中国はパキスタンと共同開発した第4世代戦闘機「JF-17 Block3(能力向上型)」の初飛行に成功したと、中国のグローバルタイムズ紙(環球時報の英字版)が報じている。
※本記事は2020年1月3日に公開した記事の再掲載です。
参考:JF-17 Block 3 fighter jet makes maiden flight, equipped with J-20 tech: report
第4世代戦闘機「JF-17」を第5世代戦闘機の技術でアップグレードした中国
JF-17(中国名:FC-1)は、中国がMig-21を改良したJ-7戦闘機をベースに米国の技術を取り入れた「スーパー7」という戦闘機を開発する予定だったが、天安門事件(六四天安門事件)の影響で米国との関係が拗れたため計画が頓挫、その後、パキスタンとの共同開発に切り替え、同国が導入していたF-16を参考にして開発が進められ、ロシアからの技術協力にも助けられ完成したのがJF-17だ。
同機の最新型「Block3」には、中国が開発した第5世代ステルス戦闘機「J-20」や第4世代機に用いられた技術が多数取り入れられており、西側の第4.5世代機と同等の能力を備えている可能性がある。
J-20に採用されているものよりも大きい「ホログラフィック広角ヘッドアップディスプレイ」や統合型の大型コックピットディスプレイ、J-10やJ-16に搭載している赤外線捜索追尾システム(IRST)やミサイル警報装置、新しく開発されたAESA式レーダーや、これまで採用していたロシア製「RD-93」とは異なる新しいエンジンを搭載しているらしい。
さらに民生技術を積極的に採用したことでコストの上昇を抑えることに成功したとも言っている。
JF-17の開発者によれば、アップグレードが施されたBlock3は、パイロットの状況認識が大きく改善され、戦闘効率が格段に向上するだろうと語っており、民生技術を積極的に採用したことでコストの上昇も最小限に抑えられたらしい。
JF-17 Block2の価格は2,500万ドル(約27億円)程度で、Block3は3,200万ドル(約34億円)程度を予定しており、もし西側の第4.5世代機と同等の能力をもつ戦闘機が30億円程度で購入できるなら、海外市場で非常に有力な選択肢に浮上することになる。
補足:比較的価格の安いロシアの第4.5世代機でも、MiG-35で5,000万ドル、SU-30MK2で3,750万ドル(※2012年)、ロシア空軍向けのSU-35Sで8,000万ドル前後だと言われており、如何にJF-17 Block3が安いかよく分かる。
もちろん先進国が中国の戦闘機に手を出すことはないだろうが、武器禁輸措置の期限切れが目前で、政治的に西側製兵器の導入が難しいイランや、経済的に高価な西側製兵器の導入が負担にになるアフリカやアジアの国が興味を示す可能性が高く、中国は第4.5世代機の価格破壊機「JF-17 Block3」で海外市場に殴り込みをかけるつもりだ。
これまでJF-17はパキスタン、ナイジェリア、ミャンマーが採用し、計100機以上の海外輸出を行ってきた実績もあるので、Block3がどれぐらい売れるのか注目される。
※アイキャッチ画像の出典:Eric Salard / CC BY-SA 2.0 パリ2015航空ショーでのJF-17
未確認要素が多くて、よくわからない。
ただ、価格は魅力的だね。
性能や価格帯が全然違うけれど、F-16Vを連想させるようなインパクトのある商品が出てきたなぁ。
これはもう完全にKFXが売れる見込みなくなったな。
位置付け的には、東側のグリペンって感じでしょうか?
JF-17は(中国名:FC-1)は、Mig-21ぽく古臭く見える時もあれば、F-16の影響が垣間見える時もあり、違和感覚える機体です。
機首の細さでどんなレーダーに換装できるの?
搭載できるミサイルはどんなの?
