軍事的雑学

これが噂のライトニングキャリア!米海軍、F-35B編成で空母化した強襲揚陸艦「アメリカ」公開

強襲揚陸艦「アメリカ」は東太平洋上で、13機以上のF-35Bを搭載を搭載した通称「ライトニングキャリア」と呼ばれる編成で洋上訓練を実施中だ。

参考:Behold USS America Sailing With A Whopping 13 F-35Bs Embarked Aboard

ライトニングキャリア編成で訓練中の強襲揚陸艦「アメリカ」の様子

米海軍のワスプ級強襲揚陸艦(満載40,650トン)は、垂直離着陸機の「MV-22 オスプレイ(12機)」や攻撃ヘリの「AH-1Z ヴァイパー(4機)」、輸送ヘリの「CH-53E スーパースタリオン(9機)」などの航空機を全て降ろせば、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)型のF-35Bを最大で20機搭載(通常編成では6機)可能で、同じSTOVL型の「AV-8B ハリアー II」に比べ飛躍的に性能が向上したF-35Bなら、制空任務や攻撃任務など大型空母の任務を一部肩代わりすることが可能だと言われおり、これが通称「ライトニングキャリア」と呼ばれる概念だ。

米海軍と米海兵隊は2019年4月、フィリピン軍との共同訓練に派遣した強襲揚陸艦「ワスプ」にF-35Bを10機搭載(飛行甲板上に駐機されたF-35Bを数えただけで格納庫にもF-35Bが搭載されていた可能性がある)し、これまで空想の産物でしかなかった「ライトニングキャリア」という概念を実際にテストしたのではないかと見られてた。

そして今回、東太平洋上で訓練中の強襲揚陸艦「アメリカ」の様子が公開され、ライトニングキャリア編成で運用されていることが確認された。

出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Juan Anaya/Released

強襲揚陸艦「アメリカ」は、アメリカ級強襲揚陸艦(満載45,570トン)の1番艦で、前級のワスプ級強襲揚陸艦に装備されていた「ウェルドック」がなく、より航空機の運用に特化した新しいタイプの強襲揚陸艦で、今回公開された写真を見る限り、飛行甲板上に13機のF-35Bが確認でき、恐らく飛行甲板下の格納庫にもF-35Bが収容されているものと見られる。

ただし今回の編成はF-35Bのみで構成されているわけではなく、MV-22の姿が2機確認されているのが確認できた。

アメリカ級強襲揚陸艦の3番艦以降は「ウェルドック」が復活し航空機関連のスペースが減少するため、ライトニングキャリアを最も体現するのに適した1番艦「アメリカ」と2番艦「トリポリ」は、米海軍の中でも特別な存在であると言える。

米海兵隊伝統のウェルドックを取り戻したアメリカ級強襲揚陸艦3番艦以降の設計については、以前に記事にしたことがあるので興味のある方は読んでみて欲しい。

U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Chad Swysgood/Released

今回公開された写真のなかで興味深いのは、船体左後部(高さ的には飛行甲板下)に設置されたレーダードームらしきものが破損(亀裂)している点で、これが出港前からの破損なのかは不明だが、もしF-35Bを飛行甲板上で移動させていた時に接触(高さ的に通常接触するはずはないのだが・・・)して破損したのなら、飛行甲板周りの機器レイアウトはもう一度再考する必要があるだろう。

とにかく今回の訓練風景の公開で分かることは、米海軍と米海兵隊は今年4月にテストした「ライトニングキャリア」という概念を、本格的に採用するという方向で動いているのは間違いないようだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Sgt. Charles Plouffe/Released

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 17日

    ライトニング空母のテストが上手くいったらアメリカ級を純軽空母化して運用するか、もしくは純粋な軽空母を新造するのかな?
    アメリカ級の3番艦以降は中途半端感が拭えない。空母として使うならLCACどう考えてもいらないしな
    海兵隊としては強襲揚陸艦は絶対に必要だが、ライトニング空母は可能性はあるものの実用性も不確定だから1、2番艦は試験評価的な意味合いが大きいんだろうか。海兵隊にとっては回転翼機の方が大事っぽいし
    今から軽空母開発するなら、アメリカ級はCODLAG採用してるからガスタービンで推進しながらディーゼルエレクトリックで電磁カタパルト使うとか、色々できそうだな
    しかし電磁カタパルト装備した小型空母の群れとか絶対敵に回したく無いな。

    • 全てF-35B
    • 2019年 10月 17日

    今のアメリカ級が中途半端だろう。
    本来ならF-35Cを運用できる空母が適切だろう。
    あくまでも、強襲揚陸艦の片手間仕事だろう。

    • 匿名
    • 2019年 10月 17日

    AEWがSVTOL化されないとね…
    MVー22ベースならロートドーム諦めれば
    機体規模的には行けそうだけど

    • 匿名
    • 2019年 10月 17日

    これは『海兵隊の揚陸艦は状況次第で空母の任務を代替可能』という柔軟性にこそ価値があるのだから中途半端だとか正規の空母より劣るなんてのは的外れな意見。
    リビングに置いてあるソファは来客時には背もたれを倒してベッドに出来るという物だとして、状況に応じて役割を変更できる柔軟性にこそ価値があるのに『中途半端で正規のベッドより寝心地が劣るからベッドを置くべきだ』なんて言い張る奴がいたらアホかと思うだろ?

    これを機にSTOVL型の警戒機や給油機が必要とされ開発されれば結果的に我が国にも利点があるというもの。

    • 匿名
    • 2019年 10月 17日

    いずもがこれに準ずるのか、もっと空母っぽくなるのかがこのアメリカのテスト次第で決まるので注目だ。
    一部で言われるスキージャンプ台はないだろうが、甲板延長して搭載機数稼ぐ改造は有りかも。

    • 匿名
    • 2019年 10月 17日

    いや、いすもにしても、たったあれだけのF35Bでは軽空母の代わりにすらならない、という人が多いけど、このアメリカにしてもそもそも『何の為に搭載するのか』がわからない。専門家の方々がいろんな考察をされていますが、実際のところはこれから。それがはっきりしない限り、この試みが意味があるのかないのかの評価はできませんよ。

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