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トルコ、UAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズに滑空爆弾「MAM-T」を追加

トルコは交戦距離を拡張してきたロシア製近距離防空システムに対抗するため開発中の新兵器「MAM-T」のテストを実施、現地メディアが「所定の目標に命中した」と報じて注目を集めている。

参考:Turkey’s Akıncı UCAV hits targets with latest Roketsan munitions

新型UAV「バイラクタルAkıncı」と「MAM-T」の組み合わせは再びロシアを悩ませることになるだろうか?

有人プラットホームが使用するレーザー誘導爆弾「ペイブウェイ」や対戦車ミサイル「ヘルファイア」を利用可能な米国製無人航空機(MQ-1やMQ-9など)は専用兵器を必要としないため兵站面の管理がシンプルな反面、戦闘機や攻撃ヘリに搭載する前提で設計された弾薬や重量はかさばるため運搬する無人機も比較的大型で調達コストも高価になりがちだ。

これに対して無人航空機開発で後発のトルコはUAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズを開発することで武装可能なUAVの小型化と低コスト化を実現、この戦略があたったことで海外市場におけるトルコ製UAVの人気には非常に高いのだが、トルコは最大の特徴だったサイズを犠牲にしてまで到達範囲を拡張したMAM-Tのテストに成功して注目を集めている。

トルコが開発したUAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズは非常に小型でレーザー誘導式のMAM-C(最大到達範囲8km)は6.5kgしかなく、GPSと慣性航法を追加したMAM-L(最大到達範囲14km)でも22kg(ヘルファイアの半分以下)しかないのでMQ-9よりも小型なUAVに複数搭載することができる。

さらに威力の方も数千メートルの高度から使用することで戦闘車両の装甲を貫通もしくは戦闘継続が不可能になるほどの損傷を与えることが出来ると主張しており、これは数々の実戦を通じて証明されているので虚言ではない。

問題はロシアが対UAV対策として近距離防空システム「パーンツィリS1」の交戦距離を15kmから40kmへと拡張したパーンツィリSMの配備を進めている点で、輸出バージョンのパーンツィリS1Mも間もなく用意が整うため最大到達範囲14kmのMAM-Lだけでは近接航空支援を行うUAVの損耗リスクは高くなってしまう。

しかし開発を進めている最新型「MAM-T」は小型の主翼を備えたレーザー誘導式(GPSと慣性航法にも対応)の滑空爆弾で、最大到達範囲も30km~80kmと格段に延長されているためパーンツィリSM/S1Mの交戦距離に飛び込む必要がない。

ただMAMシリーズの特徴だったサイズ(全長1.4m)や重量(94kg)が犠牲になっており、海外市場で人気の高いバイラクタルTB2に搭載できても1発が限界(機体中央にパイロンを新設する必要がある)で、どちらかと言うと年内に量産機の引き渡しが始まる新型UAV「バイラクタルAkıncı(テストに使用された機体も同機)」など大型UAV向けの兵器だ。

果たしてトルコ軍が最も期待している新型UAV「バイラクタルAkıncı」と到達範囲を拡張した「MAM-T」の組み合わせは再びロシアを悩ませることになるだろうか?

関連記事:サウジアラビア、武装可能なトルコ製無人航空機「Karayel-SU」のライセンス生産を開始

 

※アイキャッチ画像の出典:Baykar Technologies

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    > 再びロシアを悩ませることになるだろうか?
    別にこれ自体はロシアは悩まないんじゃ?
    ロシアなら多重多層の防空網を敷けるんだから

    これで悩むのは近接防空システムを配備するのがやっとの中小国で、ロシアとしては売り先への評判って意味でなら困るという程度じゃないっすかね

    5
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      直近ではバイラクタルはウクライナに提供されてるし。シリアにおいてもトルコが民兵支援してる関係で、バイラクタルと交戦するかも。さらに、アルメニアも再度交戦があるかも。

      管理人さんは、今回は考えて無いだろうけど、長い目で見ると、ロシアはトルコ海峡を狙ってるしね。

      3
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      迎撃出来てもコスパが合わないって意味

      2
        • 匿名
        • 2021年 4月 27日

        バイラクタルTB2クラスのUCAVだと流石にミサイルの方が安い気が
        システム一式で一機あたり5億ってことは本体だけで数億だろうけど、クソ高いと評判のAMRAAMですら1億前後だし

