インド太平洋軍のアキリーノ司令官は「まもなく人民解放軍空軍は世界最大の空軍になる」と議会で証言していたが、米空軍の中国航空宇宙研究所も「米空軍が2024年時点で運用している第5世代機の総数に中国は3年半から4年半で追いつく」と指摘した。
参考:Status of the 41st Aviation Brigade transition to the J-20
人民解放軍空軍は2030年までに336機~420機のJ-20を取得する可能性が、保有機を加えた総数は500機~600機
中国の軍用機開発に精通しているリック・ジョー氏は2023年8月「J-20の年間生産数は限りなく100機に近づいている」「2024年には100機以上になるだろう」と予想、インド太平洋軍のジョン・アキリーノ海軍大将も3月末「まもなく中国空軍が世界最大の空軍になる」「J-20はフルレート生産に突入した」と上院軍事委員会で証言、米海兵隊大学のダニエル・ライス氏もAir&Space Forces Magazineの取材に「中国は空軍向けにJ-20を年100機以上、J-16を年100機以上、J-10を年40機ほど生産している」と言及した。

出典:中国中央電視台のスクリーンショット
米空軍の中国航空宇宙研究所(China Aerospace Studies Institute:CASI)も4月末に公開したレポートの中で以下のように述べている。
“2023年秋頃に第41航空旅団(福建省/武夷山基地)のJ-20移行が確認され、同年11月29日に武夷山基地で撮影された衛星写真には6機のJ-20が写っている。これは「第41航空旅団向けのJ-20が生産されている」というネット上の噂が事実であると裏付けるもので、時間が経過すれば納入される機体が増え、さらに多くのパイロットが機種転換訓練を受けるだろう”

出典:China Aerospace Studies Institute
“第41航空旅団のJ-20移行開始がネットの噂(2023年7月)通りだと仮定し、4ヶ月後の11月に第1飛行隊(8機~10機)の移行が完了していたとすると、中国は約4ヶ月で1個飛行隊をJ-20に移行させたことになり、このペースで進めば第41航空旅団の第2飛行隊は3月~4月までに、最後の第3飛行隊は7月~8月までにJ-20への移行を終える可能性がある。J-20運用が確認されている航空旅団の情報、これに上記仮定を加味すると中国は160機~200機のJ-20を保有している可能性があり、最低でも64機~80機のJ-20が東部戦区司令部に配備されているはずで、この数字にはアグッサー部隊や試験部隊が運用するJ-20は含まれていない”
“中国は最低でも2個航空旅団を同時にJ-20へ改編でき、導入速度は4ヶ月後に1個飛行隊分だと仮定すると、中国が米空軍が運用している第5世代機の総数(2024年時点で630機)に追いつくには3年半から4年半かかる計算だ。この移行ペースを考えると人民解放軍空軍は年48機~60機のJ-20を導入できる可能性があり、この数字は米空軍が2024年度に調達するF-35A(51機)よりも大きな数字だ”

出典:U.S. Army photo by Daniel Malta
“但し、理想的な条件=米軍全体(米海軍と米海兵隊の取得を含む数字)が調達するF-35より多くのJ-20を人民解放軍空軍が導入するには47年以上かかることを留意する必要がある。依然として米軍全体の調達率やF-35の全体の生産率は人民解放軍空軍の調達率や成都飛機工業公司の生産率を上回っている”
CASIが言及した「47年以上」の意味が良く分からないが、中国の生産率は仮定の話なので「全ての数字」はふわふわしたものに過ぎず、リック・ジョー氏も「将来の生産率を現在のレートで固定したまま仮定するのは非常に大胆に見える」と述べており、人民解放軍空軍がJ-20を何機保有しているのか、成都飛機工業公司が年何機のJ-20を生産しているのかは依然として霧の中だ。
Powerful.
Even ignoring the grapevine (never advised) — to assume estimated rates are accurate *and* to assume said rates will remain fixed in future, seems rather bold to me.https://t.co/YF62VNi0Tu pic.twitter.com/W2OwYnprT8
— Rick Joe (@RickJoe_PLA) May 1, 2024
それでも人民解放軍空軍は2030年までに336機~420機のJ-20を取得する可能性が、保有機を加えた総数は500機~600機という数字になり、全く軽視できる話ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:中国中央電視台のスクリーンショット
もう日本のF-15Jでは一方的にやられるんじゃないかなあ。
年50機ぐらいF-35を調達するか、日本に今ある技術で作れる機体をとりあえず調達するとかした方がいいんじゃないかな。
数で対抗しようとするのは無謀だわ
兵器の数もだけど、人員と訓練する設備が圧倒的に足りない
それ以前にスパイをほんと何とかしないと、「今ある技術」を兵器として纏めるのだって難儀するよ
何も盗むのだけがスパイの役目じゃないし
目的が国土防衛であれば、レーダーのステルス検知技術と長距離対空ミサイルの大量調達に振り分けた方がいいのでは?
