ウクライナにロシアが侵攻した場合に発動する制裁内容の決定はこれからでEU関係者は「今後1週間~2週間ほど米国とEUの協議は荒れた状況が続くだろう」と見ている。
参考:Blinken to join EU foreign ministers teleconference as Ukraine tensions rise
参考:Германия сняла с рассмотрения вопрос об отключении России от SWIFT
参考:Lukashenko promises to send “whole contingent of Belarusian army” to border with Ukraine
SWIFTからのロシア排除で先に音を上げるのはロシアではなく欧州の方か
バイデン大統領はロシアに対して「ウクライナに侵攻すれば大きな痛みをもたらす」と圧力を加えてきたが米国単独での制裁では意味がなく、具体的な制裁内容を欧州とすり合わせる作業はこれからでEU関係者は「今後1週間~2週間ほど米国とEUの協議は荒れた状況が続くだろう」と見ているが、米国が制裁の切り札として主張していた「SWIFT(銀行間決済システム)からのロシア系銀行排除」はドイツを含む反対国にあい交渉のテーブルから排除されているらしい。
ドイツのベアボック外相は「全ての決済からロシアを排除することが最大の効果を上げるとは限らない」と語っているが、これはSWIFT排除でロシアよりも欧州が被る被害の方が大きい=決済が停止してロシアからのエネルギー資源供給が絶たれると直ぐに代替エネルギーを確保するのが難しいという意味で、このような非現実的な方法で音を上げるのはロシアではなく欧州の方だと言いたいのだろう。
ただ何らかの方法でロシア系銀行にのみ制限を加える制裁案が協議されていると独メディアが報じており、欧米がSWIFTの次に期待してるノルド・ストリーム2に関する制裁についてもショルツ首相が「措置を講じる」と約束しているため全体的には良い方向に向かっているのかもしれない。
しかしロシアの国営メディアやロシア系資本の英字メディアも「SWIFT制裁をドイツが反対もしくは削除した」と特に強調して報じているため、EUや欧州の中で「ドイツはロシア寄りの立場」という印象を過度に煽って団結させないことを狙っているのかもしれないが、欧米の主要メディアもドイツのウクライナへの武器供与拒否やシェーンバッハ総監のクリミア発言を連日取り上げ「我々の結束を弱めているのはドイツだ」と報じているので独外交担当者は世論の猛烈なバッシングの中で戦っているはずだ。
因みにベラルーシのルカシェンコ大統領は24日、ロシア軍との軍事演習のため「全てのベラルーシ軍をウクライナとの国境沿いに連れていく」と発言しており、ベラルーシ軍に支援されたロシア軍がドニエプル川の西側にあたるベラルーシ国境を超えてキエフに侵攻してくればロシア軍の挟撃される可能性が高く、バルチック艦隊に所属するロプーチャ級揚陸艦5隻とイワン・ロゴフ級揚陸艦1隻も黒海に向かっているため状況は刻々と悪化している。
追記:米国は東欧のNATO加盟国に5,000人規模の地上軍、艦艇、航空戦力の派遣を検討していると報じられている。
関連記事:欧米メディア、北京五輪閉幕後にウクライナ侵攻が開始される可能性が高い
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
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国家レベルでの情報戦争がとっくに始まってます、よくある映画の騙しあいとは意味と規模が違うよ。
こちらも、与野党での見苦しい政権擁護や揚げ足な低次元な政争のためのメディア操作でなく、大局を見据える国運を左右するインテリジェンス構築が望まれる
>追記:米国は東欧のNATO加盟国に5,000人規模の地上軍、艦艇、航空戦力の派遣を検討していると報じられている。
バイデンが同盟国じゃないウクライナには応援しないって公言してる以上ロシアと対峙することはない戦力何でしょうけれど。
となると何のための派兵なんでしょうか。ロシアの驚異を感じる東欧NATO加盟国の不安を取り除くため?
第二戦線の構築では?
