ウクライナ軍のシルシキー大将は27日「東部戦線は依然として厳しい。敵はクピャンスク、リマン、シヴェルシク、バフムートの各方向で集中的な攻撃を続けている」と明かし、ウクライナ軍は東部戦線のほとんどで後退を強いられ、ロシア軍の前進を抑えることが出来なくなってきた。
参考:Ворог намагається наступати в районі Серебрянського лісництва та захопити Синьківку – Сирський
ウクライナ軍にとって東部戦線の状況は厳しく、ロシア軍はぼほ全ての方面で何かしらの成功を収めた
シルシキー大将は27日「東部戦線は依然として厳しい。敵はクピャンスク、リマン、シヴェルシク、バフムートの各方向で集中的な攻撃を続けている。クピャンスク方向のロシア軍は何としてもシンキフカを占領してクピャンスクを封鎖する条件を作り出そうとしている。敵部隊は損失を被ったため再編成と他方面からの部隊移動を行っており、敵の突撃部隊の総兵力は2,000人を超えている」と言及。
ウクライナ軍の第30機械化旅団はシンキフカに対する大規模攻撃(今月14日頃)=Ⓐを撃退したものの、集落に足場を築こうとするロシア軍の動きは止まっていない。
因みにウクライナメディアのRBC-Ukraineは「シンキフカを突破されるとクピャンスクの中心部が敵の脅威に晒されるだろう。さらにロシア軍は国境沿いのライマン・ドゥルーヒに工兵部隊を移動させた。これはオスキル川を渡河するための準備に入っていることを示唆しているのかもしれない」と、シンクタンクのウクライナ人アナリストも「これは選択肢の1つだ。オスキル川の対岸には国境付近から侵入する方法もあるが、そこには我々の防衛ラインがあるため『川を強行突破する方が簡単だ』という結論にロシア軍は達したのだろう」と述べている。
リマン方面についてシルシキー大将は「我が軍をセレブリャンスキー森林地帯(自然保護区のこと)から追い出し、トルスケ峡谷(テルニーの西に広がる峡谷のこと)での支配領域を広げるため敵は集中的な攻撃を再開した。敵はテルニーの占領とゼレベツ川への接近を試みている」と言及、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「ロシア人が主張するテルニー方向の前進」を事実と認めたが、ロシア人達は新たに「テルニーの西2km地点までロシア軍が前進した」と主張。
この話が事実ならロシア軍は5km以上もウクライナ軍をゼレベツ川方向に押しやったことになり、僅かに残っていたクレミンナ奪還への期待も萎んでしまった格好だ。
シヴェルシク方面についてシルシキー大将は「スピルネとビロホリフカで攻勢を仕掛けようとしている。敵はソレダル方面とシヴェルシク方面で空挺部隊の準備を進めている」と言及、さらにウクライナ軍がスピルネのⒶとⒷでロシア軍兵士を攻撃する様子が確認されたため「ロシア軍がスピルネ集落内部に到達している」と考えるのが妥当だ。
12月に入ってシヴェルシク方面の動きを何度か取り上げたが、もう軽視できるような状況ではなくなった。
追記:シヴェルシク周辺の戦況マップを更新(ロシア人が主張するロシア軍の前進範囲が拡大)
バフムート方面についてシルシキー大将は「ここで最も激しい攻勢が続いている。敵はボタニフカを占領し、クリシェイフカ方向やアンドリーイカ方向で失った土地を奪還しようと試みている」と言及、チャシブ・ヤールに向かうO-0506沿いの墓地付近で両軍が衝突しており、ロシア軍がⒶのウクライナ軍陣地を攻撃する様子が登場、ロシア人は「墓地全体をロシア軍が確保している」と主張している。
DEEP STATEは「ウクライナ軍が墓地の一部を保持している」と主張しているが、現在の勢いを考えるとウクライナ軍が墓地一帯を失うのは時間の問題かもしれない。
昨日と今日で仕事納めだという方も多いと思います。今年も大変な年でしたが苦労さまでした。ここから年始年末モードに入るので更新が止まるかもしれませんが、酒を飲みながらダラダラと更新するかもしれません。
とにかく航空万能論GFを覗いてくれた多くの方に感謝を、そして良いお年を!
