ウクライナ軍はヘルソン州のドニエプル川西岸に展開するロシア軍の退路遮断に乗り出しており、アントノフスキー橋とノーバ・カホフカの水力発電所を攻撃して損傷を与えた。
参考:Антоновский мост в Херсоне уцелел после обстрела
今回の攻撃で通行が不能になるほどの損傷は確認されていないが、、、
ヘルソン州はドニエプル川によって西岸地域と東岸地域に分かれており、両地域を繋ぐ車輌が通行可能なルートはアントノフスキー橋とノーバ・カホフカの水力発電所の2箇所(鉄道橋を入れると3ヶ所)しかないため、ここを攻撃され通行不能になると西岸地域のロシア軍は孤立することになる。
これまでアントノフスキー橋とノーバ・カホフカの水力発電所まで届く攻撃手段がウクライナ軍になかったため、ロシア軍は両ルートを使用してドニエプル川西岸地域へ安定的にアクセスすることが出来たが、18日~19日にかけてアントノフスキー橋とノーバ・カホフカの水力発電所で爆発が確認されており、HIMARSかベースブリード弾を使用した榴弾砲で攻撃を行った可能性が高い。
ただ今回の攻撃で通行が不能になるほどの損傷は確認されておらず、単純に攻撃の火力が足りなかっただけか、意図的に火力を調整して「ロシア軍に何時でも橋を破壊できるので東岸地域に後退しないと孤立するぞ」と伝えたかったのどちらかだろう。
Антоновский мост, strike pic.twitter.com/S8gDYsOQRD
— IgorGirkin (@GirkinGirkin) July 19, 2022
Нова Каховка. Повідомляють про нові вибухи неподалік ГЕС.
Фото з місцевого пабліка. #Херсонщина pic.twitter.com/unegNJudhV
— Ivan Antypenko (@IvAnt_21) July 18, 2022
もし橋を直ぐに破壊するつもりなら再度攻撃を実施すると思うが、西岸地域で戦うロシア軍兵士に「退路が断たれるかもしれない」という恐怖や不安を植え付けて自発的な後退を促すなら、意図的に火力を調整した攻撃を繰り返すのかもしれない。
東部戦線の戦況は膠着状態が続いていて致命的な変化がない=戦線が安定しているため、南部地域を奪還するウクライナ軍の反攻が「ジワジワ」と始まっている可能性が高く、セベロドネツクやリシチャンシクを犠牲して手に入れた武器(200輌以上のT-72やMLRSなど)がそろそろ火を吹くのかも?
Z 12 smug jest i według UKR to jedno z pierwszych użyć pakietów rakiet z gasienicowej wyrzutni M270 systemu MLRS. pic.twitter.com/ohovrfAEh9
— Mariusz Cielma (@MariuszCielma) July 19, 2022
因みにウクライナのレズニコフ国防相が「HIMARS×2輌分の火力を投射できるM270MLRSが到着した」と15日に明かしていたが、MLRSを実戦で使用したことを示す動画が確認(何処で使用したのかは不明)されており、ロシアのショイグ国防相は「現地部隊に最優先で西側諸国が供給した長距離攻撃兵器(HIMARS、MLRS、ハープーンなど)を破壊しろと命じた」と報じられている。
関連記事:HIMARS×2輌分の火力を投射可能なM270MLRS、ウクライナへ到着
※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由
HIMARSとかどう考えても数が足りんだろ、って思ってたけど意外と活躍している?
