フランスのパリに拠点を置くシンクタンク「モンテーニュ研究所」は今月4日、英語圏3ヶ国による新たな軍事同盟「AUKUS」成立後の世界で「フランスは主要な民主的海洋国家を集結させたEnlarged Quadを提案すべきだ」と提唱して注目を集めている。
参考:After AUKUS: How Could France Reboot Its Indo-Pacific Strategy?
Enlarged Quadの構想に欠けているのは具体的に中国の軍事的脅威にどのように対応するのかという視点
欧州の盟主を自認するフランスは国際的な安全保障上のホットスポットが「欧州地域」から「インド太平洋地域」に移行することを認識しており、オーストラリアと締結したアタック級潜水艦契約や両国の防衛産業が広範囲で緊密な協力関係を築くための取り組みなどは全て「インド太平洋地域におけるフランスの政治的・外交的影響力を高めるための重要な足掛かり」でマクロン大統領が描いたインド太平洋戦略の基盤だった。
しかしインド太平洋戦略の基盤と見なしていたオーストラリアは何の相談もなく方針を一方的に転換、同じ英語圏(ファイブアイズ)の米英と新たな軍事同盟「AUKUS」を立ち上げてしまいアタック級潜水艦契約のキャンセル=事実上フランスとの(安全保障)協力関係を破棄してしまったためマクロン大統領は失望と怒りをぶち撒けている。

出典:Royal Australian Navy アタック級潜水艦の完成イメージ
ただマクロン大統領は今回の件を受けても「フランスのインド太平洋戦略に何も変更はない」と語っているが、パリに拠点を置くモンテーニュ研究所は「原則的な変更はなくても防衛や安全保障に関するフランスのアプローチは見直す必要がある」と述べて中々興味深い主張を披露している。
オバマ政権時代にフランスのファイブアイズ加入が実現しなかった経緯を引き合いに出して「英語圏にフランスが加入するという希望は捨てるべき=AUKUSにフランスが参加することは望まれていないし期待もできない」と指摘、特に「オーストラリアが原潜導入に方針を転換したのはコリンズ級潜水艦の後継艦を探し始めた10年前の中国と現在の中国が何もかも異なるためで、AUKUSが提示した魅力的な安全保障分野に関する提案に心を動かされるのは仕方のないことだ」と述べており、米英豪とフランスの激しい対立を困惑して見守っているインドと日本を必要以上に困らせない方が良いと主張。
さらにフランスは間違っても「今回の結果に失望して欧州重視の戦略に転換したりインド太平洋戦略をEUに依存しては駄目だ」と訴えており、21世紀は好むと好まざるとに関わらずインド太平洋地域と海洋の時代になるため「国際的な航行の自由や海洋の権利の参加してインド太平洋地域の問題に関与し続けないとフランスの政治的・外交的な影響力は衰退する」と警告、アジアに直接な権益を持っていないEUのインド太平洋戦略に依存するのも危険で「アジアでのプレゼンス強化を掲げる英国との適切な協力を重視した方がいい」とも言っているのが新鮮だ。

出典:Royal Navy / OGL v1.0
以上のことを踏まえモンテーニュ研究所は「AUKUS成立後の世界でフランスは主要な民主的海洋国家を集結させた『Enlarged Quad/エンラージド・クアッド』を提案すべきだ」と述べているのが非常に興味深い。
インドは中国との関係を必要以上に悪化させることを望んでいないため米国が主導するクアッド=米中対立に引きずり込まれることを望んでおらず、日本も米国だけに依存していた安全保障を多国間で構成された安全保障体制に移行させることを考えておりフランスとの関係強化も望んでいるため、このタイミングでインド太平洋地域の国々を加えた「Quad Plus」ではなくフランス、英国、ドイツを加えた「Enlarged Quad」を提案するべきだと言っているのだ。
つまりインド太平洋地域には米国主導=米中対立の枠組みが2つ(AUKUSとQuad)同時に存在するため、米国主導のままQuadにインド太平洋地域の国々を加えたQuad Plusへ発展させるのではなく主要な民主的海洋国家を集結させた「Enlarged Quad」をフランスが提案=主導して米国主導の印象を薄めれば米中対立に引きずり込まれるのを嫌がるインドにとって都合が良く、米国が対中戦略の中心にAUKUSを据えて動き始めたことで蚊帳の外に置かれたQuad構成国の日本にとっても仏英独といった国が加わるEnlarged Quadは魅力的に映るだろうと意味だ。

出典:米太平洋艦隊
さらに米英がオーストラリアに原潜を与える先例を作ったためフランスも原潜をテコに安全保障の枠組みを拡大させることに躊躇する必要がなく、特に原潜保有に興味を示しているインド、日本、韓国はフランスの主要な安全保障のパートナーなる可能性を秘めていると見ているのだが、この話をシンプルに言い換えれば英語圏(ファイブアイズ)で米英豪が特別な枠組み「AUKUS」を作ったため置いてきぼりを喰らった非英語圏(非ファイブアイズ)の国々をフランスが主導してQuadの枠組みを乗っ取り、オーストラリアの代わりにインド太平洋戦略の中心に据えようと言っているに等しい。
良い悪いは置いておくとしても中々面白い視点の主張だが、このEnlarged Quadには決定的に欠けているものがある。
それはオーストラリアがフランスと米英を天秤に掛けて「AUKUS」を選択したのと同じで、中国の軍事的な脅威に直面した時に提供される安全保障=軍事力の規模や覚悟の違いだ。
米国はAUKUSやQuadは中国の軍事的な脅威に対抗するための枠組みと見なしているが、モンテーニュ研究所の提案は「インド太平洋地域でフランスの政治的・外交的影響力を如何に維持して拡大させていくか」のみにアプローチが偏っているため「具体的に中国の軍事的脅威にどのように対応するのか」が抜けている。

出典:rhk111 / public domain
つまり米英がオーストラリアに原潜を与えると決断したのは「中国の軍事的な脅威に対抗するための具体的な措置」だが、モンテーニュ研究所は「フランスの政治的・外交的影響力を拡大させるために原潜を活用する」と言っているので本質にインド太平洋地域の国々が直面する「中国の脅威」を今だに理解できていないのだろう。
ただし「米中対立に引きずり込まれるのを嫌がるインドにとってEnlarged Quadは都合が良い」という部分は間違っていないので、本当にフランスがEnlarged Quadを提案すればインドは乗ってくるかもしれない。
関連記事:中国問題で欧州は当てにならない、カナダはオーストラリアの決断を参考にするべき
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo courtesy of the French navy
フランスとイギリスはいいけど親愛なる連邦共和国殿はぜひとも帰って頂きたいですね…
中国とズブズブな上にそもそも海洋国家ですらねーだろあいつら
まだイタリア・スペインあたりの方が海軍周りに関してはマシ
でもイタリアは中国とズブズブだし•••。
だから西欧諸国は距離が遠くて、感覚的に中国の脅威を理解出来ないんだから、邪魔しないでほしい。
それを言うなら、フランスだって中国とはズブズブだし……
管理人さんが指摘している通り、フランスの案は中国の軍事的な脅威に直面した時の対応策が無い以上、フランスは所謂「レッドチーム」入りする気満々なんでしょう(断言)
それを言うなら経済的には日本の方が中国とズブズブだし…
アメリカからすらお前本当に対中やる気ある?って言われてるレベルだぞ
そういうアメリカこそ中国と経済的にズブズブだろ
熱いズブズブ対決!
一番ズブズブなのは日本という現実
お後がよろしいようでw
台湾ですら、いったい何万人が大陸に住んでビジネスやってるかという現実
> 10年前の中国と現在の中国が何もかも異なる
いや、ここからして認識の相違がですね…中国は10年以上前からずっとこうだったよ
仕方ないじゃん。アジアはとりあえず日本叩いたほうが、楽だし儲かるんだから。中国なんて考慮する必要すらなかったんだから。
そうなんだけども、あの頃は鄧小平路線を順守していた胡錦濤政権だったので、中国が驚異と映らないようにアメとムチで上手くやっていた。
それに比べて習近平に変わってからは外国に対して『戦狼外交』とか称して雑に圧力かけるようになったので、中国への評価だだ下がりで、経済力で黙らせることも難しくなってきてる。親中派だったはずの米民主党や、あのターンブル前首相でさえ(有権者向けとはいえ)反中を唱えるぐらいだし
所詮、自分たちに利益が出せれば良い、といういつものムーブ。イギリスの上っ面だけ見て、先越されたのが余程気に入らないんだな。
でも、イギリスみたいに対中で思い切った動きが出来なくて、西側と中国の間でコウモリ外交するのが関の山、って気がするが。
中国の横暴が暴走しそうな局面でQuadとして対決姿勢を示すことで抑止しようとすると、英はともかく仏独政府は非協力的どころかそれを抑えようと動きそう。
政治的・外交的な影響力を一番に問題視するてことは、仏シンクタンクはインド太平洋地域における中国の覇権構想に深刻な危機感は感じていない。
ほんとそうだな。積極的になんかしろとは言わんから、邪魔をしないでくれと。
外征能力のあるフランスはともかくドイツはね・・・親中云々以前の問題かと。
EU、NATO、G20、G7と数が多過ぎる組織は意思統一が出来ない、出来たとしても玉虫色になって機能不全。その反省がQuadやAUKUSといった少数のインナー・サークルだから、Quadに3ヶ国も足すなんてありえないでしょ。管理人さんの言う通り、中国の脅威に対する認識が違い過ぎる。
戦力としては微妙だけどいい傾向だと思う。
日本の国民感情にも影響してくるんじゃないかな。国内では純粋に巨大マーケットとして中国を捉えることが多いけど、もはやそんな簡単な国ではないし、欧米•インド太平洋各国がそれぞれまとまり始めてるのを知れば日本も事の重大さに気づけると思う。
逆だよ逆。船頭の数を増やして包囲網を分断させる利敵行為になりかねないだろこれ。
それだったら既存のQUADにそのまま加入すればよいだけの話。イギリスが裏で手を引いていると思っているから、フランスが主導できる新しい構想作りたがっているようにしか見えん。
仏独が有事に本気で動いてくれるなら魅力的だけどそうじゃないならただの足手まといだわ
東アジアはアホの子の支那さんのおかげで武器商売が捗るから存在感は示したいよね!
先導多くし船山登る
欧州はアメリカと兵器売買で利害対立するし
案件毎に協調するとかする分にはともかく邪魔だから要らね
それにそもそもドイツは太平洋に植民地もって無いじゃん
船頭多くして、な。
現在の政略図は第二世界大戦の結果の構図。
当時のフランスはどっちが勝手も政権が成り立つ二股外交、レジスタンスとか、結果論であって連合国が負けていればただのテロ組織。本当に太平洋に存在感示す戦略なら、オーストラリアにボッタクリ商売してはいけなかったのでは。オーストラリアは元来イギリスの国、歴史は別において原子力潜水艦に手を差し伸べてくれなら、キャンセル料含めても美味しい話。フランスは今の地位はどさくさ紛れで基本外交音痴、芸術美食が売りかもだけど、他国をコントロールする力はない。地政学上、太平洋は日本、アメリカ、英(属国)で充分対応出来る。
フランス、オランダなどは昔の名残。
一つだけ指摘
日本ではアタック級がぼったくりだから原潜に変更したという認識が強いけど、オーストラリア自身がプログラムコストの問題じゃなく戦略的な要件が変更されためと繰り返し言及してるからコストが問題なんじゃないよ。
そもそもアタック級のプログラムコストが高騰した分は地元の産業界に落ちるんだから。
コスト度外視して通常型を買う国なんてないから
軍事だけで国家や政治が動いてるはずないだろ
そのコストが許容範囲なのかそうでないのかは国よって異なることを理解しないと駄目だよ。
潜水艦を設計して国内で建造できる日本とそうでない国の違いもあるし、防衛産業を痛み嫌う日本と一つの産業として認知して雇用対策として活用する国を同じ尺度で語っても答えは出ない。
日本だって海外輸入すれば安価に揃えられる装備品を国内の防衛産業維持や特殊な運用環境を理由にとんでもない価格で調達してるものがあるだろ?
それを事情を顧みず批判されたら頭にくるのと一緒さ
第二次世界大戦当時のフランスが二股外交ってどういうこと?
まさか、ヴィシー政府とドゴール派のこと?
それを二股外交とは言わないんじやない。
本文後半の管理人さんの指摘が正しいだろうね。
対中紛争のとき、米日台などからすれば、仏の干渉は攪乱要素になるかもしれないね。
仏は中国利権を護りたかろうから、むしろ紛争には参加せず、仲裁者となることで、
双方に恩を売ろうとするかもね。
対中戦略で豪、英に出遅れたからインドをダシにして主導権握りましょうって話?
フランスとドイツが参加すれば日本は喜ぶだろうっていう自惚れも入ってる
実際アメリカというリミットがなければ、北方領土をロシアに割譲、手打ちにして、フランスを出汁に日印露の強烈な中国包囲網を作る、という戦国時代並みの無茶苦茶な外交だってできるが。
AUKUSとかいうアンチ黄色人種同盟みたいなもん、わざわざ作ったんだから、日本だって好きにやらせてくれ、と思う。
「せいぜいアジアのために頑張ってくれたまえ」
もはやフランスはアジア太平洋域では期待されてないよ、こんなフランスばかりに都合の良い話を持ちかけて、参加してもアジア諸国は植民地扱いでいいように使われるのがみえみえ。
全力でお断りします
旧植民地のフランス語圏でマウントとってれば充分でしょ、助ける気もないのにこっちに向かないでね
インドは米中対立に引きずり込まれるのを嫌がってるのは正しいがだからと言ってフランスが主導するEnlarged Quadに喜んで乗るだろうか
中国と対立はしたくないがラダック等の領土問題で衝突が避けられなくなった場合の味方は欲しいというのがインドの本音だろう
そのため日中や中豪が尖閣や政治問題で紛争に発展してもインドは引きずり込まれないように立ち回るんじゃないかな
中印間の問題に利用できる場合はQuad等の枠組みを積極的に利用し他国の問題に巻き込まれそうな場合は程々に距離を置く
主導国がアメリカだろうと他の国だろうとそこは変わらないんじゃないかと
米中対立に巻き込まれたくないのは事実だが、本質的には中印は敵対関係にあるぞ。カシミールという火薬庫があるし、ヒマラヤ山脈の国境線に紛争がある。
そして自分たちの領域と言うべきインド洋に中国海軍が進出しているし、いずれ空母機動部隊が常駐して陸海から圧迫してくるのがわかりきっているから、他国の中国との紛争を傍観できるほどの余裕はないぞ。
だから、比較的対立事項が無い日本の提案に乗ったわけだし。
なぜインドは米中対立に巻き込まれたくないけど中国と米国以外の対立は傍観出来ないのか理由を教えてほしい
世界は大まかに、東と西と第3国に分かれている。
そして、第3国は自国の利益のために大国の支援を欲しているけど、民主主義と共産主義の宗教戦争には興味ない。
例えば、日本はロシアや中国、北朝鮮の脅威をはね除けるためにアメリカの支援はいるでしょ。
そして、朝鮮戦争や台湾有事など日本に延焼しかねない争いごとには首を突っ込んでいる。
だからといって、アメリカが十字軍を中東に送るから、日本もついてこいって言われても、お断りするのと同じ理由。
日中が尖閣で衝突した場合と米中が台湾で衝突した場合でそれぞれインドはどう動くと考えてる?
傍観する?しない?
印中が国境紛争で武力衝突した場合や米中が南シナ海で武力衝突した際に日本がどう動くかと同じだと思うよ。
対中国を目的にしたクアッドだと言っても特に日本とインドは自国に関わる部分の問題にしか手を出さんでしょ。
米国が原潜技術の共有化に踏み切ったオーストラリアは中国の経済政策にも屈折せず、新しい国防方針で有事の際の作戦範囲を中国沿岸部まで拡張することを示したから、米国としてはクアッドの中で1番頼りにしてんじゃないの?
で結局傍観するの?しないの?はっきり答えてよ
日中衝突、米中衝突ともに傍観する
→他国の中国との紛争を傍観できるほどの余裕がないは間違い
日中衝突、米中衝突ともに傍観せず
→米中対立に引きずり込まれるのを嫌がってるは間違い
日中衝突は傍観せず、米中衝突は傍観する
→尖閣、台湾ともにインドからの地理的距離はほぼ同じなのになぜ行動が違ってくるのか納得できる説明が必要
ごめん、本当に嫌味とかじゃないんだけど3つの設定がイマイチ理解できない。
日中衝突、米中衝突ともに傍観する
日中衝突、米中衝突ともに傍観せず
日中衝突は傍観せず、米中衝突は傍観する
どういうこと?
私の理解力が足りないせいで貴方が悪いんじゃないけど、もうちょっと優しくお願いします。
繰り返しになるけど…
日中が尖閣で衝突した場合と米中が台湾で衝突した場合でそれぞれインドはどう動くと考えてる?
傍観する?しない?
質問が曖昧過ぎてよくわからないもっと具体的にという話なら
日中、日米が尖閣や台湾をきっかけにそれぞれ武力衝突した場合や武力衝突に至らない程度にヒートアップした場合インドはどうする?
①ヒマラヤ方面で対中開戦、艦隊の東シナ海派遣、政治・経済・軍事的な対中圧力をかける、中国を強い口調で非難する、等の日(米)に肩入れする明確な行動をとる
→傍観せず
②中国と開戦しない、政治・経済・軍事的な対中圧力をかけない、日中(米中)双方に自制を促すのみ、等の日(米)に肩入れする明確な行動をとらない
→傍観する
枠が狭いので新たにコメントを下に書き込みます。
中国と国境問題で対立してるけど、南シナ海での米中対立には巻き込まれたくないというのが本音。
そもそも米国の航行の自由作戦についてインドは中国と同じ意見(軍事目的のEEZ航海の自由は認めない方針)なので南シナ海での米中対立には本気で巻き込まれたくないんだ。
あと日本メディアはクアッドにインドを参加させることに成功したのは日本の成果だみたいに言ってるけど、印メディアはそんなことを言ってないし、英字メディアでもインドのクアッド参加は日本の働きだなんて言ってないから日本メディアの言ってることを真に受けないほうがいい。
インドがクアッドに参加して歩み寄りを見せているのはオバマ政権時代に締結した国防技術・貿易イニシアティブ(DTTI)による防衛装備品の移転や技術協力が進展しているのが最大の理由らしいよ。
それって台湾問題や貿易摩擦、人権問題など南シナ海以外の米中対立ならインドは傍観しないってことか?
日本がインドと中国の国境争いに何もしないのと同じ。
威勢の良いことをいっても台湾有事になれば憲法の制約があって・・・といって後方支援や国内の基地使用程度しか動けない日本が「台湾問題や貿易摩擦、人権問題など南シナ海以外の米中対立ならインドは傍観しないってことか?」とインドに言える立ち場じやないでしょ?
貿易摩擦が何を指すのかは知らないけど、インドに「じゃ日本は中国との経済関係を断てるのか?」いわれたれたら言い返す言葉を持ち合わせてるの?
日本には日本の事情があるように、インドはインドの事情があることを理解しないと駄目だよ。
そんなもん、日本だってアメリカだって、それこそ当のインドだって中国との経済関係は断てないだろ。言い返す必要すらない。
インドの事情があるのは理解するが、協力できることは協力しなけりゃ双方ともに各個撃破されるだけだぞ。
もし本気でインドがそう考えてるなら、どんだけお花畑なんだと。
すでにスリランカ・モルディブ・ジブチと、インド洋の中国海軍拠点を着々と確保しているなかで、上にも書いたように中国海軍空母機動部隊がインド洋に派遣されるのは時間の問題。ただでさせえ陸で西と北(下手すりゃミャンマーも含めて東も)から圧迫されているなかでインド洋まで押さえられたら、それこそシャレにならん状態だろ。
そしたら、あとはインド洋への中国海軍の配備を遅らせ時間稼ぎするべく、”どれだけ中国の足を引っ張るか”、を考えるべきで、そしたら南シナ海の米中対立も日中間の領土問題も豪中の政治対立もコメント出すだけで中国の警戒を分散できるんだ。中国と対立する覚悟があるなら、こんなに簡単な嫌がらせ他にない。インドが中国と対立する気がなけりゃ、そもそもQUADを構成する必要がそもそも無い。DTTIだけで十分だろ。
あとQUADで日本は役割を果たしてないとか、英字記事が無いとか言っるようだが、そもそも元になったインド太平洋構想自体、日本の安部前首相が国連やG7とかでずっと主張し続けていたんだ。少なくとも中国の脅威をアメリカが現実の物と実感する前からだ。第三陣営の代表たるインドと西側を接続したQUADの結成自体、間違えなく日本の外交的成功だろ。
日本は憲法を理由に尖閣以外で血を流せないのに、他の国には強気だよね。
もし俺がインド人なら「インド洋や南シナ海で血を流す覚悟があるのか?」と言いたくなるよ。
上でも書いたけど日本の視点で最善と思う選択肢が他の国にとっても同じだなんて思ってる内は、複雑な国際関係なんて理解できないよ。
厳しいこと言うね、まぁその通りなんだけど
国際関係は複雑だろうが、利益になるなら使えるものは使う、というのが当然の態度だろ。それに東アジアが片付いたら次はインドの番、ていう単純な予測に複雑な国際関係を考慮する要素がどこにあるんだ?そうなる恐れがあるからQUAD構築にインドが応じたんじゃないか?
>もし俺がインド人なら「インド洋や南シナ海で血を流す覚悟があるのか?」と言いたくなるよ。
インドに尖閣に来いとは言ってないぞ。東アジアの有事の際にヒマラヤでインドが干渉するかもしれない、と思わせれば十分なんだ。無論日本はインド洋で血を流す覚悟がなければ石油を輸入できなくて干上がるがな。
>国際関係は複雑だろうが、利益になるなら使えるものは使う、というのが当然の態度だろ。
全く持って正論だが、応じるか応じないかは相手次第で、応じないからと言って「分かってない」みたいな論調じゃ歩み寄るための話し合いにもならないよ。
仮にインドの協力を取り付けるために日本は何を差し出せる?
血を流せるのかと言ったのは象徴的な意味合いだけど、仮にインドと中国が国境問題で揉めたら日本は中国からの輸入品に高い関税をかけるとか身を切るような物でも差し出さないとインドも動かんでしょ?
横からだけど日本のメディアというよりも日本人自体が「日本は凄かった」みたいな話が大好きだから、第三陣営の代表たるインドと西側を接続したQUADの結成は日本の外交成果の象徴みたいな報道が話を盛ってる可能性も否定できないよね。
海外の記事なんて読まないから本当のところは知らないけど、経済関係じゃなくて安全保障面の話は軍事力の裏付けのない外交力で何とかなると思えないんだけど・・・
軍事力の裏付けってあれだよ、他国の安全保障問題に介入できる軍事力のことだからね。
メディアの報道やら、日本が話を盛っているやらなんか知らんが、QUADの結成は日本の話題にほかの国が乗っかった、というのは事実だろ?それ以外に主導していた国はあったか?
それに他国の安全保障問題に介入できる軍事力がある国なんて五大国と核兵器持っている国以外にあるとでも?ふつうは隣の国との軍事問題に対処するので精一杯だろ。”軍事的裏付け”がなければ安全保障に関する話はしちゃいけないんだったら、もうあきらめて米中で日本を分け分けしてもらえば?
確かに真っ先に言い出したんだろけど、クアッドを支える存在かと言うと違うし、米国の軍事力あってのクアッドでしょ?
これを日本がーって言われてもしっくりこないんだよね。
あんまり日本がー日本がーと言うと記事で出てきたフランスとあんまり変わりがないような気がする。
日本人が思っている以上にアメリカの安全保障界隈では安倍首相の提言した「自由で開かれたインド太平洋」を評価してるみたいね。
豊かになれば中国も変わるだろうと言い続けていたが、違うとやっとわかったところにちょうど良かったという。
ただし、日本は自分だけ良ければ良いという一国平和主義に染まり、輸入で成り立っている社会なのに、他国のことまで考えられない。
外交消息筋によると、というのは、外務官僚の非公式発言という意味ですが、
軍事力の裏付けがない日本に国際的な影響力とか期待するなって言ってますよ
外交の現場ではかなり痛い目にあってるのが察せられる
その軍事力の裏付けがある国際的影響力を行使できる国っていくつあんだよ。五大国と核兵器持っている国以外でだ。
どの国だって自分の持ってる手札で、自分の国の利益を最大化するために戦うしかないし、実際どの国もそうしてんだよ。
アメリカがタフネゴシエーターと認めた通産省官僚が言うならわかるが、判断の甘さで数々のやらかしをしてきた外務省の人間が何言ってんだと。
原潜を餌になあ…
インド韓国は釣れてもそれが実効力の伴う同盟になるわけないよね
米韓同盟ですらガッタガタだというのに
インドはのらりくらりでおもちゃ買い増しするだけだし
そして日本は仮に原潜導入できるとしてもアメリカ様のモンキーモデル買うしかない(それとてフランス製より高性能)
インドはロシア主導で原潜の国産化を進めてるからフランスの入る必然性がない
では韓国がフランス主導の同盟に入ってどうするのかと
日米韓同盟の現状を見れば、答えは出る。
そもそも韓国が中国に対抗する同盟に、これ以上参加するはずがない。
こっちのことはいいのでドイツと一緒にロシアに睨み効かせといてくれませんかね
仏が伝統的にアングロサクソン国家の連帯から遠ざけられてきた根本の理由が、こういうお山の大将根性だって当のフランス人は自覚してないんだろうな。
フランス人がどう自認しているかは別として、仏は戦後一貫して欧州の防衛や西側の国際秩序の形成過程で米国の庇護下に入っている。それでも仏は自国が地域のリーダーシップを持っていると思いたい傾向が強くて、自国が主導権を行使できない同盟からは(それがNATOのような自国の安全保障に直結するものでも)平気で脱退するようなパフォーマンスを続けてきた。そんな国が今更欧州や西側や自由世界の代表として、中国問題のリーダーシップを握れると考えている事の方が問題だし、AUKUSなどの米国からの一連の梯子外しの原因があるように思うんだよね。英国以外の欧州の国々はみんなそうだけど、西太平洋情勢の緊迫感が全然伝わってないように思えてならない。
アメリカと中国は、軍事的にも経済的にも覇権を巡って
現在マウント合戦を繰り広げてるけど、実際問題として
直接ドンパチやり合う事なんか有るんかね?
北朝鮮、台湾、南シナ海、コロナ、ウイグル、経済制裁
あたりなんやろうけど、どれも切っ掛けとして弱いよね
おっ始めたらFalloutみたく核戦争まで行くかも・・・っていう意識が核保有国にはあるから、直接殴らずにあの手この手で相手を弱らせようとする。
経済面で圧力かけたり、ベトナムやアフガンみたく裏で支援して代理戦争を泥沼にしたりね。でもそれもやり過ぎると自分が足を取られるから、最近は相手国に居るシンパや売国奴にやらせるのがトレンドっぽい。
以下余談:
インドの件でグレた・トンベリが自爆ツイした時に出てきたToolkit(どこが作ったかは知らん)の内容通りにやるなら、人権にうるさい類の法治国家は強硬手段に出にくいから効果的だと思う。
その点、中露は少しでも反抗的な奴らはすぐに潰してるから、欧米は同じやり方で反撃しにくいだろうね
基本的にQuadの枠組で中国と軍事対決を行うことは現状想定されてない。
Quadは中国の軍事力を背景にした一方的現状変更政策と覇権主義を牽制し「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想実現を中核に据えた日米豪印による国際連携枠組です。中国との軍事対決を想定したAUKUSの枠組とは主旨が異なる。
インドは非同盟主義を掲げ全方位外交を展開しているため、外交の自主性を損なう恐れのあるQuadへの深入には慎重で消極的ですが、中国への秩序ある国際ルール遵守を促す上で重要なピースです。
アメリカが主導する航行の自由作戦は公海上における過度な主権主張等国際法違反行為に対する抗議牽制であり、Quadが中国との軍事対決を前提とするものではない所以です。
根本的に今直接的に戦争になったら、アメリカは勝ち目は無い、といっても過言じゃない。台湾の局地戦ですでに防衛できないといわれている以上、そこで明確に敗亡したら、武力以外に信頼が無いドルの覇権が崩れかねない。少なくとも国際決済における元の通用力が、ドルと同じく武力を背景に高まることは避けられない。
そうすればさらに自国の工業力基盤の成長にお金を投資できるから、いよいよ西側じゃ対抗できなくなる。
だから戦争が発生しないよう、QUADという嫌がらせ同盟を作ったわけで。
極東無視よりコミットしてくれることは有り難いが、現在のヨーロッパに役に立つだけの洋上戦力を常に展開できる程の能力あるのかね。
キモは経済で中国を叩くグループにつくかどうか? なのよね
(経済でまずは叩かずに、カネ持ってる状態の奴とケンカ=戦争するのは愚か者)
なので、現在は、アメリカが主導してる経済戦争にEUはどう参加するのかをまずは問われてる。 なんだけど、理解してるのかな?
そう言った意味ではドイツは全くダメ、フランスも及び腰って感じ
>アジアに直接な権益を持っていないEUのインド太平洋戦略
って、軍事と経済は不可分なのに、このフランスの研究所は軍事の事だけで何故に論評を展開してるんだろう?
日英同盟辞めて4か国条約にしましょう、みたいないつか見た記憶
どう考えても日本に賛同するメリットがなさそう
結局クアッドと言っても関ヶ原の西軍状態
フランスはインド太平洋で血を流す覚悟は有るのかな?
欧州の国家にとっては所詮は対岸の火事だと思う
中国のインド太平洋における覇権拡大政策に対する深刻な危機感を共有出来ないなら、そもそも拡大Quadをフランスが主導するなんて妄想レベルで、Quadの意義を弱体化することにしかならない。
Quadへの関与を是々非々の外部協力に留めれば歓迎も感謝もされようが、仏シンクタンクは日印両国を米主導のQuadから仏主導の拡大Quadに取り込もうと露骨に提案している。
潜水艦ビジネス失敗の米英豪への腹いせだろ
どうせなら大好きなレッドチームに入れば?
気が合うんじゃないw
太平洋地域でフランス主導のフネなんぞ誰が乗るんだよ…
有事になったらまた真っ先に脱落するんだろ?
イギリスから取り残されまいと必死なのさ
オーストラリア潜水艦の件では被害者ぶってるが、どっちが被害者だよ(笑)
みんなフランスのやり方をよっく見たからね、誰も信用なんてしない
協力関係にあったチェコがドイツに呑み込まれるのを座視し、同盟国のポーランドが敗北しつつあっても兵を出さなかった過去をみんな忘れませんよ
フランスは独自の価値観に基づき、ときに他の大国と対立することも恐れないので
東アジアで危機が起こった際には堂々と中国に融和政策を取りそうですね…
ほぼ記事に言及があるので大したコメントも無いですが。
仏は対中戦略では英に先を越されてしまっているという大前提があって、埋没しないように別のグループ作って頭になるぞ、が動機でしょう。没落する大国の焦りと言うか。
仏は今回の豪潜水艦の激オコで、対中融和をカードにしかねない動きを見せました。
仏には中国の脅威を真に理解していない危うさを感じます。
動機はどうあれ対中包囲のリーダーシップを発揮する国が現れるのは、日本としては歓迎でしょうが、そのリスクはつきまとうと思います。
日本としては、仏へは常に中国の脅威をしつこく確認し合うような外交をしていかないといかんのかもしれません。
(日米英豪もまさにそれやってるわけですが)
フランスは表で言う言葉と裏の行動が違うからアジア圏でTPPの枠組みから軍事品までブロック化されて輸出が困難なると予想してるのでは。
なにせフランス主導でEUのブロック経済を導いてEU外製の商品や武器を排除してた当人なのだから。
死の商人が臆面もなく武器を売り込みたいってさ
とりあえず、画期的な原潜のニコイチを成功させて、造船技術の高さと兵器の設計の優秀さをあっぴーるしてください。
そうすれば自然とセールスにつながりますよ。
>日中、日米が尖閣や台湾をきっかけにそれぞれ武力衝突した場合や武力衝突に至らない程度にヒートアップした場合インドはどうする?
①日中が尖閣で武力衝突に至らない程度にヒートアップor武力衝突
②日米が台湾をきっかけに中国と武力衝突に至らない程度にヒートアップor武力衝突
という設定でインドがどう動くかの個人的な見解を述べると、武力衝突に至らない程度にヒートアップならインドは①と②の両方で「力による現状変更認めず」と言って終わるんじゃないかな。
①のケースで日中が武力衝突に発展した場合、インドが日本に肩入れするかだけど残念ながらNOだと思う。
インドは尖閣の現状を「力による変更は認めない」と言っているけど法的地位については「中立」の立場なので、中国が尖閣を占領しても日本の主権が侵されたという立場ではないので、せいぜい武力を用いて現状を変更したことを非難するのが関の山だよ。
これは日本も同じで、カシミール地方の国境に関するインドの法的地位について日本も「中立」の立場を維持しているから、尖閣有事で米国以外のクアッド加盟国が加勢に動くというのは法定根拠がないので不可能。
②のケースで日米と中国が武力衝突に発展した場合、インドが日米に肩入れするかだけど残念ながらNOだと思う。
そもそも台湾有事に日本が集団自衛権を発動して中国と戦えるのかが微妙だから、日米と中国が台湾を舞台に武力衝突に発展するという設定自体に無理がある。
じゃ台湾有事にインドが非難以外の行動をとる可能性があるかだが、仮に中国を牽制するためヒマラヤ方面で対中国を開戦するなんて空想の産物に過ぎないと思う。
もし台湾有事で米国が負けたら中国を牽制するため始めたヒマラヤ方面で対中国をどうやって終わらせる気なの?その責任もとれないのにインドがリスクを犯すわけがない。
早い話、中国とインドがカシミール地方の領有権を巡って本格的に戦いを始めたらインドが日本に「中国を牽制するため南シナ海の南沙諸島を攻撃してくれ」といってようなもんだよ?
とにかくクアッドは互いの主権が及ぶ範囲の相互防衛を約束した協定ではないから、過剰な期待は抱かない方が良いと個人的に思う。
フランスがルペン政権になったらどうなるのだろう。
反欧なのは確実だが、
ハンガリーのオルバンみたく親中親露になるのか
それともインド太平洋にコミットするのか。
親露なのはほぼ確実だけど、親中は無いんじゃない?少なくとも、イタリアギリシャの惨状を誰も知らないとは思えないし