米空軍は毎年の恒例となっているウィッシュリストによるF-35A追加調達を取りやめ、代わりにF-15EXの追加調達を要請して注目を集めている。
参考:US Air Force wish list includes more F-15EX jets but no F-35s
米空軍はウィッシュリストでF-35AではなくF-15EXの追加調達を要請、ただ米海軍は例年通りF-35Cの追加調達を要請
米軍は配分された予算でカバーできない装備調達やプログラムへの資金供給について各軍が独自のウィッシュリストを議会に提出、議会は内容を検討して必要だと認めたものに関して国防予算とは別財源の資金を供給するのだが、このウィッシュリストから常連のF-35Aが姿を消して新たにF-15EXが名を連ねていると話題になっている。
米空軍は来年度の予算案で2021年度と同じ48機のF-35A調達に必要な資金を要求しているのだが、2021年度は空軍の予算とは別にウィッシュリストで12機のF-35A調達に必要な資金を獲得して計60機分の発注をロッキード・マーティンに行うことができたのだが、今年はウィッシュリストからF-35Aを外してF-15EXを追加しているため米空軍のF-35A調達量は2021年度を下回ることが確定的だ。
なぜ米空軍がウィッシュリストの常連とも言えるF-35Aを外したのか理由を明かしていないが、恐らくF-35Aをウィッシュリストに入れても議会が追加調達に必要な資金供給を承認してくる可能性が低く、ソフトウェアのアップグレード「block4」や物理的な電子機器の刷新「Tech Refresh3」の組み込みが中途半端なF-35Aを調達しても更新費用や手間が無駄に発生するだけなのでF-15EXの追加調達資金獲得をウィッシュリストで習ったほうが賢いと判断しのだろう。
補足:下院軍事委員会のメンバーで米軍全体の航空機調達に強い影響力をもつ戦術航空陸上部隊小委員会のノークロス委員長は「F-35プログラムは予算オーバーで追加資金が何度も投入されているに約束された能力は提供されておらず設定された準備率も満たせていないので追加購入(ウィッシュリストのこと)の要求は絶対に認めない」と発言しており、米空軍も2023年~2026年までのF-35A調達量を10%削減することを予定している。
因みにノークロス委員長の発言のあとに米空軍が運用するF-35Aの稼働率が大幅に改善(MC率61.6%→76.07%)されたという報告が公開されている。
米空軍はウィッシュリストの最優先事項にF-15EX×12機とスペアのコンフォーマル・フューエル・タンク×24セットを要求(約14億ドル)、F-35Aの追加調達の代わりに同機の維持状況を改善する資金として約3.6億ドル(F135のパワーモジュール20基調達に1.75億ドルが充てられる)を要求しており、この資金が議会によって承認されれば2022年度に発注されるF-15EXの数は24機(空軍予算で12機+ウィッシュリストで12機)になる。
因みに米海軍はウィッシュリストにF-35Cの追加調達(5機)を含めているため議会のF-35プログラムに対する見解が米空軍と異なるのだろう。
関連記事:米議会、F-35の状況が改善されない限り別の戦闘機で不足分を穴埋めすると警告
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関連記事:米空軍が運用するF-35Aの稼働率が大幅に改善、F-15やF-16を抑えてトップに立つ
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Joshua Hoskins
やはりF15は世紀の名機だな100年後も語り継がれるだろう
Fー15イーグル バンザイッ!!!
Fー15EXイーグルⅡ バンザイッ!!!
Fー15イーグルよ永遠なれっ!!
そういう話じゃないでしょう
アメリカは道楽に血税使う国なのかい
芸人のネタにマジレスしても…。
「時を戻そう」に対して時間の不可逆性語る様なもんですよ。
ちょこっとだけボーイングに追い風が吹きそうですね。
盛大にハシゴ外された空自(涙)
受注数が2倍に確保できれば電子機器の生産体制を少なくとも2倍にしないと対応できないでしょ。
そこで一挙に2.5倍~3倍にする設備投資の一部負担なら現状の負担請求よりは安く済むかと。
そうなると・・・良いですね。
空自は逆に、手持ちF-15の改修価格が暴騰してしまったので…下手するとF-35の追加調達になるまである…。
そういえば、F-15の改修価格が上がった原因が、F-15EX生産の為に製造ラインが逼迫しているから、と言うのがあったような気もしなくもない…(うろ覚えなので真偽不明)
空自もブロック4が控えてるから調達ペース少し落とす予定じゃなかったっけ?
