ボーイングとサーブが共同で開発を進めている米空軍の次期訓練機T-7Aは複数の問題に直面、同機のフルレート生産が1年ずれ込むことになったと報じられている。
参考:Technical Problems Push T-7A Production Decision Back At Least One Year
1年程度の遅れは許容範囲だが、問題が長引けばKC-46Aの不具合で激おこの議会が黙っていないだろう
ボーイングとサーブが共同で開発を進めている「T-7Aレッドホーク」は米空軍の次期訓練機としての採用が決定しており、フルレート生産の判断基準となるマイルストーンCをパスするためプロトタイプによるテストを行っている最中なのだがT-7Aを構成する主要コンポーネントの供給不足や初期設計の遅延、さらに高迎角で飛行中にロール軸が不安定になる設計上の問題が発覚したため追加の飛行テストを実施する必要性があるためフルレート生産を2022年から2023年に遅らせることを決定したらしい。
ただしT-7Aの開発コストはフルレート生産の1年延期や追加の飛行テストを実施しても予定された金額を越えないと米空軍は説明しており、T-7AによるT-38の更新を引き続き推進していくことを約束している。
因みにT-7Aはボーイングがデジタル・エンジニアリングと呼ばれる手法を初めて全面的に用いて開発した軍用機で、コンピューター上で設計されたデータを用いてシミュレーションを実施、実機によるテストを簡略化することで開発コストの圧縮や開発期間の短縮を狙っており米空軍が開発を進めている第6世代戦闘機にも同様の手法が採用されているのだが、本格採用が始まったばかりの技術なのでコンピューターシミュレーションでは発覚しなかった問題に直面したという話だ。
まぁ米空軍の新型機開発がスケジュール通り進むこと事態が奇跡(B-21だけはスケジュール通り開発が進んでいるらしい)に近いでの1年程度の遅れは許容範囲だと言えるが、もし問題の解決に手間取るようなことになればKC-46Aの不具合で激おこの議会が黙っていないだろう。
関連記事:開発予算の超過もなく予定通りに進捗、F-35を批判する軍事委員長も称賛するB-21の開発状況
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by: U.S. Air Force
うーんこのボーイングクオリティ
まあフルレート生産を遅らせると言っても、年生産数を落とすわけじゃないから
じゃあフルレートだの定率生産だのの制度自体どうよって話だけど
日本もT-4が経年劣化してるから目が離せられないな。
…T-50?ないかなぁ
シミュレータを含めた訓練システムとしてT-50のアビオニクスではF-35に対応しきれないのではなかったでした?
開発開始が20年程違う機体ですから仕方ないのですが。
#改めて見ると同程度の機体規模で重量が2倍って何がそんなに違うのやら
最近になって、アビオニクス改訂版のTA-50を売り始めたから、高等練習の半分は対応できるだろう(残りのもう半分は実機で)
それとTA-50がT-7Aより重たいのは、FA-50ほどではないが、機関砲やミサイル、爆弾などの兵装を運用するためではないか?
あとT-4の後継機より先に、T-7(初等練習機)の後継の話が先だろう。
T-4は中等訓練機になるので、高等練習機であるT-7AやT-50やM-346とは事情が異なるだろう
どちらにせよ、初等練習機後継で、今後の教育方針が決まらないと、中・高等訓練機の策定は難しいだろう
>TA-50がT-7Aより重たいのは、FA-50ほどではないが、機関砲やミサイル、爆弾などの兵装を運用するためではないか?
それで2倍になるかね?
1世代前のほぼ同規模の練習機T-38の戦闘機版をF404単発にしたF-20ですら5tしかないのにその1.3倍よ?
T-7Aの最大離陸重量が 5,500kgで、TA-50の最大離陸重量は11,985kgでしょ
強度も構成部材も違えば、二倍になっても不思議じゃない
ステルス機じゃないんだし胴下面後方にフィンを追加して即効改善できないのかとも思うけど
作戦機の飛行特性を模擬的に再現するって要求があるからそう簡単な話ではないのかな。
現象を解析して設計システムにフィードバックてなこともあるのかも。
熟成が浅い開発手法で今までに無いことをやろうとしてるんで想定外もあるのかな。
小さいから下面にフィン付けると離着陸時に擦りそう
折り畳みにするんじゃあ手間だし
双垂直尾翼で低いのが仇になったか
飛行制御ソフトで対応するんでない?
