ロシア軍はウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を29日朝に実施、ザルジニー総司令官は「計158発のミサイルと無人機がウクライナに向けて発射され内114発を撃墜した」と発表したが、無人機と巡航ミサイル以外はウクライナ軍の防空シールドを貫通している。
参考:Россия запустила 110 ракет, но за все ответим − Зеленский
参考:РФ выпустила по Украине 158 ракет и дронов: Залужный рассказал, сколько сбили
弾道ミサイルがウクライナ軍の防空シールドを貫通、各地で被害が発生
ロシア軍はウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を29日朝に実施、ゼレンスキー大統領は「ロシア軍がキンジャール、S-300、巡航ミサイル、無人機など保有する全ての武器で攻撃を仕掛けてきた。発射された110発の殆どが撃墜されたものの死傷者が発生した」と明かしたが、ザルジニー総司令官は「計158発のミサイルと無人機がウクライナに向けて発射された」と発表した。
種類 | 発射数 | 撃墜数 |
Shahed-136 | 36機 | 27機 |
Kh-101/Kh555 | 少なくとも90発 | 87発 |
Kh-22/Kh-32 | 8発 | 0発 |
S-300の迎撃弾 | 少なくとも14発 | 0発 |
S-400の迎撃弾 | ||
イスカンデルM | ||
キンジャール | 5発 | 0発 |
Kh-31P | 4発 | 0発 |
Kh-59 | 1発 | 0発 |
158発 | 114発 |
S-300やS-400の対地攻撃モードで発射される迎撃弾(5V55Rなど)は弾道コースで飛んでくるためパトリオットシステムのPAC-3でしか対処できず、キンジャールやイスカンデルMも同様で、ウクライナ空軍はKh-22/Kh-32も「保有する手段では迎撃不可能(ここにパトリオットシステムが含まれるのかは不明)」と述べており、パトリオットシステム(3セット)がカバーできない都市への弾道ミサイル攻撃は100%着弾してしまう。
イスカンデルMやキンジャールが1発も迎撃できていないということは「主要都市以外に向けて発射された可能性がある」という意味だが、シンプルに撃ち漏らしただけかもしれない。
因みにウクライナの多くの都市で被害(ミサイルが目標に命中したものか、撃墜されたミサイルの残骸によるものは不明)が確認されており、死傷者は現時点で90人を超えている。
昨日と今日で仕事納めだという方も多いと思います。今年も大変な年でしたが苦労さまでした。ここから年始年末モードに入るので更新が止まるかもしれませんが、酒を飲みながらダラダラと更新するかもしれません。
とにかく航空万能論GFを覗いてくれた多くの方に感謝を、そして良いお年を!
関連記事:ウクライナ国防相、対地攻撃モードのS-300は最大220km先の目標に到達する
関連記事:11/6更新|ロシア軍のウクライナに対するミサイル攻撃のデータ
※アイキャッチ画像の出典:Alex Beltyukov/CC BY-SA 3.0
管理人殿サンキューお疲れ様です!ロシアにもウクライナにも来年は良い年になりますように!
これ、やっぱり大都市圏からパトリオット引き抜かれてるんじゃないか•••?
これまではなんだかんだある程度撃墜できてたのがすり抜けてる
南部で航空機撃墜してたのはキーウ配備のパトリオットだったわけですね。
もちろん軍事は選択と判断ですから,キーウをノーガードにして敵戦闘機を5機落としたのは悪く無い判断だとは思いますが。
しかし、これからしばらくは弾道弾撃ち込み放題のボーナスタイムになってしまっているのはなかなか厳しいですね。安そうなS-300を止められないのが一番痛いかなと。
複数の事を平行してやれる余裕ある国でも全てをやれるほどではないから、優先順位決めてやったりしますし、それが出来ない国は何かを選んで何かを切り捨てるしかないですからねえ。
まあ、民衆は離れた戦場の事より自分達の安全を要求して、防げなかった事の責任を政府に求めるでしょうね。
一年間様々な情報を提供して頂きありがとうございます!
来年はもっと平和な世の中になると良いですね
数は少ないですがKh-31Pがおそらくウクライナにとって重要なナニカを破壊した予感。
ロシアが巡航ミサイルの使用を控えて備蓄を行っているとはかねてより指摘されていましたが、このタイミングでの使用に踏み切ったのは何だったんでしょうね。年末年始を避難所や停電で過ごさせる=ウクライナ社会を威圧して反戦親露の世論形成をするという従来のドクトリンの延長なのか、もっと別の意図があるのか…。
23年のウクライナの戦力損耗は1,2ヶ月で回復できる範疇ではなく、その間(場合によっては24年いっぱい)のウクライナの抵抗は長距離打撃兵器によるロシア国内への攻撃が中心にならざるを得ないのではないかという論考を先日読みました。支援者である欧米はロシア本土への攻撃に転用可能な兵器の供与や使用認可に対して従来は慎重な立場をとってきましたが、今起こっているような凄惨な後方爆撃をロシアが続けると米欧の姿勢も変わってくるのかもしれませんね。
ロシア軍の目的は一貫してると思いますよ、前線からパトリオットを下げさせる、これにつきる。
>米欧の姿勢も変わってくるのかもしれません
無理ですな、そんな真似をすれば今度は欧米に敵対的な組織にシャヘド等のドローン兵器供与すらありえます。
???:「ウクライナは犠牲になったのだ…」
日本がアメリカにパトリオットを輸出することは、二重に心配です。
来年は、日本とアメリカのメディアの偏向が修正されますように。中国共産党による侵略の危険を何とか防げますように。イスラム原理主義に修正の方向が入りますように。
バイデンは世界を混乱させています。さらにプラスして、習近平とゼレンセキーとイスラエルのネタニヤフとシリアのアサドは、危険人物または問題人物です。
こういう中、トランプも問題はありますが、来年末から、またトランプが再選されて、世界が安定の方向に向きますように。それまで、日本の防衛は大丈夫か?
管理人様、今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
皆様、よい年を!未来が明るくなりますように!
流石にトランプはもう表に出しちゃアカンでしょ?
むしろ、このまま政争のグダグダでアメリカが腐って没落してくれた方が全世界の為というものです
シャヘドの数が思ったより少ない
飽和攻撃のためのデコイならもっと多くてもいい
恐らく今後の攻撃のために温存しているのだろう
キンジャールを撃墜されない最低限の数をデコイとして撃った感じ
あと気になるのは、Kh-31Pは対レーダーミサイルだが、去年からずっと対レーダーミサイルの使用が少ない
段階としてはまず飽和攻撃と対レーダーミサイルでウクライナ軍の目をできるだけ潰してから本格的なピンポイント攻撃をするべきと思うんだが
対レーダーミサイルは思ったより役に立たないのか?パトリオットのレーダー発信源は特定できないのか?電波妨害で墜落するのか?
去年からいきなり工場を狙ってミサイル撃ったりして、対レーダーミサイルを活用してない気がする
ザルジニー総司令官は、本当に正直に、戦果・被害を発表しているように感じます…。
ウクライナ軍の迎撃率が下がっている事を、素直に発表していますね。
ウクライナが、自国にとって悪い情報も公開していく事は、スポンサー国の国民にとっても重要であると考えています。
ロシアが戦術を変えたのか、ウクライナの防空網が厳しいのか、分析が進んでいくのではないでしょうか。
弾道ミサイルは、速度が速く迎撃が困難なため、防御側は不利である事を痛感します。
日本も他人事ではなく、敵基地攻撃能力を持つことが、安全保障上は不可欠であるという事でしょうね。
敵基地攻撃し放題のロシアが、全くウクライナ側のストームシャドウやドローン攻撃を止められないのを見て教訓を得るべきかと。
敵基地攻撃をしたら全ての問題が解決する,というのは日本が中古のトマホークを何兆円分も買わされる時のセールストークですが。
実態は見ての通り,巡航ミサイルなんて安い方の対空ミサイルで片っ端から撃ち落とされてますし、よしんば何発か通ったところでウクライナ軍側の航空攻撃を止めることは全く出来ないですよ。
ストームシャドウは巡航ミサイルですよ?矛盾してません?
それともトマホークをディスりたいだけ?
こんなに大量にミサイルを撃ち込まれたら迎撃用の地対空ミサイルが枯渇してしまうヤバいヤバい。武器輸出の条件が厳しい日本にすら地対空ミサイルの供与を求めているとなるとアメリカの生産量を超える消費ペースなのかもしれない。そもそもアメリカは圧倒的航空優勢で戦争に勝利してきた国なので大砲や地対空ミサイルを重視していなかった。テロリスト狩りなら問題なかったが、ロシア相手に大砲と地対空ミサイルを多用するソビエト式戦法を挑まれた結果、この2つの枯渇が深刻な問題となった。
こうなったらアメリカが得意とする戦闘機の供与が望まれるが、人員の訓練、運用体制、費用の負担が大き過ぎて貧乏国には使いこなせない、そして緊急を要する事態では運用体制の構築に時間が掛かり過ぎる。航空戦力を主力にできる国家は世界で最も裕福なアメリカに限られ、貧しく戦争が常に目の前にあるような第三世界ではソビエト式兵器体系の方が運用し易いのだ。
やはり前線の危機的状況に対応するために、都市防空に回していた地対空ミサイルを前線にまで持ってきてたんでしょうね。
苦肉の策なんでしょうが、防空機能が弱まることで都市への爆撃が増えますし、前線で運用することで撃破される危険性も飛躍的に高まります。
地対空ミサイルの不足を考えると、ウクライナ軍にとって益々苦しい状況になっていくでしょうね。
今年も更新お疲れさまでした
世の大勢に逆らってウクライナに不利な情報も載せ続けるのは
立派な姿勢だと思います
管理人様も皆様も良いお年を
来年は紛争がおさまるといいですね
表の通りなら巡航ミサイルのコスパが悪い
撃墜率が非常に高く、数が多くも飛んで火に入る夏の虫状態
逆に、超音速以上のミサイルは撃墜されずに打撃しているようだ
ストームシャドウによる攻撃も完全に失敗したこともあるので、亜音速巡航ミサイルの運用は難しいと判断出来る
防空システムの位置を特定しようとしているんですかね?
それはともかく、管理人さん、皆さま、良いお年を!
管理人さんお疲れさまでした!
それにしてもロシアの軍産複合体は凄いなあ。シャヘドがジェットエンジン搭載型だったなんて話は本当なのだろうか・・・
そういう話を聞きますが、やめたほうがいい改良ですね。
「速度が遅いから機関砲で撃ち落とされる。速度をあげよう!」
という発想だと思いますが、その発想だと次第にミサイルと大差なくなってきてしまいます。
湾岸戦争の時のスカッド狩りも成果はあまり宜しくなかったですからね。
やっぱり発射機潰すのは難しいですよ。