欧州関連

ポーランドのドゥダ大統領、溺れた人間にようにウクライナは振る舞う

ポーランドのドゥダ大統領は「ウクライナの穀物輸出を巡る問題」について「あらゆるもにしがみつく溺れた人間のようにウクライナは振る舞っている。我々はウクライナを助けても、我々に危害が及ばないよう自衛する権利がある」と述べた。

参考:Zdecydowane słowa prezydenta: Ukraina zachowuje się jak tonący. Mamy prawo bronić się przed uczynieniem nam szkody
参考:Ukraine’s bumper grain exports rile allies in eastern EU
参考:Ukraine 2023 grain crop may rise 5% – 1st deputy agriculture minister
参考:Romanian farmers ask government to ban Ukrainian grain

この利害調整を丸く収めるためには欧州を経由せず遠方の市場にウクライナ産穀物を輸出するしかない

経済分野や農業分野はさっぱりなので「ウクライナの穀物輸出」が引き起こす問題を上手く説明するのは難しいが、ウクライナは世界有数の穀物輸出国でエジプトやパキスタンといった非欧州市場に小麦などを供給してきたものの、ロシア軍の侵攻で黒海経由の海上輸送がストップしてしまい、国連の仲介による黒海封鎖の解除は部分的な海上輸送力しか提供できなかったため、ウクライナ産穀物(小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種など)は国境を接するEU加盟国=ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアに流れ込むことになってしまった。

出典:pixabay

この5ヶ国は当初「欧州市場に流れ込んだウクライナ産穀物はシームレスに国際市場へ移行する」と予想していたが、安価なウクライナ産穀物は欧州市場の価格を猛烈に押し下げる結果をもたらし、これに怒った加盟国の生産者達は「ウクライナ産穀物のせいで経済的な被害を被った」と激しく抗議、そのため上記5ヶ国は独自にウクライナ産穀物の国境通過をブロックして問題になったものの、EUがウクライナ産小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種の輸入禁止を課したことで問題は沈静化する。

しかしロシアは穀物協定の延長を拒否、海上輸送の拠点=オデーサ港、チョルノモルスク港、イズマイル港を集中的に攻撃して甚大な被害が発生したため、ウクライナは貴重な外貨を稼ぐ穀物輸出がほぼ不可能になってしまい穀物輸出禁止の撤廃を要求、EUが禁止措置の解除を決定したためハンガリー、ポーランド、スロバキアが再び独自の輸入禁止措置を導入、ウクライナがWTOに提訴するという泥沼の対立に発展しまう。

出典:Andrzej Duda

この問題は国連総会が行われているニューヨークでも話題になっており、ポーランドのドゥダ大統領は「あらゆるもにしがみつく溺れた人間のようにウクライナは振る舞っている。我々はウクライナを助けても、我々に危害が及ばないよう自衛する権利がある。我々の利益を守れるのは我々だけで私は断固としてその利益を守る」と述べ、ウクライナメディアも「ドゥダ大統領が我々のことを“溺れる者は藁をも掴む”と例えた」と報じている。

ウクライナも2023年の穀物収穫量が予想を上回る豊作=約5,640万トン(前年比5%増/約2,300万トンが脱穀済み)で、細々と行われる海上輸送では到底捌ききれず、このままでは農民も国家も経済的ダメージを被るためゼレンスキー大統領も穀物輸出のルート確保に必死なのだが、穀物を欧州に輸出すれば支援に熱心だった国と対立するというジレンマに陥っており、この利害調整を丸く収めるためには欧州を経由せず遠方の市場にウクライナ産穀物を輸出するしかないのだ。

出典:pixabay

因みにウクライナ産穀物は現在、輸出量の60%以上がルーマニア経由で輸出されており、現地の農民が政府にハンガリー、ポーランド、スロバキアと同様の輸入禁止を導入するよう要請している。

追記:ブルガリアもヒマワリ種の輸入停止を発表する予定で、輸出量についてウクライナ側と合意(輸入上限の設定)できれば輸入を再開するらしい。

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※アイキャッチ画像の出典:Andrzej Duda

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コメント

    • 幽霊
    • 2023年 9月 20日

    あくまでウクライナは支援してもらっている立場ですからね
    あまり強気な事を言うと支援国が離れるのも仕方ない事でしょう
    支援している国の国民だって自国の経済に損害を与える国を、政府が支援する事を望まないでしょうし。

    41
      • 匿名
      • 2023年 9月 20日

      選挙を控えてるのでポーランドも引けないですからね。
      この辺は良い妥協点を探って欲しいですが、個人的にはウクライナが一歩引くべき場面かなと思います。
      アフリカとかに中国に送るのがいいのでしょうが、ロシアが邪魔しそうですが…

      16
        • asd
        • 2023年 9月 20日

        記事に書いてあるけどロシアのせいで遠方に輸出できなくなった結果が今の惨状

        22
          • 拓也さん
          • 2023年 9月 20日

          それはその通りなんだけどそれを言っても何も変わらないのがね…。 現実世界はある程度妥協しなければいけない残酷なもの。

          25
        • ケイ
        • 2023年 9月 20日

        送る手段が無いのが問題なんだと思います。海路を封鎖された以上、陸路で輸送するしかないですが、そのための金も人も車両もすぐに準備できないでしょう。

        2
    • 廉価
    • 2023年 9月 20日

    双方の言い分がわかるだけに難しい問題。
    でもウクライナはあくまで支援を受ける側という立場を忘れないようにしないと、ロシア怖いだろ?だったら要求するだけ支援しろ!で、なんでも通ると考えては欲しくない。
    ポーランドもそうだが、自国民から突き上げ喰らっても支援するほどお人好しじゃないし、無理を通せば選挙で負けて支援が止まる可能性もある。
    アメリカがいい例。

    31
      • うみ
      • 2023年 9月 21日

      対潜哨戒機とかを求めて、問題の根源は何なのかを改めて世界に周知するしかないね。
      民間の穀物輸送船なら国連軍を編成して護衛すればいい。
      ロシアも入れて。

    • 日比谷
    • 2023年 9月 20日

    ポーランドを非難できんな。
    ウクライナも少しは自制した方がいい。

    25
    • 市民の声
    • 2023年 9月 20日

    この問題が象徴するように西側のウクライナ支援は自分達の利益のためにウクライナを利用しているに過ぎないという事です、国際法だの人道だのと美辞麗句を並べ立てていても、所詮はウクライナを駒にロシアを弱体化させようとしているだけ。
    偽善者には要注意を

    20
      • 田中
      • 2023年 9月 20日

      いやそれは違うでしょ
      いくら非侵略国だからといってそこの農産物を格安で受け入れて自国の農業を破壊するなんて
      いつの時代でも受け入れる国はほぼないと思いますが
      それはそれこれはこれですよ

      66
      • たむごん
      • 2023年 9月 20日

      これは本質的で仰る通りと思います、国益の追求が外交の目的です。

      ヨーロッパ外交は、二枚舌で食えないですからね(誉め言葉)
      ロシアからの資源輸入、グダグダ言いながら、続けていましたし(ヨーロッパと言っても様々な国があります)

      日本も、30年で貧乏になったわけですから、外人にばら撒く余裕なくなっています。
      日本外交は、日本人の生活水準を上げるような国益追求を、もっとやって欲しいと考えています。

      21
        • タチコマァ
        • 2023年 9月 20日

        少なくともロシアの衰退は日本の国益だから問題ないな

        24
          • たむごん
          • 2023年 9月 20日

          仰る通りですが、絶妙な外交の繊細さが求められます。
          北朝鮮に戦略原子力潜水艦・弾頭の小型化技術・多弾頭化技術など、核関連の軍事技術を渡されると、報復核戦力を完成させることになるからです。

          西(北海道・日本海側)に目を向けず、東を見続けて、勝手に弱ってくれたら完全に国益ですね(冷酷な話ですが)

          8
      • panda
      • 2023年 9月 20日

      国家はその生存のために国益を追求する存在です
      国益追求の中でも国際法や人道と言ったルールが存在すると言う点を忘れてはいけませんが

      まあ今回の一方的な禁輸措置はEUのルールに反する気もしますが

      4
      • DDDDC
      • 2023年 9月 20日

      まさに市民の声氏のおっしゃる通り、
      世界大戦を回避し、大都市が廃墟になる事に抵抗し、人類の滅亡を拒絶し、そして隣人の幸福の守るという事は、所詮は人類の自己満足、人類のエゴにすぎない、
      そんなものは単なる美辞麗句であり偽善である事をよく理解されているようで大変喜ばしいものですね。
      人類の現代文明を守ることにも、命の尊厳を尊重することも、人間同士の共生も、全てそんなものは美辞麗句でありエゴであり偽善である、当然市民の声氏もそれに賛同してやまないものと思われますし、
      市民の声氏は、核の相互確証破壊というのも人類は利益のために物事を利用する存在に過ぎない事を象徴していることを理解しており、
      そんな偽善者の美辞麗句を破壊するものとして全世界核戦争にも当然大賛成なのであって、平和憲法などというものは論外も論外の狂気の沙汰、以ての他であるということを、
      よく理解しておられる賢明な主張者なのだと僭越ながらお察し上げる次第であります。
      貴方のような人類の自己満足的偽善を看破する賢人がいれば地球の未来は実に安泰で御座いますなあ。

      7
        • 牛丼チーズ
        • 2023年 9月 21日

        それ皮肉ですよね?

        3
      • タチコマァ
      • 2023年 9月 20日

      偽善者よりも遥かに邪悪なロシアさえいなければ万事解決なんだよなぁ

      17
        • 名無し
        • 2023年 9月 20日

        現実逃避ですね。

        13
    • たむごん
    • 2023年 9月 20日

    日本に住んでいると当たり前に感じてしまうのですが。
    海洋国家が、海の輸送力の偉大さ、自由に航行できる制度(公海)の恩恵を受けられる重要性を感じます。

    穀物輸出は、港の大型穀物エレベーター・コンベヤーが、極めて攻撃価値の高い目標になります(さらに三次元に大きいので、ほぼ守れません)
    大型ばら積み船を停泊させるためには、港の停泊地・航路に大規模な浚渫(海の底を掘る)を行う必要があるため、場所も分かりやすく極めて攻撃しやすい目標(航路も絞りやすい)です。

    外交カードになるのは、ロシアも予想外だったため、当初は放置してきたのではないでしょうか(穀物合意・軍需物資の攻撃優先も合理性はあります)
    海上輸送力(特に汎用品)は大きくて便利すぎるため、陸上からの解決手法は事実上ない(国家をまたぐと複雑になり過ぎる)と考えます…

    資源国を除いて、内陸国が経済発展しにくい理由ですね。

    27
      • 古銭
      • 2023年 9月 20日

      穀物協定はロシア側の要望が実現していればウ国産穀物の輸出を許してもいい程度のメリットはあったでしょうからね。実際にはウ国産穀物が輸出されただけで、ロシア側の要望は合意後に半ば放置されましたが。

      12
        • たむごん
        • 2023年 9月 20日

        仰る通りと思います。

        ウクライナ政府は、陸上ルートに合意できる、何らかの打算があったんですかね?
        『WTO提訴』、かなり厳しい強硬措置(ポーランドの顔を潰す)のように、記事に文字が並んだ時に感じてしまいます。

        3
    • 田中
    • 2023年 9月 20日

    おそらく検討されているのでしょうが
    ウクライナ産小麦の輸出の場を提供するだけで
    EU内でウクライナ産を流通させないという法的な枠組みを作るのってそんなに難しいんでしょうか?

    6
      • 古銭
      • 2023年 9月 20日

      まず輸送インフラの圧迫が深刻だという問題があります。東欧各国はウクライナ戦争の補給基地や難民回廊としての負担で輸送インフラの圧迫とドミノ現象が既に起きているため、状況の悪化は避けたいでしょう。

      次に輸入禁止が順守されるのかという問題。これは密輸入や非食用穀物が用途を偽って輸入されるケースが騒がれていたり、穀物問題の交渉においてウ国側が自国穀物の追跡と管理を提案しているのを見る限り、軽い問題とまでは言えなさそうです。

      最後に四つの自由を掲げるEUとしては、DCFTAを締結している上に、加盟国候補として大きく扱った国を長期に渡って排除することは好ましくないでしょう。そもそも西欧諸国はウ国産穀物が入ってきてもそこまで困らないので、東欧のインフラやウ国産穀物(の輸送コスト)に莫大な補助金を出すメリットが薄いですし。

      20
    • サウナマン
    • 2023年 9月 20日

    自己主張の仕方は文化的背景で違うからな。
    日本的にはウクライナは明らかに要求しすぎ。

    でも(結果的に周囲との軋轢が大きくなり)結果的に継戦能力にマイナスになろうが、裏目に出て自分の首を締めようが、ひたすらに激しく主張するという文化もあることは隣国を見ると理解できる。

    文化的なものだから他国が異なる感性から異論を持とうが、嫌気がさそうが、容易には変わらないのが難しいところ。

    まぁ何万人も自国民が殺され領土の2割弱が占領されている最中の国のトップにもう少し余裕を持てとかもっと周囲に配慮をしろとか求めるのもまた難しいところ。
    米国大統領選の行方もわからんし、相当なプレッシャーがゼレンシュキーにかかっていることは想像に難くない。

    50
      • たむごん
      • 2023年 9月 20日

      はっと気づかされる内容で、仰る通りと思います。

      日本の文化だと、援助した見返り・感謝を考える所ですが。
      外国の文化だと、交渉担当者が能力で難しい交渉を勝ち取った・交渉の成果という解釈もあります。

      チャーチルは『日本人は外交や交渉を知らない』と言ったという著作があります。
      日本人に、今もこれが続いているように、時折感じる事があります(文化なので否定する気はないです)

      12
      • タチコマァ
      • 2023年 9月 20日

      これ、ぶっちゃけ日本でみられるウクライナは遠慮しろ、配慮しろって言う論は大陸では的外れだと思います
      彼方では外交はネゴシエーターがバチバチ要求しあって妥協点を探るものですから、容易に一歩下がれば一歩前に出てくるだけです
      これまでの援助だって善意ではない事くらいウクライナも援助国も理解していて、互いにメリットがあるからこそ続けているんです

      24
    • 古銭
    • 2023年 9月 20日

    現在”穀物クラブ”扱いされている5カ国のうち、去年からウクライナ産農作物の輸入及び国内通過に前向きであったのはポーランド、正確に言えば与党PiSのみでした。
    ハンガリーやペトコフ政権崩壊後のブルガリアは反対姿勢でしたし、ルーマニアやスロバキアも良くて懸念止まり。ポーランドも国内農業界の反発を、民意という大義名分と、世界の穀物価格は上昇する(ので売り控えを推奨)などと自国の立地や輸送インフラ,世界の穀物生産量を考慮しない理論で押し切ったに過ぎません。

    幸いにもロシアとの穀物協定が纏まりましたが、様々な事情で黒海輸送からあぶれた分のウ国産穀物が東欧に流入しただけで(ルーマニアが把握している額だけで東欧全体で戦前の約7倍だそうです。違法輸入を抜きにしても量では更に多いでしょう)東欧の穀物市場と輸送インフラは大きな打撃を受けました。
    そもそも22年の世界穀物生産は十分であり、小麦に至っては過去最高を記録する程でしたが、東欧農家における穀物の卸値は22年冬の時点で戦前の2割から3割、酷いケースだと4割以上の低下となり、23年に入ってからは更に悪化しているのが現状です。
    当然各国の農業界(と輸送インフラの圧迫の影響を受けた人々)は強い反発を見せ、最初にウ国産穀物を政府レベルでブロックし始めたのは何故かポーランドでした。

    記事内にルーマニアの農業界が輸入禁止(延長)を求めているとありますが、これは既に実施されました。
    ルーマニアは国内に穀物が滞留することを嫌う一方、(主にEUの資金で)ドナウ川を軸とした輸送路を強化して利益を得たいという思惑もあるので、多少融和的に見える時があります。
    しかしウ国産穀物の問題は、黒海輸送が再開されない場合、今まで黒海を経由していた文字通り桁違いの穀物が東欧に流れ込み、事態を決定的に悪化させるという点でしょう。それに比べれば小さな問題ですが、既にウ国農家が費用対効果の高い作物、つまりルーマニアやブルガリアとの競合が激しいヒマワリの種などに鞍替えし始めていることも懸念事項です。

    最後に輸送コストについてですが、去年11月の時点でポーランドやドナウ川を経由した輸送コストは、同時期の黒海輸送と比べると(小麦の場合)4倍から5倍。今年に入って更に安定を見せた穀物価格を参考にした場合、売値の半分近くが輸送コストで消える可能性すらある数字です。
    上記のデータはどこまで信頼できるのか、ウ国内のどの地域の農家か言及されていなかったなど個人的に問題は感じていますが、一般的に陸路の輸送コストは海路より大幅に重いので極端な差は出ないと思っています。
    なにより黒海輸送分の穀物が欧州に流れ込み輸送インフラの破綻を引き起こした場合、これは遥かな過去の数字になってしまうでしょう。

