軍事アナリストが運営するサイト「Oryx」は10日、ウクライナ軍が鹵獲したロシア軍の装備が1,008に達したと報告した。
参考:Attack On Europe: Documenting Equipment Losses During The 2022 Russian Invasion Of Ukraine
Oryx調べの数字だけで言えば「ウクライナ軍は46日間の戦いを通じて保有装備数が増えている」と言えるが、、、
2月24日から始まったロシア軍との戦いを通じてウクライナ軍は1,008の装備を鹵獲したとOryxが報告しており、これはオープンソースの画像で確認されているため信頼性の高い数字だと言える。
因みにウクライナ軍が鹵獲した装備の詳細は以下の通りだ。
鹵獲 | 破壊/損傷/放棄 | 合計 | |
戦車 | 184輌 | 272輌 | 456輌 |
装甲戦闘車輌 | 119輌 | 170輌 | 289輌 |
歩兵戦闘車 | 164輌 | 321輌 | 485輌 |
装甲兵員輸車輌 | 47輌 | 48輌 | 95輌 |
耐地雷・伏撃防護車輌 | 7輌 | 14輌 | 21輌 |
歩兵機動車輌 | 28輌 | 62輌 | 90輌 |
通信車輌 | 7輌 | 13輌 | 20輌 |
各種支援車輌 | 47輌 | 50輌 | 97輌 |
迫撃砲 | 8門 | 3門 | 11門 |
牽引式榴弾砲 | 34門 | 20門 | 54門 |
自走砲 | 37輌 | 54輌 | 91輌 |
MLRS | 23輌 | 25輌 | 48輌 |
対空砲 | 4門 | ー | 4門 |
自走式対空砲 | 6輌 | 7輌 | 13輌 |
地対空ミサイル | 18基 | 33基 | 51基 |
レーダー | 6基 | 3基 | 9基 |
電子妨害装置 | 2基 | 5基 | 7基 |
航空機 | ー | 20機 | 20機 |
ヘリコプター | 1機 | 31機 | 32機 |
無人航空機 | 10機 | 16機 | 26機 |
艦艇 | ー | 3隻 | 3隻 |
燃料輸送用の鉄道車輌 | ー | 2両 | 2両 |
軍用輸送車輌 | 226輌 | 553輌 | 779輌 |
計 | 1,008 | 1,694 | 2,702 |
因みにウクライナ軍が失った装備の合計は717(破壊323、損傷24、放棄37、鹵獲333)なので、Oryx調べの数字(全体の装備損失を絶対にカバー出来ていないので参考値)だけで言えば「ウクライナ軍は46日間の戦いを通じて保有装備数が増えている」と言えるが、鹵獲した全装備をきちんと整備して部隊に戻せる訳ではないので「保有装備数が増えている」という話は飽くまで数字上の産物でしかない。
逆にロシア軍はこれだけ装備を失っても攻勢を維持できるので流石の一言に尽きるが、ウクライナ侵攻にどれだけの装備数を用意したのか不明なため損失が堪えているのか、まだ余裕があるのかは謎だ。
追記:ロシアはウクライナ南部の占領地域にS-400を持ち込んで配備していると噂されているが、ウクライナ軍によれば殆どが偽物らしい。つまりS-400に似せたハリボテを幾つか配備することで偽装しているのだがウクライナ軍は「実弾が装填された発射装置が何処にあって偽物が何処にあるのか全て把握している」と述べている。
何処まで本当の話なのかは不明だが、、、
関連記事:西側諸国、旧ソ連製兵器の在庫枯渇に備えNATO規格の兵器供給に動く
※アイキャッチ画像の出典:Ukraine Weapons Tracker
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
戦車の損失だけ見てもえげつない量ですね。頭数だけで言えばこの一ヶ月で陸自が保有する全戦車を上回る数が溶けてるのか…
ソ連時代の使いまわしが大量にあるMBTやAPCやIFVはともかく、電波妨害車両やレーダーといった(制裁下では)ロシア国内での再生産が難しい車両の損失も一定数あるのがすごいですね。願わくば、このままロシアには地上兵力を損耗していってもらいたい。
令和の時代に冬戦争の再現とかたまげたなぁ・・・
後世、この戦争は何と呼ばれるのかな?
