ロシア関連

ロシア、年内引渡し予定の第5世代戦闘機「SU-57」量産初号機が墜落か?

ロシアの第5世代戦闘機SU-57がテスト飛行中に墜落したが、パイロットは無事脱出し救助されたとロシア国営放送「イタルタス通信」が報じている。

参考:Russia’s Su-57 fifth-generation fighter jet crashes in Far East

SU-57量産初号機が墜落で、年内引渡は絶望か?

12月24日、ロシア極東部のハバロフスク地方の都市、コムソモリスク・ナ・アムーレにあるスホーイ社の子会社「Yu.A.ガガーリン記念コムソモーリスク・ナ・アムーレ航空機工場」で製造されたSU-57が、同地域にあるロシア空軍基地で試験飛行を実施中に墜落したという。

出典: Dmitry Zherdin / CC BY-SA 3.0

幸い、操縦していたパイロットは墜落前に脱出し救助され、墜落したSU-57に巻き込まれた人間もいなかったが、破損したSU-57や機体に搭載されていたブラックボックスなどは回収できていない。

アレクセイ・クリボルチコ国防副大臣が同工場を11月に視察した際、SU-57の量産初号機の年内引渡しについて準備が整った語っており、恐らくだが墜落したのは14機製造された「試作機」ではなく「量産機初号機」の可能性が高い。

当時、国防副大臣が同工場を訪問し、SU-57の製造ラインをバックに「量産初号機の年内引渡し」を公言したのは、SU-57の量産が順調に進んでいることをアピールする狙いがあるものと見られていたが、技術的な問題や製造中のミスが今回の事故原因の場合、量産に深刻な影響を及ぼすかもしれない。

SU-57はこれまで、エンジンが火を吹いて緊急着陸をするなどのトラブルはあったが、飛行中に墜落したのは今回が初めてだ。

出典:Rulexip / CC BY-SA 3.0 MAKS-2011においてサージングを起こしたSU-57

ロシア軍関係者はSU-57の墜落について、テストパイロットのミスか、まだ見つかっていないSU-57の技術的な不具合が今回の事故を引き起こしたと考えており、現地のハバロフスクでは、既にSU-57墜落事故の原因を調査する特別委員会が設立された。

どちらにしても、ロシア空軍へSU-57量産初号機を年内に引き渡せなくなったのは間違いない。

 

※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 Su-57

ホワイトハウスが閃いた斬新な方法? 不可能と言われた米海軍「355隻体制」実現か前のページ

米国、無人偵察機「グローバルホーク」を韓国に引渡すも、肝心の情報収集装置は未搭載次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    日本も射程圏内、ロシアがカムチャツカ半島に極超音速ミサイル搭載のMiG-31Kを配備

    ロシアは太平洋方面に極超音速ミサイル「Kh-47M2 キンジャール」を…

  2. ロシア関連

    動員されたロシア人に配られるマニュアル、不思議な記述がいっぱい

    特別軍作戦に動員されたロシア人に配られるマニュアルを発見、これは「特別…

  3. ロシア関連

    ロシア軍の狙いはリマン奪回? 10日以内にクレミンナ方面で本格攻勢が始まる可能性

    ウクライナ軍関係者の話に基づき「ロシア軍が10日以内に本格的な攻勢を開…

  4. ロシア関連

    ロシア、兵士が構えた携帯式防空ミサイルが暴発する恐ろしい動画

    ロシア製の携帯式防空ミサイル「9K38イグラ」を構えた兵士の肩で暴発し…

  5. ロシア関連

    ロシア正教会の総主教、動員された人々の犠牲は全ての罪を洗い流す

    ロシア正教会は特別軍事作戦に参加する兵士に「ウクライナ民族を地球上から…

  6. ロシア関連

    ロシア、無人航空機迎撃に対応した多目的対戦車ミサイルを開発

    ロシアの巨大複合企業ロステック傘下のトゥーラ器械製造設計局(KBP)は…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 12月 25日

    韓国絡まないとコメント欄に全く人がいないのに草w

      • 2019年 12月 25日

      それだけ皆あの国にうんざりなんだよ。

    • 匿名
    • 2019年 12月 25日

    良いニュースだね。 
    相手が勝手に非戦闘損耗+脅威の配備延期。

    • 匿名
    • 2019年 12月 25日

    さっそく最新機種で試したのか!さすがロシアの脱出装置は世界一!
    またロシア製の脱出装置の優秀っぷりが発揮されてしまった

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP