米企業Sierra Technical Servicesは最近、開発中の「第5世代空中ターゲット(5GAT)」が地上でのエンジン稼働試験に成功したと発表、2020年初頭に予定されている初飛行に向けて順調に開発が進んでいる。
参考:5GAT drone passes engine run tests
ステルス無人戦闘機「XQ-58ヴァルキリー」に勝負を挑む「5GAT」
ステルスが米国だけの専売特許でなくなった今、パイロット達は空対空戦闘において「ステルス」と遭遇する準備を始めなければならず、そこで国防総省が資金を与えて開発しているのが「Fifth Generation Aerial Target:5GAT(第5世代空中ターゲット)」だ。
Sierra Technical Servicesが開発中の「5GAT」は機体の95%が炭素繊維で構成されており、退役した訓練機T-38から回収したGE製「J85」を2基搭載して亜音速で飛行するよう設計されている。
要するに米軍は現在使用している空中ターゲット「QF-16(退役したF-16を無人機に改造したもの)」ではレーダー反射断面積が小さいステルス機の特性を再現できないので、新たに専用機の「5GAT」を開発しているという意味だ。
ただ「5GAT」を開発しているSierra Technical Servicesによれば、この機体は空中ターゲットにだけに留まらない可能性を秘めているらしい。

出典:public domain XQ-58ヴァルキリー
ステルス性能をもつ5GATは1機1,000万ドル(約10億円)以下で量産可能で、開発中のステルス無人戦闘機「XQ-58ヴァルキリー」よりも機動性が優れており、設計を見直し制限を外せば超音速飛行も可能で、米軍が定義したF-35の随伴無人機としての要件を満たせる可能性が高いと同社は主張しているが、この機体はウェポンベイを備えておらず武装するには機外パイロンを利用しなければならない。
さらにXQ-58ヴァルキリーの量産コストは1機200万ドルから300万ドルだと言われており、コストの面で5GATが太刀打ちできるのか未知数だが、今後「J85」を搭載した機体(F-5やT-38など)が大量に退役してくるため、エンジンの再利用が続けれるかぎり5GATは非常に合理的な機体と言える。
米空軍にとって、より魅力的なステルス無人戦闘機はXQ-58ヴァルキリーか?5GATか?非常に注目される。
※アイキャッチ画像の出典:Sierra Technical Services Fifth Generation Aerial Target
J85は元々使い捨てのエンジンとして開発してたら、予想外に出来が良くて、素材見直しで戦闘機用のエンジンになったと記憶している
大型の使い捨てにしてもいい、危険な任務に投入出来る無人機のエンジンとしては良さそう
飽和攻撃を仕掛けるのは今度はアメリカ側かな?
J85「やっと御役御免になったと思ったら、当初の想定通り空中標的にされたでござる」
用途と機体サイズ、双発である事を見ると、亜音速とはいえそれなりの機動性を要求されており、XQ-58よりも運動性では上でしょうかね?
KAWASAKI ?がミサイル用の推力100Kg級のエンジンを開発したらしいから、X-2の技術を流用してステルス標的機作てないかな。
そういえば、TACOM﹙多用途小型無人機﹚はどうなったのでしょうか?
時期的にステルス非対応なら、今だとTACOMのステルス版が欲しいですね。
ウェポンベイがない問題はボーイングのアドバンスドホーネットで開発した外付けのステルスウェポンベイで代用できそうな気がするんだけどねぇ…
あれどうなったか全然知らんが…
TACOMは良い線行ってたんだなぁ
何でお蔵にしたんだよ
AIM-120D AMRAAMが米軍向け価格で1発170万ドル、AIM-120Cが1発40万ドルと考えたら、5GATがAIM-120×6発から50発の価格に見合うかどうかですね。
例のごとく予算超過で平常運転ですから、XQ-58と5GATの価格差もなくなるかもしれませんが、中古のJ85エンジンが安く手に入っても共食い整備になりそうで武装システムの費用にどれだけ回せるか微妙です
>F-35の随伴無人機
中古のJ85エンジンだと整備費用がかなり掛かるのでは?
信頼性は?
って普通は思うよねえ