欧州関連

デンマーク海軍のフリゲート艦がバルト海を封鎖、ハープーンの不具合

デンマーク国防省は4日「フリゲート艦のハープーン発射装置がテスト中に誤作動を起こしたため、ハープーンが発射される可能性がある」と発表し、問題が解決するまでバルト海に通じる唯一の航路=大ベルト海峡を航行しないよう呼びかけている。

参考:Fejl på missil lukker skibstrafikken i Storebælt
参考:Faulty missile launcher closes busy Danish sea lane
参考:Fejl på løfteraket lukker luftrum og skibstrafik ved Storebælt

本当にいろいろある、、、

デンマーク国防省や現地メディアの話をまとめるコスーア海軍基地に停泊中のフリゲート艦でハープーン発射装置がテスト中に誤作動を起こし、これを非アクティブ化できないためハープーンが発射される可能性があるらしい。

但し、テストで作動するのはハープーンのブースターロケットのみなので、本体のロケットモーターが点火したり弾頭が爆発することはないものの、ブースターロケットが作動するとハープーンがコスーア海軍基地から最大5km~7km離れた海域に落下する可能性があり、専門家がコスーア海軍基地に向かっている。

デンマーク国防省は問題が解決するまでバルト海に通じる唯一の航路=大ベルト海峡を航行しないよう呼びかけており、このハープーンはブースターロケットによって高度1,000mに達する可能性もあるため、当該空域も飛行も禁止された。

出典:Commander, U.S. Naval Forces Europe-Africa/U.S. 6th Fleet

因みに紅海での作戦中にレーダーと戦闘管理システムの間で問題が生じてESSMが発射できず、76mm砲の砲弾も大半が発射直後に爆発して使い物にならかったと報じられていたイーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート1番艦もコスーア海軍基地に停泊中で、問題が発生したのは同級の3番艦ニルス・ユールだ。

追記:現地メディアの取材に応じた専門家は「この種の失敗は本当に珍しく自身も初めてことだ」と述べている。

関連記事:デンマーク海軍のフリゲート艦、派遣された紅海の作戦中に欠陥が露呈

 

※アイキャッチ画像の出典:Forsvaret

米陸軍のタイフォン・システム、訓練目的で一時的に日本へ移送される可能性前のページ

鳥山安昌浩級潜水艦の引き渡し式典、米英豪など9ヶ国から政府関係者が出席次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    戦力拡張へと舵を切った英海軍、次世代のフリゲートや駆逐艦など建造ラッシュ

    英海軍はジョンソン首相が約束した国防予算の増額を受けて野心的な取り組み…

  2. 欧州関連

    イタリア、2024年度からレオパルト2、次期IFV、HIMARSの調達を希望

    メローニ政権は遅れていた来年度の予算案を16日に発表、この政府文書には…

  3. 欧州関連

    フランス提案のアトランティックIIリースを蹴ったドイツ海軍、米国からP-8A導入がほぼ確定

    P-3Cの早期退役に伴うドイツ海軍の対潜哨戒機調達はフランス提案のアト…

  4. 欧州関連

    レズニコフ国防相、ウクライナ軍の反攻作戦は4月から5月のどこかで発動

    ウクライナ侵攻から400日目が経過、ゼレンスキー大統領は「勝利を手繰り…

  5. 欧州関連

    トルコ、UAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズに滑空爆弾「MAM-T」を追加

    トルコは交戦距離を拡張してきたロシア製近距離防空システムに対抗するため…

  6. 欧州関連

    海外からの受注が集中する仏製戦闘機、クロアチア空軍も次期戦闘機にラファールを選択

    クロアチア空軍はMiG-21の後継機としてラファールを選択したと報じら…

コメント

    • M774A6
    • 2024年 4月 04日

    エイプリルフールにしては遅いですね。

    46
    • 無印
    • 2024年 4月 04日

    >専門家は「この種の失敗は本当に珍しく自身も初めてことだ」
    こんなトラブルがそうそうあってたまるか

    82
    • 名無し
    • 2024年 4月 05日

    火葬戦記に出てきたら、何言ってんだよお前、と罵倒してしまいそうなやつや。

    16
    • ブルーピーコック
    • 2024年 4月 05日

    おやおや、これはとんだハープーニングd(爆発音)

    72
    • gepard
    • 2024年 4月 05日

    えぇ…(困惑)