って疑問はあるけど、隣国との争いがあるけど、F-16は・・・って国には魅力的かな? って思う反面、管理人さんが上げた3国以外に需要があるの? って疑問もあるなあ
もっと需要の多い、国内の反政府ゲリア、国内のイスラーム系勢力、クルド人ゲリラ、ロヒンギャ系のゲリラとかなら、プロペラ機のエンブラエル EMB-314 スーパーツカノでも買うか? って国の方が多い(需要が多い)って気もする
JF-17 BlockⅢのAESAレーダ面積は60㎠(J-10Cは70㎠)で、KLJ-7A(液冷式)とLKF-601R(空冷式)の2種類のレーダが搭載候補にあがっている(KLJ-7Aが採用されたという噂があり。)
ミサイルは対艦ミサイル(C-802AKやCM-400AKG)や、対空ミサイル(SD-10AやPL-5E)を搭載できる。
「中国は第4.5世代機の価格破壊機「JF-17 Block3」で海外市場に殴り込みをかけるつもりだ。」
JF-17の主翼から後ろの部分を見るとF-16に本当そっくりね。
今後はF-16V vs. JF-17の顧客獲得のコンペが世界中で繰り広げられるということか。
F-16Vは結構高価格だから価格は魅力的かなあ。
でも中国製エンジンなら運用中に墜落でロストしそう。
搭載しているWS-13エンジンがスペック通りの性能ならGE F404相当なのでF-16 vs F-20近代改修パチモノっぽい感じもしますね。
尾翼周りはF-16っぽいですが単発でF404相当のエンジンにF-16より少し小さくF-20とほぼ同質量とかF-20を想像してしまいます。
JAS-39グリペンもですが、F404の単発機は米空軍T-Xでも多数候補があがりましたし、F-20再び、という感じがします。
今はレーダーやFCSが機体価格の足を引っ張っているから
そのあたりが安く造れたのだろうか?
J-10Cの輸出型の価格が約4,000万ドル前後らしいので、中国は最初から低価格で製造できるんだと思います(物価や人件費が安いことも関係ありそうですが。)
戦闘機その物は安くても、搭載兵器はどうするかとか、自国の防空システムとリンクさせるといったエンジニアリング、それからロエンジンは機体が寿命を迎えるまでに何基必要か、といったLCCまで考えると、安く上がるかは買ってみて、使ってみないとわからないかも。
兵器の安さはそのまま戦力の増加に繋がりますからね
安いは正義です
揃えた兵器が役に立つかは相手に、状況によりますね。イラクが揃えた兵器はイランとの戦争で役に立ちましたが、湾岸戦争ではコテンパンにやられたわけで。戦力の増強→ヘンな自信、にならなきゃいいけど。
その点、やはり信頼と実績の中国製ですね
西側でもドイツ製やイギリス製兵器がどんなに紛争地域で破壊されても頼られ信頼され購入されるのは実戦経験に裏打ちされた改修が施されてる安心感からでしょう
やはり日本に足りないのはそこか
コピーカラシニコフ以外で実戦で高評価を得ている中国製兵器って具体的に何が有るのか教えて欲しい。
中国製UAV(CH-4や翼竜Ⅱなど)はアフリカや中東で好評ですね。
155mm自走榴弾砲(PLZ-45)や携行SAM(FN-6)も中東で使用されて戦果を収めています。
中国製グレネードランチャー(LG5)も一応好評ですね(サウジアラビアが使用。)
昨年にパキスタンとインドが空戦した時は、パキスタンのJF-17がインドのMiG-21とSu-30MKIを撃墜したので、JF-17は実戦で活躍している。
>民生技術を積極的に採用
当初から言われてた事ですが、ここで鴻海経由で人民解放軍に流れたシャープの液晶技術が使われた訳ですな。
まあそれだけではないでしょう。
むしろこの機体の何パーセントが掠取した技術で作られているのか、その方が気になります。
もし1割にも達していたら恐ろしいことですよ。
意図せずとも10分の1も加担してしまったことになる。
いくらなんでもシャープに夢見すぎ。開発時期的にシャープが噛むのは難しいタイミングだし、今のシャープは大型液晶は昔のような競争力はなくなってしまった
それはそれとして、F-16も随分高価で強力になったから、こいつは「ここまで高性能でも高価である必要はないが、一定水準の近代戦に対応出来る戦闘機が欲しい」という国にはピッタリな対抗馬になると思う
反則的な価格ですねえ。
FA-50の購入層ですら皆こっちを選ぶのでは。
最近、再掲載増えてるのなんでだろ?
お盆だからでは?
既に中国軍は海上自衛隊を撃滅できるだけの十分な能力を獲得している。これが現実だ
海自だけなのね
一方的に撃滅できると言うのなら違うと思うが
優位に立っていると言うのなら同意する
最近のPLAの成長ペースは凄まじかった
自衛隊だけではもう勝てないと言われたのが何年前だったかな
それでも日本に上陸できるとは思わんが
F-16をベースにF/A-18のLEX、DSIにロシア系のエンジン、J-20のアヴィオニクスの発展型ですか。
これだけのキメラを破綻なく統合するのは素直にすごいと思います。
目新しいものを創出するのは相変わらずお察しのようですが。
しかしながら、韓国と違って入手できた技術であれば確実にモノにできるってことですから
軍事、民生含めて輸出、知財の管理をしっかりやらなければいけないと改めて思いますね。
>F-16をベースに
JF-17はMig21の中国コピー 版F-7戦闘機の近代発展版だからF-16:は関係無いよ。
本文に「F-16を参考にして」ってしっかり書いてあるんですが、それは・・・?
まぁ、ベースっていうのも言い過ぎちゃう?とも思うけど。
ベースといいますか、Mig-21にF-16要素を取り入れたキメラって感じですね。
垂直尾翼周りはF-16そっくりなんですが
パキスタン空軍のF-16が設計のベースになってるものだと思ってましたが、
Mig-21(J-7)がベースでしょうか?
中国がJ-7(F-7)をベースに発展させ安価な輸出専用戦闘機を作ろうという計画にパキスタンが乗っかった。
だからJF-17はMig21の末裔。
立ち位置としては輸出専用戦闘機のF-5シリーズに近いと思う。
開発時にパキスタンが所有しているF-16を参考にしたのは間違い無いと思う。
計画立ち上げ当時、時代遅れになりつつある主力機かつ輸出品のJ-7戦闘機をアメリカの技術でパワーアップさせようが、JF-17の大元の計画だよ
天安門を起こすまでスーパーJ7開発計画として、正規にアメリカ(グラマン社)が関わっていたし、概念設計図くらいは中国国内に残っていたんでしょう
パキスタンのF-16だけじゃなく、関係の改善したロシアからも技術支援を受けているから、ごちゃまぜもいいとこだよ
あと、イスラエルからも協力を得ているかもしれない(J-10とラビの関係もあるし)
流石に安いな。ただ戦闘機同士の戦いはキルレシオ0〜1:10とか当たり前に起こる世界だから性能の低い戦闘機はあまり価値がない。
少なくともインド軍の戦闘機を撃墜した実績はあるけどな。Mig-21相手だけど
アビオニクスの多くはJ-10と同じ物を搭載してるから、非ステルス機にとって高脅威である事には変わりないぞ
この機体を買う国はアフリカなどの国だろうけど、そういった国は周辺諸国も同程度の戦力であることが多いから多分問題なさそう。
あと今まで戦闘機が欲しいけど予算的になかなか購入できないという国々にもこの価格なら結構なPR力があると思う。
J-31, J-35も注視が必要だが、昨年12月にパクでJF-17 Block3が初飛行したらしい。
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ラファールに引けを取らないという評価もあるがあるようだが、格安4.5世代機の実力は?
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