ロシア国防省の公式メディア「TV Zvezda」は今月3日、これまで不鮮明な映像や画像でしか公開してこなかったステルス無人攻撃機「S-70オホートニク(ハンターという意味)」に関する番組を放送して注目を集めている。
参考:Военная приемка. С-70. Беспилотник «Охотник». Часть 1
非常にサイズが大きいロシアのステルス無人攻撃機「S-70オホートニク」、量産機はステルス性能が向上する予定
スホーイ設計局が開発を担当している「S-70オホートニク」はSu-57のロイヤル・ウィングマン(忠実なる僚機という意味)として使用することが想定されているステルス無人攻撃機で、2024年には量産機の引き渡しが予定されているため「ロシアは欧米よりも早く有人戦闘機と自律的な飛行が可能な無人機とのエア・チーミングを手に入れる」と予想されているのだが、ロシア国防省は不鮮明な映像や画像でしか公開してこなかった同機の情報を解禁してTV番組で放送したため注目を集めている。
この番組を放送したのは実質的なロシア国防省の公式メディア「TV Zvezda」で、これまで公開されることのなかったオホートニクの機体デザイン、背負式のエアインテーク、制御システムを使用した運用の様子などが惜しげもなく披露されており、Su-57とオホートニクを並べた映像を見る限り非常に大きいという印象を受ける。
補足:出回ってるオホートニクの基本スペックは全長14m、全幅19m~20m、推定重量20トン、最大速度マッハ0.8、ウェポンベイの兵器搭載量は約4~6トン、エンジンはSu-57やSu-35に搭載されている「AL-31(最大推力122kN)」もしくは開発中の「AL-41(最大推力176kN)」を1基搭載

出典:TV Zvezda
さらに機体を間近に捉えた映像からは各種装置の突起や表面処理の粗さが目立ち、何の処理も施されていないエンジンノズルがむき出しの状態なので「ステルスに関する考え方はSu-57に近いのでは?」と思ってしまうが、今回公開されたオホートニクはプロトタイプ1号機で「本機は過度な速度性能や機動性を備えていないため任務達成はステルスに頼ることになり、現在製造中の2号機では機体の設計が大きく変更されエンジンノズルにもカバーが取り付けられる」とスホーイ設計局は明かしており、オホートニク2号機や量産モデルに近いと言われている3号機~4号機はステルス性能が引き上げられるのだろう。
特に映像に登場するオホートニクのデジタルモデルはかなり深めのS字状インテークダクトが採用されていることを示しているので、直線に近いインテークダクト内に電波吸収材料で製造されたグレーティング(レーダーブロッカー)を搭載することでエンジンファンが反射する電波の問題に対処しているSu-57とは根本的に設計思想が異なるのかもしれない。

出典:TV Zvezda
どちらにしても今回公開されたオホートニク1号機は有人機と無人機のエア・チーミングを実用化するための技術検証機的な意味合いが強く、制御方法も人間による遠隔制御に頼っているため自立運用のイメージ(どちらと言うとMQ-9に近い)からは程遠いがスホーイ設計局は「オホートニクの量産機は半自立もしくは完全な自立運用が可能になる」と述べており、F-35が搭載するF135(推力125kN/最大191.35kN)よりも強力な推力を発生させる「Izdeliye30」を搭載したSu-57Mは各種無人機とのチーミングを可能にするAIシステムを搭載すると言われている。
つまり米空軍の無人戦闘機プログラム「Skyborg(スカイボーグ)」は実用化時期が不明瞭で、具体的なスケジュールを公言している英国のランカプログラムも「2030年までにタイフーンやF-35Bとのエア・チーミングを実現させる」と言っているため、自立運用のレベルには謎が残るもののロシアのオホートニクが世界に先駆けて実用的なエア・チーミングを実現する無人機になるのはほぼ間違いなだろう。