おっしゃる通りです。
同じ土俵で戦う愚より、別のの方法で制空権制海権を取るのが賢明。
長距離監視防空、対艦ミサイル網、電波妨害を強化すべき。
最終的にどこまでカバーするかはあるが、単純に日本をフルカバーする場合だと現状1番射程が長いと思われるのがPAC-2の160km(参考程度)で実際の条件無視したザックりした単純計算でも18カ所ぐらいの配置が必要。空自全体で24個高射隊体制あるから理論上はフルカバーは可能だが現実は無理。
それにPAC-2の仕様上、統合防空ミサイル防衛みたいに全く別系統の探知が出来ても誘導に関しては有効活用は出来ない気がする。米軍の試験でもアクティブホーミングのPAC-3でしかやってない。
より射程が長くCEC対応のSM-6だと2年後からの導入で10カ所以下の配置で済むがアショアみたいな事をしないと効率は悪いだろう。
F-15JSIでAIM-120が最大10発、F-35もビーストモードで最大14発積めて航続距離で日本全土はカバー可能、展開能力も高いが機体本体やランニングコストも高め。F-15とF-35A型なら滑走路がネックで配備地域と天候の影響も受けるがミサイル本体価格は安目でいけそう。
結局の所、選択肢のそれぞれにメリットデメリットがあって単に長距離ミサイルだけ有ってもどうしたいかのグランドデザイン無いと意味ないよ。陸海空バランス良くするのか、共同交戦能力は必要か、コストはどうか。探知にしたってレーダーだけじゃなくて赤外線とかの活用も考えるべきだろうし空中探知だけが全てでは無く地上での駐機や離陸情報とか様々な情報含めての環境構築だと思う。
三沢や横田や烏山といった外地航空隊でのF-35への転換があまり進んでない現状、米空軍の第5世代機の在庫を中国軍全体と比較するのもよくわからないですね。西海岸で戦ったら米空軍が圧倒的に優位でしょうが、逆に台湾海峡や第一列島線の内側ならすでに中国が優位でしょう…
横田は戦闘機部隊がいないのでは?
三沢はSEADが主任務で、F-35はBlock4まで完全なSEAD能力を持たないはずだから、F-35を配備できないんじゃないかな。
元コメはそこは問題にしてないですよね。
しないにせよできないにせよ、結果在日米軍にも在韓米軍にもロクに配備されてない以上「米空軍が調達するF-35と数を比べる意味がない」という部分が焦点なので。
J-20のカナードっていつの間にかなくなったん?
画像のこと?カナード付いてるよよくみてみて
ユーロファイターとカナードが付いている位置が違うのか。
ユーロファイターのカナードの位置は、空力的にもステルス的にも非合理的だから違ってて当然な感
航空自衛隊のスクランブル、機材や人員が、持たないかもしれませんね。
台湾海峡も、制海権=制空権がない前提で、考えるシミュレーションも重要になるでしょうね(既にあるとは思いますが)。
台湾有事が起きたとしても、台湾防衛の範囲で自衛隊が戦闘機を交戦に向かわせるのは無理筋というか、もはや特攻隊でしかない。日中戦争ひいては日米中戦争にする気があるなら別方向から攻撃すればいいけど
J-20の弾倉って大きいよな。F-35よりも使いやすそうだし。長射程空対空ミサイルとか大きい滑空誘導爆弾とか積むのに苦労しなさそう。VLSも中国の方が大きいしミサイル類の大型化を意識してる感じ。
なんとなく戦闘爆撃機っぽい
つまり純粋な戦闘機というより攻撃機的な性格が強めな気がします
J-20は元々マルチロール機じゃ無くて、制空戦闘機として開発されてるから実は結構積める兵装限られてますけどね。PL-15を4発積むとウェポンベイいっぱいなるんで4m以下迄(F-35はJSOWが内装出来るので4.3m迄は可能)の兵装しか詰めないんですよね。
ロシアのSu-57のウェポンベイも見たら分かるんですけど機体が大型化しても双発エンジンが邪魔になるので双発のステルス機のウェポンベイって意外に小さいんですよね。
今生産しているJ-20は、WS-15搭載のJ-20Aなのか?
それが順調にフルレート生産されているなら、ちょっと大変なことなんだけど。
J-20が何機生産されているのか分からない
いつまで生産するかも分からない
一番厄介だよ、対処する方はどれだけの戦力を持てばいいのか見当つかない訳だから
日本がF-35AB約150機、GCAP同じくらいでも全然足りない…
足りない分はロイヤルウイングマンなんだろうけど、当然中国も同じ事を考えて、しかも先手を打たれているという
しかもこの話J-35の事は全然触れていない、当然この機体も量産されるんだろうし、中国はステルス機を何機持つ気なんだ…
そもそもなんで日本が国力数倍の中国に対抗せねばならないのでしょうかね。まるでウクライナじゃないですか。
日本の支配権なんぞ、中国とアメリカで勝手に争ってもらえばよろしいのであって,我々に選択権など最初から無いんですから関わり合いにならないのが正解なんですよ。
民族自決権というものがあってだな。
今の香港を見てたら中国による支配を甘んじて受容する人は少ないと思います。
「勝てないから諦めよう」という思想なら自衛隊や防衛費は不必要になりますが。
ウクライナは抗戦を選択して国家の保持に成功していますね。
その観点で語るならば、日本はアメリカによる支配を甘んじて受容しているので、日本にそれは該当しないのではないかと・・
まともな独立国として、中国と事をかまえるという感じであるならば、それは無謀であり、それよりは、生存が高い方向で外交するのが最善ではないかと思われます。
「日本はアメリカによる支配を甘んじて受容している」と思われる根拠が不明ですし、仮に支配を受容していたとしてもそれは日本の国益に適うからです。
中国による支配がアメリカによる支配より国益になるなら、中国による支配を受容することも検討すべきだと思いますが、今の香港を見ると日本の国益にはならないと思います。
そもそも中国は尖閣諸島の領有権を主張して領海侵入を続けているので、まともな独立国としては中国に厳正に対処する必要があります。
でも尖閣沖縄有事って
最高に上等な名刀を携えた完全武装の甲冑武者5人が、
我が家の裏庭の納屋にはいってきたから、
壮年期を過ぎ疲れ切った仕事帰りのヨレヨレのサラリーマンがただ一人で安物のフライパン片手に、裏庭の納屋に迎え撃ちに行くようなもんだよね?
5人の鎧武者に立ち向かう老いた一人のサラリーマンは可哀そうではないですか?
このサラリーマンは奇跡的に生き残ったら、次の襲撃時はちゃんと後ろから眺めてるだけの赤の他人同然の専業主婦とちゃんとローテーションはされるんですか?
一応、どっちも鎧武者ではあるのでは。
…まぁ殺る気満々の赤穂浪士47人vs太平の世に慣れきった警備のお武家さんが5人くらい、みたいな感じですけど…。
尖閣沖縄は裏庭の納屋ではありませんし、自衛隊・米軍は仕事帰りのヨレヨレのサラリーマンではありませんし、自衛隊・米軍の装備品は安物のフライパンではありませんが…。
自衛隊・米軍を過小評価しすぎでは。
自らの意志を持たない国家と国民には支配下の国としての地位すら認めてくれないでしょうね。
敗北主義は無いわ
日本もF-35とかいう納期ガバガバなポンコツはやめてJ-20を買おう
航続距離が長いから我が国には向いてそうではありますが
先方が売ってくれないでしょうね
仮想敵国から兵器を買うとかまさか本気じゃないですよね?
中国に備えるために中国から兵器を買うとか…
そもそもF35て米空軍から訓練機にしか使えなくてもいいからよこせ(TR4)て言われてるやん
訓練機仕様と実戦投入可能なJ-20を比較すること自体おこがましいのでは
こりゃ、中国軍が行動に出た瞬間にでも中国東部戦区の航空基地を最優先で攻撃してとにかく航空機の数を減らさないとどうにもならんな…
てか、攻撃があることを加味してこんだけの数を揃えるのに躍起になっているのかな
ロシアが、ウクライナ戦争後に最新兵器の生産が困難になって、冷戦期の遺産を切り崩して継戦してるのを見たから、まずは戦争前に数を作っておかないと、消耗戦に持ち込まれると負ける、と分かったんだろうな。
謎の多い戦闘機でしたが、いつの間にか、ここまで生産できる形となったということは、技術的問題点の解消や、ある程度の信頼性も確保された上ということでしょうかね?果たして、この戦闘機が実戦で飛ぶ日が来るのか?なんだかんだと、実戦でお目見えするのは、白人国家のものばかりなので。
TR4とかいう文珍は要らない。TR3で使える機体が必要