ロシア関連

ロシア軍の狙いはリマン奪回? 10日以内にクレミンナ方面で本格攻勢が始まる可能性

ウクライナ軍関係者の話に基づき「ロシア軍が10日以内に本格的な攻勢を開始するかもしれない」と英国のFT紙が報じており、ロシア軍はクレミンナからリマン方面へ攻勢に出る可能性が高いらしい。

参考:Ukraine prepares for renewed Russian offensive

ロシア軍はバフムートとリマンを確保してスラビャンスクを狙うつもりなのかもしれない

ウクライナのマリャル国防次官は「ロシア軍は防衛ラインを突破してバフムートを包囲するため全力を尽くしている」と明かしており、ロシア軍やワグナーの兵士はバフムート北東地区に侵入、さらにイワニフスキー郊外やT0504付近にも前進し「包囲を阻止するウクライナ軍と激しい戦闘が行われている」という報告がある。

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ただマリャル国防次官は「リマン方面で強力な攻勢を開始した」とも付け加えており、英国のFinancial Times紙もウクライナ軍関係者の話に基づき「ロシア軍が10日以内に本格的な攻勢を開始するかもしれない」と報じた。

この関係者は「ロシア軍の攻撃開始に関する信頼度の高い情報を入手した。この攻撃は10日以内に開始される可能性ある」と述べ、FT紙は「数週間前からロシア軍はルハンシク州のクレミンナ方面に戦力を集中させており、ウクライナ軍の反撃で失ったリマン奪回に出る可能性が高い」と見ているのが興味深い。

出典:GoogleMap クレミンナ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

既にロシア側の情報源は「ビロホリフカを奪回してマキーフカ包囲を試みている」と主張、さらにゾロタリフカからシヴェルシク方面にもロシア軍の押し上げが始まっているとも噂されているが、ウクライナ軍はロシア軍の攻撃を撃退したと述べている。

しかし観測者の多くは「クレミンナ郊外に広がる森林地帯からウクライナ軍が押し出されている=リマン方面に後退を強いられた」と見ており、この前進がリマン奪回を意図した「本格攻勢の前兆」ならバフムートとリマンを確保してスラビャンスクをロシア軍は狙っているのだろう。

出典:Oleksii Reznikov

因みにレズニコフ国防相は「象徴的な2月24日までにロシア軍が新たな攻撃を開始するだろう」と述べ、ウクライナ軍はこの攻撃に対応する準備は出来ていると付け加えている。

関連記事:ウクライナ侵攻346日目の戦況、ロシア軍がドンバス全体で攻勢に出る
関連記事:ウクライナ与党がレズニコフ国防相の解任を決定、後任にブダノフ准将を起用

 

※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

ウクライナ与党がレズニコフ国防相の解任を決定、後任にブダノフ准将を起用前のページ

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コメント

    • らっく
    • 2023年 2月 06日

     ウクライナがバフムトから兵を抜く、というのはシベルシクを見捨てるに等しいが、そうだとしてもロシアに与えるものは突出部の解消くらいのもので耐えられない程のものではない。この上にリマンをも与えてもなおスラビャンスクの確保は難しくない。
     ウクライナにはヴレーダーを盤石にすることを望む。

    4
      • 名無し
      • 2023年 2月 06日

      突出部がなくなるとそれだけロシア陣地の防御が強固になるし、ウクライナ側が主張する春の決戦で最後にするってのはまず無理になるぞ

      5
    • TKT
    • 2023年 2月 06日

    クレミンナの方面で、ロシア空挺軍の第76赤旗親衛空挺師団と共に、ロシア軍の攻勢の主力となっていると言われる第1赤旗親衛戦車軍の、第144赤旗親衛自動車化狙撃歩兵師団というのは、かつてワレリー・ゲラシモフ参謀総長が福連隊長や師団長をしていた兵団であり、まさにゲラシモフ参謀総長にとっては個人的に、自分自身の子飼いの、最も信頼のおける切り札の精鋭兵団という感じなのかもしれません。

    それをクレミンナに投入してきた、ということは、あるいはロシア軍はゼレンスキー大統領があえて防衛にこだわるバフムトを放置、スルーして、リマンの方向からスラビヤンスクの攻略を狙う可能性もあります。

    ゲラシモフ参謀総長にとって個人的に切り札となる部隊は、プリゴジンのワグネル部隊などではなく、当然自分が師団長をしていた第144赤旗親衛自動車化狙撃歩兵師団のはずです。空軍のスロビキンにまかせるのでなく、ゲラシモフが自分自身で直接作戦指揮を執るのも、第144赤旗親衛自動車化狙撃歩兵師団、第1赤旗親衛戦車軍を中心とするスラビヤンスク攻略を考えているからかもしれません。

