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日本政府がインドネシアに護衛艦の輸出を計画、競合は仏ゴーウインド級?

時事通信は4日、日本政府がインドネシアに護衛艦の輸出を計画していると報じており、現在両国政府間で輸出に関する調整が進められているらしい。

参考:政府、護衛艦の輸出計画 インドネシアに、中国けん制も

果たして日本政府はインドネシアに何を輸出するつもりなのか?本当に護衛艦を輸出するのか?

ただ「護衛艦の輸出」としか報じていないため何を輸出するのかは現時点では不明だが、護衛艦と表現されているのでフィリピンやベトナムに輸出実績のある巡視船ベースの沿岸警備隊向け艦艇ではないのだろう。

果たして日本はインドネシアに何を輸出するのか?

インドネシア海軍の状況やプラボウォ・スビアント国防大臣の動向から推測すると、恐らく日本はファタヒラー級コルベット(1,450トン)の更新需要を狙っている可能性が高いと管理人は思っている。

出典:Public Domain ファタヒラー級フリゲート

インドネシア海軍が保有する水上艦艇はフリゲート艦8隻、コルベット艦10隻、小型の対潜艦艇14隻、ミサイル艇16隻で構成されており、他にも警備艇、掃海艦、揚陸艦、病院船などの支援艦艇を保有しているが、大半の艦艇が老朽化しているため更新需要が無数に存在する。

現在、インドネシア海軍はオランダが設計したマルタディナタ級フリゲート(2,300トン)を国内で建造中で最終的に6隻調達(2隻就役済み)する予定だが、今年2月にパリを訪問したプラボウォ・スビアント国防大臣がフランス製のゴーウインド級コルベット調達に関心があると発言していたため、艦齢40年以上のファタヒラー級コルベット(1,450トン)3隻の更新を検討している可能性が高い。

ではファタヒラー級コルベット(1,450トン)3隻の更新需要が発生していると仮定した場合、日本に勝機があるのかについて検証していく。

出典:AHMED XIV / CC BY-SA 3.0 ゴーウインド級2500

Naval Group製のゴーウインド級は1000(巡視艇)、2,500(コルベット)、3100(フリゲート)の3種類がラインナップされており、インドネシアが関心を示しているゴーウインド2500は基準排水量2,700トン、速力28ノット(巡航速度15ノットで6,900km移動可能)、主砲に76mm砲もしくは57mm砲を選択可能でフランス製のVLSを8~16セル、対艦ミサイル「エグゾセ」発射基を4発から8発、3連魚雷発射装置、ヘリコプター発艦のための飛行甲板を備えており有人ヘリや無人ヘリコプターを運用することが出来る。

一方の日本には海自が調達中の中に2,700トンクラスの護衛艦が存在しないため、代わりに何を提案するかだ。

インドネシアが関心を示しているゴーウインド2500のスペックは3900トン型護衛艦(FFM)を小型化して武装や速度を省略したものに近いが、わざわざインドネシア向けにFFMを再設計すればコストが上昇するためFFMをそのまま提案するしか手がない。

出典:防衛装備庁 / CC BY 4.0 3900トン型護衛艦(FFM)

そうなるとコスト面でゴーウインド2500と勝負になるのだろうか?

ゴーウインド級2500の導入費用はUAEへ輸出した際の契約を参考にすると1隻あたり3億7,500万ユーロ(460億円)で、一方のFFM建造費用は1隻約470億円だ。これだけ見るといい勝負に見えるがFFMの建造費には後日装備のVLSが含まれておらず、輸出に必要な関連費用や弾薬類の調達コストも含まれていないためゴーウインド級2500よりも高価になるのは間違いない。

勿論、FFMの方がゴーウインド級2500よりも大型艦で余裕がある設計と判断されれば日本の護衛艦輸出も夢では無いが、幾つか乗り越えないといけない部分もある。

FFMに搭載されている米国製のMk.45 5インチ砲、Mk.41VLS、SeaRAM、英国製のガスタービンエンジン「MT30」、ドイツ製のディーゼルエンジン「12V28/33D STC」の輸出許可が降りるのかという点と、仏タレス製の戦闘管理システム、通信システム、戦術データリンクを導入しているインドネシア海軍にあわせてFFMのシステムをローカライズできるのか、仮に船体は日本建造でも武装やシステムはタレス製を使用したと言われた時に輸出経験のない日本に対応出来るのかという点だ。

