ロシアが「軍の一部を後方にさげる」と発表したことを受け、ウクライナのクレバ外相は「我々と西側諸国との外交努力によってロシアの侵略を回避することができた」と述べた。
参考:Russia-Ukraine crisis: Kremlin pulls some troops back from border
NATO加盟問題やロシアが要求する安全保障協定は健在で、あくまで16日の侵攻開始の可能性は低下しただけ
ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ報道官(少将)は15日、ウクライナに面した西部軍管区と南部軍管区の演習に参加した一部の部隊は鉄道車輌や輸送用車輌に装備を積み込み始めており、恒久的な拠点(駐留基地)に向けて移動を開始する予定だと発表した。
Заявление официального представителя Министерства обороны Российской Федерации генерал-майора Игоря Конашенкова о возвращении соединений и воинских частей в пункты постоянной дислокации https://t.co/XPLQot3Fcd pic.twitter.com/bkkRO3DCmf
— Минобороны России (@mod_russia) February 15, 2022
ロシア外務省のザハロワ報道官も「2022年2月15日は西側の戦争プロパガンダが失敗に終わった日として歴史に刻まれるだろう、彼らは一発も発砲することなく屈辱的な敗北を喫した」と述べてり、恐らくロシアは欧米が16日の侵攻開始を強く主張したため一部の戦力を後方に下げることで「16日侵攻開始を西側のプロパガンダ」に仕立て、本当に戦争を望んでいるのは米国やNATOの方だと印象づけるの狙いがあるのだろう。
どちらにしても今回のことで16日の侵攻開始の可能性は低下したため海外メディアは一斉に「ロシアはウクライナとの国境から一部の戦力を後方に下げた」と報じており、特にウクライナのクレバ外相は「我々とNATOはロシアがこれ以上エスカレートするのを防ぐことができた。すでに2月中旬だが外交が上手く行っている証拠だ」と記者団に語りロシアの戦力撤収を歓迎している。
因みにウクライナのNATO加盟問題やロシアの要求する新しい安全保障協定が無かったことには成らないので、あくまで16日の侵攻開始の可能性が低下しただけだ。
関連記事:露国防省、ウクライナ国境近くで演習に参加中のロシア軍撤収を発表
※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
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やっぱり核兵器を持ったほうが戦争は回避しやすいなと
まあ西側メディアが「15か16日に侵攻」って騒いだ影響も有るし、ロシア的には駆け引きの一環として部隊の撤退を演出した可能性も有るから暫く様子を見ないと何とも言えないですわ。
因みに、ググった処ではロシア下院が今日、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部のルガンスク・ドネツク州の一部を独立国家として認めるようプーチン大統領に求める法案を審議するとかで、水面下では何が起きてもおかしくない状況ですわ。
まだ何とも判断できないな。あ、冬将軍さんはそのまま寝ててください
独立承認からの進駐ですかね
ドネツクとルガンスクの独立を承認した上で進駐or事件起こして侵攻だろうか
>このうちプーチン大統領は、ラブロフ外相に対して「ロシアが懸念する重要な問題について欧米側と合意するチャンスはあるのか、それとも欧米側は終わりのない協議に引きずり込もうとしているだけなのか」と問いかけました。
>これに対してラブロフ外相は、今週も外交日程が予定されているとした上で「可能性は残されていると思う。いつまでも続けるべきではないが、現時点では協議を継続し、活発化させることを提案したい」と述べ、対話を継続すべきだとする考えを伝えました。
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>ただイワノフ氏はウクライナ侵攻によって達成される戦略的利益よりも支払うコストの方が大きいため「ウクライナ侵攻という選択肢は到底あり得ない」とも指摘しており
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完全に撤収完了するまでは油断ならないものの、もしロシア侵攻回避が本当だとすればロシア上層部にも侵攻反対派が多かったのでしょうか
その場合、アメリカの保証付きウクライナNATO非加盟など無茶な要求は反対されることを前提とした侵攻理由としてのものではなく、ロシア政府上層部が暴走するプーチン大統領を説得し、侵攻を思いとどませるためのものだったという可能性が出てきますね
それにプーチン大統領が他の上層部に説得されて侵攻を中止した場合、今回の軍動員による膨大な金銭的・物資的消耗の非難の矛先は侵攻反対派に向くこととなり、プーチン大統領本人はその非難をある程度避けることができますし
ロシアのブラフじゃないかな。
グルジアの時もグダグダ1-2か月睨みあったあとマスコミが忘れたような時に開戦だったような(グルジア-ジョージア側から仕掛けたことになってるが)。
ロシアじゃないが湾岸危機の時はやっぱり3か月ぐらいグダグダ睨みあってて、マスコミが忘れたような頃に突如8月2日侵攻と記憶してる。wwⅡのケースイエロー(フランス戦)の時は8ヵ月睨みあい。
五輪明けで雪も固まる?日曜真夜中、2月21日月曜、現地3時くらい、日本時間21日月曜10時-11時くらいが危ないと勝手に予想w
ロシアが一度振り上げた拳を成果なしに降ろすとは思えんのだが
ウクライナかNATOが譲歩しない限り、また軍を押し出してきますね、
ウクライナは喜んでる場合ではないよ
ウクライナの外交努力ってなんだ(笑)
ロシア「と思うじゃん?違うんだなこれが!」
とりあえずは良かった。先を考えると何にも良くはないんだけど、市民がバタバタ死ぬような戦争にならなかったのは良かったです(まだ可能性はありますが)。
実際ウクライナと西側のデカップリングの言質をウクライナ側から取ってる訳ですし、西側がウクライナを直には守らないこともウクライナ人にしっかり見せつけたので、露的には一定程度目標を満足したということなんでしょうね。戦って勝つのは2流、戦わずして勝つのが1流という孫子兵法に従えばこれはプーチン大勝利という感じですが、そもそも露が全軍動員してまで隣国を恫喝しなきゃいけなかったのは西側/EUの経済力に旧影響圏を根こそぎ削り取られた=戦わずして負けたからなんですよね。自由経済というルールのもと経済力を競うことに国家間の生存競争形態が移っていることを理解できず、覇権主義と軍事力という旧時代のルールと方法論で過去に自分の遺産だったものを守ろうとして暴挙に出てしまった露がこのまま「いやー撤兵してくれて良かった」で許されていい法はないでしょう。バイデン以下ロシアに強硬に出そうな指導者は西側には誰も居ないのが現状ではありますが。
言質って駐英ウクライナ大使のインタビューですか?
確かに観測気球の可能性は否めないものの、即座にウクライナ本国が否定していますしね。
あと表向きはロシアとベラルーシの合同軍事演習なので、本当にロシアが撤収した場合は制裁は難しいのでは?
あえて一旦退けて「無闇に争う気は無い」ってアピールして、国境でウクライナ側の発砲で兵士が負傷したみたいな自作自演して「こっちは平和的解決を望んだのにそれをウクライナ側が壊した」みたいな口実づけもありそう
なんかウクライナのスナイパーがロシア兵を狙撃したなんて情報も出てるし
何かしらロシアが納得するような条件を取り付けたのかね?