ユーロファイター・タイフーンコンソーシアムは最近、ウェブマガジン「Eurofighter World」の中でタイフーンの「ビーストモード」に関する可能性を示して注目を集めている。
参考:Eurofighter Typhoonk Eurofighter World
CFTが欠ける現行のタイフーンをビーストモード化しても使い勝手が悪くなるだけかもしれない
Eurofighter Worldはユーロファイター・タイフーンコンソーシアムが定期的に発行しているウェブマガジンで、その最新号(1月号)に空対空ミサイル16発(ミーティア×14発とIRIS-T×2発)で武装したタイフーンのイメージCGが掲載されていたため「第4世代機のタイフーンにミサイルや爆弾を大量に運搬する役割を与えて第5世代機や第6世代機をサポートさせるビーストモード構想があるのではないか?」と海外メディアが報じている。
補足:ビーストモードとはステルスを優先する第5世代戦闘機がステルスを犠牲にして武器の搭載量を優先させる形態(ウェポンベイだけでなく主翼下のパイロンに兵器や増槽を携行するという意味で戦争が始まってから3日目の運用形態とも呼ばれている)を指して使用されることが多いのだが、ビーストモードはBomb Truckとも呼ばれるので重武装な第4世代機をビーストモードと表現しても意味は通じる。
現時点で承認されてるタイフーンの最もヘビーな空対空ミッションの構成は増槽×2本と空対空ミサイル8発(ミーティア×4発~6発とIRIS-T×2発~4発)なので、今回公開されたビーストモードのタイフーンは現行の構成よりも空対空ミサイルの携行量で優れていると言えるのだが、増槽の携行が2本から1本へと減るため作戦半径や滞空時間の観点から言えば空中給油の手間が増えるので一長一短だ。
2010年代に提案され実際に開発が進められたタイフーンのコンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)が完成していれば同機のビーストモードは非常に実用的だったかもしれないが、空力的に不安定だったのとコスト的な問題で開発が上手く行っておらず運用国もCFTに興味を示していないため仮にビーストモードが承認されても実際に採用する国が現れるのか微妙だ。しかし機体内部燃料タンクの拡張と増槽の大型化が含まれているタイフーンの能力維持プログラム「Long Term Evolution(検討段階)」が実行に移されれば状況に変化が生まれるかもしれない。
Don’t expect conformal fuel tanks to be coming to a Eurofighter near you any time soon. In answer to question as to why CFTs don’t feature on ECR version, official noted no real customer appetite. “There are more cost effective ways to increase range of a Eurofighter.” pic.twitter.com/g5dFT1uGsi
— Gareth Jennings (@GarethJennings3) November 12, 2019
ただタイフーンのアップグレードは開発しても運用国が採用しないという事例(推力偏向ノズルやタイフーンの空力改善キットなど)が多く、LTEが実現しても追加費用をかけてまで機体内部燃料タンクを拡張したり新規に開発された大型増槽を購入してビーストモード採用に踏切る国が現れるだろうか?
つまりタイフーンのビーストモード化はボーイングが発表したF-15EXがBomb Truck化することに触発された産物でしかなく、CFTが欠ける現行のタイフーンをビーストモード化しても使い勝手が悪くなるだけなので絵に描いた餅で終わる可能性が高いと管理人は思っている。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
なぜ人はアーセナルシップといい重武装兵器に惹かれるのか
ほら、重武装って眺めてるとわくわくしません?
そう、重武装とはロマンである!
……現実にはロマンを追い求める余裕なんてありませんが。
ミサイルの搭載数だけ見ると、エースコンバットに出てくる機体みたい。
F-15EXやJSIみたいにそっち方面に改良が進むのは当然か
しかしCFT付けるとイカのフォルムが崩れるから微妙なデザインになるな
イカはイカであり、多少変形しても変形したイカに過ぎない。
要は私は食べる以外にイカを好きとか嫌いとか考えない。食えないイカはただのイカだ。
イカしてないですねw
模型メーカーが喜ぶだけだね・・・
重武装の模型はカッコ良いんですよね。
作っていてワクワクするのよ。
小学生の時、友達とF-4ファントムの模型を作ったのですが、友達は米軍のF-4E仕様(箱絵はベトナム迷彩)、私は航空自衛隊のF-4EJ仕様。同じ形なのに私のには爆弾が入ってなくてガックリしたのを覚えています。
第4世代のビーストモードは大きな的になるだけ。日本もF15とF2は出来るだけ早く廃止して第5世代のF35とF3のみの運用に改めた方が良い。
それを急ごうとするとF-35の比率を上げるしかないんだよね。
せめてF-2があと40機あればなぁ…
F15の予算も三年連続付かない事を見るとその可能性を国は模索中してるのでは?
