欧州関連

イタリア、ウクライナに提供する自走砲や装甲車を間もなく発表か

米国はウクライナ問題を協議するため26日にドイツで会議(NATO加盟国以外の国を含む約40ヶ国に参加を呼びかけている)を行うと発表、伊Corriere della Seraは「ウクライナへ提供する重装備についてドラギ政権は会議参加前に決定する」と報じている。

参考:Armi all’Ucraina: dai cingolati M113 ai PzH2000, i mezzi che l’Italia potrebbe inviare
参考:Cannoni, Lince e autoblindo: l’Italia studia i nuovi aiuti per l’Ucraina

イタリア陸軍は運用中のPzH2000を手放したくないが、保管中のM109を提供するには時間がかかる

これまでイタリアはウクライナにスティンガー、対戦車ミサイル、迫撃砲などを提供してきたが、ドラギ政権はドンバスでの戦いに必要な重装備=特に自走砲をウクライナへ送るため退役済みで保管中のM109(約200 輌前後)を利用できないか調査を進めているらしい。

出典:Stephencdickson / CC BY-SA 4.0

問題は保管中のM109をサービスに戻すためには数ヶ月間の作業が必要で、オランダのように陸軍が運用中のPzH2000(70輌保有)をウクライナに提供する案も浮上しているものの伊La Repubblicaは「軍が反対しているためPzH2000の提供は可能性は低い」と報じており、まだイタリアの自走砲提供については流動的だ。

さらに105mmライフル砲を備えたチェンタウロ戦闘偵察車をウクライナに提供する案もあるらしいのだが「105mm砲弾の供給」や「訓練に時間」が問題で、特別な訓練の必要がなく2,000輌近く保有している軽装輪装甲車「イヴェコ LMV」を送る案が有力視されていると伊La Repubblicaは報じている。

出典:Italian Army / CC BY 2.5

時間さえあれば「まとまった数」のM109をウクライナへ提供できるのだが、今は時間との勝負なので他のNATO加盟国と歩調を合わせるならPzH2000を手放すしかないだろう。

因みに「ベルギーもウクライナに重装備の提供を準備中だ」と現地のVRTNewsが報じているが、軍の在庫から提供できる装備がないため民間企業へ払い下げられたM109を再取得する交渉を行っており、今週中にも最終決定が下されるらしい。

機種 数量
米国 M777 90門
米国 詳細不明なMLRS 不明
英国 AS90 20輌
フランス Caesar 12輌
オランダ PzH2000 非常に少数
カナダ M777 4門
チェコ Gvozdika 正式発表なし
イタリア PzH2000かM109 不明
ベルギー M109? 不明

関連記事:米国、ウクライナ軍に155mm榴弾砲72門と砲弾14.4万発を提供
関連記事:オランダがPzH2000をウクライナに提供、ドイツが弾薬と訓練を提供
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関連記事:カナダ、ウクライナに榴弾砲M777×4門とエクスカリバー砲弾を提供

 

※アイキャッチ画像の出典:Italian Army / CC BY 2.5

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コメント

    • トト
    • 2022年 4月 25日

    スペインって地味に重装備を提供していないような。気のせい?

    5
    • tsr
    • 2022年 4月 25日

    多少古いとはいえ、200両の自走榴弾砲はエグいなあ。
    長期戦になればなるほどウクライナが火力おばけ国家に変わっていく…

    26
    • タコ
    • 2022年 4月 25日

    プーチンがやった侵攻は異常なこととわからせる。中国、北朝鮮に広まらないようにするには世界全体の圧力が一番、もっともっと多くの国の参加を呼びかけるようにしてほしいなあ

    28
    • や、やめろー
    • 2022年 4月 25日

    ウクライナ念願の自走砲がやっとですか。戦闘に間に合えばいいのですが

    14
    • ブルーピーコック
    • 2022年 4月 25日

    イヴェコLMVならロシア軍もライセンス生産していたから、補充には困らなそうだな(既に何両かは捕獲済)

    9
    • 名無しさん
    • 2022年 4月 25日

    西欧から戦争がなくなって久しいのに、それでもどの国も現役の武器を供与するのは抵抗がある。
    この状況で隣国の防衛が薄くなったからと言って、攻め込む国などないだろうと思うが
    眼の前でロシアがやってることであり、程度の差はあれお互いに完全には信用できないと思っているんだな。

    12
      • 折口
      • 2022年 4月 25日

      ロシアに対峙するのはEU外縁部の国だけではなく欧州全体(全ての国が軍役を負担する)というのが実情なのでしょうが、それはそれとして欧州は未だ非武装化するほど平和でもなければ統合されてもいないというのも事実なんでしょうね。火薬庫だった時代から何かが劇的に変わった訳ではないですしね。

      13
      • nanasi
      • 2022年 4月 25日

      ロシアへの配慮が最もではないですかね
      NATO加盟国で積極的ではない国は結構あるみたいですね

      6
      • ブルーピーコック
      • 2022年 4月 25日

      EUにはハンガリーという、これまた面倒なことになっている国もありますし、プーチンがNATOとの全面戦争を引き起こした際に、手元に使える武器が無いと困るというリスクマネジメントの面もあります。
      ついでに言えばイスラム国の残党みたいな連中がこの機に動かないとも言えないので、使える兵器はウクライナにありったけ!というのは、それはそれで思考停止かと。

      19
      • 四凶
      • 2022年 4月 25日

       ぶっちゃけ、その理屈が正しいならロシアから遠い国が現役で多数の自走砲保有する必要ないとは思う。

       ドイツのPzh2000を例に挙げればアフガンにも出してたし最近ならNATO防衛力強化でリトアニアにも派遣してたよな。
       NATOはあちこちに手を出して派兵しているし、ウクライナ地域だけが戦争して良くて他の所では禁止という訳でもない。
       他所のことなんてガン無視してロシアとの戦場に戦力として出すのが絶対的な正解って話になるのかね。

      1
    • R
    • 2022年 4月 25日

    皆、どこまでいっても隣人は赤の他人って気づいちゃったんよな。NATOだのEUだの国連だの、色々頑張ってきたが最後は「自分の身は自分で守る」という原則にたち戻った。

    せっかく対話による平和を積み上げてきたのにプーチンのこの戦争で全部リセットされてしまったわな。。

    30
    • 58式素人
    • 2022年 4月 25日

    155mm野戦砲が揃いつつあるのは、ウクライナにとって良いことと想像します。
    補給は大変と思いますが。
    一方、旧東側の火砲や弾薬のニュースをあまり聞かなくなりましたが、大丈夫なのだろうか。
    チェコのダナだけではなく、2S3(アカツィア)なども、あれば欲しいのでは。弾薬も。
    現在、東部で作戦中の部隊には、旧東側の弾薬が必要に思えます。
    以下は妄想です。
    旧東側の兵器がたくさんあるのは、中東地域です。西側装備に更新中の国もあるようです。
    西側装備を使いきれず、保管状態の国もあると聞きます。
    そうした国々から必要なものを買い集めることはできないものでしょうか。

    3
      • 伊怜
      • 2022年 4月 25日

      中東の西側装備の国は基本的に産油国。産油国は今回のロシアに対して明確に敵対していないのは国連での投票を見ても明らかであり、積極的に協力してくれるとは思えない。そして東側装備の国はそもそも反欧米寄り。
      中東の装備を集めるのは困難かと。

      14
      • Vahagn
      • 2022年 4月 25日

      ややロシア寄りの立場の国が多いのもそうだし、そもそも装備品を手放せるほどの余裕がありそう国も、ぱっと考えて見当たらないですね。
      中東・北アフリカで欧米寄りの国といえば、ヨルダンとモロッコくらいしかありません。あとエジプトか。
      中東世界はどこも不安定で自国の問題対処だけで手一杯と思われます。

      5
    • 名無し2
    • 2022年 4月 25日

    核戦争のリスクと天秤にかけてギリ勝てるかどうかのしょぼい支援しかない中で日本が突然狂って沿海州に全力奇襲攻撃を行い極東に第二戦線を開いたら世界中が驚くと思います

    • NATTO
    • 2022年 4月 25日

    2000は入っても少数だろうから中隊か小隊単位で火消し、重要な任務の特別部隊の使い方かな?

    2
    • あさり
    • 2022年 4月 25日

    ここまで来ると戦後のウクライナの治安がどうなるか心配ですね
    一過激派が戦車虎の子として持っててもおかしくない世紀末になる予感

    3
    • 成層圏
    • 2022年 4月 25日

    まもなく、ウクライナ東部で第二次世界大戦以来の特大規模の地上戦が始まろうとしている。
    結果によっては今後の世界情勢が変わるため、注目の一戦になるね。

    今後の兵器体系を変えるような、謎の新兵器とかも出てくるのかな?

    2
      • k.ziro
      • 2022年 4月 25日

      そういうビックリドッキリメカはソ連の後継国であるはずのロシア側に期待してたんだけど、
      予算はエーゲ海のクルーザー船や他国の別荘につぎ込まれたようでw

      泥濘をもろともしないホバーやアルキメディアン・スクリューの戦闘車両ぐらい繰り出してくれると、ちょっとはやる気を認めたんだけどね。

      5
      • SC
      • 2022年 4月 25日

      親ロシア派を追放して、軍の西側化をすすめた結果の善戦ですから、シビリアンコントロールもちゃんと効いていると思いますよ。
      主導権争いで各地に軍閥が出来るような事態は考えにくいかと。

      2
        • SC
        • 2022年 4月 25日

        ごめんなさい、一つ上のツリーと間違えてしまいました…

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