        ハーピー2もそうだけど、ナゴルノ=カラバフで活躍したドローンって言うほど安くはないよね
        あくまでも有人機と比べたらお値段としては安いってだけで

        10
          • 匿名
          • 2021年 4月 27日

          1機の導入コスト(機体単価じゃないよ)が約270億円のMQ-9に比べれば断然お安い

          8
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      > ロシア製近距離防空システムに対抗するため

      という観点の記事なんだから、まさしく「ロシアとして売り先への評判って意味で困る」かどうかでしょ。
      ロシア軍とはどこにも書いてないし。

      7
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    爆弾自体は85kg程度?外れるの前提で、破片でアンテナ壊れればいいという感じかな。
    直撃した場合、車両は跡形もないどころかクレーターができそうだな。(映像だとしょぼいけど)

      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      レーザー誘導だからその辺はほぼ直撃前提じゃないかな
      非装甲目標なら十数メートル以内はアウトで、直撃したらMBTでも上面とか背面なら撃破確実とか
      多分そんな感じ

      8
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      MAM-Lだとタンデム弾頭仕様の様なので、対戦車ミサイルと同じく直撃狙いでしょ
      MAM-Tの場合は通常の爆風破片弾頭のみの様だが、流石に弾頭重量が重量なので直撃ならば小細工無しでも戦車を撃破出来るという事だろうか
      小細工していない分、炸薬も多くて建造物などにも効果的だろう。MAM-Lだと、建造物に隠れた対空車両の撃破に何発も撃ち込んでいて、建造物相手には不得意な様子だったし

      4
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    トルコとロシアの関係って本当に不思議だね、右手で握手、左手でどつきあいって体で

    3
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      日本の在り方の方が世界的に見て奇形的だと思った方が世界情勢理解しやすいのでは、と思ってるわ

      14
        • 匿名
        • 2021年 4月 27日

        ロシアもトルコもお互いの国だけに目を向けてると第三者から横殴りされたり共闘されたりするので、その辺りも考慮してるんじゃない?
        日本の場合、周辺国がなぁ
        中国はロシアの様に周辺国の事があるから日本だけに力が注げないのでまだロシア・トルコ的な感じにもなるけど、韓国は対日しか考えてない感じだから強行一辺倒なんだよなぁ。都合が悪くなったら泣きついてるから更に始末が悪い感じ

        18
          • 匿名
          • 2021年 4月 28日

          韓国も、本来なら北や西に仮想敵がいるのに、不思議な感性の国だよね。

          3
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    外貨が欲しいのは分かるけど
    あんまり大国の利権や面子を潰しにいくのは大丈夫かいな

    1
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      むしろ有料アップグレードで飯のタネが増えたと喜んでるかもしれん
      ウイルスはアンチウィルスソフトの会社が作ってるというジョークがあるしな

      6
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    このニュースでトルコ政府よりウクライナ政府のほうがウキウキしてそう

    2
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    先駆者の強みと言うか、既存の兵器システムが外交問題で使いにくくなってるから独自のシステムを構築してもあまり痛手を受けないのがかえって強みになってる感じもする

    4
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    世の常で、ここでもまた矛と盾の恐竜的進化が始まりましたね。大型で比較的高級のUVAと、長射程の野戦防空システムの競争になると
    この辺が、有人戦闘機を十分に揃えられないミドルロー級国家の標準になるのでしょうかね?
    アメリカは、この辺りの痒い所に手が届くような装備を開発保有していませんので、また影響力が低下しそうですな

    2
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      持ってないというか、維持してないんだよ。
      小型UAVハンターとUAV用誘導爆弾とかあったけど。いかんせん、UAVは墜落するんで攻撃機はリーパーサイズしか残ってない。小型、中型UAVは、偵察機としてしか残ってない。

      自衛隊も制式化されてるのに、知られてない偵察UAVを前から運用してるし。こっちも演習地以外で墜落したらってのが問題なのかもね。

      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      そういや、バイデンがアルメニア人虐殺を認定して、エルドアンがアメリカにマジギレ中だな。

      1
        • 匿名
        • 2021年 4月 27日

        あれは事実だよ、否定してるのはトルコ本人くらいだから。
        まあ前後の経緯があるからトルコが一方的に悪いとは言わんけど、
        ジェノサイドやらかしたのはいきすぎと思うよ

        5
    • A
    • 2021年 4月 27日

    UAVって小型でレーダーに引っ掛かりにくいってのが売りかと思ったけれどどんどん大型化してるよね。
    これじゃレーダーに捕捉されちゃうんじゃない?
    もちろん無人なのも大きな利点だけれど。