と期待してしまいます。
そら唸るほど金があればみんなそれを選択するよ。
金がないから既存の機体をより有効活用する訳で。
第4世代機にビーストモードも無いと思うんですが。
そもそもが機外に兵装を懸吊している時点でビーストモード。
ビーストモードはBomb Truckとも呼ばれる重武装って書いてるだろ
タイフーンが終わってるからこそこういうネタが出る。
ヤンキーさんがボロい中古車だからこそバリバリに改造するのと同じ理屈さ
そもそもミサイルが16発も必要な状況が発生するかなぁ?
無人機の存在で戦場に投入される戦闘機が増えるのが予想されるし、現在研究されてるレーザーがより発展したら、命中前に迎撃されてミサイルの脅威が薄まるから、ステルスのない4.5世代はミサイルを持たせるだけ持たせとけってのも分からなくない、まあゲリラとか相手だと明らかに過剰ではあるけど。
狙ったら必ず当たるってわけじゃないから母機のF-35を確実に守るためにもたくさん持っておいた方がいいんじゃない?
シューターに徹すれば、あるいは先制の第1撃を想定すれば16発でも足りないのでは? 相手が1個飛行隊ならシューターは1小隊2機は欲しいところ、過剰じゃないでしょ。
生き延びるためには、確実を期すなら相手1機に2発は必須だしね!
センサとミサイルキャリアの分離化を進めていくなら、F-15EXもタイフーンもまあいいと思うんですよ。
ただ、お値段がね・・・
開発国ですらアップグレードの採用が殆ど無いですからね・・・
現状のユーロファイターって、見事な共同開発の失敗例の誇示になっていますよね……
同期のラファールは近年一気にツキが回ってきていますから、物凄く鮮やかな対比になってますし
ホント、間違ってF-Xで導入する羽目に成らなくて良かったなと
それなんだよなぁ。
旧型機のアップグレードは無理に一線級の性能を目指すより
程々の性能でコストを下げる方向でやって欲しい。
それじゃ訴求力に欠けるんだよなぁ…
ミーティアは左右にダクトが出っ張っている分、微妙に前後にズラして2発搭載する形になるのか
AMRAAMだと、基本普通に横並びに2発搭載する例がほとんどだけれども(F-35のサイドキック位か? 前後にズラす例は)
最後の段落のオチが秀逸。
そんなに大量にお高いミサイルをストックできる軍隊は多くはないだろうに。
マッコイ爺さんから100ドルサイドワインダーでも買うのかい。
ミサイル16発ぶら下げたら20億円くらい行きそう。
というか基地のミサイルのストックが2~3機でなくなりそう。
それを全弾発射あるいは撃墜されてしまえば笑い話にもならない。
ミーティアを2億で計算しても48億か・・・IRIS-Tを1億として約50億飛ぶね。
?解説お願いします。
2×14+1×2=30ではなく?
タイフーンのビーストモードよりも先に
ドイツ軍のニートモードを何とかして欲しいです
素朴な質問。
空中給油を受けた場合、増槽にも貯油できるの?
普通に配管通っているから逆流対策の弁が悪さしない限りは給油出来るんでない?
増槽分を先に使うと思うから、空中給油受けるときは増槽の空きの方がデカイはずなんで、できないと意味なくね?
ビーストモードと言う響きには惹かれますが、たしかに費用対効果に優れているとは思えませんね
記憶が確かなら実戦配備されたころからこの手の話は出ていたはずだが…。
スウィングロールというのもこの手の話の延長線上になるはずなんだが。
タイフーンは中距離ミサイル4発を胴体に少し埋め込み式に直接装着するのが翼下パイロンを塞がずおトク感がありますね。
F-16XLも同じような配置で嬉しかったのですがぬか喜びでした。
F/A-18の登場時、胴体には2発だったのが何か物足りなく感じました。
F-3早よ作ってF-2はみんな無人機化してビーストモードでも何でもやりたい放題したらええねん
ミサイルキャリアとしては、搭載量的に単発機はあまり向かない気もしますけどね…