米国関連

米空軍がE-7の調達を正式発表、初号機の引き渡しは5年以内

米空軍は26日にE-3をE-7で更新すると正式に発表、さらにKC-46の欠陥を修正したリモートビジョンシステム2.0(RVS2.0)が予備設計審査をパスしたとも発表した。

参考:It’s the Wedgetail: Air Force to buy E-7 to replace AWACS
参考:Air Force Announces It Will Buy E-7 Wedgetails to Replace AWACS

E-3をE-7で更新することが確定、初号機の引き渡しは5年以内

米空軍は保有するE-3について「707民間運用終了によるスペアパーツ入手性悪化」と「移動目標に対する認識能力がE-7のMESAより劣る」という点を問題視、今年2月に「2023年契約締結と5年以内に2機のプロトタイプ引き渡し」を要求するRFIを発行していたが、空軍は26日にE-3をE-7で更新すると正式に発表した。

出典:U.S. Air Force photo/Airman 1st Class Chris Massey

空軍は2023年に保有するE-3の約半分(15機)を退役させる予定で、この措置で捻出できる資金をE-7の調達に流用するらしい。

因みに米空軍は31機保有するE-3を「1対1でE-7に交換しない」と述べているが最終的に調達するE-7の数は不明で、後継機候補に噂されていたノースロップ・グラマンのE-2DとサーブのGlobal Eyeについても「空軍の要求する速度、高度、能力に合致しない」と明かしている。

関連記事:米空軍がE-3の後継機を2023年に発注、ほぼE-7導入で間違いない
関連記事:米空軍がE-3更新のための取り組みを正式に開始、E-7Aを米空軍仕様に変更
関連記事:米空軍のE-3更新に名乗りを挙げたサーブ、Global Eyeの提案準備は整っている

RVS2.0の予備設計が完了、本当に上手くいくのか???

空軍はKC-46の欠陥を修正したリモートビジョンシステム2.0(RVS2.0)の早期実用化を急ぐため予備設計段階のでプロトタイプ検証を省略、開発に失敗したRVS1.0と同じ「通常の開発試験でRVS2.0のテストを行う」と主張していたため米政府説明責任局(GAO/旧会計検査院)に「再び同じ失敗を繰り返そうとしている」と警告されていたが、今月11日にRVS2.0の予備設計審査が完了したと発表した。

出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Abigail Klein

つまり予備設計の段階でプロトタイプを製造して検証した方が良いと警告した米政府説明責任局を無視して、通常の開発試験でRVS2.0のプロトタイプをテストするという意味だ。

KC-46の開発は49億ドルの固定価格で発注されているためRVS2.0に関する費用は全てボーイング負担で、予備設計審査を通過したRVS2.0が問題なく実用化されれば空軍にとってもボーイングにとっても最も望ましい結末と言えるが、通常の開発試験でRVS2.0に問題が発生すると再び予備設計からやり直す必要がある。

出典:U.S. Air Force photo by Chustine Minoda

さらに空軍が「問題ない」と認めたRVS2.0の設計を再びやり直すことになると今度は空軍にも責任が発生する恐れがあり、RVS2.0の実用化が約2年遅れても「プロトタイプをテストしてから通常の開発試験に望んだ方がいい」と米政府説明責任局は警告していたのだが、、、

関連記事:懲りない米空軍に米会計検査院が警告、KC-46のRVS2.0開発で同じ失敗を犯す

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by 2nd Lt. Mark Goss

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ドイツがウクライナに提供するゲパルト、スイスが使用弾薬の移転を拒否前のページ

6年前から準備していたポーランド、ロシアがガス供給を止めても問題なし次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    戦闘機メーカーとして生き残れるか? ボーイング、インドに米空軍が採用したF-15EXを提案

    ボーイングは13日、シンガポールで開催中の航空ショーで米空軍が採用を決…

  2. 米国関連

    ウクライナ侵攻で露呈したロシア軍の欠点、専門性の高い下士官不足

    米陸軍のデヴィッド・ペトレイアス元大将は16日、ロシア軍の構造的な欠点…

  3. 米国関連

    米国防総省、極超音速滑空体を使用して開発中の艦対空ミサイル「SM-6 BlockIB」をテスト

    日本が今後導入するかもしれない開発中の新型艦対空ミサイル「SM-6 B…

  4. 米国関連

    元CIA分析官、限られた見返りのため日独印韓をファイブアイズに加えても頭痛の種が増えるだけ

    元CIAの情報分析官はファイブアイズ拡大=日本、ドイツ、インド、韓国の…

  5. 米国関連

    米海軍、水上艦艇にカミカゼドローンを用いたスウォーム攻撃が可能だと実証

    米海軍は有人艦隊と無人技術を統合することで可能になるシナリオの有効性を…

  6. 米国関連

    F-35スペアパーツ問題に米議会が激怒、5年間で3億ドルの追加コスト発生

    米下院監視・政府改革委員会の議員達はロッキード・マーティンに書簡を送り…

コメント

    • や、やめろー
    • 2022年 4月 28日

    E767の後継はどうなるんだろね?

    6
      • ヤゾフ
      • 2022年 4月 28日

      E-7か国内開発でC-2使うとか?

      8
        • 幽霊
        • 2022年 4月 28日

        国産化するならAWACSは今後分散型が主流になるかもしれないのでそこら辺も研究してから決めて欲しいですね。
        今ある物をそのまま模倣して時代遅れだと言わないようにしてほしいです。

        29
        • ナカヤマきんにくん
        • 2022年 4月 30日

        E-2Dの機器を、P-1の機体に積んだAEW&Cを見てみたい。

        機体は既にあるのだから、レーダーと空中給油機能を載せられれば何とかなる。

        26
      • ウーン
      • 2022年 4月 28日

      現在も改修中なのでまだ先の話でしょうね。

      16
      • samo
      • 2022年 4月 28日

      分散型システムオブシステムズ管制を前提とした機になるんじゃないかなぁ
      そうなると、マルチロール化させたり、より小型の機になったりが想定されてくる。
      装備研が研究を進めてるクラウドシューティングにも関わってくる話になると考えられるので、
      少なくとも、今までのようなAWACSとはまったく異なるものになってくるんじゃないかなぁと

      置き換えまではおおよそ20年程度あるので、現状は基礎研究を積み重ねて行く他ない

      10
      • 名無し
      • 2022年 4月 28日

      ドンガラが767なだけで、中身E-3そのものだから、まあ普通に考えたらE-7だよね。

      1
      • ブルーピーコック
      • 2022年 4月 28日

      偵察衛星、UAVの常時滞空、地上レーダー、E-2Dなど複合的な監視・防空システムになるんじゃないですかね。
      それなりのレーダーやセンサーを積んだ中・大型のUAVとか、かなりお値段掛かりそうですが

      1
      • 匿名希望
      • 2022年 4月 28日

      国産データリンクが使えない(ほぼ確定)のE-737系列はないでしょうね。>E-767後継
      それと同時に大型AEWの需用もまた存在するので純粋な後継は作られると思われる。
      C-2AEW&Cの開発じゃあない?>E-767後継

      1
        • samo
        • 2022年 4月 28日

        国産データリンク?

        3
    • 名無しさん
    • 2022年 4月 28日

    単純に予算がキツイのかな?
    それとも時間?