数より補給の方が大事なんじゃね
主役は弾薬の方
数よりも精密性や射程距離が問われる用途に限定して使ってる感じ
というか恐るべきはロシア軍の武器庫やらの位置を正確に特定してる情報収集力のほうだと思う
西側の情報提供かパルチザンの活動か、まあ前者だろうな
おそらくロシア軍が野ざらし弾薬集積所やってるからかと(多少は隠蔽の努力しても、まあバレる
なので遠距離攻撃されると簡単に誘爆して大爆発してる
誘爆対策で分散保管すらしてないのでしょう
巨大インフラって鋼鉄とコンクリの塊だから破壊って結構昔から苦労している
ロケット弾の弾頭重量では厳しそう
1トン以上の爆弾で空爆するくらいでないと
ウクライナで、HIMARSを讃える歌が発表されました。
リンク
流石に橋の破壊は榴弾砲とかHIMARSではきつい気がする。自発的に撤退してくれたらそれでよし。早めにヘルソン国際空港取り返したいなぁ。
クリミア大橋と違って、奪還した後は自分たちも使いたいだろうから、完全には破壊しないと思うな。
ただ、撤退ルートが限定されるから、逃げたい人は早めに逃げないと退路がなくなるという不安は煽られるよね。
前線に近い補給所を叩きまくってて、後方からの補給・撤退ルートも絶たれそうってなったら
箝口令を出しててもすぐに広まるだろうし、そこからのパニックを狙ってそうですね
1t爆弾、500lb爆弾及び155mm榴弾の炸薬量は、それぞれ約430kg、約90kg及び約7kgとされています。
また、M30A1 Unitary及びATACMS Block IA Unitaryの弾頭重量は、それぞれ200lb及び500lbですので、これを基に破壊威力を推定してみます。
便宜上破壊力は炸薬量に比例すると仮定すれば、
1t爆弾1発の破壊力は、M30A1 Unitary約12発分、ATACMS Block IA Unitary約5発分、155mm榴弾約61発分に相当することになります。
命中精度を無視すれば、目安として概ねこの倍数で破壊できることになるのかな。
訂正
M30A1 Unitary → M31A1 Unitary
でも、殴ったら死ぬ可能性ありますが、
同じエネルギー量の例えばほっぺツンツンを100万回やっても死にませんよね。
同時着弾が必要そうですね。
全力の1/100の力で100万回殴ったら頬骨が疲労骨折するでしょ。
大抵の橋は空爆で落ちてるんで、やはりレーザー誘導のCEPと1発の炸薬量の差はデカイかなとは思うし単純にHP削って倒す様なゲームでも無いので決まった回数殴れば良いってわけでも無いと思う。もちろんクリティカルヒット出れば簡単に落ちる事もあるだろうが。
対象の橋は、I桁で鉄筋コンクリート床版を支える形式のようです。床版が非常に薄いようなので、155mm砲弾でも十分に穴が開きそうです。
ただし、小さい穴は上から鉄板で塞ぐこともできるので、集中して相当な数を打ち込んで床版を面的にボコボコにするか、大型爆弾で桁を直撃して落橋させるかですね。桁が細いので、直撃も大変そうですが。
確実なのは桁を折ることですが、そうすると後で橋脚より上の部分の架替が必要になるので、工事が大変です。
>意図的に火力を調整して「ロシア軍に何時でも橋を破壊できるので東岸地域に後退しないと孤立するぞ」と伝えたかった
ロシア相手にこれが通用するか疑問。
現場に正しい情報が伝わるか分からないし、部隊全滅したら再度送れば良い、かもしれないし。
現場のロシア軍には十分通用するのではないでしょうか?
正しい情報が伝わるかは何とも言えませんが、兵士たちの間である程度広まるとは思います。
ロシア軍上層部にとっては「代わりの部隊を送ればいい」かもしれませんが、現場の士気には間違いなく悪影響が出るかと思います。
橋が壊れたらこの再度送るっていう部分が物理的に出来なくなるって話だぞ
橋に頼らず艀やホバークラフトで輸送できないのかな?
クリミア半島から沿岸航海でドニエプル河口に行けると思うんだが
既にウクライナの地対艦ミサイルで河口部抑えられているのかな。
ミサイルの的になるのもそうですが、奇襲でもないのに、たかだか500人前後の兵士、またはMBT3輌だけを運ぶためにボモルニク級ホバークラフトを動かし続けるのは効率悪すぎでしょう。
心理戦を仕掛けるのは良いものの、橋を落としたら落としたで逆にヘルソンやノーバカホフカを強固な陣地にされて、ウクライナの反攻に支障をきたしそうなのがなんともなあ。取り残された露軍には無謀なザポリージャまでの打通か、大河を渡っての無茶な撤退の命令が下りそうなもんだが。
たしか黒海艦隊にはホバーは配属されておらず、またロシア軍が陸送したという話もしようとしているという話も聞かないので、そもそも参戦可能圏内には無いかと
この川で侵攻を抑えられたよね
クリミア半島の近くはロシア側内通者が多く、ウクライナの想定よりも早く明け渡す地域が多かったため、押し込まれたとか、そんなことをここの記事かコメント欄で読んだ気がしますね。
ほんとかどうかはわからないですが、確かに地理的に近いからロシア側も攻めやすいのは間違えなさそうではあります。