ボーイングは、ベル・ヘリコプターと共同開発した垂直離着陸機、V-22オスプレイについて購入を予定しているなら、早めの発注を行う必要があると警告した。
参考:Paris Air Show 2019: Boeing warns ‘last chance’ to buy V-22
オスプレイを購入するためのラストチャンス
ボーイングは、V-22オスプレイのバックオーダーが少なくなり、生産の終了が近づいてきているとし、V-22オスプレイの購入を検討している顧客は、早めに発注を行う必要があると警告した。
V-22オスプレイは、現在まで、米海兵隊、米空軍、陸上自衛隊が採用したが、日本以外の国で未だ採用がなく、潜在的な顧客として、イスラエル、カナダ、インド、英国などが挙げられている。
特に、英国は、空母「クイーン・エリザベス」で運用中の、早期警戒型ヘリコプター「シーキングAEW」の代替機として、V-22オスプレイを改造した早期警戒型を検討中と言われている。
シーキングAEWは、フォークランド紛争中に急遽開発された早期警戒型ヘリコプターで、固定翼機の早期警戒機E-2Cを運用するために必要なアレスティング・ワイヤーが装備されていない空母で、唯一、運用可能な早期警戒機として、現在、空母「クイーン・エリザベス」に搭載され運用中だ。
しかし、1982年に開発された機体を、30年以上、改修しながら運用しているため、代替機の検討が行われていて、アグスタウェストランド AW101をベースに開発する案と、V-22オスプレイをベースに開発する案がある。
インドも、空母で運用中の、旧ソ連製早期警戒ヘリコプター「Ka-31」の代替機として、V-22オスプレイベースの早期警戒機を検討中だ。
日本も、護衛艦いずも、かがの空母化が決定し、F-35Bを運用することになるので、ヘリコプターベース、もしくはオスプレイベースの早期警戒機導入を検討すべきだろう。
早期警戒機として高性能を目指すなら、大型のレドームが搭載しやすいオスプレイベースの方が有望で、そのベースとなるオスプレイの生産が終了に近づきつつあるというのは非常に問題だ。
日本は陸上自衛隊向けに、17機のオスプレイを導入中だが、生産が終了してしまえば、追加の導入が必要になっても、もはや入手の手段がない。
ボーイングは、現在までに、米海兵隊向けに360機、米空軍向けに54機、米海軍向けに48機、陸上自衛隊向けに17機の受注・製造を行ってきたが、輸出に関しては「完全に期待はずれ」であることを認めた。
もし、海外の顧客がV-22オスプレイを購入するには、2020年9月までに国防総省の国防安全保障協力局からLOA(FMS契約の受諾書のこと)の発行を受けなければ、先にV-22オスプレイのバックオーダーが尽き、生産ラインが閉じる可能性がある。
FMS契約の手続きは非常に時間が掛かるため、2020年9月までに受諾書発行を受けるためには、恐らく、2019年中にオスプレイの購入要求を米国に打診しなければ間に合わないだろう。
ボーイングによれば状況が変わらない限り、これがオスプレイを購入するための「ラストチャンス」と言っている。
※アイキャッチ画像の出典:pixabay
オスプレイとヘリコプターの違いは航続距離は空中給油で何とかなるので、
本質的にスピードだけですから値段が大きく作用したのでは?
「ラストチャンス」と聞くと、「閉店セール」を思い浮かべる。
V-280の完成が見えてきたんで在庫一掃セールやりたいのでは…
AEWにするにしてもこっちでいいような?
オスプレイって輸送機でちょっとデカすぎだと思うのよ
V-280の方が安価で使い勝手良さそうじゃない?
V-280の艦載機版が検討されているんだっけ?
あれは陸上運用だけだったような気がするんだが
オスプレイは中途半端なサイズですからね
分隊運ぶだけならV-280で良いでしょうし(海兵隊の分隊は陸軍より大きいけど)
車両やら重装備運ぶには小さすぎるし
ただの輸送ヘリなら大正義チヌークがあるしなぁ
ハーキュリーにしろ古参の完成度が高すぎて輸送機は中々更新されないね
ハーキュリーなどは、もう60年以上も見てる気がする。というと歳がバレるが、団塊が子供の頃は、朝鮮戦争やベトナム戦争で、今よりも遥かに多くの米軍機が日本の空を日常的に飛んでた時代だったから、歳に関係なく強烈な印象がある。
自分が大人になって日常的に飛行機に乗るような時代が来るとは、夢にも思わなかった。だから古希を過ぎた今でも空港で飛行機の発着を見るのは好きだ。
開発中のV-280は現時点では艦載は無いのでは? (なのでプロペラを折りたためない) 新しいカテゴリーだから状況はどんどん変わるだろうけど、開発期間は必要だから折り畳みプロヘラが出るのはもっと後では?
(陸軍のUH-60の後継機の一つがV-280)