      • けい2020
      • 2022年 4月 28日

      ボーイング救済圧力じゃないかなぁ
      省略しまくればボーイングの負担は減るからね、空軍のリスクだけは上がるけど

      15
      • てつ
      • 2022年 4月 28日

      機体維持用のパーツ確保の予算が勿体無いんだろうね。
      ベース機が同じKC-135のKC-46への置換えも急いでいるし。
      置換えを半数で留めるところからすると、レーダー性能にそこまで不満がある訳では無さそう。

      3
    • 匿名希望
    • 2022年 4月 28日

    すでに運用している韓国やオーストラリアは、ラッキーだね。

    一時は、生産数が少ないうえに製造終了で部品が手に入らなくなると懸念されていたのに。

    逆に空自のE-767が部品が手に入らなくなるのかも。あっても価格が高騰して予算面で苦労することになりそう。

    立場が逆転しちゃったね。ネトウヨの皆さん、コメントをどうぞ。

    39
      • tsr
      • 2022年 4月 28日

      E767は導入から25年近く経っているため、10~15年後には後継機が順当にE-7になると思います。
      米空軍のE-3も半数はまだ残るため、それくらいの期間であればまずまず機器類の問題は起こらないのではないでしょうか。(そもそもE-767は世界で日本しか保有していないので維持問題は当初からの問題ですし)
      あと、無用に対立を煽るようなコメントはよしたほうがいいと思います。

      83
        • samo
        • 2022年 4月 28日

        >10~15年後には後継機が順当にE-7になると思います。
        自分は、E-7の調達は繋ぎ、維持の難しいB707への緊急手当だと感じたかな
        一対一で置き換えないと言ってるのも、繋ぎだからなんじゃない?
        研究中の分散型AWACSがどうなるか次第って感じがする

        17
          • バーナーキング
          • 2022年 4月 28日

          そうですね。
          その分散型の結果が見えてくるまでE-767は十分持ちますので
          その間日本はそのベース機になり得る第3分類(または第5分類)UAVに注力すべきかと。

          14
            • samo
            • 2022年 4月 28日

            日本の場合は、他にもE-2Dの増勢もあるしね
            今慌ててどうこうする段階にはないよね

            15
      • 無印
      • 2022年 4月 28日

      懲りないねお前

      36
      • や、やめろー
      • 2022年 4月 28日

      なんでわざわざ煽りに来るかな?煽るくらいならコメントしないほうがいいよ

      47
      • クローム
      • 2022年 4月 28日

      大して支障はないと思う
      ベース機の767は現在も多数が運用中かつ生産中なので飛行できる状態の維持には苦労しない。
      中身はE-3だがこのE-3もすぐに消滅するわけではなくアメリカ以外の運用国(例えばNATOの14機のE-3は13年後に退役)では引き続き運用されるのでしばらくは問題ない。そもそもこの手のAWACSなど特殊用途機は初めから少数配備が世界標準。
      むしろ、707ベースのE-3と違って767はまだまだ飛べるからとても恵まれた状況。

      31
        • 匿名希望
        • 2022年 4月 28日

        米軍も10機以上はとりあえず残しますしね。
        ボーイング救済面が強いってのは本気であるとはおもう。

        7
          • とーくめいっ
          • 2022年 4月 29日

          あと、E-7を買ってやるからF-15EXの調達中止を受け入れろって可能性も。
          15EXが欲しく無い&機体が限界のE-3をどうにかしたい空軍。ボーイングの救済もしたい議会。
          両方が受け入れそうな落としどころ的な発注かも。

          6
    • 無印
    • 2022年 4月 28日

    >「プロトタイプをテストしてから通常の開発試験に望んだ方がいい」
    海軍がLCSやズムウォルトで散々言われたのに、空軍には聞こえてなかったのだろうか…

    20
      • ネトウヨ
      • 2022年 4月 28日

      意外とアメリカ、陸海空の壁高いですからね。

      2
      • あばばばば
      • 2022年 4月 28日

      RVS2.0の開発費用は(自業自得とはいえ)ボーイング社の持ち出しだ。つまり、開発期間が延びれば延びるほどボーイング社の赤字は増える。
      予備設計段階でのテストを行わせるのであれば、追試に補助金を出すなど条件を加えて促すべきだったのではないだろうか。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  2. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  3. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  4. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  5. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
PAGE TOP