    10
    • ななし
    • 2023年 9月 20日

    ウクライナが黒海経由で自由に輸出できるように、ロシアの黒海艦隊を殲滅すれば万事解決
    黒海は天気晴朗なれども波高し

    25
      • 戦略眼
      • 2023年 9月 20日

      艦隊だけでなく、航空機もね。

      7
    • panda
    • 2023年 9月 20日

    結局のところウクライナの穀物輸出インフラを攻撃対象にしているロシアが悪いと言う結論に至る

    37
      • 2023年 9月 20日

      卑怯で卑劣な行為ではあるが、戦争においては常套手段だな。

      しかしまあ、腹立たしいことだ。

      16
        • panda
        • 2023年 9月 20日

        常套手段にしてはいけないんですけどね・・・、明らかに国際法違反ですから
        まあロシアの侵略自体が違法なので言っても仕方ないですが・・・

        16
    • 鼻毛
    • 2023年 9月 20日

    小麦だけに藁ってか

    2
    • 名無し
    • 2023年 9月 20日

    穀物合意が破棄されたことで小麦の価格が上昇すると言われていましたが、ブルームバーグによると現在、ロシアは2年連続の豊作でウクライナに代わって大量の小麦を安価で輸出しており、小麦の市場価格をロシア侵攻後のピーク価格から半分まで押し下げているようです。
    今やロシアが世界の小麦価格の決定権を持っていると言われています。
    リンク
    ロシア以外の小麦輸出国(カナダ、オーストラリア、アルゼンチンなど)が軒並み不作続きであることも小麦市場におけるロシアの影響力を強めています。

    10
      • 2023年 9月 20日

      それはつまりロシア→北朝鮮の食糧ルートがありそうということになりますか

    • 戦略眼
    • 2023年 9月 20日

    運び出せずにダブった農産物を、東欧の市場に持ち込んだか。
    鉄道輸送も限界だし、ゴッダルト基底トンネルも事故で封鎖しているから、フランスの港へも抜けられないし、打つ手が無い。
    ホワイトベース投入か?

    2
      • 古銭
      • 2023年 9月 20日

      コロンブス級でも多く見積もって300t台が積載限界であるらしいことを考慮すると、輸送能力では本職に劣るとされるホワイトベースでは大した量は運べないのではないかと思います。各種法的懸念を抜きにしても、燃料費まで考慮するとかなり効率が悪い手段かと。

      3
        • 首都直下有事
        • 2023年 9月 20日

        アントノフならそのうちガルダ級作れるでしょう(どこに着陸できるか知りませんが)

        1
      • 古銭
      • 2023年 9月 20日

      コロンブス級の積載限界を一桁間違えてしまいました。申し訳ありません。とはいえ3000t級では海運には遠く及びませんね。

      結局はEUが東欧のインフラと農産物そのものに補助金を出せるかにかかっています。現在行っている関税も含む各種防衛措置の撤廃が行き過ぎており、EUの品質基準を回避出来ている状態は是正した方がいいでしょうけど。
      EU・ウクライナ間でDCFTA等を締結する際に、報道はウ露間の問題に矮小化する傾向があったのですが、当時から東欧との摩擦は大きかったのが改めて浮き彫りになった形ですね。

      1
    • 2023年 9月 20日

    ロシアの黒海艦隊を壊滅させるぐらいしか解決法はないか

    4
    • zeema4
    • 2023年 9月 20日

    黒海からロシア軍が港湾攻撃をしているのが一番の原因なのは忘れてはいけない…。
    ロシアさえ存在しなければこんな揉め事なんて起こらなかったのに…。

    5
    • 2023年 9月 20日

    日本に送れるならいっぱい送って欲しい
    小麦製品高いんじゃ

    2
      • 古銭
      • 2023年 9月 20日

      開戦後に保険も含めた輸送コストが上昇するにつれ、海上経由でのウクライナ穀物輸出先がアジアの割合が減って中東アフリカに回帰傾向にあったように、いかに海路であってもアジアまで運べば輸送コストは増加します。
      現在世界の各所で起きている物価問題は昨年高騰したコストの転嫁や、事態の再発を恐れた保険(加えて薄利多売がそもそも限界を迎えつつあったこと)、それらに納得し難い消費者の心理など複雑ですが、とりあえずウクライナ産をと言ってもむしろ高くなる可能性まであるかと。

      小麦関連の価格は製粉に何を使うか、その価格はどうかなどでも変動しますが、今回それは置いておきます。

      7
      • 名無し
      • 2023年 9月 20日

      >日本に送れるならいっぱい送って欲しい

      物凄い送料負担で、非常に高額な小麦となりますが、それで良ければ。。。

      マジレスすると、マジで輸送費の問題で、ウクライナ産小麦の価格競争力のある地域というのは、限られていたりします。アフリカとか。
      莫大な送料を負担してくれれば、他の地域でも売れるんでしょうけど。

      7
      • 首都直下有事
      • 2023年 9月 20日

      ウクライナの輸出先は2021実績でエジプト、インドネシア、パキスタン、モロッコ、バングラデシュ、イエメン、サウジ、チュニジア、レバノン、タイ、リビア、フィリピン、イスラエルといった順です。自給率・ウクライナ依存度・GDP/人の3点セットで本当に死にそうなのはイエメン、チュニジア、ジブチくらいですね。

      サブサハラの小麦輸入は2015-2019実績でロシアが30%超のシェアを有しておりウクライナはシェア5%付近の5番手グループです(他にトルコ等の製粉国経由が少々)。またサブサハラ全体で見れば消費量は米が小麦をやや上回っており、かつ米の生産は順調に伸びています(今後の気候変動次第ですが)。

      とはいえタイ、ベトナムあたりは既に米の生産量下がってたりもするので日本は黙って増反しましょう。

      4
        • 古銭
        • 2023年 9月 20日

        米に関しては他穀物の飼料用消費が伸び続けていることと、去年夏までの穀物(を含む各種)価格高騰が合わさることで、食用だけでなく飼料用途としての砕米消費も急激に伸びつつあるのが心配ですね。
        かねてより言われていたように、インドが食糧の輸入国家になる日も遠くはないでしょうし、米戦争は遠い未来ではありません。

        1
      • Bak.
      • 2023年 9月 21日

      ダブついてるなら期待したくはなるよね、ウクライナ産でなく東欧産でも良いが、結局輸送コスト(含原油価格上昇)なのだろうけど…

    • たむごん
    • 2023年 9月 20日

    勉強になります、そういう視点があったのですか…。

    ポーランド(+ドイツ)、WWⅡ後に国境を西にずらされた結果、東部からの大量の難民が発生していますよね。
    ポーランドは東部の領土を、ウクライナ・ベラルーシに編入されています。

    ポーランドに限って言えば、ウクライナの強気戦略、その背景ならば悪手に感じてしまいます…。

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    • baru
    • 2023年 9月 20日

    西欧諸国籍の貨物船がウクライナに出向き輸出すれば解決するのでは?と思ったが、港湾施設側の問題なのか…

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      • L
      • 2023年 9月 20日

      仮に港湾設備が一夜にして治ったとしても攻撃されうるリスクのせいで保険がバカ高くなるから自国で輸出できないなら意味ないよ

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    • nachteule
    • 2023年 9月 20日

     対ロの姿勢に関しては何とも言えないだろう、被害者にはなるが汚職とか酷くて海軍のロシアへの寝返りとか西側が何としても救いたいような国家であったかと言えば疑問がある。
     力による現状変更を許さないと言う至極シンプルな理由だけで動けたなら結果は違っていたかもしれんが。

     ブダペスト合意なんて、どれくらいの法的拘束力があるのか疑問な約束事でしか無い。また放棄しなければ大量破壊兵器の濡れ衣着せられたイラクと同じ運命を辿っても不思議じゃなかったほどの外圧もあった。
     核だってウクライナが自らの意思で使用出来る環境下にあったかも疑問でベラルーシと同じ物があっただけの可能性すらある。そうでなければ大国の圧力に只々屈するような惨めな状況は無いとは思う。
     それに大国を躊躇させられるだけの核戦力を維持出来たのかもあって、そこら辺は北朝鮮並みの事をする覚悟が無ければ無理だろうなとは思う。

     ぶっちゃけ国家運営してるんだし全てを他国のせいにするのも無理筋だと思う。自国をなんとしてでも守るなら外交含めて活発に動く必要があったし平時に国民の犠牲を強いらなかったからこそ、戦争で犠牲を強いているとも言える訳で。

     

     

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    • 匿名(JDAM博士)
    • 2023年 9月 21日

    これは完全に間違ってますね、肝心の海上輸送もウクライナ小麦はほとんど途上国に渡る事はなかった。
    高い値段をつける能力があるのは先進国なので、高い値段で購入する先進国にほとんどウクライナ産小麦が流れるのは当然の事。
    そしてこの市場も利害もポーランドや東欧国と被る訳です。
    最低海上輸送のソース位だして下さい、適当な事は書かないように。

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