    2011年に3隻就役したデンマーク海軍虎の子の最新鋭フリゲートがイーヴァル・ヒュイトフェルト級ですが、1番艦「イーヴァル・ヒュイトフェルト」はフーシ派のドローン相手に恥を晒し、3番艦「ニルス・ユール」は停泊中にハープーンが暴発しそうになってバルト海運に大迷惑をかけるとは。

    姉妹艦の無様さに2番艦は泣いていますねクォレワ…

    26
      • 匿名希望係
      • 2024年 4月 05日

      二番艦もなんかありそう

      25
    • あああ
    • 2024年 4月 05日

    これはウクライナ侵略に対するNATOの制裁としてのバルト海の封鎖ですね間違いない
    プーチンよ震えて眠れ

    30
      • jimama
      • 2024年 4月 05日

      ポーランド、リトアニア、エストニア、ラトヴィア、フィンランド、スウェーデン
      「「「「「「ワシらも」」」」」」
      「「「「「「出られんやろがい!」!」#」!」!」!」
      ドイツ
      「あ、うちはお構いなく」

      29
        • 58式素人
        • 2024年 4月 05日

        キール運河がありますものね。
        閘門式国際運河で誰でも通行可能(ロシアも・・?)。
        ちょっと見てみたら、通行無料、通航可能な船は、
        全長235m、全幅32.5m、水面より上の高さが40m、
        喫水9.5m未満とのこと。
        バカでかいフネでなければ通れますね。

        6
    • 野良猫
    • 2024年 4月 05日

    映画か何かみたいな話ですね
    こんなのが現実に起きるとは…

    8
      • elmoelmo
      • 2024年 4月 05日

      アニメですら非現実的すぎると叩かれそうな話ですね。

      2
    • nabe
    • 2024年 4月 05日

    いやいや、これはわざとに違いない。海峡峡鎖の訓練、情報戦でどれだけ封鎖できるか試しているのさ。で、実際にロシア艦が近くにきたら誤射が起きる、と。

    6
      • 台湾大好き
      • 2024年 4月 05日

      一発だけなら誤射かもしれないですしね。。。

      5
      • A
      • 2024年 4月 05日

      本邦でもやってみるとおもしろいかもね。

    • もへもへ
    • 2024年 4月 05日

    なるほど、バカ正直に封鎖すると反発がとんでもないから事故を装って封鎖すればいくらか反発は免れると。

    これからは”うっかり”機雷を投下してしまったり対艦ミサイルをアクティブ化してしまったりが流行りそうですね。

    ※半分冗談ですが。

    13
      • ak
      • 2024年 4月 05日

      コレは全て不幸な事故だったんだ、イイネ。(´、つ`)
      アッ、ハイ (( ;゚Д゚))ブルブル
      ソウだ、我々の行為はすべてイデオロギー的に正しいのだよ (* ̄ー ̄)

      こうですね、わかります。

      4
      • k.ziro
      • 2024年 4月 05日

      ヒューマンエラーと言っておけ

      2
    • 成層圏
    • 2024年 4月 05日

    これらがの不具合がコンステレーション級の遅れの真の原因だったりして。。

    2
    • 名無し三等兵
    • 2024年 4月 05日

    あちこち次から次へと、なんかもう中国だけが着々と順調に軍備拡張進めている様な錯覚を覚える
    あっちは問題があっても表に出さないだけだろうって思いたいが、つい不安になる

    9
      • kitty
      • 2024年 4月 05日

      実際には中国も大きな失敗はしているのでしょう。ロケットで村一つ吹き飛ばすような。
      だけど、以前のエントリでも指摘されていましたが、それをちゃんと糧に失敗を恐れず開発を進める勢いが違う。
      「デジタルエンジニアリング」なんて鼻で笑っているのでしょうね。

      11
    • モラ
    • 2024年 4月 05日

    なんかこういうのみたことあって…あれだ
    マクロスのブービートラップ
    デンマーク海軍はSDF-1を建造していた…?

    1
    • hiroさん
    • 2024年 4月 05日

    完全に素人考えだけど、当該回路もしくは全艦の電源OFFでは駄目なのだろうか?
    電源再投入すると、とんでも無い障害が発生するとか?

    2
    • 無無
    • 2024年 4月 06日

    長いこと戦争が無いと軍はグダグダになるね、それを肯定していいのやら悪いのやら

    2
    • たら
    • 2024年 4月 06日

    こうやって公開できる組織なのは良いことですね。某会社のように2ヶ月もだんまりでは困ります。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  3. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
PAGE TOP