下の方で推測出てる様にストレーキで発生する過流が原因だったりすると、
飛行制御ソフトでどこまで対策できるもんかなぁ。
カルマン渦の直撃なら左右交互にブレるから、周期正確に把握できないと
下手すりゃ逆効果になるだろうし。
スリットやらドーサルスパインでの整流の方が根本対策になりそうだけど、
F/A-18兄弟の悪戦苦闘を見る限りそうでもないのか。
これまでの飛行試験では行わなかったが求められる高仰角飛行で出た現象でしょうから、その状態でのロール安定性を確保する空力的改善を求められるのではと思います。
想像ですが、作戦機の飛行特性を模擬するてのは、制御ソフトウェアで安定性を目的の特性に崩す方法で実現するんじゃないですかね。
とすればフィンの追加は程度問題ですが模擬プログラムに影響を与えるのでできれば採用したくない。過流と垂直尾翼の関係を再検討して改善を図ることになるのかも。
外観上垂直尾翼がやや高くなったり取付角度が若干変わるような変化があるかもしれません。
「思う」とか「想像」とか「かも」ばかりで自分で書いてて何ともですがw
不意自転?
ならば、ここは切り札の捻り下げで対策しましょう
原因が翼端失速ではないだろうから意味ないかと。
かっちょいいかも。インテークダクトをもっとボディに一体化してほしかったなぁ
日本に導入だと30億くらいか
日本はT4後継国産でがんばって欲しい
AAM3とSDBくらいは最初から撃てる仕様でお願いします
戦わない機体にしないと改修しても軽攻撃機程度なT-7Aと
コスパで勝負できない気がする
うん、アビオとか考えるとファルコン買った方が早いかと
AAM-3はまだ有事の際には連絡機にも訓練機にも積んどいて
大型UAVによる浸透襲撃に対応する、みたいな有効性を感じなくもないが
SDBはそんなもんをT-4後継機に積む必要が出てくる時はもう負け戦だろう。
90式や10式はあるだけで攻撃側に対戦車装備を持ち込む、という負荷を掛ける効果があるけど、
T-4後継機にSDB積んだところでF-2やF-15と同じ装備で対抗できる訳で
いまならSRAAMはAAM-3じゃなくて5では
それは元コメに対して言ってくれ、と言いたいとこだが
練習機に御守り的に積む、みたいな話だし
在庫処分のAAM-3を押しつけられるのは妥当じゃないかな。
そう、数千発のスパローもなんなら
F-3と無人機つくるので忙しいのでこれ以上がんばれない
(国内メーカーを)訓練(する)機はもう良いです
君は日本人じゃないようだね?
ネタにマジレスをしない訓練をしてください
どうもV字型の双ななめ尾翼は安定性が悪いようだ、F/A18もそのままだとまっすぐ飛ばないらしい。
高AOAでロール軸が不安定になるってことは腹側を前にした状態で全面投影面積が過剰に大きくなった垂直尾翼、というかラダーの動きに過敏に反応して機体が勝手に回転しようとする力が働いてしまうってことだろうね。
真っ直ぐな、言葉通りの”垂直”尾翼なら起こらない現象だ。
安直な解決手段はベントラルフィンの増設だけど、そう考えるとJ-20がステルス性にマイナスなのを承知で腹ビレ付けてるのはそういう理由なのかも。
高迎え角では垂直尾翼の「対気実面積」はむしろ小さくなると思うけど。
昔からある「高迎え角時に機首や翼(ストレーキ含む)によって
垂直尾翼に気流が当たらなかったり過流が当たっちゃう問題」でしょ?
だからそれは”垂直”尾翼の場合ね。
木主が言うようにV字尾翼でAOA大きくとるんだよ?全面投影面積がどうなるかわかるよね?
