ウクライナ戦況

シヴェルシク方面の戦い、ロシア軍がヴェセレを占領しウクライナ軍は後退

シヴェルシク方面についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは18日「ロシア軍がヴェセレを解放した」と報告、これをロシア国防省やDEEP STATEも認めており、シヴェルシクを守る防衛ラインの一角が破られた格好だ。

参考:Что происходит в зоне СВО: хроника за 18 января
参考:Сводка Министерства обороны Российской Федерации о ходе проведения специальной военной операции (по состоянию на 18 января 2024 г.)
参考:на фронті станом на кінець доби 18 січня 2024 року

ロシア軍にシヴェルシクを守る防衛ラインの一角が破られた格好

ウクライナ軍のシルシキー大将は昨年末「シヴェルシク方面のスピルネとビロホリフカで攻勢を仕掛けようとしている。敵はソレダル方面とシヴェルシク方面で空挺部隊の準備を進めている」と言及、さらにウクライナ軍がスピルネのでロシア軍兵士を攻撃する様子が確認されたため「ロシア軍がスピルネ集落内部に到達した」と考えられていた。

出典:管理人作成 シヴェルシク周辺の戦況(クリックで拡大可能)

その後、シヴェルシク方面は動きが見られなかったものの「ロシア軍がソレダルの北西に位置するヴェセレに迫っている」というロシア人の主張が増え、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも18日「ロシア軍がソレダルの北東に位置するヴェセレを解放した」と報告。

ロシア国防省も「ドネツク人民共和国のヴェセレが解放された」と正式に発表した。

出典:管理人作成 シヴェルシク周辺の戦況(クリックで拡大可能)

ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「敵がほぼヴェセレを占領した」と認めており、RYBARは「現在のロシア軍はヴェセレの北にある戦術的高地の占領に集中している。ここを制圧することでロズドリフカやフェドリフカの背後に回ることができる」と主張している。

フェドリフカ~ロズドリフカ~ヴェセレ~スピルネの防衛ラインはロシア軍がソレダル方面からシヴェルシク方面に北上するのを長らく抑えてきたものの、ヴェセレの占領でその一角が破られた格好で、北の高地まで奪われるとロシア軍の前進を効果的に抑えられなくなるだろう。

関連記事:ウクライナ軍は後退の連続、ロシア軍はクピャンスク、リマン、シヴェルシク、バフムートで前進

 

※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

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コメント

    • gepard
    • 2024年 1月 19日

    ウの戦域司令官の中で最も困難な任務を達成しているのはシヴェルスク方面の司令官だろう。この地域はリシチャンシク陥落から今に至る1年半以上前線を維持した。
    バフムト戦や反攻作戦に兵力も資源も優先的に回される中で地形を活かし、予備隊を温存してよく持ちえた点が見事である。

    兵力・弾薬の不足が顕著になる中で恐らくこの戦域からも予備隊抽出が行われたことにより、戦力バランスがロシア側に傾いていると思われる。

    33
    • ぱあ
    • 2024年 1月 19日

    Googleマップの地形図モードで見てみると、Veseleや付近の線路のあたりは傾斜が緩やか。ここから登って高地へ進軍されればウ軍は地の利を使えず、Vesele西のRozdolivkaやFedorivkaの維持が難しくなり、ロ軍のSiverskへの進撃がしやすくなりそう。
    ただ今ロ軍が登ろうとしている高地の西側には小川を挟んでもう少し高い高地があるので、それをどう活かせるか。
    以上軍事素人の意見でした。

    5
    • fusa
    • 2024年 1月 19日

    私の生え際防衛戦は破られておりません

    16
      • sakayaki
      • 2024年 1月 19日

      既に後退済みだもんな

      35
        • みい
        • 2024年 1月 19日

        後退ではない転進である(胸毛、ケツ毛、腹の毛)

        12
          • D-day
          • 2024年 1月 20日

          足りないのは空からの攻撃、リアップの投下を増やす必要がある。

          7
        • ペコロ
        • 2024年 1月 20日

        後退ではなく両翼包囲と呼んでくれたまえ。

        6
      • Whiskey Dick
      • 2024年 1月 19日

      あえてM字陣形を構築して敵をキルゾーンに誘い込め。

      8
    • ななしびと
    • 2024年 1月 19日

    ヴェセレは長いこと保持されていたけど遂に突破されたか
    バフムト・アウディイウカに続いてシヴェルスク包囲も近いな

    11
      • 歴史と貧困
      • 2024年 1月 20日

      上の方のコメントにもありましたが、本当にシルヴェスク方面はヴェセレなどを含めよく耐えていたと思います。

      ただ、追加動員は進まず、1月からはアメリカからの砲弾や弾薬の補充も無くなった(昨年10月から半減以下でしたが)となれば、前線を維持するのは厳しいでしょうね。3月か4月頃には、シヴェルスクが包囲される可能性はあるかと。

