欧州関連

ゼレンスキー大統領がヘルソン市を訪問した理由、スイカのために来た

解放されたヘルソン市を訪問したゼレンスキー大統領は報道陣に「スイカのために来た」と冗談を言うほど余裕たっぷりだが、併合したばかりの土地を戦わずして失ったロシアは「そこは自国領だ」と反発するのが精一杯だ。

参考:Volodymyr Zelenskyy took part in hoisting the State Flag of Ukraine in liberated Kherson
参考:Ukraine is liberating the occupied territories step by step, and we will go a difficult path to victory – President in Kherson
参考:В Кремле отказались комментировать поездку Зеленского в Херсон

ここに今いることが重要で誰もがリスクを冒している、ヘルソンの人々を支援するため今ここにいることが重要だ

ゼレンスキー大統領はドニエプル川右岸解放を象徴する国旗掲揚式典に参加するためヘルソン市を訪問、集まった報道陣に「我々はロシア軍に占領された地域を一歩づつ解放していく。もちろん困難で長く険しい道のりだが、我が国最高の英雄達がそのために戦っている」と語り、次に何が起こるのかという報道陣の質問に「他国の領土に興味はなく自国の領土解放のみにしか関心がない。次に何が起こるのかを明言できないが、必ず何かが起こる」と強調した。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

さらにゼレンスキー大統領は「攻撃を受ける可能性があるヘルソンに何故こんなに早く来たのか?」という質問に「スイカのためだ」と冗談で答えて見せたが、直ぐに真顔に戻って「ここに今いることが重要で誰もがリスクを冒している。軍隊もジャーナリストもリスクを冒している。ヘルソンの人々を支援するため今ここにいることが重要だ。口先だけでなく実際にここに来て国旗を掲げることで人々のモチベーションを高められる」と述べている。

因みにロシアのペスコフ大統領報道官は会見中「ゼレンスキー大統領のヘルソン訪問」についてコメントを求められたが「そこはロシア領である」と答えるのが精一杯で、クレムリンとしては自国領と主張するヘルソン市をゼレンスキー大統領に「自国の領土解放だ」と国内外にアピールされたのだから面白いはずがない。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

この件に触れれば「プーチン大統領が必ず守ると宣言した土地をなぜ敵に明け渡したのか?」という禁断の質問に答えなければならず、バラクレヤ、クピャンスク、イジューム、リマンといった拠点をウクライナ軍の反撃で失い続けているためクレムリンは黙ってやり過ごすしか無いのだろう。

関連記事:ゼレンスキー大統領、解放したばかりのヘルソン市を訪問

 

※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

ゼレンスキー大統領、解放したばかりのヘルソン市を訪問前のページ

ウクライナ軍がドニエプル川を渡河してオレシキーを解放???次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    SAAB、グリペンの輸出が失敗続きなのは機体の問題ではなく政治の問題

    SAABでCEOを務めるヨハンソン氏は今月26日、グリペンの海外輸出に…

  2. 欧州関連

    バフムートを巡る戦い、じわじわと後退を強いられるウクライナ軍

    ロシア軍がイワニフスキー郊外の森林地帯まで前進していることを視覚的に確…

  3. 欧州関連

    ウクライナ軍、自作自演のテロ攻撃でロシアが総動員を強行する可能性

    ウクライナとロシアの和平交渉についてフランスと英国の外相は「ロシア軍再…

  4. 欧州関連

    ウクライナ大統領、クリミアに手を出せば破滅を招くという脅迫に屈しない

    ロシアのメドヴェージェフ元大統領は「クリミアを攻撃すれば非常に迅速かつ…

  5. 欧州関連

    ポーランド農民によるウクライナ国境封鎖が拡大、5ヶ所の検問所で妨害

    ポーランド農民はウクライナ産農産物に対する関税停止の延長に失望、9日か…

  6. 欧州関連

    世界市場で生き残れるか?フランス、F-35に対抗し「ラファール F4仕様」開発に着手

    フランスは第6世代戦闘機「FCAS」が完成するまで、最低でも15年以上…

コメント

    • 伸縮性のあるボクサー型のスパッツに近い装甲車
    • 2022年 11月 15日

    >「プーチン大統領が必ず守ると宣言した土地をなぜ敵に明け渡したのか?」

    それを口にしたら…… 戦争だろうがっ……!