決して日本に出来ないと言う訳ではないが何分初めての経験なので相当苦労することになるだろうが、ここは貴重な経験を得られると思って果敢にチャレンジするしかない。

と書いてみたものの、あまりにも情報が少なすぎるので実際には掃海艇を輸出するというオチで終わるかもしれない、、、

 

※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 あさひ型護衛艦

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コメント

    • スビアント国防大臣
    • 2020年 11月 05日

    インドネシアは戦略的に重要かもしれないけど、高速鉄道、次期戦闘機、潜水艦事業のゴタゴタを見てると著しく不安になる…
    万一受注できても、支払いが何度も滞った挙句に金はないからパーム油で払いますとか言われそう。

    62
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    これに期待してる業界の人とかいたら申し訳ないけど、全力で日本に負けて欲しい
    インドネシアなんかに関わってもろくな事無いだろ・・・

    52
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    例の鉄道の件で日本に不義理を働いた埋め合わせのつもりかね?
    インドネシア側でも流石に色々言われてるらしいし

    9
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      掃海艇輸出でもいい実績だと思うのでチャレンジする価値はあると思います。

      22
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    面白い話だけど
    事実ならチャイナぶち切れ案件だから実現性ゼロだよね

    2
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      チャイナを怒らせてこそ意味がある
      君はどっちを向いてるの?

      14
        • 匿名
        • 2020年 11月 05日

        今のインドネシアが中共に逆らえる訳ないじゃん・・・・・

        4
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      これも外交です。外交の神髄は、相手の嫌がることをする、です。

      9
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    日本の護衛艦の中古を装備だけ更新して売りますというのはダメ?

    5
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      買い手からすれば、護衛艦のハイスペックは不要でしょう。
      しかも、運用年数を考えると、中古より新造を欲しがるのではないかと。

      12
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      とってもナイスなご提案
      インドネシアでは日本の中古船舶が多数活躍してるから、印象は良いはず

      4
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    ダメもとチャレンジ
    失敗してでも経験つまないと、いつまでも輸出とか前に進まないから

    6
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      経験値稼ぎの相手にインドネシアは最悪だと思いますけどね。

      13
        • 匿名
        • 2020年 11月 05日

        ウソつき相手を前提にでも売りつける気概が無くてどうするよ
        バカ正直な日本人はそろそろ一皮むけないとどうもならんよ

        14
          • 匿名
          • 2020年 11月 05日

          問題なのは、嘘つきだからじゃない。
          インドネシアは隣の国よりもやりにくいんだ。
          理由は、担当する人物のバックに居るのが連中がその時々で違いすぎるんだ。
          派閥や民族、出身諸島があまりにも多すぎて今の対応が次の時もそのままと限らないというか、大抵違うっていう。
          つまり対応に一貫性が無い。
          隣の国の様に政権が代わったら対応が代わる、よりひどい。
          いわば支離滅裂な輩だから、経験を積むとかそういうのより前に選定相手として不適と言う。

          7
            • 匿名
            • 2020年 11月 05日

            隣よりやりにくい相手がいるはずないよ

              • 匿名
              • 2020年 11月 05日

              やりにくい方向性が違うんだなぁ

              6
                • 匿名
                • 2020年 11月 06日

                でも他の国はちゃっかり取引してるし。
                なんで日本人は異文化に馴染めないのかのほうが問題だろ
                いいわけ並べるのが変

                  • 匿名
                  • 2020年 11月 11日

                  他の国の場合、インドネシア側が指定する事がほとんどだ。
                  競争入札のような色々な条件を詰めるプランだと大抵もめているぞ?
                  破棄された例も少なくない。
                  あの国の官庁系とのビジネスは、軍事に限らず民間製品でも、インドネシア側が決め打ちして短期間で決まている場合でもないと早々成立しないんだよ。

                  1
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    FFMじゃなくて三菱が構想してるFFMグループのOPVあたりになるかもしれない