    1
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      先進国ならば、ローターやプロペラにファンといった回転物を検出するレーダーくらい作れるというか、ヘリコプターにUVA全盛期の現在だと作らざるをえないので、それらが露出した機体は全く対レーダーステルスでは有りませんよ
      バイラクタルTB2やバイラクタルAkıncıの場合、主にヘリコプター相手の短射程防空システムをアウトレンジする機体となります。対レーダーステルスが備わっていたり、低空飛行でレーダーを回避する様な機体では無いです(特に誘導爆弾・滑空爆弾を使用する場合)
      戦闘機や長射程防空システムの無い国相手で有れば、これらの中~高高度UVAは十二分に有効に使えますが、そうでない国相手だと消耗前提の運用になるでしょう

      5
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      いやいや、別にどんどん大型化してるわけじゃないっすよ。
      主要国は小型、中型大型とそれぞれ別個に開発してるだけで。

      2
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      用途というか、役割が違うんでしょ。
      ハーピーのような小型のステルスUAVもいれば、
      バイラクタルのように、ある程度制空権を確保してから投入する大型機も開発してると。

      実際、カラバフ紛争でも使い分けられてたし。

      3
      • 匿名
      • 2021年 4月 27日

      元々巡航ミサイルみたいな正面から見たらクソ小さいのを検知して迎撃だってするんだから、それに比べたらこの辺のローエンドUAVの検知は余裕よ
      低RCSを狙うなら、結局は形状・素材にお金かけないとあかん

      4
        • 匿名
        • 2021年 4月 28日

        ローエンドUAV??
        中型大型UAVではなく?
        巡航ミサイルみたいに正面から見たらクソ小さい?
        何から何までトンチンカンな物言いだな

          • 匿名
          • 2021年 4月 28日

          で、でたーwww更に反論されるのが怖くて具体的な反論を一切出来奴wwww

          4
      • A
      • 2021年 4月 27日

      皆さん
      いろいろと教えていただきありがとうございます。
      大変勉強になりました。

      • 匿名
      • 2021年 4月 28日

      最後で、仰ってる通り、無人機の利点は無人な事、ですからね。
      小型・軽量・安価、辺りは手軽で確実な分、実例が多く目につくだけで
      大型機であっても有人では困難or高コストな長時間任務が可能、
      与圧をはじめとする生命維持が不要、降着装置の簡易化(テイルシッター等)や必ずしも帰還を前提としない片道切符運用が可能、等
      利点は数多くあります。

      2
    • 匿名
    • 2021年 4月 27日

    >新型UAV「バイラクタルAkıncı」

    Karayel (カライエル:トルコ史上生涯無敗の最強馬)とかAkıncı(アキンジ:騎兵)とか、トルコの無人機開発チームはかなりのお馬好さん好きやな

    1
      • 匿名
      • 2021年 4月 28日

      騎馬民族の末裔っていう流れかな?
      トルコの兵器には全く詳しくないから知らんけど

      • 匿名
      • 2021年 4月 28日

      つまりこれを日本が導入すると擬人化されて・・・

    • 匿名
    • 2021年 4月 28日

    トルキスタンは騎馬民族の血が濃いんだよ
    日本人が言語的にお魚にこだわるように

    • 匿名
    • 2021年 4月 28日

    一つのマイルストーンと言っていい成功
    様々なセンサとシステム統合で既存のミサイルの能力が大幅に向上
    リンク

    • 匿名
    • 2021年 4月 28日

    先週プラウダ電子版が、ロシアの自爆型ドローン’ランセット’は、バイラクタルTB2
    を撃破できるぞ、というネット記事を上げていた。時期的に、ロシア・ウクライナ紛争の
    緊張が高まり始めるタイミングだったので、ウクライナへの牽制だったのかもしれない。
    リンク (英語)

    ランセットについては、TUBEに紹介ビデオがあったので参考まで。
    リンク (英語字幕あり)

    1
    • 匿名
    • 2021年 4月 28日

    軍用無人機についてはトルコも先見の明ある国の一つだと認めざる得ない
    かつての彼らの帝国は軍事技術の停滞で西洋諸国に滅ぼされたが執念じみたものを感じるよ

    1
    • 匿名
    • 2021年 4月 28日

    ロシアあたりだと半球状の面をカバーするAPSとか作らないのかね。位置エネルギーがどんなにあろうがAPFSDS以上の速度と威力なんて難しいから地上や空からの攻撃は撃破できそうだけど。誘導用レーダーやレーザー探知したらAPS稼働準備させて対応とかで、対空レンジ広げるより楽だと思う。

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