米国防総省は21日、Miniature Self-Defense Munition (MSDM)と呼ばれる「自衛用小型ミサイル」の開発のためレイセオンに3億7,500万ドル(約400億円)の契約を与えたと発表した。
参考:米国防総省 Contracts For July 21, 2020
参考:Raytheon To Build Mini-Missile Interceptor For Aircraft Self-Defense
敵機や防空システムが発射したミサイルを迎撃する自衛用小型ミサイルを開発か
このMiniature Self-Defense Munition (MSDM)と呼ばれる「自衛用小型ミサイル」の存在は2015年頃に登場して何度か言及されたことがあるのだが、米空軍も防衛産業企業もMSDMの詳細について口を閉ざしているため謎に包まれたプロジェクトと言える。
一応、2015年に米空軍はロッキード・マーティンに資金を与えMSDMを研究させていたことがあり、その際にロッキード・マーティンが提案したMSDMのコンセプトは中距離空対空ミサイル「AIM-120」の半分のサイズで、F-22やF-35などのウェポンベイに携行できるミサイルの量を倍に増やす事ができ、このミサイルは敵航空機以外にも自機に接近してくるミサイルを迎撃することに使用可能だと主張していた。
しかし今回のMSDM開発契約はロッキード・マーティンではなくレイセオンに与えられ、Aviation Week誌によればレイセオンが開発する「自衛用小型ミサイル」の全長はAIM-120(3.6m)やAIM-9X(3.02m)よりも小型で約1mの大きさしかないと報じている。
以上のような情報から推察すると、この自衛用小型ミサイルは「戦闘機に搭載され接近してくる敵航空機やミサイル(空対空ミサイルや地対空ミサイル等)を直撃して破壊する兵器」である可能性が高く、レイセオンが独自に開発中で「AIM-120の半分(推定1.8m)」と言われるサイズの新型中距離空対空ミサイル「Peregrine(ペレグリン)」とは全くの別物なのだろう。
但し、幾らミサイル技術が発展して小型化が進んだとしても現行の空対空ミサイルの1/3サイズとなれば、それだけ射程が短くなることが予想されるので対敵ミサイルの迎撃用途に使用できても、AIM-120やAIM-9Xを置き換える存在になるとは考えにくく、逆に無防備で価値の高い早期警戒機や哨戒機、輸送機などに装備すれば非常に効果的な自衛用システムになるかもしれない。
レイセオンは2023年10月までに自衛用小型ミサイルのプロトタイプを開発して空軍に引き渡す予定で、このプロトタイプを使用してテストを行った結果次第で実用化を進めるのか決定を下すものと思われる。
果たして航空機の自衛用兵器として最初に実用化されるのはMiniature Self-Defense Munition (MSDM)と呼ばれる「自衛用小型ミサイル」か、それとも指向性エネルギー兵器と呼ばれる「レーザー兵器」なのか、非常に注目される。
※アイキャッチ画像の出典:
実用化できたら第六世代戦闘機は従来の戦闘機のような小型で機動性に優れるものではないかもしれないって予想があたるかもね
小型機で回避を頑張るより大型機に迎撃ミサイル大量搭載のほうが防御に優れるようになれば時代が変わる
中華事変辺りの戦闘機不要論と同じ結末を迎えそう(こなみかん)
安価で小さければ1発必中狙わなくて良くなって技術要求下がりそうだし
車両防衛、ドローン対策等使える場面は多そうな気がする
ドローンに熱心な中国が侵略してきてるんだし、うちもちゃんとこの手の研究してるといいんだが
ついに来たかって感じですね。
短距離空対空ミサイルの性能もSFやゲームじみた性能に到達してますしいつか来るだろうなと。
ミサイルやUAVからチルドミサイルがばら撒かれる日も遠くないのかも・・・。
マクロスみたいにマイクロミサイルをいっぱい積む時代が来るのかね?
中露の長射程空対空ミサイルからりょうAWACSや空中給油機を守る事が可能になったら
AWACSやAEWが生き残れる技術になるかもしれませんね。E-2Dクラスでは厳しそうですが。
アンチ・ミサイル・ミサイル(AMM)とでも言うのかね?
中露の長射程空対空ミサイルから僚機のAWACSや空中給油機を守る事が可能になったらゲームチェンジャーのゲームチェンジャーになり得る。
非ステルス機のF.15EXに大量に搭載してミサイル護衛戦闘機とか有りかも。
ゲームチェンジャーへの一対抗手段にすぎんだろ。この兵器で何かが大きく変わるものではない。
ミサイル護衛戦闘機とやらを作るなら、護衛対象に積めばいいだけだし
護衛対象のFCSは?