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※アイキャッチ画像の出典:СИРСЬКИЙ
ザルジニー総司令官が、ウクライナの50万人動員要請について、ゼレンスキー大統領の発言を否定しています。
ロシア軍の攻勢計画に、オスキル川沿いまで攻める計画がある一方で、プーチン大統領が停戦交渉を行っている事が報道されており、厳しい情勢の中で気になっています。
日本のパトリオット輸出ですが、イスラエル・中東方面の穴埋めという考え方もあるようですね。
米軍が、イスラエル支援だけでなく、イラク・シリアの駐留米軍の防衛のためにパトリオットを送っており、ウクライナ向けの武器動向にも注目しています。
そもそもウクライナの財務省が50万人動員するにしても、そんな金がどこにある?とか嘆いてたような。
ウクライナ軍の100万人維持するのに3兆円以上かかってますし。
ウクライナのGDPは約20兆円
人口は約2800万人程度(海外避難民・ロシア占領地除く)
1人当たりGDPは、日本の30分の1未満です。
軍隊の維持・戦争は、お金がかかりますね。
老人年金・公務員給与の心配をしているようですが、日本人なら痛みの分かち合い・共助ですからズレていると感じる事があります(兵士の障害年金・遺族年金などは理解できます)
仰る通りですね、(人口動態も加味すれば)2桁増えてそうだなあと。
停戦協定を蹴る前の犠牲者。
停戦協定を蹴る後の犠牲者、失った領土。
そろそろ3年目ですから、この比較が出回ってもよい頃。
ウクライナ軍・ウクライナ人が悪いという話ではなく、事実を理解するのは大事だなあと。
完全に止められなくなってますね。砲弾不足、人員不足、などで前線陣地の維持が難しくなっているのでしょう。停戦の話も現実味を増すと思う。
後方で要塞と地雷原を構築中みたいですし、それまでの時間稼ぎ位しか現状だと出来ない(そもそもするつもりが無い?)でしょうね。仮に停戦をするにしても、それらの防御網が完全に突破された時だと思います。
昨日もウクライナ全土に空爆があり、キエフも高層ビル(マンション?)の上部が吹き飛ばされてますね。Su34や30を撃墜するためにパトリオット等の防空兵器が移動した結果、防空網に穴が出来たのかもしれません。
情報ありがとうございます。
キエフの高層マンション上部ですが、火球のようになっているため、迎撃が遅れて慣性により衝突した可能性もありそうですね。
仰る通り、ドニエプル左岸での迎撃のために、ウクライナ軍がどの種類・量の防空部隊を移動させたのか気になっています。
防衛線を突破されてからの交渉で
待っているのは停戦というより降伏でしょう
焼け付き刃の要塞構築ですから期待は薄いです。人員自体も死守命令に近く前線から退いた部隊は拠点での休息がせいぜいだとすると戦力の磨り潰し、ロシアの主導権のまま拠点制圧が進むのでしょう。さらにウクライナ軍が不利に損害を被る展開でしょう。
管理人様、質量ともに素晴らしい分析でした。来年の活躍?も期待しています。
もう特定の地域を狙っているというよりウクライナ軍をしばきまくることを主目的としてやってるように思えるな。
まあ、人的資源は失えば補充しようにも色々問題ありますし、既にウクライナって徴兵ギリギリなんでこれ以上やると労働人口がどうしようもなくなって、経済的にも国としても未来が無くなりそうな感じですし。
後はもうウクライナが隠せない程の軍の死傷者出たら停戦派が爆増し、政府への不満が溜まって革命とかやりかねなさそうなとこありそうで。
沖縄戦のような凄惨な戦いがたくさん起きているのですね。市民が犠牲になっているのを考えるとやるせない。ゼレンスキー大統領には現実を見据えてロシアとの停戦講和を決断してほしいと思います。事態を悪化させるもさせないもゼレンスキー氏次第です。
全体としてロシアが主導権を握って優位に推移していますが、作戦として成功といえるほどの成果はあげられていませんね
シヴェルスク方面でこのまま連続包囲に成功すれば全体で崩れるかもしれないっていうくらいでしょうか
そもそも、これが全てロシア軍の明確な「作戦行動」なのかすらも曖昧な部分もあります。
アウディーイウカの戦いやバフムートからチャシフヤールへ押し返す戦いは、都市奪取という目標が分かりやすいですが、他の多くの戦線で起きているのは、ウクライナ側の人員と兵器の枯渇による戦線整理の側面もあるのではないかと。
上の方のコメントでもありましたが、ロシア軍の目的が都市や集落の奪取よりも、ウクライナ軍の地上戦力を削る事にある可能性は高いと思います、
全線に渡って圧力をかけられているせいでウクライナが予備を投入できないために押されているのでは?