    ここまできたら「自国領土」の建前すら翻しそうなもんだけどな

    とりあえず新兵の訓練と兵器の至急増産はやるだろうけど指揮系統と統一はやっとるんやろか? とにかく川は渡らすわけにはいくまいて

    ドニエプル川以東の防衛線を簡単に破られて上陸&橋頭堡の確保されるようなことにでもなったらどうにもならんぞ

    13
      • 名無しさん
      • 2022年 11月 15日

      「プーチンはなぜ自国領に姿を見せないのか?」

      この質問も追加でお願いします。

      24
    • STIH
    • 2022年 11月 15日

    どうもヘルソン解放記念でスイカの書かれた記念切手が発行されるらしく、ウクライナポストのサイトには項目が出ていました。ただカートに入れるボタンが押せない状態です。
    そもそも、以前ここでニュースになっていたクリミア大橋爆破記念切手について、予約した後の続報が私のところには来ていないので、これの目途が立つまでは様子見です。だれか連絡があった人はいるんでしょうか。

    17
      • 匿名
      • 2022年 11月 15日

      前回のクリミア大橋の切手買おうとしたら、突如カード止められて焦った
      カード会社側が杞憂で止めたとの事だけど、皆様もお気をつけて…👋

      13
    • nojigoo
    • 2022年 11月 15日

    先日来、解放地で軍を歓迎する群衆の多くが女性、それも高齢の方が目立つのを見て、胸を衝かれる思いです。祖国防衛の総力戦の景色そのもののような。

    20
      • k.ziro
      • 2022年 11月 15日

      彼女らはよその土地がどんなところが知らないため故郷を動けないんです。
      それで子供たちも親を一人にしておけなくて戦火に巻き込まれるということも起きてますね。

      4
    • nachteule
    • 2022年 11月 15日

     大統領が解放したヘルソンに足運ぶ事ぐらいキャッチしてご自慢の長距離兵器でも投射すれば斬首作戦失敗したとしても泥を塗る事ぐらいは出来たはずで多少なりとも国内へのガス抜きにもなろうが、それすら出来ないのかね。

    7
    • tny
    • 2022年 11月 15日

    自国の名物食いにきただけだもんな。他国からケチつけられるいわれはない

    19
    • ななし
    • 2022年 11月 15日

    ヘルソン市の被害状況を自分の目で見て復興計画の参考にすることも大統領の訪問の目的の一つだったのだろう
    市民生活が一日も早く安定することを願う

    13
    • 無無
    • 2022年 11月 15日

    戦争の苦しいときでも国民の前ではVサインを見せて悠然とふるまっていたチャーチルの故事
    ゼレンスキーのごとく国民を勇気づけてこその政治パフォーマンスであり、
    己の正当化と失策の誤魔化しに終始してるプーチンのふるまいはみじめと呼ぶ他にない

    29
    • uralT72
    • 2022年 11月 15日

    ウクライナが勝つ事は既に確信できてるが、勝った後にゼレっちが北条時宗エンドにならないか心配だ。

    6
      • かくさん
      • 2022年 11月 15日

      なんとなくだけどプーチンもゼレンスキーも失脚するときは同じ年になりそうな気がしてる
      ゼレンスキー大統領は戦時には強力なリーダーシップを発揮するけど平時は内政が上手くいかず支持率も悪かった
      ハンニバルと小スキピオの様に戦争が終われば片方だけが政界に残るという感じはしない

      1
    • kitty
    • 2022年 11月 15日

    しかし、相変わらず、ユニクロかしまむらで揃えたんですか?ってファッションだよねw。
    スーツ来ている画像を見たことない。

    4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  3. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  4. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP