インド太平洋関連

インド、約38億米ドルで陸海空軍向けにMQ-9Bを計31機購入

インド政府は10月「約38億米ドルで海軍向けにSeaGuardianを15機、陸軍と空軍向けにSkyGuardianを計16機購入する」と発表、GA-ASIとMQ-9Bの保守拠点をインドに設立することで合意しており、MQ-9Bのメンテナンス、修理、オーバーホールを国内で実施できるようになる。

参考:India’s MQ-9B buy from the US caps fruitless push for homemade drone

紆余曲折したインドのMALE UAV導入は最初の候補で決着がついた格好だ

インドはMALE UAV(中高度・長時間滞空型無人航空機)分野でTB2、Akinci、Wing Loong、CH-4Bを擁する潜在的な敵対国=パキスタンに遅れを取っており、インド海軍は2020年からMQ-9B SeaGuardianをリース方式で2機導入し、陸海空向けに計30機の導入を検討していたものの競合機種と比較して導入コストが高価で、検討を重ねている内に防衛機器の調達方針が「モディ首相が推し進めるMake in India政策=国内調達優先」に変更され、国内開発が進めれているMALE UAVの完成を待つ雰囲気だった。

出典:The White House

しかし、国境沿いの山岳地帯やインド洋での監視任務に対するニーズが高まり、F414現地生産と引き換えにMQ-9Bの完成品輸入を認め、インド政府は10月「約38億米ドルで海軍向けにSeaGuardianを15機、陸軍と空軍向けにSkyGuardianを計16機購入する」と発表、インド海軍の副司令官も記者団に対して「現行のTAPAS BH-201(DRDOが開発を主導する国産MALE UAV)は我々の要求要件を完全に満たしていない」「改良された次期バージョンに期待している」と述べ、紆余曲折したインドのMALE UAV導入は最初の候補で決着がついた格好だ。

因みにインドはFMS経由のMQ-9B調達にオフセットを要求、国内にMQ-9Bの保守拠点を設立することでGA-ASIと合意しており、インドは導入したMQ-9Bのメンテナンス、修理、オーバーホールを実施できるようになる。

関連記事:バイデン大統領、対中政策の一環としてインドにF414の現地生産を提示
関連記事:インド、1機1億ドルもするMQ-9B調達を保留して国産UCAVを優先

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class William Rio Rosado

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コメント

    • 黒丸
    • 2024年 11月 01日

    中国との国境監視、パキスタン側の西海岸、バングラデシュ側の東海岸、スリランカ側の南方と
    政情変化に即座に対応できる四方向の常時監視がインド軍の希望かと考えます。
    最近流行のスターリンクのような低軌道衛星コンステレーションよりも
    インドは静止軌道経由の高速通信が適合するような気がするのですが
    無人機の能力全開運用ができる通信インフラをインドは用意できているのでしょうか?

    2
      • 2024年 11月 01日

      滞空能力からは普段の監視哨戒には多いに貢献する機体と目される
      が、フーシ派にもすでに何機か撃墜されており、有事にどこまで役立つかよくわからない
      まして、フーシ派と異なりインドの仮想敵は有力軍事国家
      上記からは、多数撃ち落とされて気にならないと考えられるコストの機体にも見えない

      4
        • やみと
        • 2024年 11月 01日

        フーシ派も決して有力軍事国ではないとは言えないだろう、むしろとんでもない怪物だ
        しかし確かに、大型無人機が防空に狙われているときは脆弱であり、高い価格が加わるとさらにつらい
        ロシアの解決策は「武器の持ち込みは考えず、性能的にも妥協し、偵察と監視機能だけを備えている」ようで、価格を数百万ドルに下げ、1億ドルの無人機と比べて10機撃墜されても大したことではない。攻撃が必要な場合は、位置情報を転送し、安い(数万ドル)カミカゼドローンで行けばいい

        2
        • kasugi
        • 2024年 11月 01日

        平時にしか役に立たないとしても、MQ-9は戦闘機より1万ドル以上も時間当たりのコストが低いので、1000時間も飛ばせば元は取れます
        また高価値の機体の寿命をすり減らさずに済みますし、パイロットの作戦時間も減るので練度の維持も容易になるでしょう

        そうして浮いたリソースを効率的に活用すれば、むしろ有事に投入できるユニット数を増やせるかもしれません

        何においても使い方次第です

        3
    • せい
    • 2024年 11月 01日

    自分で作り上げると思ったけど、やっぱ大型で高性能なUAVは米国が強いなぁ
    まあインド洋の防衛に米国製兵器が使われるのは、連携の為にもプラスになるだろうし、日本としても喜ばしい決定なのかな?

    3
    • 58式素人
    • 2024年 11月 01日

    他所の国のことですが、順当なのでは、時間も惜しいし。
    これから(既に?)、こうした高価格なUAVの被撃墜対策も必要ですね。
    イランの機材358ロイタリングSAMみたいな物もありますから。
    イエメンで、米国が、けっこう痛い目に遭っているようだし。

    1
    • hiroさん
    • 2024年 11月 01日

    コストパフォーマンスを考えるとTB2で充分な気がするが、パキスタンと同じは嫌なのだろうか?
    それともトルコが同じイスラム国であるパキスタンを優先さているのかな?

    2
      • Kenny
      • 2024年 11月 01日

      強固な反イスラムとイスラエル支持を続ける限り、モディのインドがエルドアンのトルコから重要な兵器を買うのは難しい。

      3
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