      6
    • とも
    • 2024年 1月 19日

    どなたか教えていただきたいのですが、
    ロシア軍はヴェセレ程度の村を攻略するのに投入した兵力を概算できないでしょうか?
    Google mapsで見ると建物が20棟ほどで、市域が600mほどでした。
    推測で構いませんので教えて欲しいです。

    1
    • つぐみ
    • 2024年 1月 19日

    最近のロシア軍はミサイル攻撃でウクライナの防空網突破に専念してるから、何となく地上戦にはあまりリソース回してないイメージだったけど、ようやくまた前線で動きあったのかな?

    あれだれ去年の秋以降に取り沙汰されたアウディーイウカ方面・バフムト方面もまた膠着化してるような…

    2
      • みい
      • 2024年 1月 19日

      寒いからあんま動きたくないんだよ
      泥濘は固まってきたらしいけど
      春までシャヘドとミサイルで消耗戦だな

      11
      • 歴史と貧困
      • 2024年 1月 20日

      ウクライナの戦況マップを細かく見ていると、12月の厳冬期からは攻撃側に“動きがあった”というよりも、防衛側が“支えきれなくなった”ため、守りやすい地点へ後退という印象が強いです。

      実際、ロシア軍はノボミハイリフカ周辺などで一気に進んだけど、砲兵や重量物を前に出すのに時間がかかっていたりしており、前進速度は緩やか。進軍ペースというか攻撃頻度は12月以来そんなに激しいものではないものの、ウクライナ側の弾薬切れ、兵力の枯渇などの要因で、あちこちでじわじわと、止まらぬ出血のように後退が続いている。(ロボティネ周辺などは徐々に侵食されている)

      正直、激しい攻勢を受けるよりもある意味で深刻な状況と思われます。アメリカは1/19⇒3/1まで3回目のつなぎ予算となり支援は途切れたまま、ウクライナの追加動員も進まずとなれば、前線の兵士は弾薬も補充もないまま消耗し切ることになります。

      13
        • 速すぎィッ!
        • 2024年 1月 20日

        アウディーウカの半包囲やヘルソン対岸で露軍・ウ軍双方の損耗が叫ばれていた12月に進軍を見せていたのが露軍のバハムート方面と、クピャンスク・リマン方面でした。
        特にリマン方面は一時的ではありますがウ軍潰走か?みたいな事がテレグラムで叫ばれていた程の露軍進軍速度があったの覚えています。

        最早露軍の進軍速度が今までより更に低下した中でゼレンスキーが後方の防御陣地建設を明言している状況で
        今年の前線突破による軍事的優位で何か天秤が大きく傾く事は無く、政治的な動きでしか注目を集める事はないのではないか。

        確率の高い順で言うと、プーチン大統領再選、ウクライナ大統領選中止、そして米大統領選トランプ
        今結ばれているEU各国とウクライナとの二国間支援協議のようなものはこれらの前に消し飛ばされるのではないか?そして日本はそれらが全て終わった後になって、バスに乗り遅れるなの論調になってしまうのでは?の恐怖

        7
        • ポンポコ
        • 2024年 1月 20日

        私も同意見です。

        ロシア軍は動員をやってなく、契約兵で戦争を回しているので、大規模攻勢はかけれないはずです。

        ロシア軍の主攻勢は、砲撃と爆撃とミサイルですが、ウクライナ軍が撤退したり、従来より非常に弱体化したところを侵攻できているのではないか。

        原因は、ロシア軍よりウクライナ軍にあるのではないか。ロシア軍に新たな軍団や新兵器が増援されたという情報は知らないので。

        具体的には、ウクライナ軍の砲弾不足(西側の支援不足か)と、(今まで潤沢でありロシア軍より格段に兵力的に優勢であった)補充兵の不足だと思います。

        4
    •  
    • 2024年 1月 20日

    ウクライナと違い明文化された安保条約があるとはいえ、孤立主義へと向かうアメリカが有事の際にどれだけ助けになるかは不安が残る。1番の懸念は条約に則って政府が動こうとしたときに国民や議会がこれを阻害して緒戦に敗れて趨勢が決してしまうこと。少なくとも今のアメリカはしばらく前のアメリカよりもかなり対応は遅れるだろう。在日米軍基地があるのでそれでもウクライナの100倍はマシだろうが、ロシアと比べれば中国は何倍も脅威だ。

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