軍事的報道

インド空軍、中国の戦闘機「JF-17 Block3」に対して仏製戦闘機「ラファール」は優位性を失う

インド空軍は戦闘機ラファール導入によって得られる優位性は、宿敵であるパキスタンが大幅に性能が強化された戦闘機JF-17 Block3(能力向上型)や同機が装備する空対空ミサイル「PL-15」を調達することによって失われる可能性を指摘するなど危機感を滲ませた。

参考:India v Pakistan: India’s top military jet to be ‘outgunned’ by Pakistani fighter aircraft

中国のJF-17 Block3とPL-15の組み合わせはラファールとミーティアを上回る?

現在、インドはフランスから第4.5世代戦闘機ラファールを36機導入中で、同国が装備する戦闘機の中で最も優れている戦闘機だとインド空軍も認めているが、同時に戦闘機ラファールの導入でインド空軍が得られた技術的優位性はラファールに搭載されたセンサー(RBE2)と武器システム(空対空ミサイルミーティア)だけだとも明らかにし、パキスタンに対する優位性は一時的なものになるだろうと見解を示した。

出典:public domain ラファールB

パキスタンは中国と共同開発した戦闘機JF-17のアップグレードバージョン「Block3」の開発を進めており、今年1月、JF-17 Block3の初飛行に成功したと中国メディアが報じた。

同機のBlock3開発には、中国の第5世代ステルス戦闘機「J-20」に用いられた技術が多数流用されており、西側の第4.5世代機と同等もしくはそれ以上の性能を示す可能性がある。

これまで判明しているJF-17 Block3の仕様は、J-20に採用されたものよりも大きな「ホログラフィック広角ヘッドアップディスプレイ」や大型コックピットディスプレイを搭載し、J-10やJ-16に搭載している赤外線捜索追尾システム(IRST)やミサイル警報装置、新しく開発されたAESA式レーダーやエンジンを採用、さらに機体の設計や素材を見直したことでレーダー反射断面積を小さくすることに成功したことで開発企業の成都飛機工業(集団)公司は同機のことを「疑似ステルス機」だと呼んでいる。

補足:因みBlock3の価格は3,200万ドル(約34億円)程度と言われており西側の第4.5世代機(単発機)と比べて価格が非常に安い。

出典:Eric Salard / CC BY-SA 2.0 パリ2015航空ショーでのJF-17

要するにインド空軍は、パキスタンが遅かれ早かれ導入することになる戦闘機「JF-17 Block3」の機体性能を「ラファールと同等もしくはそれ以上」だと判断していて、米空軍が問題視している中国製空対空ミサイル「PL-15」や最近一部の部隊で配備が始まった「PL-21」などを装備すれば、ラファールとミーティアの組み合わせによる優位性が崩れると見ているのだ。

PL-15はAIM-120に近いサイズだが、推進用固体燃料を加速用と巡航用に分けることで推進エネルギーを効率化し、旧型PL-12に比べて安定翼の小型や素材の軽量化によって射程距離を大幅に延長することに成功した中国独自の視界外戦闘用の空対空ミサイルで、射程距離は最低でも150km以上あると言われており、射程を180km~200kmと推定する情報源も複数ある。

さらにPL-15のシーカーは日本のAAM-4Bと同じアクティブ・フェイズド・アレイ方式で、旧型のPL-12に比べシーカーの探知距離は5倍、回避不能ゾーンは3倍以上と言われて、AIM-120Dのように発射後も母機や早期警戒機など他のプラットフォームから供給される情報を元に標的情報を常時更新することも可能で、PL-15が2015年に初めて姿を見せた際、米太平洋空軍司令官のハーバート・カーライル大将は「非常に危険な兵器」だと懸念を表明した。

出典: ILA-boy / CC BY-SA 3.0 MBDA社が開発したミーティア

現時点で、PL-15に対抗できる西側の空対空ミサイルはミーティアしかないが、そのミーティアでさえPL-15に対して明確な優位性があるのかは疑問視されているが、問題は中国がPL-15を超えると言われるPL-21を一部の部隊に配備し始めたことだ。

PL-21については不明な点だらけだが、少なくともミーティアと同じラムジェットを採用して最高速度はマッハ5.0に達するらしい。しかも射程距離はPL-15よりも長く250km~300km程度はあると予想されており、この様なミサイルがパキスタンに輸出されJF-17 Block3に統合されれば、もはやインド空軍にとってはお手上げ状態だ。

そのためインド空軍は「もし政治家達に軍事的先見性があれば、今ごろ戦闘機SU-30MKIがロシア製長距離空対空ミサイルを装備していたかもしれない」と語り、約80億ドルもの費用をかけた進行中のラファール導入を暗に批判した。

 

※アイキャッチ画像の出典:Shimin Gu / CC BY-SA 4.0 パキスタン空軍のJF-17

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    近年人民解放軍の誘導弾や魚雷の進歩は著しいですからね
    自衛隊も保有誘導弾と魚雷の単純なスペックでは負けているので他人事では無いです

    1
    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    JF-17 Block3の搭載するレーダー、幾らAESAでも大きさ自体の問題(JF-17はMiG-21がベースなので、同世代の機体だとグリペンとほぼ同じ機体規模)を考えると、PL-15/21の射程距離を充分生かせるのか疑問があるのだけど、どうなんだろうね?

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    JF-17は見る角度によってF16に似てますね。
    (エアインテークは別)
    しかし性能は…。
    実際の戦闘は早期警戒機等も含めた能力で決まりますからなんとも言えないのではないのではないでしょうか。

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    高性能なミサイル「主役は俺様 俺を搭載できるのが一番偉い」

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    インド軍は、先ずそのインド時空を何とかしないと、何事も手遅れになるのではないかと

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    所詮旧型機のマイナーチェンジで性能もほどほどだけど、ステルス機を相手にするわけじゃないし、安くて数をそろえやすいのは強みだわ。

    1
      • 匿名
      • 2020年 3月 04日

      (* ̄∇ ̄*)笑
      宇宙刑事ものの「○○時空に引きずり込めー」ってのが脳内再生されましたわー

    • 匿名
    • 2020年 3月 03日

    インドはまあなあ…
    軍がまともなプロジェクト立ててたとしても、政治家サイドが変なプランぶち上げて
    それをゴリ押しするせいで調達計画自体が滅茶苦茶になるってパターンが
    特に多い国って印象が…

    • 匿名
    • 2020年 3月 04日

    それじゃ、値下げしますよと言わないあたり、フランスらしい。

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