イスラエル防衛産業にとってフィリピンは有望な輸出先だったのだが、DSEI JAPAN期間中にイスラエル企業関係者は「フィリピンの冷淡さを目撃した」「フィリピン関係者は日本の防衛装備品に興味を持っているように見えた」と述べ、両国の関係悪化を認識した競合企業も動きだしているらしい。
参考:Israeli defense firms lament a chill from erstwhile client Philippines
日本に目を向けていること自体はポジティブなニュースだが、フィリピンが日本に何を求めているのかは不明だ
イスラエル防衛産業界は国内需要と海外からの受注増で記録的な売上増と受注残高を叩き出しているが、これまで良好だったフィリピンからの受注が途絶えてしまい、DSEI JAPAN期間中に関係者らも「フィリピンの冷淡さを目の当たりにした」と明かした。
ドゥテルテ政権はイスラエルから防空システム、軽戦車、哨戒艇、無人機などを購入し、ストックホルム国際平和研究所のデータによればフィリピンの装備品調達先の上位3ヶ国(米国、インド、イスラエル)に食い込んでいるものの、フィリピンはイスラエルと距離を置き始めており、一部の政府関係者は「イスラエル政府が南シナ海におけるフィリピンの主権や立場を支持する素振りを見せない」と怒っており、防衛産業界の関係者は「イスラエル国防省が海外の顧客を犠牲にして自国納品を優先したことにも原因がある」と述べている。
Defense Newsの取材に応じた匿名の関係者は「フィリピンとイスラエルの関係悪化を競合企業は認識している」「これに対応するため競合企業は動き出している」と、イスラエル企業関係者も「DSEI JAPANを訪れたフィリピン関係者は日本の防衛装備品に興味を持っているように見えた」と語り、イスラエル外務省は「この問題を認識している」「対応について当局や防衛産業界と協議中」と述べ、南シナ海の領有権に関するイスラエルの立場や主張が原因ではないと付け加えた。
5月21日〜23日、 #空自 は #DSEI Japan 2025に参加し、ブース展示、 #小笠原空幕副長 とタイ空軍司令官🇹🇭・フィリピン空軍副司令官🇵🇭との2者会談、宇宙作戦群司令によるカンファレンスへの登壇等を行いました。今後も諸外国との防衛装備・技術協力を推進し、地域の平和と安定に寄与してまいります。 https://t.co/zJOqhpGBul pic.twitter.com/MpoyVAEBYO
— 防衛省 航空自衛隊 (@JASDF_PAO) May 27, 2025
何らかの理由でフィリピンの装備品調達に空白が生じ、これをカバーするため日本に目を向けていること自体はポジティブなニュースだが、フィリピンが日本に何を求めているのかは不明だ。
関連記事:イスラエルメディア、国にとって防衛産業の自立は贅沢品ではなく保険
関連記事:日本国内でのAMVXP生産は9月に開始、NEMO迫撃砲システムも協議中
関連記事:三菱重工業、T-4後継機のコンセプトを近日中に防衛省へ提案
関連記事:F-15J改修機はシステム統合作業中、Boeingも三菱も納期について口を閉ざす
※アイキャッチ画像の出典:防衛装備庁
イスラエル=中国は、安全保障面で深い関係が続いてきたため、妥当な判断でしょうね。
西側諸国という括りは、中国=欧州、中国=イスラエルの関係性では当てはまらないなと。
日本は、日本=フィリピンの関係強化をすすめているわけですが、シーレーンの観点からもWin=Winですから上手に進めて欲しいですね。
フィリピンは華僑の持つ経済力が極めて強大と言われており、本当か分かりませんが『9割!』なんて話しも見かけるので少し気になるところではあります。