    ゲラシモフ的にはワグネルや、チェチェンの部隊などは主力にさせるつもりなどなく、補助として脇に回したいのでしょう。自分が師団長をしていた師団が一番信頼できるのは当然です。

    42
      • モンゴル研究者
      • 2023年 2月 06日

      この一年ロシアの戦闘と占領地での行いを見続けて実感するのが、モンゴル騎馬民族の戦争形態に極めて類似するという事実です。
      やはり、ロシアの残虐性の由来はモンゴルであり、白いヨーロッパの革を被ったtartare.tartaros地獄から来た者という言葉が似合います。
      モンゴルの崩壊は常に集団を束ねる指導者、大ハーンの死亡によって部族争いが生じ、同盟諸国が分裂し国家は衰退しました。
      今のロシアを表すならば、白い悪魔プレスター ジョン。
      大ハーンがモスクワのプーチン。
      歴史は繰り返すものですね。
      物量で敵をなぎ倒し、人命軽視で人海戦術で敵を駆逐する。
      過去の馬が現代のシベリア鉄道であり、戦車、軍用車両であるから本気で戦争に勝とうと覚悟を決めるなら、シベリア鉄道の破壊は必須になりますね。
      戦車、兵士だけをいくら破壊しても次々と補充される。

      3
        • ジョチウルス
        • 2023年 2月 06日

        ロシアと違い、モンゴル帝国はもっと戦上手で、商業的、経済的センスもあって、現地人・外国人の積極登用や、宗教的な寛容があったりして、大帝国になる器がありました。
        戦下手で自国民を無駄に死なせ、先進国に制裁くらって経済は真っ暗確定、ナショナリズムの自家中毒になって寛容性を失った現代ロシアとは似ても似つかないと思いますが?

        そもそも、モンゴル帝国の戦の強さは物量ではなく、本国兵士全員が騎馬弓術可能という、圧倒的な機動力と練度だと思いますが?

        14
          • 気持ち、分かる
          • 2023年 2月 07日

          なんとなく言いたことが分かる気がします。
          騎馬民族が残虐になれるのは、農耕に向かないが放牧に最適な地理的条件で生きるために、家畜の乳や肉を食料とし、日常生活の中で命を奪うという行為を普通に行うことができるからだと。
          家畜の悲鳴も血を浴びることも特別残虐なことではなく、むしろ豊かな食事の前の下ごしえ程度の感覚なのでしょう。
          モンゴル騎馬兵との戦闘で負けた民族の惨状は、ブチャの虐殺と強姦誘拐略奪そのままですし、似ているなと思います。
          イワン雷帝はチンギスハーンの直系子孫シメオン・ベクブラトヴィチから譲位を受けてツァーリに即位し、今に繋がるロシアの原型を作った。
          スラブだけどモンゴルとも混血だし、イワン雷帝もその後のロマノフ王朝も西に行けばツァーリ、東に行けばツァガンハーンを名乗っていたから変質したモンゴル帝国と言えますね。

          1
      •  
      • 2023年 2月 06日

      ゲラシモフは正統派な陸軍将校ですし、その指揮する攻勢となれば、複数の正面攻撃を、同時的に、複数軸で起こし、作戦的縦深で、集心的に拡張していく、という原則通りに行ってきそうですね。
      クレミンナ~ヴレダルで4正面攻撃くらい起こし、パブログラードあたりに集心すると考えると、その最右翼を担当するクレミンナ方面に精鋭たる第1親衛戦車軍が当てられているのは納得感があります。

      2
      • ため息
      • 2023年 2月 06日

      ゲラシモフ子飼の精鋭軍団をクレミンナ投入というのは、リマン包囲
      までは一気に進行するかもしれませんね。はたしてウクライナは
      持ち堪えられるかどうか。スリャビンスクはバハムート同様に高度に
      要塞化されているので、そこでまた激しい攻防になると思います。

      バハムートいったん放置というのもさもありなんです。リマン攻勢に
      歩調を合わせるくらいの余裕すら感じます。

      3
    • もへもへ
    • 2023年 2月 06日

    ロシアの新たな攻勢について、ロシア軍に詳しいtwitter界隈では
    ”無能ロシアの攻勢は始まる前から失敗が約束されている。失敗を何度も繰り返しウクライナが優位になるだけだ。”
    とされているので心配いらないんじゃないでしょうか。

    すぐに発表で
    攻撃は撃退し甚大な損害を与えた。損害比率は10:1以上でロシア最後の希望は潰えた
    って出るはず。

    西側ではロシア人の帝国主義的発想を矯正するために全土を軍事占領して再教育しろって意見を言ってる人がいるくらいだから余裕でしょ。

    11
    • 通りすがりの素人
    • 2023年 2月 06日

    最近ロシア軍のミサイル攻撃のニュースがあまりないが、本格攻勢に向けてミサイルを備蓄しているのか?