ぷっちんプーチン戦争 〜ウクライナ編〜
暖冬戦争
昨年から準備を重ねていたはずの侵攻軍がこの体たらく、
ウクライナの抵抗が予想以上だったというだけとは思えない
ロシア軍の腐敗体質、あるいはウクライナ侵攻の大義の無さへの、軍人なりに消極的サボタージュがあるのだろうか
それにしてももったいない話だよ・・・・ものすごい金をかけた装備が次々にスクラップになっていき、厳しい訓練を受けてきた優秀な人達が次々と死んでいく。この戦争で死んだ何万人もの人達も、生きていればこれからいろいろなことをしただろうに。
戦争って本当に損しかありませんよね。交戦国は当然のことながら、生産や物流の停滞、経済制裁などあらゆる国が損害を被る。
だからこそ、戦争をおっぱじめた連中はしっかりと締め上げなきゃならない。それでこそ、後に続こうとするチンピラ達への戒めになる。
バイデン氏の例の発言は失言でしたが、最終的なケジメはあれ以外にあり得ない。口に出しちゃマズかっただけで。
後は、ロシアくんには“非軍事化”でもしてもらいましょうかね。憲法9条をプレゼントして差し上げたらどうか。
9条を受け入れざるをえない状況じゃないからなぁ
経済制裁でロシア人が困窮して、経済戦争に負けたと認識しないことには…
本来自国責任でしなきゃいけない型落ち原潜の解体ですら、「環境破壊の恐れ」で脅して他国からカンパ募って行った国なので…
まあ、「お察し」でしょうね
「ソ連は崩壊したが俺たちは戦争で負けちゃいねぇ、アメリカに並んで立つべき強国なんだ」というロシア人の自意識とソ連の遺産たる軍事力が今次戦役の根底にあるので、そこは除去する必要があるんじゃないですかね。
まぁロシア側が現実を受け入れず北朝鮮化する可能性も高いけど、結局はロシア人の性根が治らなきゃ同じこと。言うだけは言っておかないと。
ロシア人に理解出来るか分からないが、憲法9条だってそう悪い話じゃないんだけどね。今まで軍事にオールインしていたリソースを経済建設に使えば、今よりは暮らし易い国にはなるワケだし。(例の「戦争放棄」のイラストを思い浮かべる)
戦争が損ばかりとはさすがに一面的過ぎ
大国が大国たるゆえんは単純化すればおおむね領土の大きさ
領土拡大・生存圏拡大は歴史的に見て立派な利益なはずです
(人類の科学技術は戦争時に急発展するって話はどうだったっけ
戦争という不経済から生まれてくる発明とか進歩は、戦争という不幸な選択をしないと発展が無いという人間の愚かさの説明ですが
単なる結果論を必然にすり替えるのは止めてくれ
何も生まない、あるいは何かを滅ぼしてしまった戦争を探す方が容易いよ
>人類の科学技術は戦争時に急発展するって話はどうだったっけ
戦時中では(もしくはそれに近い状況では)戦争や集団の勝利の役に立つものしか発展しません。
わかりやすい例が北朝鮮でしょうか。
核とミサイル関連技術は大いに発展していますが、それ以外はサッパリですよね?
