3月3日、米海軍のニミッツ級空母2番艦「ドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)」と仏海軍の空母「シャルル・ド・ゴール(R91)」は地中海でクロスデッキによる相互運用演習を実施した。
※本記事は2020年3月5日に公開した記事の再掲載です。
参考:Ike and Charles de Gaulle Participate in Cross-Deck Aircraft Launches and Recoveries
F/A-18Eがシャルル・ド・ゴールに発着艦!米仏海軍が互いの空母を相互使用するクロスデッキ化に成功
クロスデッキとは空母の共同使用を指しており、英国は空母「クイーン・エリザベス」に米海兵隊所属のF-35B分遣隊を受け入れる予定になっており、日本も航空自衛隊がF-35Bを調達して飛行隊編成が完了するまで、海上自衛隊の空母化された「いずも型護衛艦」に米海兵隊から派遣されるF-35Bを受け入れると表明済みだ。
関連記事:英米・日米の「空母共同使用(クロスデッキ)」に、F-35Bも空母も持っていない豪州が参加?
英海軍の艦隊司令官であるジェリー・キッド副提督(中将相当)は「英米はもはや相互運用について話し合っているのではなく、これまでに見たことがない次元の英米軍統合について話し合っている」と英米のクロスデッキ化について語った。
しかし今回の主役は英国でも日本でもなく、仏海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」と仏戦闘機ラファールMだ。
米海軍の戦闘機F/A-18E スーパーホーネットは空母「シャルル・ド・ゴール」に、仏海軍の戦闘機ラファールMは空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」に着艦(別途、タッチアンドゴーによる着艦訓練も行われた)することと、互いの空母からカタパルトを使用して発艦することに成功した。
これは米海軍の戦闘機F/A-18Eと仏海軍の「シャルル・ド・ゴール」にとって史上初の経験であり記念すべきマイルストーンと言える快挙だが、仏海軍の戦闘機ラファールMと米海軍の空母にとっては実は、これが初めての経験ではない。
これまで何度か仏海軍の戦闘機ラファールMは米海軍の空母を利用したことがあり、一部の仏海軍パイロットは米空母からの航空機を発着艦させる資格まで保有しているといわれており、戦闘機ラファールMは米海軍の空母で搭載エンジンの交換まで行った経験を持っている。
2018年には米海軍のニミッツ級空母10番艦「ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)」は、仏海軍の戦闘機ラファールMを12機と早期警戒機E-2Cを搭載して北大西洋海域で米海軍のF/A-18Eと共同訓練まで行ったことがあり、米空母と戦闘機ラファールMとの組み合わせは見慣れた光景かもしれない。
今後、仏海軍空母「シャルル・ド・ゴール」に米海軍の戦闘機F/A-18E スーパーホーネットを派遣して戦闘機ラファールMと共同訓練を行うことも不可能ではないが、シャルル・ド・ゴールは米空母ほど大きくなく収容数に限りがあるため実際に実行するのは難しいだろう。
ただ今回の訓練で明らかになったのは米海軍の「クロスデッキ化戦略」の本気度で、先にも述べたが米海軍(もしくは米海兵隊)は英国や日本とも「クロスデッキ化」の話を進めており、米海軍による英仏日3ヶ国の空母を「クロスデッキ化」するという構想はただの冷やかしではないという意味だ。
ただ英国や日本の空母は固定翼機の運用に対応していないため戦闘機F/A-18E スーパーホーネットを受けいる事はできないが、代わりにステルス戦闘機のF-35Bを受け入れる予定で、数年後には日本のいずも型護衛艦から米海兵隊のF-35Bが発艦する姿を目にする日が来るだろう。
関連記事:いずも型護衛艦の空母化改修、2番艦「かが」が1番艦「いずも」より先に空母化が完了する理由
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Kaleb J. Sarten/Released
米国製カタパルト搭載していて、E-2Cが運用可能なデッキ強度と長さを有するので、FA-18E/F運用出来て当たり前ではある。
実際は、十分な摺り合わせが必要だろう。
航空艤装の設定だけではなく、指揮、誘導、管制、整備、補給、果ては食事まで、あらゆる事の調整が必要だろう。
同一機種ならまだしも、能力の違う機種なら作戦目標も変わる。
唯、それだけの苦労をしても、得られる経験は様々な価値を生むだろう。
F-35Bを運用する艦同士なら、実効は高いだろう。
フランス海軍にとってもスパホ運用の経験積めるしいいことづくめですね。
流石仏海軍のシャルル・ド・ゴール
原子炉に不安はあるが腐ってもCVN、通常動力のスキージャンプ連中とは格が違う
意味だ。
意味だ。
夜間の行動も出来るのかな
米軍もいよいよ本気モード。
リーパーも近々第四世代機も捨て去り、対国家間戦争に腰を入れてる。
NATOも遂に本格合体してパワーアップ
NATOはアメリカとヨーロッパの対立、ドイツの無責任、トルコの迷走で機能不全に陥りそうですけどね。
フランスは空母を一隻しか持っていないから、
ラファールMがアメリカ海軍の空母を使えうって意味でのクロス・デッキに意味があるのでは?
この前のド・ゴールの長期改修と同じことが発生しても、(ラファールM+アメリカ海軍の空母で)北海、北大西洋での空白を少なくできる
良いニュースでもあり、悪いニュースでもあり…
今後の戦争で空母を存続させることは可能なのか否か
少なくともアメリカは無理ゲーと思ってそう
私が米海軍パイロットなら、できるだけ食事の時間を狙って仏空母に着艦するかも。
なぜ、このタイミングで再掲されたのかは謎だが、空母ネタは好きなので、良し!
そろそろいずもの改修も終わるのかな?