    2
      • チュル
      • 2023年 2月 06日

      ロシアのミサイル攻撃は軍事より政治的な意味合いが強いので政治的な出来事と連動してるから。
      直近だとドイツの戦車供与決定の直後。

      7
    • 2023年 2月 06日

    もう開戦から一年か、、、
    散々言われてるロシアの大攻勢を、ウクライナがもし打ち破れたとしたら、戦争の転機になるのかな。
    それともロシアは最後の手段に手を伸ばしてしまうのか、、、
    出来ればロシア内でクーデターでも起きて、外に出る余裕を無くしてほしいものだ。

    5
    • mun
    • 2023年 2月 06日

    3ヵ月前までは、精密な砲撃ができるウクライナ軍が前線ではやや優勢でしたが
    現状は、物量においてロシア軍がはるかに上回った事によりロシア軍が優勢です

    ロシアの動員は確かにすぐには効果が出ませんでしたが
    半年近くの期間を経て、堅実な戦力増強の効果をもたらしています
    ロシア動員の効果を低く評価して馬鹿にしていた西側は大いに反省すべきでしょうね

    とはいえ今の所劇的なスピードでウクライナ軍の防衛線が抜かれる
    というほどの状況ではなく、ジワジワと侵食はされるものの、総崩れにはなりません
    このまま時間を稼げばウクライナに新たな戦力が供与され、再び状況は変わるでしょう
    とはいえ、それはロシアもわかっていますから
    このままの推移で満足するとは思えず、その前に何か仕掛けてくるでしょうね

    それにしても、エスカレーションを防ぐと言っていても
    結局はレオパルト2もエイブラハムも出す事になりました
    長射程のミサイルも結局は出しますよね
    強い武器を供与する時期をわざわざ遅らせる意味がわかりませんよ

    16
      • 2023年 2月 06日

      > 物量においてロシア軍がはるかに上回った
      上記を裏付けるエビデンスを見た事ないです。
      もし定量的な情報があるなら教えていただきたいです。
      秘匿する理由があれば、もちろん無視してください。
      (私には答えづらい質問はあります)

      エビデンスがないと希望的観測なのかなと見えてしまいます。

      自分が見える範囲は下の(1)(2)(3)(4)(5)くらいです。

      (1)ロシアがバフムトに大量の人が動員されたこと
      (2)ロシアがゾンビのような襲撃を際限なく繰り返すこと
      (3)ロシア側に迂回など敵の裏を突く作戦を実行する部隊が存在して、恐らくヘルソンなどにいた精鋭部隊であること

      (1)(2)(3)は報道などで表に現れてきてます。

      (4)ロシアの砲撃数は最盛期には比べることができない位、減っているとのこと
      (5)ロシアは人員も砲撃もバフムトに集めて、一点豪華主義のような攻撃配分をしていたこと

      (4)(5)はSNSで見た程度の話です。

      5
    • xyz
    • 2023年 2月 06日

    露助が追加動員をかけた事に対して、ウクライナは何か手を取っているのでしょうか?
    総動員をかけているから対応出来ると考えているのか、それとも意図的に情報を出さないでいるのか
    当然、第二次攻勢の為に温存してるだろうけど、今の状況からすると想定より厳しいと言わざるを得なく
    後手に回っていると言わざるを得ない・・・。

    1
    • あああ
    • 2023年 2月 06日

    キーウ侵攻部隊をドンバスで投入してたら今20万も死んでないし、露が人道の敵になってもなかったし、この激戦も起こりえなかった。それを温存されてたゲラシモフの親衛部隊で決着させようとしてるが、ここで勝ってドンバス全域を確保したら特別軍事作戦の完了宣言も恐らくは可能だろ。
    そしたら次期大統領はゲラシモだろう。キーウ侵攻はプーの意向って流布したらプーの失敗で国内も一致する。もし権力闘争の政治ゲームでウクライナがこれなら露って国はつくずくあたおかだなと。

    2
      • xyz
      • 2023年 2月 06日

      なんというか、妄想の垂れ流しは恥ずかしいものだな・・・。

      5
        • TA
        • 2023年 2月 06日

        ミリオタ界隈なんてこんなモノでは?w

        5
      • 2023年 2月 06日

      一応、よく言われていることは踏まえてはいるような。
      結論には自分も同意しないが。

      > キーウ侵攻部隊をドンバスで投入してたら今20万も死んでないし
      20万人しかいない少ない戦力を分散して多方面から攻撃したことが、ロシア軍にとって失敗なのは初期から言われていた。

      >露が人道の敵になってもなかったし
      キーウ侵攻がなければブチャでの虐殺が世間にバレることはなかった。

      5
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