民生分野なんて置き去りと言っていい。
これに対し、70年近く戦争に関与しなかった我が国では様々な分野で技術が発達しました。
ノーベル賞の受賞者が多数いるのが良い証拠でしょう。
人類の発展と進歩に競争が必要なことは否定しませんが、それが戦争である必要性は全く無いと言えるでしょう。
腐ってもソ連の後継というべきか
この戦争がどう決着するにせよ、露軍再建はおお仕事になりますねこれは
現状だと国土が広すぎて、配備すべき軍隊も大規模にならざるを得ないので、再建大変そう。
仕方ないから国も解体して軍の再建規模を抑えよう、となって欲しい感じ。
戦車装甲車の鹵獲が進んでいるのはいいとして、弾薬はどうなのだろう
確か旧ソ連規格で、旧東側だった国も含めてNATOにほとんど残っていないけどウクライナが必要としている弾薬があった気がする
ウクライナ陸軍主力のT-64がA型ならT-72系の弾薬類が使えるかと思いますので、これだけある遺棄車両から調達できそうですね。
小火器用の弾薬なんかも互換性があるから大助かりかと。
ウクライナ民兵の小銃がAK47やAKMならちと困るかもしれませんが。
鹵獲されたのを、また鹵獲し直したとかもありそう
放棄されたロシア軍戦車をけん引して持ち帰る途中だったウクライナ人のトラクターをロシア兵が奪い、そのトラクターを使って戦車をロシア陣営に持ち帰っている途中の動画が3月上旬にツイッターで流れていましたね
いや〜、さすが畑から戦車が取れる国だ。豊作豊作
旧ソ連圏に残され、その後もその国の軍が装備として使い続けていた東欧諸国
砲弾や対空ミサイルなどの消耗品はソ連解体時に残された在庫を使っているだけだったのだろうか?
それともソ連規格の砲弾や再装填用のミサイルなどを多少なりと内製している国もあったりしたのだろうか…
鹵獲した砲の類いを自軍装備として再利用するにも
それを使って撃つものが無いとなぁ…
T72の改良型のPT-91がポーランド製でポーランドの主力戦車だけど砲はT72と同じだし弾薬も内製でしょ
海外のサイトで見た話だとポーランド軍のT-72用の弾薬がワルシャワ条約機構加盟時に購入した物で在庫が心もとないから新規に購入したいけど入手に困ってるとか数年前の記事に書かれていたね
同じくライセンス生産していたチェコやウクライナ辺りが作ってそうなものだけど、翻訳力が一部アレだったので参考までに。
何故こうも鹵獲されまくるのかだけど露戦車は被弾=木端微塵なのと走行装置異常や燃料切れで投棄しまくりなのが理由だけどまるでWW2の話ですよねと
実際どれくらいロシアには余力があるんですかね。
新規製造は相当苦しいだろうし、モスポールされたものを急いで復旧してるんだろうけど、それもどこまで持つのかさっぱりわからない。
雰囲気的に勝手な終戦宣言を出す予定の5月までは何とか持たせるつもりなんだろうけど、そのあとどうなるんだか。
新しい世代の兵器は今のロシアの生産基盤じゃあ中国とインドあたりがこっそり高性能部品を流してくれるのを期待するしかありませんね…。
インドはもう積極的には助けないでしょうね。ロシアが棄権するなといった人権理事会で棄権してるし、何なら非難までしてる。資源は買うでしょうし貿易も続けるでしょうけど、西側から目を付けられそうな物は積極的には売らんでしょう。闇ルートはほっとくでしょうけど直接国境を接しているわけじゃないから、大した輸送はできんだろうし。
中国は・・・、どうするんですかね。文字通り態度を留保してますけど、このまま通るとはとても思えないが。
中国は、戦争を継続させて、ロシアが衰退したところを、頂きです。
ロシア陸軍の重装備の大半がソ連時代の遺産を、そのままとかアップデートですね
開戦前から大量に新規製造できる工業力・経済力がなかったんでしょうね
モスボールから復旧させる余力はほぼ無いと思います
メルカルト図法の地図上では大国ですけど、中身は経済力・工業力はかなり微妙で
人的資源も分散しすぎて微妙、資源はあるけど生産量を自力で増やすことも出来ない
結果、ロシア軍も中身ボロボロだったという
ロシアの戦車を始めとする最前線で行動する各種車両の損失の内、約4割強が鹵獲
ウクライナの戦車損失の46%が鹵獲
ここまでの双方の鹵獲の割合が類似しているのはなぜだろう。
気候条件が悪く路外起動できないせいなのかな?
都会暮らしの人には理解し難いと思いますが、重い装甲車の自重だけで沈んでしまう泥濘地では、履帯を動かすと更に沈み込む現象が生じます。
それはチェルノーゼムの土壌を構成する主要物が、草木が堆積して土化した腐食だからです。
表層は腐食の堆積層が厚く、砂や粘土の固まった硬盤層が深い位置にあるため、春先に地面の凍結が解けると表層はドロドロになります。
簡単に言えば、濡れたレンガ道を歩くのと、濡れた重ねた紙の道を歩くような違いでしょうか。
ぬかるむと言うより、飲み込まれるという表現の方が正確だと思います。
ロシアは改良型とか、新型戦車を頻繁に発表してたような気がしてたんだが、実戦で使うのはT62改造車。
沢山あるのは分かっているんだが、搭乗員より年上の車体ばっかりだろうな。オーバーホールしたんだろうか?
ロシアになってから新型兵器は色々自慢してたけど、
量産開始して配備してると発表してるのに、実際に大量配備されてるところは出てこない
新型兵器もカタログスペックだらけですし、比喩抜きで張り子の虎だったのでしょう
ロシア陸軍は主力戦車(MBT)をT-14アルマータとT-90のハイ・ローミックスの構成で運用しようとした。
後にT-72をT-90に近づけたT-72B3が開発され、こちらの方がT-90を新規生産するより大量にある既存のT-72Bを活用できるとのことでT-90の生産を止めてT-72B→T-72B3の本格改修に着手した。
T-72B3の一部は市街戦を意識したのか車体後部にケージ装甲(スラットアーマー)を装着しているがウクライナ軍のジャベリンやNLAWといった対戦車火器には、ほとんど効果が無い模様。
「報●特集」の金●茂紀キャスターも感情論でガルーシン駐日ロシア大使にインタビューするくらいなら、このデータを突き付けて「これもプーチン大統領の仰る計画通りというやつですかw」と尋ねて失言取るぐらいできないものですかねぇ(-_-;)
同レベルの(意味の無い)討論・闘論のほうが画として映えますからね
個人的にはひろゆきでもぶつけとけと思いました(視点論点ずらしは上手いので
謎なのはイスラエルがウクライナを碌に支援していないばかりかロシア寄りに見える事
ロシアからのユダヤ人移民受け入れの関係から、イスラエル内のリシア系ロビーがロシアには好意的とは聞いていますね。
間違ってたかなとググって見たら皆有料になっていたのには商売がうまいねと思いました。
イスラエルはウクライナ寄りだの知たり顔で語る人は、とっくに国際関係論の単位を落としてるな
志願兵や武器供与も大事だけど、鹵獲品や壊れた兵器を直せる技術者や設道具や設備も欲しい所だよね。
モノを作れる人は凄いし尊敬できるけど、モノを直せる人ってホント頭が下がる。
モノを作る人って0をプラスにしてくれるひとたちだけど
モノを直す人ってマイナスをプラスの状態にしてくれる人だからね、
直すことを生業にしてる人達は無条件で尊敬できる。
技術者もそうだし、兵器や車両の供与にしても、消耗品とか部品単位で大量に欲しいよね。
この戦争の長期化が予想されているので、ウクライナにとっては、NATO諸国から提供されるNATO仕様の兵器も、旧ソ連系の鹵獲兵器の再利用もどちらも必要でしょう。
また、いまのウクライナ軍では、志願兵・徴募兵・外国人義勇兵の増加数が、死傷兵数を上回っているので、武器(その他)が足りていないと、E・ルトワックが言っています。米欧からの外国人義勇兵が増えれば、NATO仕様兵器の教練も現地で出来ると思いますが。
P.S. ポーランドがT-72をウクライナへ移送し始めたという未確認情報が出ています。
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