ウクライナは揚陸艦を撃沈したとか戦闘機を撃墜したとか見栄えの良い戦果を誇らしげに主張していますが、地上戦ではロシアの方が着実に戦果を稼いでいる感じですね
ここ1年間のウクライナ情勢に関しては、管理人さんには大変お世話になりました。 信頼できる情報が少ない中、ここに辿りつけて本当に良かったです。直近でもロシア軍がウクライナに大規模なミサイル攻撃を始めたということで不安なことだらけですが、来年も様々な軍事情勢をよろしくお願い致します。
管理人様、第三者の立場で公平な目線で記事を書いてくれたこと、心より感謝致します。
今年一年ありがとうございました。来年もちょくちょく覗かせて頂きますので宜しくお願いします
皆様のコメントも大変勉強になり凄く面白かったです
管理人様 や皆さまが方が良いお年でありますように。
来年はウクライナが更にボロボロになるだろうしもう情勢を見るのやめようと思ってる。情報知っても戦争に対して個人ができる子となんて無いし気分悪くなるだけ。
ウクライナやパレスチナの人だってお金があれば戦争が始まる前に安全な国に行くことができた。
結局自分の身を守れるのはアメリカドルしかないから副業を頑張ろうと思う。
ドルってことは株ですかね?
ドル投資もいいですが、安全資産ならゴールドではないでしょうか どこの国の通貨よりも強いですし
ドルもアメリカ政府が利上げだろうが利下げだろうが、結局大量のドルが出回るので
あとグローバルサウスではできるかぎりドルを排除し、金準備を増やしてなんとかしようとしてるみたいですし
私も金いっぱい買ってます
この記事のツイートを引用して軍事アカウントのMASAがロシア軍の歩兵による浸透強襲での戦線突破なのでウクライナ軍にとって幸運、人的資源の損失を顧みないなどとしていましたが、実際各戦線が突破されているにも関わらず幸運などと言っている点やロシアによる浸透戦術は人命軽視であり、ウクライナ軍も似たような戦術を主に南部戦線で使用しているものの無視するか人命軽視ではないとしている点などは溜め息しか出てこないですね…(日本のウクライナ支持者の多くがそういった感じな上に、現代戦でも浸透戦術は歩兵同士の戦いや塹壕戦では重要なのに古臭い時代遅れの戦術と馬鹿にしている感じですが)
というかロシア軍は未だに人海戦術によるゾンビ突撃を続けており全く進化していないと嘲笑していますが、そもそも人海戦術とは数で勝るものの装備や練度で劣る弱者側の採る戦術であり、展開している兵力数で未だに劣っているロシア軍が人海戦術などしていたらあっという間に兵士が溶けてとっくの昔に戦線崩壊しているでしょうし、そこら辺の矛盾に何故気が付かないのかと
やはりウクライナを応援している面々の大半が未だにそういったのが多数派で、管理人様やコメント欄の方々のようになるべく冷静かつ現実的にジャッジしているのが少数派という点でも、戦局や政局と並んでウクライナの厳しい現実を象徴している感じが…
とはいえ一先ず管理人様とコメント欄の皆様も、今年一年ありがとうございました
よいお年をお迎えください
毎日読ませて頂き大変お世話になっております。
せっかくの年末年始ですし、酒でも飲みながらゆっくりお休みになって頂ければと思います。
良いお年を。
なんか、東部戦線が総崩れに近いですが
日本のメディアは相変わらずスルー
ロシア軍は余った
太平洋戦争の後半も
この調子だったんですかね
アウディーカみたいに半包囲されて詰んでる所に援軍送って守るより、アウディーカから撤退してあちこちで突破されている戦線に援軍送って穴をふさいだほうがいいと思うんだけどなあ。
ウクライナが何を考えているのかよくわからない
ゼレンスキーがアウディーイフカを訪問したし政府側から死守命令出てるんじゃなかろうかと。
ザルジニーは陥落の可能性に触れてるから早期撤退を考えてそうだけど。