だよね。特に
>因みにベラルーシのルカシェンコ大統領は24日、ロシア軍との軍事演習のため「全てのベラルーシ軍をウクライナとの国境沿いに連れていく」
なんて言っている以上、バルト三国にまとまった兵力を送るのは、極めて有効な牽制になる
まあ今から派兵準備をするようでは、今日明日にでも始まるとか言われている戦争には全く間に合いませんがね
今回、戦争無しに終結すればロシア含めてすべての関係国のやったことは単なるパフォーマンスということに。
そのために数千億円が消えて、真冬の大地に何十万もの兵士が待ちぼうけを喰らうわけです
それでも本当に戦争するよりはましですねw
プーチンがソ連崩壊前の勢力図に戻せ(=東欧諸国も放棄しろ)と西側に要求してる以上、
ロシアのウクライナ侵攻はウクライナ占領で終了という文脈ではないから、
本当は最初のウクライナで決戦をして出鼻をくじかなければならないとは思うが、
米国NATOが現在、内部では本当はどこまで腹括ってるか当然外野の我々は分からん。
ただ、エスカレーションの段階としてまずは東欧のNATOの防備を固めて見せる事で西側が反応してる事を
ロシアにアピールする狙いとして動いてるとうのはあるやろうね。
ロシアが国土防衛のために、NATOに近づくな、緩衝国を作れ、旧ソ連エリアを返せだの、
まあ一見は正当な生存権確保の行動に見せかけはしてるが、
ではいったいどこの国が核の大国ロシアに領土絡みの戦争を仕掛ける勇気があるんだよ(笑)強いて言えばそんなことやれるのは中国だけだが、その中国はお友達だという矛盾
侵略される心配を本気で言ってるならばプーチンは被害妄想、それよりはロシア国民向けの愚かしいパフォーマンスにしか見えないけどな
ウクライナはモスクワに近いと言うならバルト三国もポーランドも同じ理論で取りに来るでしょうからね・・・。ドイツ国境までロシア側に戻るとイギリスも黙っちゃいないでしょう
東欧を中立地帯にしろはあくまで出来たらそうしたいで実際にできたらそうしたいで本気で言ってる訳ではないでしょ。NATOと直接国境を接しなければOKくらいが落とし所では?通常兵力で勝てないロシアの苦肉の策でしょ。ソ連時代なら逆にNATOを轢き殺せていたのに。
東欧諸国に対する一種の人質だと思いますね。彼らはウクライナの次は自分たちが見捨てられるのではないかと心配してるので。彼らを慰撫しNATOの分裂を糊塗する為でしょう。
なおここで妥協して時間を稼いでもドイツが進める代替えエネルギーは、風力発電等の自然エネルギーで安定的な供給も見込めず原発も停止するため、ロシアの激安ガスに更なる依存をする模様
ベラルーシに展開した戦力は牽制目的でそこから作戦発起するとは思ってなかったけど、ウクライナ周辺の10個軍のうち4個がベラルーシにいるとなると、割と本気でキエフをうかがう(制圧しないまでも)つもりなのかもしれん。
窮地に立ったドイツが自国への批判をそらすために日本を巻き込む(責任転嫁する)流れなのでは。
14年の侵攻の時も日本は対ロシア制裁に名目上協力していて、14年度は昨年度比で取引額半減になっているのですが長続きせず16年には元のベース+増加分込の金額に戻っています。なので確かに、制裁に熱心だったとは言えない結果ではあります。
個人的には、仮にそういう展開になったとしても日本には突っぱねてほしいですね。エネルギー政策は国家戦略の基本でありドイツが自分の失敗を頑として認めず方針転換にも応じていないのと同じで、外圧で易々覆ることがあって良いものではないと思います。実際の日本は米国務省や米大統領経由で要請されたらただちに手のひらを返してしまう国なので、米国がアジアにどこまでロシア対応をさせる意図があるかが焦点ですね…。
不謹慎な予想ですが、
もし、開戦となったら、第五次(?)ハリコフ攻防戦となるのかな。
ウクライナ軍に、昔のマンシュタイン元帥のような戦上手が居ると良いですね。