海の方も切り詰めたアーレイ・バーク級がアップデートに困る中、タイコンデロガ級は結構余裕だし、予算の都合はあるけど余裕を持った設計は大事だね。
タイコンデロガ級にしても、無茶苦茶ギリギリでイージスシステムを積んでいるんだけどね
とりあえず手堅く手に入るものからやってる感じですね
F-35の不出来の穴埋めをF-15EXで埋めようとする米空軍に対して、米海軍がF-35Cを追加調達しようとしているのは、恐らくF/A-18E・F ブロックⅢの調達が打ち切りになった影響があるんだろうね(つまりF-35Cしか調達するアテが無い)
アップグレードが来るまで当分お荷物なF-35を無理に調達するよりは納入後即戦力になるF-15EXの方が堅実だな
F-15EX増産するならついでに部品も多く作ってJSI改修もなんとかならんかね
米側は米側で「JSI改修で部品増産するならEX増産できんかね」と当てにしてたりして
F-15JSI改修の件だが、ここへ来て12式SSMの派生型をF-15JSIで運用する予定だったJASSM-ERとLRASMの代替品としてF-15Jに搭載する検討を政府が始めたと言う報道が出たから、もしかするとF-15JSIは日本独自の改修になる可能性が出て来たぞ
リンク
中国の生産スピードはきっともっと上だよね?
大丈夫なんですか?
こんな調達ペースで。
大丈夫じゃないから困ってる
といっても、F-35増産しまくれば維持費で困るし、
F-15もそれだけじゃ微妙だし
やりようがない
やたらF-15EXを評価する声があるけど、過大評価じゃないかなというのが正直なところ。ベース機のF-15EはF-15Cとは実質別物だったとは言えそれでも初飛行は35年前、レガシーな戦闘機に変わりはないし、非ステルスだからパッシブな防御手段はどうしてもF-22やF-35に劣るのに
相手のステルスを見破る大出力レーダーと長射程かつ極超音速のミサイルを運べればいいというのであれば、ペイロードで勝るF-15EXがいいというのは分かる
ブロック4とか第6世代までのつなぎとして最適と思われてるだけでそこまで過大評価はされてないと思うぞ
というか試験導入の8機で終わりかも、という予測もあったくらいで
特別高く評価されてる印象はないですよね。
インフラ含めた導入・運用コストが安く済むよ、ってのが売りだったけどそれすらも危ぶまれてたし。
詳細は不明ですが演習の結果F-35Aと連携した作戦でのF-15EXの電子戦能力が評価されたようですね。
F-35Aの電子戦能力を一部代替できるわけで、当面はF-35A取得を抑制したほうが予算的に得策という管理人さんの推測は的を射ているように思います。
空軍は第6世代の戦闘機に目処が立ったんだろう。
だから今はF15でつなげと。
生産速度は変わらないから、ボーイングのバックログが溜まるだけじゃないか?
これからの空戦ではチーミングさせたUAVを前線に置いて誘導させるなら高価なレーダーは不要で、F-15C/Dでいいんじゃないか。新型エンジン乗せて劇的にパワーアップとかないのかね。
そのC/Dの機体寿命が限界だからEXを買う訳で、ラインをC型に戻して生産しろと言われても、今あるラインはE型のものだからむしろ値段が跳ね上がる
ちなみに自衛隊のJ型のJ-MSIPは85年~99年製、アメリカでは初期のE型を作っていた時期のもの
ほぼ空戦しかできないC/Dは今更再生産しても需要が無いな
F-15EXでRCS低減の努力しているなら、新規の性能も相まって買う価値はあるとは思うけどボーイング救済メインじゃないよね。正面切った運用をそこまで考えていないにしてもRCS素材の多用やSu-57みたいなファンブレード前方のレーダーブロッカとか設置してRCS下げる努力しても良いのではないか。
海軍のF-35Cに関しては導入時期が3種の中で一番最後だから、ある程度不具合解消されているんじゃないのかな。空軍は早期に初期型運用しているから色々と問題抱えているのでは。時間あたりのコストだけはA型がダントツなのは初期型運用しているからだと思っている。1時間あたりのコストはC型はスパホより少し高いぐらいで能力的な問題ないならスパホ買う意味なんて無いんじゃないか。
F-35はハープーンの運用能力が無いから当分はスパホも運用し続けないと対艦攻撃能力が無くなる
日本も改修じゃなく、買い替えた方がいいと思うけどな
スクランブルじゃ探知されずらいステルス機だと威嚇効果がないし
有用だと思うんだが
海軍「A-12残しておけばよかった」