コロナとイーロン・マスクによる半導体不足で今年量産すんのは無理だよね
日本のドルフィンもエンジンがそろそろヤバいらしいのでT-7A買ってほしい……ボーイングがボッタクリしないの前提だけど
もう修理の予定たっているのでは?>T-4
空自は現在、戦闘機搭乗員の訓練体系の再検討を進めていて既に調査も行っている様だが、イカロス出版の「日本のF-X(次期戦闘機)」を読む限りでは驚天動地の結末が有るかも知れない(既に次期戦闘機には複座型を作らない可能性があるとか言われているし、下手をしたらT-4の後継がT-7Aどころかプロペラ機のPC-21辺りになってもおかしくない状況)
それって実機の練習機を廃止して、完全に地上シミュレーターのみで訓練するシステムに切り替えるとか
すごく不安を感じるけど、近い将来に無くはない気はする
737MAX「こっちに・・・」
KC-46「おいで・・・」
最初からそっち側だろう。
悪霊退散!
保守的な人間なんでデジタルエンジニアリングにはとっても懐疑的なんだが…
パーツ単位ではデータ上で設計出来ても何千何万点のパーツを組み合わせた完成品での完全シミュレートとか
そんな簡単に出来るもんじゃないだろうと思っちゃうんだよねぇ
パラメータの設定ちょこっとどこかで間違えただけでアウトじゃんよ
しっかり試作機なり部分試験用の組み立てモデル作ったらいかがなもんじゃろ?
試作品ってワンオフの特注になる箇所が多く製造にコストかかるわ試験も大変だで、そこを減らして早く安く上げるためのデジタルエンジニアリングなんですよ!!!!
まぁ、まだ枯れてないのでこのサイトで紹介あったフォード級のパレット入らないエレベーターとか/(^o^)\事例が発生しちゃうんですけどね。
恐らくだけど所謂M&S(Modeling & Simulation)なんでしょ。
M&S技術;詳細度・構造・セキュリティ等、レベルの違うシミュレーションを多数相互連接し、一貫した矛盾のないシミュレーションモデルを作成し、模擬することを可能とする技術。
防衛装備庁ではF-Xのデジタルモックアップ検討で使用しましたし、艦艇設計の初期段階検討に「艦艇初期検討評価技術」「次世代潜水艦システム」を運用してます。
参照;次世代潜水艦システム運用構想
リンク
所謂デジタルエンジニアリングは詳細設計までカバーするものなのかもしれません。
熟成には設計ルールデータや構成要素データの蓄積が必須なんで、必要なら適宜技術実証試験を行うのが原則です。設計の全てをシミュレーションで行うわけではありません。
試作機は2機作ったんです。それで3年テストして、今年2月から量産機製造開始。
試作機を3機作るべきだったのにコスト削減して、今、テスト完了で問題発覚か。量産1号で問題発生か。ま、どうせ、量産1〜6号なんて、試験機だよというノリか。
致命的なのは、これだけで、その他いろいろあるみたいだけど優秀な方なのかな。
シミュレーションに関しては始めたばかりでこれからだからデータ蓄積を考えたらこれくらいの不具合は許容すべきじゃないかな。どうしても現時点でシミュで駄目な所が出るなら、それを実際に検証するようにするかデータ蓄積した上でシミュ精度を上げるだけの話。
単純な製品であってもデータを正確にすればするほど正しい結果が出るのは当然だし、逆に適当すぎるとそれなりの結果しか出ないのは当たり前。今回のは適当だったのかシミュがそもそもカバー仕切れていなかったのかがよく分からないね。
V字尾翼が悪いんではなくて、ストレーキから発生する渦流が
高迎え角で悪さをするのだと思われます。
(渦流がちょうどV字尾翼付近に流れる)
例えば同じようなストレーキ+V字尾翼のF/A18系列は昔から問題抱えていて、
レガホはわざわざ機体上面にフェンスを設けて気流を改善しています。
スパホは設計変更して渦流が流れる位置を変えた上に、
FBWで改善しているようですが、ご指摘の通りあまり良くはないようです。