出典:英国空軍
因みにオホートニクの開発計画は2009年のMAKS国際航空ショーで発表され2012年から本格的な開発がスタートしているため、約12年という開発期間だけを考えるとオホートニクは「欧米の有人機と無人機のエア・チーミング計画に触発され慌てて用意した対抗プログラム」という訳ではなさそうなのが不気味だ。
関連記事:無人戦闘機時代は幕開け直前、ロシアが早くも量産モデルの「S-70」製造を開始か
※アイキャッチ画像の出典:TV Zvezda
え?ひょっとしてこいつらが東京急行に来る可能性が大って事?
データ取れるなら良いんだがな…
ロシアの無人機環境が羨ましいのは、人目を気にせず、制御狂って墜落とかも
上等で、ガンガン飛ばして試験出来る場所には事欠かない事で、例え実機作っても
安全第一で、どこで試験するか場所に困る我が国とは大違いで、中国も同じだけど
国が広いと、こう言うもん作る時は自由に試験出来る場所がある国は羨ましい
あれは長距離飛行の訓練目的だったりするから多分来ないぞ
ロシアの開発速度の速さは尊敬するわ。
それにしてもF-117とB-2を足した形でカッコいい。
ソ連時代からKGBやGRUを通じて西側の最新動向を入手してるから、ロシアが遅れているというのは希望的幻想に過ぎない、
この公開は化粧の終わる前のタレントさんだから、いざ出てくると別人に見えるかも知れないよ(笑)
鋭角なフォルムがカッコいいと思った
まあこんなのが国内まで来られたらたまった物じゃないが
80-90年代的な直線的なフォルムと触覚めいた二本のアンテナがかわいい
完全にジャム機のイメージですなあ
ノズルむき出しワロス!
アルマタ戦車にしろ所詮はハリボテだな。
ハリボテも作れてない国からのご意見でした
クール気取りの皮肉君のご意見でした
ただのプロトタイプでしょうに
記事の本文くらい読めよ
ソース読みに行けとは言わないからさ
外見は荒削りだろうが、無人戦闘機で最も重要かつ時間がかかりそうな開発要素は
遠隔制御と自律制御(AI)の両輪な部分なんで、そこをハリボテだろうが、とにかく
どんどん飛ばしてバグ取りして、有人機側から頼りになる僚機として飛ばせる様に
なった側が無人機を制すると言っても良い
正直、機体の洗練度なんで二の次、三の次でも良いぐらいだ
大きさはX47Bと大よそ同じくらい。電波吸収層が随分と薄いが飛行試験用の機体なら納得。亜音速専用機体なら完全自律Aiを搭載する必要も無い。完成するのも時間の問題。ただし完成機体(量産型)が公開されるのは最短でも5・6年先になりそう。
うちの国は無人の僚機どころか無人攻撃機・爆撃機自体がまだという…
人手不足って言ってるくせになぜか妙に無人やAI兵器に消極的という謎
攻撃機も爆撃機も憲法9条に抵触する可能性があるので開発できません
憲法は法律として色々欠陥品で
裁判規範性すら限定的なくらい具体性に欠け普通の法律と性質が違う
だから決定に合わせて解釈を変えれば良いだけで
憲法に合わせて判断する必要はない、というか抽象的で“出来ない”
だから軍も持ったし軍用機の航続距離の制限も無くしたし宇宙の軍事利用も武器の輸出も出来るようになり
海外派兵し集団的自衛権を行使し巡航ミサイルも作る
憲法に反するか否かではなく、現実的に必要だとなればそれに併せて解釈が変わって合憲になるから問題ない
必要なら核兵器の保有も合憲になりそうだな
元々禁止してないって認識だぞ
リンク
アメリカが許すはずないので、禁止してないというか禁止されてると言うべきのような
まぁだからこそアメリカは日本を核の傘に入れてるのだと思うよ
ここで核の傘から外したら将来日本が核武装しないと駄目な状況になったら核武装路線に行く可能性があり得るし、答弁的にもそれは否定してないから
そしてそうなったら当然アメリカとしても日本に対して難色を示さざるを得なくなって日米協調から遠のくしはっきりいってデメリットの方がデカくなる状況なので
それがわかってる以上は核の傘に入れといた方がアメリカとしてもコントロールが効くし日本としても現状そっちに莫大なコスト割かなくて済むから通常戦力の充実に予算を回せるし(ある意味で現状ウィンウィンかも?)
島嶼防衛用多目的ステルス無人機やぞ
無人機とのエア・チーミングがどうしても理解できない
パイロットが無人機を操作するわけじゃないし、
有人機のレーダー画面で敵味方判定してるのも全部コンピューターなんだから、
実は最初からそのチームに人間は必要ないような・・
人間は政治的な判断をするために必要
いくら敵機といっても亡命したいかもしれないし爆撃目標の近くに大勢の民間人や重要なものがあって中止命令を出すことがあるかもしれない
それに通信距離が短いほうが電子戦で負ける可能性が低くなる
しかし通信できる限りにおいては政治的判断は全て司令部が行うし、(パイロットは判断しない)
その場で敵機が亡命したいのかどうか判断する基準があるならコンピューターで判定できる。爆撃目標の民間人も同様。
むしろ米軍の誤爆を見れば人間の判断の方がいい加減だと思う。
通信距離については同意。有人機も含めてネットワーク化とか通信できることを前提に戦略が練られていて大丈夫なんだろうかと思う。
AIだって学習次第で訳の分からない判断してるじゃん。ごく稀のケースとかなんでそんなことしたんだみたいなこと出てくるぞ
それは人間も同じ
そして訓練回数も計算速度も人間の方が圧倒的に少ない
現状はAIに任せるという事がごく稀なケースなので、
事故ったときになんでそんなことしたんだという責任問題になる人間の側の不安からやりたくないだけ
だいぶ大きいですねこれ。随伴する弾薬庫や先行するセンサー(果たしてレーダー類はどの程度持っているのか)、あるいはもっと古典的に事前のプログラム通りに進んで爆撃して帰ってくる無人爆撃機としても一通り仕事をこなせる先駆的な実用例をとりあえず手に入れたのはすごい。ただエアチーミング概念がまとまるより以前の機体だなぁというところも感じるので、20年代末に西側で後発組が出揃った時に果たしてどの程度通用するのかは気になる。
あとこのサイズですと無人機でセンサーその他を色々削ってあるとしても値段はそれほど安くならないのではないか。ロシア連邦軍は果たしてこれを十分に揃えられるのか。
色々と兵器を開発して出来た出来たという割に
細部の作りが荒いねw
何時になったらアルマータは量産されるの?
>何時になったらアルマータは量産されるの?
それな
色々威勢の良い事を言っているものの、内実はかなり厳しいのだろうね。リデル級原子力駆逐艦もキャンセルされたし
ウクライナで泥沼にハマった上に経済制裁で、本来ならば旅団レベルで丸々更新する計画であるアルマータシリーズなんかは初期投資からして厳しいのかと