火器管制関係を随伴戦闘機に任せてミサイルは哨戒機やAEWに搭載して誘導ってながれになるんじゃぁないかなぁ
ありとあらゆる飛行体を戦域レベルで監視できるセンサ網を構築し、マイクロミサイルで防御するような時代になるかもしれない。
F-35の登場はそれだけの未来を予測させるものだった。
それがまた一歩現実に近づいたと。
そのうち投網になるのかな
要塞シリーズという仮想戦記物でありましたね、そういう対ミサイル用投網ミサイル。
そんなにコンパクトなのにAAMを迎撃できる性能を!?
滅茶苦茶技術的難易度高そうだえけどなあ
マッハ20で落ちてくる核弾頭迎撃できるミサイル開発してるくらいだしいける・・・のか?
航空機で使えるなら海軍でも有用でしょうね。
実力が拮抗してお互いの戦闘機が向かい合っての遭遇戦の場合、
まずアクティブ空対空ミサイルを撃ち反転するのが定石(相手にとっても)ですが、
自衛用小型ミサイルがあれば相手の初撃を無効化してつっこめます。
つまり相手を背後から撃てるようになります。
本当に完成させる事が出来れば旧式の機体でも格上に勝てる可能性が出てきますね。
形を変えたミサイル万能論に見えるなぁ。
対対空ミサイルに依存した特攻に依存した戦術や機体が浸透した頃に
対対空ミサイル対策が確立されてベトナムの悪夢再来。
そのうち無人機やミサイルからチルドミサイルをばら撒くような兵器も登場しそうですね。
極超音速空対空ミサイルは急激に方向を変えられないなど命中に難ありなので。
>以上のような情報から推察すると、この自衛用小型ミサイルは「戦闘機に搭載され接近してくる敵航空機やミサイル(空対空ミサイルや地対空ミサイル等)を直撃して破壊する兵器」である可能性が高く
直撃に拘らなくてもミッションキルで十分かと。
富士通の『飛翔体射出型ECM装置』を小型ミサイルの形態に仕立て直した感じで。
リンク
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艦船用のESSM個艦防空ミサイルやRAM近接防空ミサイルの航空機版とも呼べるものですね。
航空機に積むものなのでESSMやRAMのベースとなった中・短距離AAMと比較して小さいものになりますが、フレアなどのパッシブ防御装置と組み合わせて防御力を強化できれば有人機にとってより安全を確保できそうです。
マイクロミサイルでお互いに迎撃しあいながら接近して最後は高機動形態に変形して殴り合い…と
完全にマクロス世界だな
まあアホみたいに金かかるから対空レーザー早く開発した方がいいんじゃないかねぇ?
限定旋回砲塔に30ミリバルカン砲を搭載して迎撃から対地攻撃用途に使えばいいと思う。どうせ超音速で飛ばない機種ばっかりだから固定機関砲の代わりに搭載したほ方が合理的だろ。
すごく気持ちはわかるのだが・・・
仰角の問題、重量バランスの問題、デザイン(空力の他にステルスを損ないやすい)の問題、
整備の問題、等々簡単にはいかないかと。
航空機に9902kgのゴールキーパーをつけると考えれば、まあ無茶だよなとわかるかと。
デファイアント「やっと時代が俺に追い付いたようだな」
リトラクタブルヘッドライトが無くなったように、可動部分は故障するので、忌避されると思います
重量の問題なんて大したことない。どうせ大型双発以上の爆撃機や偵察兼輸送機にしか搭載できないから。そもそも旧式の艦艇用近接防御火器システムをそのまま航空機に載せる必要は無い。航空機用に軽量小型化して機能の幾つかを既存の火器管制やレーダー類と統合すれば十分可能だろ。
A-130の様なゲテモノを運用した実績があるアメリカなら左程時間もかからず完成させれるよ。
間違いなく「AWACS自衛用」ですね。いくら小型化するとはいえ戦闘機の限られたウェポンペイに積めばそれだけ射程の長いミサイルを降ろすことになり非合理的です。ドッグファイトでの使用など念頭にすらないでしょう。
ということは米軍はE-3を捨てないのか?
恐らく今は現場と空軍上層部が綱引きしている状態でしょう。
・上層部はE-3もA-10もバサバサ廃止し、無人機等で代替して軍事費を節約したい。
・現場はA-10の有用性を主張し、E-3廃止の影響に警鐘を鳴らす。
海軍もそうですが米軍の軍事戦略はかなり迷走している気がします。
なんかもう鉄製BB弾を後方にばら撒き続ければいいだけの感じになってきた、、
旧日本陸軍の偵察機に積んだ空中機雷みたい>後方にばらまけば良い
むかしむかし飛行船や大型爆撃機に足は短いが小回りの利く戦闘機を搭載して護衛させようって話がありましたね。
さてさて今回はどうなることやら。
P-1の爆弾倉に積みたい、、