストリアは冷戦時代にGDPの1.2%~1.5%を国防予算に投資していたものの1991年以降に削減を開始、2010年~2021年までの平均投資額はGDPの0.8%以下で軍の能力を維持することすら困難になっていたが、ウクライナ侵攻を受けて政府は国防予算増額を昨年10月に発表、2027年までの5年間に計160億ユーロを投資してGDPに占める国防予算の割合を1.5%まで引き上げる予定だ。

出典:Marek Olszewski / CC BY-SA 3.0 オーストリア空軍のタイフーン
この資金をオーストリアは何に投資するのかに関心が集まっていたが、どうやら資金の一部(16億ユーロ)はタイフーン・トランシェ1のアップグレード(夜間作戦能力の強化、DASS導入による生存性の強化、BVRミサイルの導入など)と2020年から不在が続いている練習機の導入に投資される予定で、攻撃能力を備えたM-346FAかL-39NGの調達が噂されている。
さらにオーストリア空軍はタイフーンの後継機(2030年代)としてF-35Aの導入も検討すると報じられており、他にも老朽化したAB-212やOH-58Bのアップグレードもしくは交換、英国から取得したC-130Kの交換(エンブラエルがKC-390を売り込み中)などが浮上しているが、陸軍もレオパルト2A4の交換、携帯式防空ミサイルと対空機銃のみで構成された防空システムの改善、現代戦で欠かせないUAVやカウンタードローンシステムの導入、近代的とは言えない指揮・統制システムの更新などやることが山積みだ。

出典:Embraer KC-390
お荷物状態でインドネシアに売り飛ばそうとしていたタイフーンに「再び投資する」というシグナルは「安全保障政策が根本的に変更された」という証で、SAAB 105Eの代替機を調達せずパイロットの育成をドイツに丸投げしたり、保有する15機のタイフーンに対して12人のパイロットしか雇用していなかったオーストリア空軍の再建がどのように進むのか非常に興味深い。
関連記事:導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
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関連記事:エンブラエルのC-390、宿敵C-130Jを破りオランダ空軍採用を決める
※アイキャッチ画像の出典:Bundesheer Fotos / CC BY-SA 2.0
記事読んでて、あまりの適当さに吹いた
ドイツに併合されただけのことはある
今、この二国をくっつけても、脅威にはならなさそうだな。
これでなんとかなる(なってた)というのはある意味うらやましい話だな
本質的には軍備なんて資源と労働力の浪費に他ならないし
とはいえ軍事から生まれたから技術は多いから何とも悩ましいところ。
インターネットも元をたどれば軍事技術由来だし。
とはいえ、日本も程度の違いこそあれ自国の安全保障を他国依存で蔑ろにしてきた国ではあるし、浮いた国防費でを経済に回して繁栄していた(過去形)国でもあるから…
オーストリアは中立国なのでスイスみたいに重武装していると思っていたのですが、全然違ったんですね。
国民投票で徴兵制の維持が決まって今でもあるので、お花畑というわけでもないのでしょうが、なぜこれでいいと思っていたのか不思議です。
>>オーストリアは中立国なのでスイスみたいに重武装
しかしそのスイスもちょっと前までは週末はスクランブルお休みしていたわけで。
ヨーロッパ全体としての平和ボケもかなりひどかったように思います。
『冗談のような本当の話、スイス空軍が年中無休24時間のスクランブルに本日から対応』
リンク
ドイツもひどかったし「どうせ戦争なんて起こらない。軍端なんて無駄だ」という気分が蔓延していたのでしょうね。それがウクライナ侵攻で目が覚まされたと。
権威主義国家があるかぎり、何が起こるか分からないので最悪を想定した準備をするべきなのでしょう。
戦闘機15機にパイロット12人。
人手不足の運送会社みたいです。
機体の稼働率も低そうなので問題ないのでは?
機体数の三倍程度はほしいよね。
あとタイフーン退役させて安い機体入れた方が良いと思う。
オランダがトマホーク導入とか、オーストリア空軍再建とか、プーチンは本当にやらなくていい戦争を始めたんだなぁ
ウクライナに攻め入らず、10年20年何もしなかったら、欧州の軍需産業やNATOは緩やかに崩壊して行ってたかもしれなかったのに
プーチンの寿命が持たないのでしょうね。
台湾進攻と示し合わせてとかじゃなくて本当によかった。
オーストリアは自国の軍需産業を立て直す為に、トランシェ1のユーロファイター2020化とLeopard2A4のA7化を自国工場で実施しよう❗️
無理か・・・・。
せめて、SK105を修理して、ウクライナに送ってくれ。