    11
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    日本のやつはスッポンが気になる

    あのままで行くのだろうか

    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    インドネシアよりはベトナムフィリピン重視したほうがいいんじゃないかなあどの道儲かるほどの取引にはならんだろ

    4
    • oominoomi
    • 2020年 11月 05日

    三菱重工が「DSEI JAPAN 2019」で展示していた「FAMILY OF FMF」はどうでしょうか?
    これは満載排水量5500~6000tのFMF(30FFMにそっくり)を基本型とし、艦体を延長または短縮するだけでDDGからOPVまでを開発する、というコンセプトです。
    これならインドネシアの希望するコルベットサイズにも、柔軟に対応できそうです。

    13
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    こうやって殺傷能力を持つ武器の輸出に公然と乗り出したぞ。タカ派どもの正体表したり
    平和憲法のもと武器輸出入禁止原則がずっと守られていたのに平気でそれを壊したのがアベ政権。
    まあ、インドネシアは日本に侵略された記憶が残っているから日本製武器を買うような真似は絶対にしないだろう。

      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      近頃は押されぎみで焦ってるね(笑)
      言論の自由ある民主制国家で良かったな
      笑いを提供してくれ

      22
      • 魅上
      • 2020年 11月 05日

      削除!削除!削除!削除ぉー!

      6
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      よくもまあ毎回そんな気持ち悪い文章が思いつくなぁと思うこの頃
      感心はしないけど

      15
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      対中共で結束した日印米豪4カ国の海軍による共同演習”マラバール2020”が11/3にベンガル湾で始まりました。
      米インド太平洋司令部は、並々ならぬ覚悟で臨んでいるようです。ASEANは、この動きにどう対応するでしょうね。
      (参考:リンク)

      10
      • 匿名
      • 2020年 11月 05日

      残念ながら、文章が読み難いので後で読みましたが、読んだ後でも何を伝えたいのかさっぱりでした。
      誰の視点で何を訴えたいのかを整理してから書いてください。

      6
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    インドネシアかぁ・・・

    1
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    時事だし、インドネシアだし fakeじゃね?

    2
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    たった三隻ならそこまで頑張るかね。

    2
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    新型哨戒艦が1900tだよね。中期計画にはあるけど、まだ手付かずで確か12隻建造予定。
    これに対艦ミサイル載せて、売れば、量産効果で本邦も単価が下がっていいのでは。
    (ついでにベトナムにも)
    この程度の装備だと、外に出しても安心。FFMはまだ輸出は早いよ。
    ちなみにVLS載せると、レーダーや誘導などにもコストがかかるけど、インドネシアの望む単価でできるの?

    5
    • 2020年 11月 05日

    最初に!日本は売る気あるの?潜水艦、対潜哨戒機、救難飛行艇、今のところ全てでボツ。
    本当に素で民間企業の営業マンの立場からみたら呑気な営業活動にしか見えない。法律の縛りも多少緩くなったのだから、もう開発段階から自衛隊用とダウングレードの輸出用計画してオプションも柔軟に対応できるカタログ作って世界中走り回らないと受注なんて出来ない。
    極端だけど発展途上国にイージス艦を勧めても買わない、買えない、海に浮いて動いてくれる船がほしいとか。でも今の日本のセールスは空気が読めない、開店休業の店にプラモデルの船や飛行機を並べてるだけ。
    世界の兵器会社は人殺してナンボの死の商人だから、日本は無理かな。

    3
    • 匿名
    • 2020年 11月 05日

    他の方もコメントされていますが、この案件はできれば他国に譲りたいです。
    もしくは、最先端の技術の投入を抑えた価格優先の艦艇であれば将来的にありだと思います。他の優先とされる艦艇の建造がありますので今急いでする必要無しと思います。

    理由はオーストラリアとの戦略的な関係を醸成するためです。

    6
      • 匿名
      • 2020年 11月 06日

      オーストラリアがいつ中国重視に乗り換えるか知れたもんじゃない、選挙次第でガラリと変わるだろ、人口の何%が華僑だか考えな
      しかもオーストラリアと中国の間に領土紛争は無いから、こっちが尖閣で揉めても絶対に軍支援はしてこないよ、他人事
      単なるお友達以上にはなれないから

      4
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